キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 47巻

*ネタバレあり*


 

前巻では、昌平君の練り上げた奇策により李牧を出し抜き、趙国王都圏方向へとうまく軍を進めることができた秦軍でしたが、

もともと無謀な策が故に今巻では早速壁にぶち当たります。

ここまでずっと謎めいた存在だった
王賁父・王翦の"六将級"並みの軍略に注目と期待が高まる47巻。

表紙を飾る端和様の見どころもたくさん!

信たちは今回完全にワキです。笑

それでは、あらすじから。


【あらすじ】
趙国の要地・鄴(ぎょう)の攻略に向けて、
まずは王都圏の国門的位置付けである"列尾(れつび)"を目指し、着実に行軍を続けていた秦軍。

金安(きんあん)より進路を変えてのち10日目、ついに先頭を行く王翦軍は、李牧ら趙軍よりも先に列尾へと到着する。

王翦は、楊端和の軍勢と飛信隊を指名し、列尾を落とすようにと命じる。
その結果、山の民の猛攻と飛信隊の弓隊の活躍により、秦軍は開戦半日にして列尾を陥落させることに成功。
列尾に入城した秦軍は、まずは城の全容を把握するため、王翦軍が主となってひと息つく間も無く隅々まで城の調査を始める。

楊端和や貂らも独自に城下をまわり、列尾城の特徴を把握しようと努めていた。
2人は、各々が気づいた城への違和感を報告するために王翦本陣を訪ねるが、
なんと王翦本陣は総大将不在の緊急事態に騒然としていた。

王翦は、側近の亜光(あこう)を介して
「全軍 列尾に3日待機」
との伝言を残し、忽然と姿を消していたのであるーーー。



一方、王都圏への帰還を急ぐ李牧ら趙軍のもとには、列尾陥落の急報が届いていた。

急報を受けて動揺するカイネや傅抵(ふてい)らに対し、李牧は、列尾城には自身が施した"策"が秘められていると説明する。

また一方で、予め李牧から列尾城における策の存在を聞かされていた公孫龍将軍は、列尾が秦に落とされたと知るや否や李牧の指示どおり軍を後退させており、あえて近隣にある"陽土(ようど)"へと陣を敷いていた。

李牧は、自ら施した策に王翦は必ず気づくと予測し、
その策に気づいた場合、秦軍は列尾の地から身動きが取れなくなるであろうと考えていた。


 

王翦が列尾から姿を消して2日が経った頃、
李牧の予想通りに列尾から動けず待機中の秦軍上層部らは集い、現状の把握と状況の整理をするために話し合いの場を設けていた。

蒙恬と王賁の見解では、
列尾城は意図的に守りづらい城壁の高さや乱れた動線になっており、秦に奪われた場合も後で奪い返しやすくするために李牧の策によってわざと弱く作られていると確信していた。

趙の王都圏は、
地理的に北は"山脈"と南は"大河"に囲まれている。
王都圏へ侵入するための国門である列尾を抜ければ本命の"鄴"まであと一歩であるものの、山脈と大河に挟まれた出入口となる列尾の城が塞がれれば、秦軍は八方塞がりになる地形となっているのである。

この地形を利用し、秦軍に容易に列尾城を落とさせて逆に内側へ誘い込み、その後で北部の山脈に伏せてある軍を南下させて再び列尾城を奪い返せば、
秦軍は唯一の出口を塞がれ、王都圏からの趙軍の攻撃により包囲殲滅されるーーー
というのが、李牧の描いた策の図式であった。

秦軍としては、本命の"鄴"を攻めるためには
この列尾城を"不落"として補給戦を確保し続けることが絶対条件となる作戦であった。

現状として、昌平君が練り上げたこの戦略は、李牧の防衛策によって根幹から打ち砕かれてしまったということになるのである。

この現状を踏まえた上で、蒙恬は秦軍の選択肢として、
"戦力に不安を抱きながらも列尾防衛のため兵力を残して王都圏へ突入する"
か、
"李牧が戻るリスクを抱えつつも日数をかけて列尾城の弱点を改修し、攻城戦に耐え得る城につくりかえる"
か、
"策が無に帰した今、全軍撤退する"
かしかないと判断。

王賁や貂らは、全軍撤退の選択肢を取らざるを得ないと考えるが、
桓騎は

"列尾を敢えて捨てて、全軍で王都圏へなだれ込み、兵糧が尽きる前に鄴を奪取する"

という選択肢を思いつかない若手達を嘲笑し、
今まさに王翦はその一手が取れるかどうかを確かめるために走っているのだと話すのだった。



その頃、王翦は本命である"鄴"の城の目前まで来ていた。

城を一見し、攻め落とすことが不可能な"完璧な城"だと判断した王翦は、
すぐさま周辺地図を確認し、王都圏全域にある城や小都市の数を調べ出す。

そして列尾へ戻った王翦は、"鄴"奪取のため王都圏への出陣号令をかける。

昌平君より授かった鄴攻略の策はここに潰え、
"李牧と王翦の知略戦"
が新たにここから始まったのである。



王翦は、進軍の第一手として、
楊端和の山の民軍5万を分離し、北東にある陽土に前線を張る公孫龍軍9万の動きを封じるためにぶつけた。

そして本軍15万は鄴へと進軍を速めたその時、
突然王翦は鄴への進路を大きく北へ変更する。

進軍の先には、小都市・吾多(ごた)があった。
王翦は即座に吾多城を落とし、民間人である住民を隣の城まで移動するように自らが直接働きかけた。

"民を傷つけた者は斬首"
との厳命を出し、食糧と城のみ取り上げ、
民間人に対し異例の対応を取った王翦の行動に対し、
その意図が全く汲み取れない信や蒙恬たち。


戸惑う信らの前に
「要領は覚えたか」
王翦が現れ、
秦軍はさらに"次の城"へと向かうーーー。

 


* * * * *

 

本命の地・鄴をめぐって予想がつかない展開になってきました!

あっさりと国門・列尾を落とし、さあここからと思ったところ、
なんとすでに李牧の先読み先回り策が施されていたとは、、、

王都圏の国門にあたる位置にある列尾城は、
万一他国に奪われたとしてもすぐ奪い返せるように意図的に"あえて弱く"作られていたり、

本命の鄴城に至っては、数年も前から李牧の指示により大がかりな改修をしていて、強固すぎる"完璧な城"に作り替えられていたようだし、

秦軍が先へと進もうとしていた矢先、
王翦がその先にある李牧がかけた罠にいち早く気づいて一時進軍ストップ!

出陣前に、昌平君が
「授けた鄴攻めの攻略は戦局の流れによっては捨てていい」
と言って王翦へ鄴攻めの全権をゆだねておりましたが、
まさかこんなに早くその策を捨てる時が来ようとは、、、!


まずは順を追って47巻を振り返っていきたいと思います。


桓騎軍に趙軍の足止め役を任せて列尾へと急ぐ秦軍でしたが、
かつての古巣を遠くから見つめる那貴のまなざしと、そんな那貴に「いくぞ」と声をかける楚水のハートウォーミングなやりとりに、
ちょっとほっこりさせられます。

そして前半の見せ場の主役は、楊端和率いる山の民軍!

蕞(さい)戦の功績や、魏の衍氏(えんし)城攻略等の実績から、山の民の武力は認められていたものの、
平地の言語をほとんど話せる者がいない上、知略が必要な攻城戦にあたり、本当に大丈夫なのかとまわりはドキドキしておりましたが、

端和様の檄により、奮い立つ山民族と
デビュー戦の弓矢兄弟(主に兄)の活躍で、端和様の予告通りに列尾城を半日でゲットしてしまいました。

ところで、公式パラメータのデータで
[指揮力=99、知力=96]の端和様がこんなにも正攻法というか、
「いつも敵を真正面からねじ伏せる」
戦い方をする(バジオウ談)、というのが個人的にはめっちゃ意外でした。

無策に見える端和様に、信ですら
「やっぱ無計画なんじゃねェかよ 楊端和は
きれいな顔にだまされて実は頭悪・・・」
とかつぶやく始末!笑
背後から名前を呼ばれてめちゃくちゃビックリしてたのがかなりウケました。

そんな端和様でしたが、
守城戦で最も重要な敵の"士気"の高さを上回る"檄"で対抗し、謎の言語による5万人の雄叫びにより、"死王"の貫禄で敵国を圧倒!
第1陣には超絶スピード集団・飛馬族を投入。
彼らは敵国が放つ矢を速さでかいくぐり、正門へ到達します。

がしかし、正門は間一髪下ろされてしまったので、数ヶ所から梯子をかけて城壁越えの手筈をととのえたら、
端和様目利きの攻め所箇所にバジオウ&弓隊を投入!

ここでついに公式戦デビューした弓矢兄弟の仁と淡でしたが、
弟の淡は戦争での命のやり取りに気圧されてしまい、兄の仁がひとり奮闘します。

「覚悟は今決めればいい」

とお兄ちゃん、意外と立ち直りが早く、手の震えもそのままに10連射を命中させ、その援護の効果でバジオウが城壁の上へ到着!

端和様から前もって聞いていた情報のとおり城門の開閉装置を探し出した山民族は、
即座に城門を解放し、飛信隊もなだれこみました。

「うちは大体 こんな感じだ」
とサラリと言ってのけても、やっぱり端和様はしっかり計算してる!

そしてここで飛信隊の出番。
信の"王騎の矛"、ついにお披露目です!!

ザックザクと敵の首が飛び、
初陣にテンパる干斗たちにとってなんとも頼もしい隊長の姿でしたが、

羌瘣 に
「あれのどこが使いこなせてる」
と冷静に突っ込まれながら、
信は矛の重さのせいでめちゃめちゃ振り遅れており、ゴスゴスと鎧に敵の刃刺さっとるー!!!

「このクソ矛 重すぎだろ!!」
と信もキレる始末!笑

しかしあんなにザクザク刺されて血もドクドク流してるのに(しかもけっこうな至近距離で)、信、不死身ですな。

そんな感じでもちゃっちゃと列尾を落として
その日のうちに城内になだれ込んだ秦軍でしたが、

万一に備えて李牧が城をわざと攻略しやすくしてあることに気づいた王翦は、
ソッコーで列尾を出て、本命の地・鄴へと向かいました。

昌平君が立てた攻略図は、列尾ありきの鄴攻め。
李牧の防衛策により、列尾より先に進めば李牧が準備した趙の別働隊が列尾を奪い返しに来ることによって秦は出入口を塞がれてしまうことになります。
北は山で、南は河川。西の退路を断たれては20万人の軍が全滅の危機。
李牧はあえて秦軍を内側へ誘い込みやすくするために列尾に仕掛けをしていたということで。

こうなっては、列尾を補給地として鄴攻めを考えていた昌平君の作戦は無に帰すこととなり、
王翦はここからの立て直しができるかどうかを確かめに現地へと来たのでした。

ちなみに敵地のど真ん中にもかかわらず王翦が地図を広げて策を練り出すシーン、
王翦からなんか湯気みたいな知恵熱(?)出とるー!

側近・亜光(あこう)との

🔴王翦 : 「よいか?」

🔴亜光 : 「心ゆくまで」

という阿吽の呼吸会話、個人的にはツボでした。
蒙武&来輝の血管会話(※28巻参照)に匹敵する、濃ゆい師弟関係を感じずにはいられませんでしたよ。

そして結局王翦の出した結論は、退却ではなく進軍!

この決断には、蒙恬や貂たち秦軍メンバーだけでなく、
情報収集しながら見守る列国の首脳陣たちも、
読み間違いの自殺行為だと評しますが、

父・王翦の判断に冷静に従う王賁と、
蒙鷙将軍在りし頃の副将として共に努めていた桓騎だけは、

「俺の知る限り あの野郎は負ける戦は絶対に始めねェ」

王翦の読みに対し信を置いているようすでした。

王賁、列尾城攻めに抜擢された飛信隊を偵察に行ったり、少しは感情的になったりもしてますが、王翦の判断に対して今のところおとなしくしておりますね。色々気になっていることは間違いないでしょうけども。


ところで弓矢兄弟のお兄ちゃん、手元震えながらも意外とメンタル強かったですね!
第510話の貂とのシーン、なんか2人の顔の造形がそっくり過ぎて、並ぶとすごく不思議な絵面でした。笑

か細い(ように見える)お兄ちゃんが放った矢は、あの距離から一矢で敵を即死させることができる強力な戦力となり、
貂が第一武功だと褒める気持ちが分かります。
弟の淡も、体格が良いぶん矢の威力はお兄ちゃんよりすごそうなので、何とか今後頑張ってほしいところですね。

初めて人を撃ったことに対して戸惑いを必死に納めようとする仁でしたが、
貂は

「震えてこその飛信隊だよ
その優しさと弱さはこれから強くなれる証だ」

と諭します。
弱さがあるから、本当の強さを知れるんだ、
と言いながら、

「初陣で何も感じず喜喜として大勢を撃ち殺すような奴なら 飛信隊じゃなく桓騎の軍にでも入ればいい」

と、仁に何も恥じることはないと伝えました。

うんうん、と思いつつ、
隊長・信の初陣(@6巻)を思い起こすと、
ちょっといつもより体が重かったぐらいで
喜喜としてかはともかく、先陣を切って敵の首を飛ばしまくっていましたけどね!笑

改めて6巻を読み返すと、干斗ら新入りたちと、過去の尾平たちの初陣のようすが比較できてちょっと面白かったです。
初陣にして信はすでに別格扱いなので省きますが、
"伍"として戦う大切さがよく分かりますねー。

伍として戦うことを忘れ、ひとり飛び出していった魯平はあっと言うまに首を飛ばされてしまい(信じゃなければこうなります、、)、
助けに入った伍長も斬られてしまって伍がバラされてしまいますが、
崇原の援護で危機一髪!

目の前でさっきまで喋っていた仲間の首が飛ばされ、干斗たちもショックが大きかったでしょうね。。。


貂の言葉で、いろいろと自分なりに振り返ってみたのですが、ふと
"信の弱さ"
って何だろうな、と考えてみました。

貂は、飛信隊はみんな色んな壁にぶつかってそれを乗り越えて成長してきた、
自分も信もそう、
と話していて、それはもちろんそうだと思いました。

思い起こせば、

漂の死から始まり、
尾到の死、
師のような存在だった王騎の死、
乱銅斬りでの反省、
輪虎との死闘で背負ったもの、
長平遺児の万極と戦ったことで考えさせられた戦争の意味と出口について、
合従軍襲来で経験した絶体絶命の状況時の絶望、
桓騎軍と組んだ黒羊丘戦で見せ付けられた戦い方への疑問と反省、、

ざっくり考えても、信は色々な場面で試練を乗り越えてきましたが、
不思議なことに"信の弱さ"って今まで見当たらなかった気がします。

信が"弱い"と感じるシーンがびっくりするぐらい無かったように感じます。

唯一、合従軍編で蕞に到着した時、政の顔を見てホッとするあまり弱音を吐いていたシーンがありましたが、
この時はホントに弱ってただけで"弱さ"ともまたちがうし、、、

結論として、とにかく信はすごい!!
ブレない信念とまっすぐな意志により、自分の背中で仲間たちを率いている、
類まれなるスーパー主人公だと改めて感じた次第であります。

そして脇をかためるサブキャラたちが信にない部分を補っていて、それが飛信隊としての魅力を倍増させていて、、

・・・やはり、原先生は天才すぎるとしみじみ思わされました。

 

話を戻しますが、
さて王翦、鄴を目指さず周辺の小城をめぐってそこの住民に恩を着せ、城を乗っ取りつつ住民を隣の城に移させるという謎の行動を執りはじめました。

どうやらこの行動を他の城でも繰り返すもよう。

李牧が王都圏へと到着しそうな時に、あえて本命地の鄴へ向かわず、廻り道をして謎の指示を与える王翦!!

まだ誰も王翦の指示の意図が汲み取れませんが、
間違いなく城から出した"住民"がもたらす効果が重要になってくる策なのでしょう。
列国の誰もが
「秦に趙は落とせない」
と確信する圧倒的不利な地形条件の中、
王翦はどうやって王都圏を攻略しようとしているのか?

王翦の軍略の中身がめちゃくちゃ気になりつつ、48巻を待ちたいと思います。


‥‥今巻の記事アップが大幅に遅くなってしまったので、次巻発売まであと約2ヶ月ほどになりました。(苦笑。。
きっとあっという間!楽しみですねー!


【メモ】
⭕️田有、千人将になってた。
⭕️松左、百人将。
⭕️崇原、歩兵長
⭕️尾平、"最古参"什長。笑
⭕️オルド、趙攻め失敗。
司馬尚(しばしょう)に敗れる。

⭕️おまけマンガ 「傅抵の秘密とカイネの本気」
⭕️カバー裏 : 表紙側・楊端和の仮面
裏表紙側・傅抵

 

キングダム 46巻

*ネタバレあり*

 

 

 

久々に、表紙に信が単独登場の46巻。

なんと信が手に持つのは、満を持しての王騎の矛!

そして帯には
「秦の覇道を懸け 趙・李牧と決戦へ!!」
との煽りです。

あとがきの原先生のコメントによると、
"合従軍以来の大戦"
が始まるとのこと。

六国制覇の第一歩(斉除く)が李牧のいる趙ってところが、たまらなくアツイですね。
いよいよな感じに、めちゃくちゃワクワクします。

信たちも滾りまくりの46巻、
あらすじからまいりたいと思います。


【あらすじ】
来る大戦へ向け、選抜された1千人の新戦力が加わった飛信隊。

元"中華十弓"である蒼源を父に持つ 仁(じん)・淡(たん)兄弟をはじめ、身体能力に優れた兵たちが集まり、日々練兵に励んでいた。

一方咸陽では、蔡沢が遺した数々の置き土産を元手に、昌平君は本格的に中華進出への戦略を描きはじめていた。

また、政と斉王との会談に唯一人同席していた昌文君は、政の目指す中華統一後の世が
"法治国家"
であると知ったことにより、
秦国内で最も法に精通している人物である
李斯のもとを訪ねる。

「"法"とは何か」
という李斯からの問いかけに対し言葉を詰まらせる昌文君だったが、
李斯は
「"法"とは願い であり、
国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものである」
と答える。

統一後に全中華の人間にどうあって欲しいのか 、
またどう生きて欲しいのか、
どこに向かって欲しいのか。
それらをしっかりと思い描くことができれば、自ずと形が見えてくるはずだと李斯は助言する。

呂不韋政権失脚後、最も暗躍した人物として地下牢に幽閉されていた李斯であったが、統一後の世のために必要な法作りには李斯の力が絶対不可欠であると痛感した昌文君は、政の承諾を得て李斯を政陣営に迎え入れるのだった。

そして始皇11年。

軍総司令・昌平君から信・王賁・蒙恬に対し咸陽へと召集がかかる。

趙攻略の作戦を伝えるために信たちを呼び寄せた昌平君だったが、
その作戦は、王賁や蒙恬らまでもが耳を疑うほどの突飛すぎる内容であった。

元々は、前回の戦で勝ち取った趙西部・黒羊を拠点とし、趙攻略の勢力を広げていく算段であったのだが、
秦の侵攻に対し李牧が率先して陣頭指揮を執り、広範囲にわたって築城による防衛網を張り出したことで、昌平君の計画に歪みが生じてきたのである。

李牧の築城計画により、趙攻略には次々と生み出される城を突破し続けなければならず、それ故に約10年はかかるであろう長期戦を余儀なくされることになり、
このままいくと政が計画する"15年で6国を滅ぼす"という目標からはるか遠く、実現不可能となってしまう。

対秦の戦を長期戦に持ち込もうとする李牧の戦略を危惧した昌平君は、
趙西部の攻略を"囮"として定石の戦略と見せかけ、実際の本命としては
趙の王都・邯鄲の喉元にある
"鄴(ぎょう)"
を攻め落とすことで李牧を出し抜くことを提案。

王都に近い鄴を攻めるとなると、当然の如く趙から強固な包囲攻撃を受けることは必至であり、もし敗れれば秦軍全滅の可能性すらはらむ奇策中の奇策。

策としては下の下であり、定石から逸脱するこの戦略こそが、李牧の目を欺く唯一の方法であると昌平君は結論づけ、
その戦略上、信ら3隊が重要な役割を担うことになるためわざわざ咸陽まで呼び寄せたのだと話す。

飛信隊・玉鳳隊・楽華隊の3隊は、今回の大戦で想定していない事態が降りかかった場合、現場で瞬間瞬間の的確な判断をとることができる権限を与えられる。

政から、必ずこの戦で大功をあげて3人揃って将軍へと昇格するようにと直々に発破をかけられた信らは、覚悟を決めながらも士気を高めるのだった。

そしていよいよ出陣の日。

昌平君から作戦の公表と総大将の発表が行われる。

●全軍総大将:王翦将軍
●桓騎将軍
●楊端和将軍

大規模となる此度の戦では、およそ20万の軍が出陣することになり、これら3軍の大将率いる連合軍戦となること、
また、作戦に関しては本命の鄴攻めの内容は伏せられ、表向きとして趙西部の攻略であると公式に発表された。


出陣前、信は政に預けていた王騎の形見の矛を受け取る。
そして政へ勝報を届けると誓うのだった。



秦軍は、黒羊へと行軍をはじめた。
本命の鄴へ向かう真の作戦を知る者は、3軍の将軍と信・貂・王賁・蒙恬のみであり、
完全に情報漏れを防いでいた。

趙では、李牧が秦軍出陣の急報を受け、
"王都の守護神"と呼ばれる扈輒(こちょう)将軍の趙西部への出陣を要請する等、手筈を整え出す。

そして側近の舜水樹(しゅんすいじゅ)を最前線へ遣わせ、秦軍の"兵糧の量と流れ"を追うように指示し、見張りを強化していた。


一方秦軍は、表向きの目的地・黒羊と、本命の地・鄴への進路変更地点である"金安"を兵糧中継地とし、続々と兵糧を運搬していた。
そしてその兵糧の流れを確実に趙は把握していた。

しかし実際は、秦は金安にあらかじめ隠し地下施設を用意しており、そこで"偽装俵"を大量に生産していた。
そしてその偽俵を兵糧に見せかけ、黒羊に送り込んでいたのである。

秦軍の欺きは順調に進んでいたが、
秦軍へ送り込んでいた趙の間者が金安のみで複数人が消息不明になったという情報を得た舜水樹は、金安の地に疑念を抱きはじめる。

その頃、王翦と李牧のもとにそれぞれ同じ急報が届いていた。

対秦で西方に軍を固めていた趙の隙をつき、
燕のオルドが侵攻してきたのである。

秦軍の侵攻に備えて自ら西方の築城を進めていた李牧は、突然降りかかってきた東方の燕軍の侵攻に気を取られかけるが、
自らが"三大天"に推したという司馬尚(しばしょう)が出陣したと聞き、ひとまず気を落ち着かせる。

その落ちつきもつかの間、舜水樹が前線から戻らないことが気にかかった李牧は、
偽の兵糧運搬の仕掛けに気付いた舜水樹の報告から推測し、
此度の秦軍が目指す真の目的地が鄴であることに気づく。

李牧は即座に王都・邯鄲へと急報の鳥を飛ばし、ただちに邯鄲から軍を興して鄴の手前にある王都圏の入口・列尾(れつび)に送り込むよう趙王に献策するが、
王は邯鄲から精強な自軍を離れさせることを許さず、
鄴周辺の城から兵を集めるように指示。

李牧は、秦軍の到着より一刻でも早く王都圏へと戻るために、馬を走らせるーーー。

 

* * * * *

 

久しぶりにスケールの大きい戦が始まりました。後半のたたみかけるようなスピード感に、気持ちが高ぶります!

まずは大戦に向けて、飛信隊に新しい仲間が加わりました。

前巻で登場した新キャラ・弓矢兄弟の仁&淡と、なんだか崇原が買っているらしき干斗(かんと)とその仲間たちがめでたく選抜合格です。

弓矢兄弟は、500歩の位置から10射中10射を的に当て、特例合格。

厳しい体力テストを突破した干斗は、何故飛信隊に入りたいのかを聞く崇原に対し、

「元下僕から這い上がった隊長に その脇を固めるあんたらもほとんど平民の出
そんな部隊が活躍してて
憧れねェ奴はいねェだろが」

と答え、崇原を密かにしびれさせておりました。

いやはや、飛信隊も、若者たちに憧れられる存在になったんだなーと思うと、いろいろと感慨深いですね‥‥。

そして羌瘣 に至っては、同じ隊で働きたがる者続出な上、羌瘣 様ァ〜羌瘣 様ァ〜と崇められる存在に!笑

これからの戦で新メンバーたちがどんな活躍をしてくれるのかが楽しみですねー。
なんだか、信の初陣の時を思い出してしまいました。


そして本編。
昌文君が李斯を陣営に加え、中華統一に向けた法作りに本格的に触手しはじめたこと、
昌平君が中華統一への絵図に向けた奇策中の奇策を政へ進言したこと。
ここからめまぐるしい展開に!

ここで李斯のいう
「法とは、願いである」
という言葉の意味に、しばらく考えさせられました。

お恥ずかしながら、わたし自身もういい大人だというのに、"法"の意味についてなんてあまり深く考えたことがなかった、、、

改めて考えてみたら、それこそ昌文君みたいに、"悪いことをしたら罰が与えられる人間界でのルール"ぐらいにしか思っていませんでした。

そんな考えに対して李斯は
「刑罰とは手段であって法の正体ではない」
と断じます。

人々がどう生きて欲しいのか、どこに向かって欲しいのか、
そんな願いが込められたものが"法"。

どのような法をつくりだすのかによって、
その国の未来が変わるのですよね。
この先秦がどのような法を制定するのか、、
史実をググれば分かってしまうのでしょうが、そこは戦と同時進行で楽しみに待ちたいと思います。


さて戦のほうですが、
前回せっかく落とした黒羊は、李牧のガードが固すぎて、もはやこの地からの趙攻略は現時点で無理めなもよう。

昌平君や蒙毅が頭を抱えながらもなんとかひとつの策を絞り出したのですが、
その策はあの李牧を出し抜くためにひねり出した、非常にトリッキーかつリスキーな計画!

それは大胆にも、敵陣が待ち構える首都・邯鄲の目と鼻の先に位置する"鄴"を攻めるとの内容でした。

しくじれば敵地で四面楚歌、全滅の恐れすらあるギャンブル策です。

しかしながら、秦の体力を考えると、正攻法でチンタラやってる時間はありません。
政は昌平君のこの策に乗っかり、信たち若手3人衆に極秘作戦を共有させます。

昌平君が、小隊の頃から信たちに現場での的確な現場判断能力を培わせるために
"独立遊軍"の権限を与えていたとは、
これまた感慨深い!

呂氏四柱の時から信には目をつけていて、小隊どころか隊長にもなっていない時期から
羌瘣 ともども"駒"として手に入れておきたいと言ってましたもんね。
そういえば飛信隊は、王騎出陣時に百人将として初めて戦に出た時からすでに、どこの軍にも所属しない特殊部隊扱いでした。
同じく玉鳳・楽華も三百人隊の時から特殊部隊扱いでしたね。

3人の伸びしろを見込んで、何年もかけて成長を見守っていたとは‥‥
そして満を持してこの中華攻めという大戦で彼らを解き放つとは‥‥!

この3人での連動プレイは、対魏(廉頗)戦以来でしょうか?
今回も戦場でどのような化学反応を起こすのか、めちゃくちゃ楽しみです!

その上、総大将が王賁父・王翦ときましたね。
玉鳳隊の所属が王翦のところなのかどうかも気になりますねー。
飛信隊は楊端和軍に配属されておりましたが、
大戦が故に気を張りすぎている貂に対し、
クールに諌めてあげる端和様が超絶カッコよかった。

蕞(サイ)戦での大功績により、秦国での将軍の称号を与えられた端和様ですが、
今回は初めて秦軍として、そして連合軍の大将としての大役です。

振り返れば、山界だけでなく積極的に下界との交流を持ちたがっていた端和様の念願がここで改めて叶うわけであり、
それを考えるとほんとうにこれまた感慨深くて‥‥!

そして信は王騎の矛を!
はわわ‥‥!!

‥‥己の語彙力の無さが心底お恥ずかしいのですが、46巻はほんとうに
"満を持して"なシーンばかりすぎて
キングダム第2章感が改めて伝わり、
繰り返し"感慨深い"ったらないですわ。。。


話を戻します。
後半、燕のオルドが趙に攻め入ってきて、
李牧が秦の本命は鄴ということに気づき
一気にワチャワチャしますが、

最後に久々に登場した、変態趙王。
いっつも湯の中でお戯れです。笑
李牧の急報での指示を認めず、非常時にもかかわらず自分のいる邯鄲の守りを崩そうという気がさらさらありません。
美少年たちに足をしゃぶらせ(!!)、「おふ」っとご満悦のようす‥‥!!

李牧もアホな王の性格はお見通しで、用意していた代案を胡周じィやに提案させ、
李牧本人は趙西部から王都圏へと大急ぎで馬を走らせます。
目指すは王都圏の入り口"烈尾(れつび)"。
対する信たち秦軍も"烈尾"へ向かって直進中。

まずは桓騎軍をぶつける流れな対趙戦、
李牧と信たちが対峙するのはもうすぐなのか?!どうなのか?!


47巻へ続きます!

 

【メモ】
呂不韋、脱官の裁きを受ける。

太后、雍から咸陽へ戻される。

○六将・胡傷は、唯一軍師上がりの六将だったらしい。

○六将・胡傷は、昌平君の軍略の師であった。

○六将・胡傷は王翦のことを軍略の才だけで六将並みの逸材だと認めていたらしい。

王翦、出陣前に昌平君へひとつ頼みごとをする。

○壁、端和様登場に大喜び。

○黒桜さん、ファンがつく。

○タジフ、平地の言葉をちょっと覚える。

○燕は趙南の中都市・青歌(せいか)を狙う。
その地には、李牧が三大天に推した司馬尚(しばしょう)がいる。

○おまけマンガ「ふり分け」

○裏表紙表側イラスト:弓矢
裏表紙裏側:おまけマンガの続き

 

キングダム 45巻

*ネタバレあり* 


キングダム 45 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

キングダム 45 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

黒羊丘攻防戦にやっと決着がつきました。

41巻から続いた戦でしたが、意外と後半はサックリ終わり、
かと思えばいきなり政が中華統一への大きな一歩を踏み出すことになる45巻です。

巻末のおまけはある意味本編なみの濃度!
こんなの、、、本誌派の読者がかわいそうですよ?!

まずはあらすじからまとめたいと思います。

【あらすじ】
黒羊の集落に住む一般の住民を虐殺し、
死体を集めて作った巨像を見せつけ、
これ以上の惨劇を離眼城で起こすと紀彗を挑発する桓騎。

慶舎亡き後 趙軍の実質的総大将として指揮をとっていた紀彗は、
占拠した中央丘を手放して離眼城へと向かうべきか否か、決断を迫られる。

中央丘を手放すということは、即ち趙軍の敗北を意味するということであり、
戦の勝敗の全権は紀彗に委ねられるが、
紀彗は離眼城を見捨てることができず、
苦渋の決断の末 中央丘を金毛(きんもう)へ託して離眼城へと駆け付けるのだった。


残された金毛率いる慶舎軍は中央丘を懸命に護ろうとするも、
最終的にはゼノウ一家と飛信隊の前に敗れ去り、黒羊から全軍撤退を余儀なくされる。

つまりは紀彗軍が中央丘からの撤退を選択した時点で、
戦の勝敗は決したのである。

戦局4日目にして戦いの的を
"中央丘の奪取"
から
"紀彗の陥落"
へと切り替えて紀彗の弱点をえぐり取った
桓騎は、
結果的に黒羊戦を圧倒的勝利に導き、
その上まんまと丘を完成に近い状態まで趙軍に砦化させておいてから奪取したことで、後の砦化の手間を省いてみせた。

さらに丘取り合戦を止めたおかげで戦死者の数が開戦前の予想の半分以下におさまるという結果まで叩き出したのである。

桓騎は、昌平君でも李牧でも真似できないやり方で、秦軍完全勝利を手にしたのであった。




黒羊戦に決着がつき、昌平君の指令により趙国西部の攻略を始めた秦軍は、 
黒羊を拠点とし、一帯の砦化を進めていた。

飛信隊は、桓騎軍から那貴の隊が正式加入するという大きな収穫を得ていた。

持ち場を蒙恬ら楽華隊に引き継ぎ、
飛信隊は久しぶりの休暇を取ることになるが、
咸陽本営から突然にも
"趙軍との一時休戦"
との報が届き、信や蒙恬らは訝しむーーー。




その頃、咸陽では想定外の事件が起こっていた。  
なんと、蔡沢が斉国国王・王建王(おうけんおう)と趙国宰相・李牧を引き連れて来たのである。

まさに今、秦国最大の敵国である趙国の宰相が来朝することは勿論のこと、
斉国の国王本人を突然連れて来るなど前代未聞の大事件であった。 

咸陽は騒然となり、昌平君ら咸陽の首脳陣は蔡沢に詰め寄るが、
蔡沢は、己の最後の仕事として会談を引き受けて欲しい、と政へ申し出る。

蔡沢は、
"かつては中華における東西の大国であった斉と秦の大王が直接対話すること"
がどれ程の意味を持つかを説き、
李牧を別に待たせ、斉王と政との会談の場を設ける。

会談は、斉王と政、そして蔡沢の指名により昌文君が選ばれ、3名で行われることとなった。

斉王は、
「秦という国と王を感じに咸陽まで来た」
と切り出す。

政は、
4年前の合従軍の折に斉国が合従より離脱してくれたことにまず礼を述べる。

斉王は、
蔡沢から政の"中華統一"の志の話を聞いた際は、すぐに趙の李牧と組んで第二の合従軍を興し秦を滅ぼそうかと考えたと話し、
秦の中華統一の後の世は、見るに耐えぬ汚濁の世になると断じる。

政の言う
"人が人を殺さなくてすむ世界がくる"
という理想の世への考えは空論でしか無く、
中華統一の後 滅ぼされた六国の者たちの苦しみという重い現実が抜け落ちてしまっている、と指摘する。

そして、
六国征服の後、心身共に朽ち果てるであろう亡国の民たちをどう救済するつもりであるのか、
政の描く理想の世が空論ではないという根拠と答えを示し、
"滅ぼされる側"である自分を納得させてみろ、と訴える。

これに対し、政は
「答えはある」
と断言。

国を滅ぼす側の王として、
亡国の民たちに残るであろう
耐え難いほどの"屈辱感"、"喪失感"、"恐怖心"
などの感情を取り除くためには、

中華統一における戦争が
"征服戦争ではなく、新国建国の戦争だった"
ということを民たちに説き理解してもらう必要があり、
秦人は決して"支配者"とはならず、王自らが新しい国の形を伝えていこうと考えている、
と斉王に述べる。

しかし斉王は、政の考えを改めて
"空論"であると断じ、

支配なくして多種多様な文化・風習・信仰が複雑に分かれる中華の全人民を同じ方向へ向かせるなど実現不可能である、と反論する。

それに対し政は、
"支配するもの"
は必要であり、中華統一の成功は全中華の民を一手に"実効支配するもの"にかかっている、と斉王の意見を認め、

その上で
"支配するもの"は絶対に
"人"
であってはならない、
支配するものは
"法"
であるべきである、
と説く。

"法"に最大限の力を持たせ、
"法"に民を治めさせる、
"法"の下には皆等しく平等とするーーー

中華統一の後に出現する超大国は、
500年の争乱の末に"平和"と"平等"を手にする
なのである、と。

政が斉王の問いに対して用意していた答えは、
"統一後は、法治国家により上下なく並びとなりて
共に一丸となって自分達の新しい国の形成へとむかう"
という考えであった。

王侯すら"法"の下であり、もはやそれでは王国と呼べぬようになることなども一切は小事である、
と言い切った政に対し、

斉王は、
ひょっとしたら中華争乱における混沌の沼から脱する出口への光を見つけたのかもしれないと呟き、
実質上政の前で降伏を宣言。
全中華の舵取りを政に任せると明言した。


同時に蔡沢は、政が一滴の血も流さずして六国制覇のうちの一国を成し遂げた瞬間を見届け、
静かに息を引き取るのだった。



一方、本殿にて待たせていた李牧との謁見の場に向かった政は、
李牧に対して単刀直入に入国の意図を問いただす。

李牧は政に、中華統一の夢をあきらめてもらいたい、と上奏する。

李牧は、
中華統一の実現のために流れる血や大量の死
は紛れもなく悲劇でしかないのだと説き、
自らを"戦の根絶"を心から願う者として、
六国の王達を咸陽に集結させ
"七国同盟"
を結び、中華の恒久的平和を実現させるために他国との戦争を一切禁じるべきだ、
と訴える。

七国の王が盟を結び、
"万一禁を侵す国が出た場合は残りの六国がすみやかにその一国を滅ぼす"という縛りを設けておけば、
無益な血を流さずとも中華から戦は無くなるはずだ、と政に懇願する李牧に対し、
政は即座にその考えを否定する。

政は、一時の盟などでは邪な王や臣下が現れた場合に簡単に砕けてしまう、と訴える。
百年先に盟が守られている保証などどこにもなく、
そのような不完全なもので平和を成したとは言えないはずだと断言。

そして、
「秦は武力を以って趙を含む六国全てを攻め滅ぼし中華を統一する
血を恐れるならお前達は今すぐ発ち帰り
趙王に完全降伏を上奏するがいい」
と戦線布告。

李牧はそれを受け、
己が趙にいる限り秦将がまとめてかかってきたとしても自分の相手ではない、
この戦いで滅びるのは必ず秦である、
と咆哮し、趙へと戻っていった。


そして李牧の帰国後、
趙は軍事強化に向けて動き出し、
それを追うように秦も軍強化にむけて国庫を開き始めるのだった。




一方、黒羊戦で失った兵の補充のため、
飛信隊は新兵募集の選抜試験を行っていた。

そこで信たちは、
"元・中華十弓"の1人を父に持ち、弓の特殊技能を持つ兄弟と出逢うーーー。





*  *  *  *  *




黒羊丘戦、終わりました!

紀彗は離眼の民を選び、戦の敗北を選びましたが、
主を失い、決断を紀彗に委ねた慶舎軍の金毛さんにとっては、さぞかし無念な結末であったことでしょうね。。

離眼一城のために、趙の西部一帯が秦の侵略を受けることになるという責任の大きさと引き換えにしても、
紀彗はやっぱり離眼を見捨てることはできなかった。

今回の戦で趙が得たものは
"紀彗という隠れた名将の発見"と新キャラ・舜水樹(しゅんすいじゅ)と馬南慈(ばなんじ)が言っておりましたが、

今回のような決断を下したことに対する紀彗の将としての評価は、高くていいものなのかどうかは正直よく分かりません。
でも、そもそも慶舎が信に討たれた時点で紀彗の立て直しが無ければ
どのみち趙は負けていたと予測できますから、勝敗の全責任を紀彗に負わせるのも酷な話ですよね。

個人的には、紀彗が過去の悲劇を乗り越えて民と共に再建してきた離眼の城が血の海にならなくて済み、本当に良かったと思っています。。

そして、今回の黒羊戦は、翌年起こる超大戦の前哨戦だった‥‥
という衝撃の予告がありましたので、紀彗の再登場も近々またありそうです。


てか、合従軍以来の超大軍って何!?
そして李牧が見つけたらしき"桓騎の弱点"って何!?
今李牧めっちゃ怒ってますから、その超大戦はかなり内容濃そうな予感‥‥今からドキドキしますね。


そして桓騎ですが、
外道な村焼きが皮肉にもコスパ最高な結果につながっていたようで、
読者や飛信隊にとっては何とも後味の悪い完全勝利となりました。
けど、秦側の犠牲者が予想の半分以下というのは、どう考えても評価すべき功績ですよね。

信も羌瘣 も、桓騎の戦い方と戦果を見せつけられ、色々と思うところはあったようです。
信は、将として死傷者を大量に出してしまったこと、
羌瘣 は、劉冬に約束した言葉に結局責任が持てなかったこと、桓騎を軽く見ていたこと。
それらを含めてまだまだ将としての大きさは桓騎の足元にも及ばないと実感する2人なのでした。

何度も言ってますが、この2人の仲間としての同士の絆というか、互いに全幅の信頼を置いていることが分かる関係性が本当に好きです。

信は慶舎討ちの大金星が羌瘣 の同士討ちの罪で相殺されてしまったというのに、受け入れてるし(蒙恬に突っ込まれて変な顔にはなってますが。笑)、
羌瘣 は桓騎の戦い方を振り返り考えにふける信に対して
「信は信のやり方で天下の大将軍になればいい」ときっぱり言う。

かつての信の乱銅斬りの時もそうでしたが、
飛信隊は、隊員のベクトルが同じだからこそ隊長の想いや考えが響くし、その気持ちを共有できてるんですよね。

信念を曲げてまでして得たものの先に、
自分が欲しがる未来は無いのです。

(余談ですが、いつもの羌瘣 の"信殴り"が今回フリ付きでやり過ぎな感じがしました‥加えて今巻他の場面でも殴り場面多すぎな気が‥‥どうしたの羌瘣 ちゃん?)


そしてそして、予想通りと言いましょうか、そんな飛信隊に、那貴隊が正式加入しました!
「飛信隊で食う飯がうまい」
と話す那貴の表情はどことなく晴れやか。
那貴の実力のほどもまだ底知れぬ感じですし、
これからの飛信隊に期待が高まります!


後半は政と斉王との会談でしたが、
なんと、なんと、中華一国ゲットしちゃいましたー!!

合従軍戦の際にも斉とのGJ外交で秦を救った蔡沢老師でしたが、
今回はなんとヘビ王自らを咸陽まで引き連れて密談の場を設けることに成功。

そして斉王は、政の中華統一ビジョンに納得と期待をかけて実質的な"降伏宣言"をしちゃいました。

政の口から「法治国家」なるワードも出て、
さらに李牧との対峙場面では

🔴政 :「この戦で全中華を悲劇が覆うことなど百も承知だ!
だがそれをやる
綺麗事など言う気はない!
よく聞け李牧と趙の巨達よ

秦は武力を以って 趙を含む六国全てを
攻め滅ぼし 中華を統一する!!

血を恐れるならお前達は今すぐ発ち帰り
趙王に完全降伏を上奏するがいい!」

と宣戦布告!

政の、有無を言わせぬ強い口調と言葉に込められた意志に、その場にいた誰もが固まります。
昌文君ですらも。
政にとっても、全ての覚悟を背負う大きな大きな宣言だったのです。


一方、
斉王が秦の郷土料理を食しながら、
自慢の食材を嬉しそうに語る秦人の召使いに

「明日からこれら全てを趙の米・趙の肉・趙の野菜と言わねばならぬとしたら
そなたらはどう思う?」

と問う場面がありました。

この斉王からの問いかけに対し、

「許し難きことです」

と顔を歪めながら答える召使いを見ながら、
斉王は、政が進もうとしている先の未来が恐ろしく多難なものであることを改めて確認しつつ、
政に中華を託すのでした‥‥。

このシーンは少し胸が苦しくなりました
ね‥‥。

そして蔡沢老師、
「人の本質は光だ」巻(39巻)での記憶も新しく、
今回もやたらに感動して胸のあたりをぎゅっとしまくるなーと思っていましたが、
さすがに2回目あたりから ん?と思いはじめ、3回目にはさすがにわたしも異変を悟りました。今回は本当に心臓の異変だった!

そして蔡沢は、最後の大仕事を笑顔で締めくくり、
中華統一の世へ繋ぐ大きな一手を打ちこんで息を引き取るのでした。
とてもいい笑顔でした。(涙)


さらに一方李牧の方ですが、
もっともな意見と提案を上奏してきます。

「本当は政のような王に仕えたかった」
というのは李牧の本音なのでしょうね。
以前も自国の趙王については諦めているような発言がありましたし。
お気に入りの側女ならぬ側男のために李牧を敵地に送り込むほどの愚王ですからね‥‥
まあ、それはそれとして、 
李牧は政の中華統一の考えには断固として反対の姿勢です。

七国が同盟を組んで互いに手を取り合うべきではないか、と
もっともな提案をしてきます。 

いや、ごもっとも。我々が生きる現代も、おおむねそのようにして成り立っておりますね。

しかしながら、政は真っ向からその提案を拒否。
政にとっては、その場しのぎの政策ではなく、問題を根絶したいのです。 
そのための最良の手段が、政にとっては"国境を無くすこと"なのですよね。

李牧は、

「統一後の理想の世など
そこで倒れていく者達に
何の慰みになりましょう

流れる血も 大量の血も 紛れもなく悲劇そのものです!」

と訴えますが、
政は中華統一の考えを翻す気はさらさら無く、
武力で六国を滅ぼすと戦線布告まで受けた李牧。

政に対し、
自分相手には絶対に勝てない、滅びるのは秦の方である、と珍しく咆えておりました。
 
戦争でまわりが見えなくなっていたばかりに、仲間を失ってしまった過去を持つ李牧にとっては、
政の描く未来へ向かう経緯の中で起こるであろう惨劇に関して、見過ごすことができなかったのでしょう。

かくしてここに、趙 対 秦が、全面戦争に突入してしまったもよう。
いよいよ本格的に始まってしまったのですね。

政は、李牧は自分の目で政が中華統一を語る顔を確認しておきたかったのではないか、
と言っていました。
一寸のブレも無い政の顔に、李牧は政の考えを決して覆すことはできないだろうと理解したことでしょう。

しかし、昌平君の顔(目)にはいささか否定的でした。
確かに何だか濁った表情をしていた昌平君。
今回の昌平君の眼差しの奥に潜む何かしらの負(?)の感情を、李牧は見抜いたようす。
その上で、絶対に自分を負かすことはできない、と断言しました。
‥‥こういう表現にも、きっと原先生的に何か意味があるんだろうな、と思いました。

政と昌平君は、"中華統一"という目的は同じだけれども、その目的を掲げるに至った考えが、全く違う方向にあるのかもしれません。


‥‥とまあ、今回はなかなか濃い内容の巻でした。
こんな内容濃いし、
仕事が今超忙しいしで、あらすじがなかなかまとめられずに今回は記事アップが大幅に遅れてしまいました…。
誰よりも早く新刊の感想を語りたくてうずうずする気持ちをおさめるために始めたこのブログなのに!笑

そうそう、最後に飛信隊に新キャラが加入しそうですね。
弓矢兄弟、いきなり強力戦力すぎでしょー!!

ただ、お兄ちゃんの顔がなんかポップ過ぎて、ちょっとキングダムっぽくない気がしてしまいました。。
最近、個人的には絵柄が少しずつ少しずつポップ&キャッチーな感じになってきているような感じがするのは気のせいですかね?
人気もうなぎのぼりだし、敢えてなのかな?と思いつつ、
女子陣はどんどん可愛くなってて嬉しい反面、ページをめくる手がインクで真っ黒になってしまうような(単行本派なのでならないのですが)、以前からのそんな男臭いタッチがこの物語の世界観にマッチし過ぎて大好きなんですよね。。

これから戦争が多くなりそうな展開の中で、もっともっとゴツめのキャラがワッサーと出てきて、紙面を真っ黒に染め上げて欲しいです!!笑


最後の最後に、今回のおまけ!!

ちょ、これって!?
石、、お守り、、、プロポーズかよ?!

お守り持ってないのか聞いてきといて、
自分も持ってないとか訳わからんこと言う信に対して、
「(混バアの紫水晶の腕飾りを)え‥‥これが欲しいのか?」
とか聞いてる羌瘣 が可愛過ぎて悶えました!!

本編の内容的に、すでに黒羊から秦へ帰って兵の募集してたはずですから、
もう"高(こう)"って邑に帰りに寄って、
石売ってる店とやらでおそろい(?)の石をゲットしちゃってるのか?
どうなのか?!(キャッ)

次巻では羌瘣 の装飾品に何か加わってないか、めっちゃ見とこ。笑


という訳で、46巻へ続きます。



【メモ】
⭕️現在蒙恬23歳、信22歳。

⭕️黒羊を奪取後、李牧が秦へ緊急来朝したため、趙軍とは一時休戦となった。

⭕️弓矢兄弟の父親は、秦でただ1人かつて中華十弓に名を連ねた蒼源という男らしい。

⭕️弓矢兄弟の弟のほうの名は淡(たん)。

⭕️おまけマンガ「お守り」

⭕️カバー裏:裏表紙側のみ、弓矢兄弟の兄のイラスト。

キングダム 44巻

*ネタバレあり*
キングダム 44 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 44 (ヤングジャンプコミックス)



黒羊丘戦もいよいよ佳境の44巻です。

信の大活躍で戦の勝敗はもう決したような
ものかと思っていたのですが、

今回の戦のメインテーマはきっと"勝敗"なのではなく、、、

将軍を目指す信が、政とともに中華統一を目指すにあたり、
今一度振り返らなければならないこと、
そして仲間たちに指し示さなければならないこと、

あらためて飛信隊の在り方をここで再確認する必要があったと思わせられる今巻です。

みどころや注目シーンも随所にあり、、!!

まずはあらすじから、そして感想をつづりたいと思います。


【あらすじ】
趙軍総大将・慶舎を追撃し、とうとう本陣にまで迫った信。

迫り来る飛信隊の勢いを目の当たりにし、
慶舎は一旦本陣を捨てて退こうとするが、
那貴が少数騎で慶舎本陣へ奇襲をかけた一瞬の隙をつき、信は本陣を突破し慶舎と対峙する。

激しい打ち合いの末、信はついに慶舎を討ち取ることに成功。
歓喜に沸き立つ飛信隊だったが、すぐさま趙軍が押し寄せてきたために早々に丘から離脱。

趙軍・劉冬の足どめに奮闘していた羌瘣 も、
同じ頃見事劉冬を討ち取り、
退却中の飛信隊に合流し丘裏から離脱する。


まさに電光石火の奇襲であった上に
丘の裏側での出来事だったため、
信が慶舎を討ち取った事実はこの日桓騎の耳にすら届かなかった。

そして趙軍の中でこの急報が届いたのは
丘の右側の将・金毛と、
左側の将・紀彗のもとにのみであった。

慶舎の敗北と片腕の劉冬の死に嘆き叫ぶ紀彗であったが、
絶望する金毛に対し
このまま退却せずに軍を立て直し、慶舎の死を悟られる前に中央丘の奪取を急ぐべきだと主張する。
中央丘を制し、砦化さえすれば、戦は実質趙軍の勝利なのである。

天然の要塞である黒羊の地を秦国に奪われることは趙にとって最悪の侵略要地と化することであり、
そうなれば国境が縮小されるが故多くの難民を生み出す悲劇となってしまうーーー、

黒羊の先にある離眼を守るためにも黒羊を奪われるわけにはいかない紀彗は、
もう一人の片腕である馬呈とともに丘の奪取を急ぐのであった。




その頃、桓騎は砂鬼一家を呼び寄せ、捕らえた趙人に対して残虐な拷問をかけさせていた。

そこで紀彗の名を知った桓騎は、
丘の奪取に奮戦していた自軍へ突然の撤退指示を出す。

そして中央丘は趙軍へ明け渡され、すっかり紀彗らによって砦化されてしまう。

桓騎のこの突然の指示は、趙軍をはじめ桓騎軍の側近たちですらも理解不能なものであったが、
桓騎は戦の勝利を確信し、ほくそ笑んでいた。  




戦5日目となる翌朝。

樹海をくぐり抜け、やっとの思いで持ち場に戻ってきた信たちは、
すっかり趙軍に砦化された中央丘を目にし茫然とする。

そして樹海の中に不自然な砂煙が起こっているのを見つけた羌瘣はその方角に青ざめ、
砂煙の出どころへと駆けつける。

その先は、羌瘣が劉冬への夜襲で負傷した際に瀕死の状態でたどり着き、介抱されていた集落であった。

その集落が全て焼き払われ、村人たちは一人残らず惨殺されていたのだ。

山積みにされた死体の山の中に、自分を介抱してくれた老婆の姿を目にした羌瘣は怒りに震え、
桓騎の命令でやったと話す桓騎軍の兵士を容赦なく斬り捨て、
信とともに桓騎のもとへ向かう。


桓騎軍の本陣へ乗り込んだ信と羌瘣だったが、
ただの凌辱と虐殺にいちいち喚くなと
桓騎に一蹴される。

趙に攻めこんで趙人が死ぬのは普通のことだろう、と雷土に挑発された信は激怒し、激しい殴り合いとなる。
黒桜が信に矢を放とうとした瞬間、羌瘣がそれを阻止。
さらには桓騎の首に剣を当て、事態は収拾のつかない状態になってしまう。


信は、
「制圧した地での反乱に対する刃と
無力・無抵抗の人間に向ける刃とは決して違う
それが戦争だと言い切る奴は
武将じゃなくただの略奪者だ
そんな奴らがどれだけ勝ち続けようと
"中華統一"などできるわけがない」

と主張するが、

桓騎は信を"一番の極悪人"だと言い、

「中華統一とは敵国が抵抗できなくなるまで
とことん殺しまくって
その国の土地と人と物全部をぶん捕ることであり、
"大殺戮"、"大略奪"である
それをやって平和な世界が来たって喜ぶのは秦人だけだ」

と返す。

羌瘣は、これ以上桓騎に何を話しても無駄だと言い、これ以上無意味な村焼きをやめるようにと忠告。
前日に信がすでに慶舎を討ち取ったため、
村焼きなどやっている場合ではなく
趙軍の中央丘の砦化を阻止するべきだと主張する。

羌瘣の発言で初めて慶舎の死を知った桓騎だったが、
「村焼きは続行し、黒羊中の人間を皆殺しにする」
と返答。

そして羌瘣を挑発するかのように、部下に田有を捕らえさせ、首をかき斬れと命令。

田有の首に剣がめり込みかけたその瞬間、焦る羌瘣と信の前へ、尾平が突然止めに入る。

尾平は、
「焼かれた村は、趙軍と無関係ではなかった」
と発言し、誤解なんだと言って信や羌瘣 の怒りを収めようとする。

那貴が飛信隊へ入るかわりに桓騎軍へと配属されていた尾平は、
桓騎軍で行動を共にしていた巴印(はいん)と焼け跡となった件の集落を訪れた際、
死体の山を直接目にはしていなかった。
そして巴印からこの集落は一般人の集落ではなく
"趙軍の基地"
だったと聞かされていたのである。

森の中で飛信隊を討つ戦闘態勢に入っている桓騎軍の存在を知る尾平は、
早くこの状況を収めなければ飛信隊が攻撃されると焦り、信を急いで説得しようとする。

しかしその時、
尾平の体から集落での拾い物として巴印に半ば無理やり持たされた腕飾りが落ち、
それを見た信に激昂されてしまう。

尾平は弁解しようとするが、信の失望と怒りは収まらず、尾平を殴り、二度と戻ってくるなと飛信隊から追放してしまう。

羌瘣に信の説得を頼む尾平だったが、
尾平が落とした腕飾りが自分を介抱してくれた老婆のものだと気付いた羌瘣 も怒りが抑えられず、
尾平を突き放してしまう。

仲間割れを始めた飛信隊に対し、
桓騎は場がシラけたと言い、
結果的にはその場に血が流れることはないまま事態は収まったのだった。




信と羌瘣から突き放された尾平は、
自分の言い分もちゃんと聞いてくれずに
飛信隊から出て行けと言われたことにショックを受け、
故郷へ帰ると言って慶ら仲間たちに当たりちらしていた。

信への文句や愚痴を喚く尾平だったが、
たまたま通りがかった桓騎兵たちの
信への侮辱の言葉を耳にし、
思わず怒りに震えて殴りかかってしまう。

止めに入った那貴のおかげで収拾がついたものの、
尾平は瀕死の状態で飛信隊の天幕へと運ばれた。

尾平が目覚めると側には信がいた。

自らも民家に入って盗み食いをしたことが2度ある、という過去を語りだした信。

一度目は、意識朦朧の飢餓状態でやっと見つけた食糧だったため、腐りかけていたものでもとんでもなく美味く感じたが、
二度目は、後に同じような状況で食糧を見つけ、
飢餓状態といえるほどではなかったが空腹だったためそれを食べたら、その時はまるでクソのような味がした、と。

過去の自らの経験から、"そういうこと"なのだと実感した信は、
尾平に語り聞かせる。

信は、かつて漂と夢見ていた
子どもの頃から描き続けた
"誰より強くてかっこいい天下の大将軍"
像を色褪せさせる気は全くない、と言い切る。

しかし、そのせいで仲間たちが青臭いとバカにされたり、色々と我慢させて自分のわがままに付き合わせているということは理解しており、
悪いと思っている、と詫びる。

しかし信は、それでもそこだけは決して譲りたくないし、
飛信隊とはそういう隊でありたいのだ、
と話す。

尾平は涙しながらも改めて信の考えを理解し、それに共感し、また共に闘うことを誓うのだった。




飛信隊が内輪揉めをしている間、
桓騎軍は着々と事を進めていた。

桓騎は紀彗のもとに伝文を送りつけ、
兵ではなく、子どもを含む一般の黒羊の民の死体を集めて砂鬼に作らせた
"骸の巨像"
を紀彗に見せつける。

桓騎は、

「これ以上の惨劇をお前の離眼城で起こしてやる故楽しみにしていろ」

と紀彗への伝文に書き記し、
離眼城へと進軍するーーー。



【感想】
意外と長引いている黒羊丘戦ですが、
信が見事慶舎を討ち取り、今巻で終わると思ってました。

開戦前から一筋縄ではいかない戦になるという前フリはあったものの、
桓騎の容赦なき残虐プレイに過去の対魏国・廉頗戦が思い起こされ、
敵ながら紀彗が白亀西の最期のようなことにならぬことを願うばかりです。。

さて、とにもかくにも信が大武功を挙げました!!

個人的には慶舎にあまり思い入れがなかったので、
早く仕留めて話を進めて欲しいなぁなどと
思っておりましたが、

信に斬られる間際に慶舎の想いが少しだけ吐露されていて(心の声として)、
死の瞬間の者の想いを目の当たりにすると
何だかちょっとだけ泣きそうになってしまった。。

そして刻同じくして、羌瘣に討たれた劉冬の最期のシーン。

離眼の悲劇を共に乗り越え支えてきた城主・紀彗にかける強い想いが分かるからこそ、
このシーンはめちゃくちゃ切なかったです。

でも、仲間にかける想いは羌瘣とて絶対に譲れない。

「侵略者じゃない、私達は‥‥飛信隊だ」

と言った羌瘣 の表情がものすごく苦しそうで
読んでいてとても辛かった。

羌瘣が劉冬にかけた最期の言葉は、
死にゆく劉冬にとっては何のなぐさめにもならないことは羌瘣 もわかっていて、
守り子を劉冬に返したことも死の間際のほんの一瞬のみの安堵にしかならなかったのだろうとは思います。

羌瘣の言葉に救われる部分はあったはずだけれど、
劉冬は、残してしまう紀彗や馬呈への想いと、秦への憎しみでただただ無念だっただろうな。。
息を引き取る直前のコマの劉冬の眼が、
本当に切なかった。
それでも討ち取ったのが羌瘣であったこと、互いの覚悟を理解し合えた者同士、わずかながらに通づるものもあったのではないかと思いたいです。


信と羌瘣の互いの戦いが同時中継だったのはすごくよかったですねー。
隊長・信に大将首をとらせるために、そして隊のために、逃げる力も残せないほどの力を出し切ってしまう羌瘣。

廉頗戦の時と同じように、仲間のために無茶をする(死にかけた)羌瘣のことをちゃんと理解し、助けに戻った信に、超絶萌えました!!
まさかの見開きサービスショットでしたね!

そして
🔴信 : 「逃げる力くらい残しとけよ  バカ」

って、ちょ‥‥!(テレる!)

俺たちの羌瘣はいつだって信へのスーパーアシストを決める、文句なしのヒロインだぜ!!



さて、桓騎です!

砂鬼一家に拷問させて吐かせた紀彗の存在、
余すところなく存分に利用しそうな予感で
背筋が凍りました。

嫌な予感はしていましたが、羌瘣を介抱してくれた混バアが、桓騎軍によって見るも無残な姿に、、、。

混バアだけでなく、村人全員、女子どもまでもが皆殺し。

その積み上げられた死体の山を見た羌瘣 は、
ブチ切れて瞬時に5人ぐらい斬ってしまいました。

かつて象姉の首を見た瞬間のトラウマがある羌瘣にとって、この仕打ちは無いわー。。。


そうしてブチ切れた信と羌瘣は桓騎のところへ乗り込みますが、
盗みや虐殺・凌辱がフツーの桓騎軍に信の美学が通るはずも無く、
案の定真っ向から対立。

そして田有が見せしめ的に斬られかけたところに、尾平が登場。
この場を収めるべく信たちの説得に奮闘するものの、
まるでタイミングを計ったかのように
桓騎兵の巴印に半ば無理矢理持たされた
紫水晶の高級腕飾りを落としてしまいます。

その腕飾りは哀しすぎることに混バアのもの‥‥。

尾平の言い分は2人に聞いてもらえるはずもなく、大もめとなってしまいました‥‥。

尾平の気持ちは分かるし、青いとはいえ信や羌瘣の隊にかける想いも理解できるからこそ、
どうしようもないところですよね‥‥。

ていうか、ここのあたりすべて桓騎が描いた筋書き通りのような気がして、なんか怖い!

そもそも桓騎軍へのトレード要員として古参メンバー希望で尾平をチョイスしたところも、
女や酒をエサに、あえてアピールしていたところも、
今回焼け跡の村で尾平に村人の死体を見せなかったことや
紫水晶の腕飾りをほぼ無理矢理持たせたことも、

すべてこうなることを予測してというか、
こうなるように仕向けていたかのような気がして本当に怖い。

どこまでが計算で、どこからが本音なのか
読めないしつかめない、、

「ここで大人の戦いを覚えていけ」
と開戦前に信に言いましたが、
青臭い信のやり方や美学に対し、
挑発しているような気もします。


結局、内輪もめしてしまった飛信隊でしたが、
なんやかんやで収まるところに収まりました。
飛信隊には尾平がいないと始まりませんから。笑

今回、
隊としての方針が真っ向から違いすぎる桓騎軍とあえて対比させることで、
隊長である信の信念を、
仲間同士が再確認するよき機会となりました。

信は、
"漂と夢見た大将軍"になりたい。
"漂と夢見た大将軍"像でないと、信にとっては全く意味がない。

信の夢は、ある意味漂の夢を叶えることでもありますもんね‥‥。

信の想いはメンバーに伝わり、
「どこの隊よりも心が潤ってる」
と尾平に言われた信は、
多分泣いてましたね。

信たちの持つ青臭さには、読んでいても確かにクサいなと思うことも確かにあるのですが、
そういう青臭さに胸を熱くさせられたりもするんですよね‥‥。

中華統一に向けて戦いの規模が拡大していく
今後に向けて、ここで飛信隊としての在り方を今一度再確認すべき意味があったのではないかと思います。


あと、首を斬られかけた田有の傷の手当てをする羌瘣の天幕でのシーン、
ものすごくよかった‥‥
わたし的には44巻のハイライトシーンです。

自分の読みが甘かったせいで、田有を死なせてしまうところだった、と詫びる羌瘣 と
羌瘣をねぎらいつつ、疲れたな、と声をかける田有。
混バアの腕飾りを握りしめて、素直に疲れたと吐き出す羌瘣 に、
飛信隊生え抜きメンバー同士の絆を感じて
胸が熱くなりました‥‥。

田有は結構初期から羌瘣が女だということにうっすら気づいていたのに、黙っていてくれたメンバー。
そんな田有に、さすがの羌瘣も心を許していたんだな、と思うと、感慨深すぎて泣けてきます。
こういうシーンをサラッと入れてくれるところが、原先生のニクいところです!


さて、今巻ラストですが、
桓騎が離眼城へ向けて進軍しました。
やっぱりやりおったー。。。

以前に雷土が、

「どこをえぐれば一番相手がもだえ苦しむか見さだめようとしている」

と桓騎を評しておりましたが、

慶舎が討たれた今、実質趙軍の指揮を執っているのは紀彗であり、
その紀彗が最も苦しむこととは、、、

読者的にもそれは辛い!!

桓騎が飛信隊に課した任務の内容も気になりつつ、
敵ながら離眼の無事を願いつつ、
45巻へ続きます。



【メモ】
⭕️那貴一家の、那貴以外のメンバーの髪型がなんかかわいい。(お団子だらけ)とくに呂敏(ろびん)。

⭕️黒桜さん、桓騎にあごクイされて鼻血を出す。笑

⭕️桓騎、紀彗を
"趙軍でも秦軍でもない第三の人間"
と判断し、いたぶることを宣言‥‥。

⭕️那貴はキレたら雷土よりおっかないらしい‥‥。

⭕️おまけマンガ 「出会い」
本編に描かれなかった李牧と慶舎の出会いが描かれてます。

⭕️カバー裏・裏表紙側:慶舎のカット。



キングダム 43巻

*ネタバレあり*


キングダム 43 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 43 (ヤングジャンプコミックス)


桓騎と慶舎の表紙がかなりの存在感を放っている43巻。
眉毛の対比がすごすぎます。笑

さて引き続きの黒羊丘戦。
前巻では各キャラがそれぞれの見せ場をつくり序盤戦を盛り上げてくれましたが、
43巻は久々に飛信隊の長としての信がアツイ!!

この疾走感を維持したまま戦の終わりまで一気に読んでしまいたい!!
とヤキモキしてしまう展開の今巻です。

それでは、あらすじから。


【あらすじ】
趙軍・劉冬の寝所に単独で潜入し暗殺を試みたものの、致命傷を与えるに至らず自らも負傷してしまった羌瘣。

夜襲に気づいた趙軍の追手から逃げる最中、
羌瘣 は意識を失いながらもとある集落にたどり着く。その集落は、羌瘣 が黒羊丘での戦が始まる直前に退避を忠告しに訪れていた村であった。

意識が回復した羌瘣 は、劉冬との斬り合いの際に拾ってきていた
"離眼の守り子の像"
を見た村の長から、
"紀彗"、"馬呈"、"劉冬"らの哀しい過去である"離眼の悲劇"について話を聞かされる。


15年ほど前、趙国・黒羊近くの一帯には"離眼"と"暗何(あんか)"という2つの城があった。

力で圧政をしく暗何の城主・唐寒(とうかん)と、善政で民からの信頼が厚い離眼の城主・"紀昌(きしょう)"は、長年にわたり地域の覇権をかけて互いに争っていた。

兵数は暗何の方が倍以上であったが、戦上手の紀昌と猛者揃いの側近たちの活躍、さらには紀昌の息子・紀彗が、共に兄弟のように育った亡き腹心たちの子である馬呈や劉冬らとともに頭角をあらわしはじめ、戦局は離眼の方に傾き出していた。

勢いを増す離眼に対し、財をはたき周辺の兵を駆り集め、離眼の5倍の兵を率いて決戦"旦虎の戦い"に打って出た暗何軍だったが、凄まじい戦いの末に 最後は紀彗軍が暗何城主・唐寒を打ち取り、戦は離眼軍が勝利することとなる。

しかし、"旦虎の戦い"で打ち取られた唐寒の息子・唐釣(とうきん)が、軍留守中の離眼城を急襲。負傷兵しかまだ城に戻っていなかった離眼の城を落とし、城内にいた女・子供・老人全員を人質にとり、離眼城主・紀昌と将校・兵の投降を迫ったのである。

父の仇と怒り狂う唐釣だったが、紀昌と将校達の命と引き換えに、成人以下の残兵と女・子供・老人たちの命は見逃すという条件をのみ、趙の朝廷の仲裁軍が場を執り仕切る中 紀彗たちの目の前で離眼の大人達は火刑により焼き払われてしまう。

かくして離眼の城は主だった大人達をほとんど失ってしまったことにより、趙の中でも紀彗の名が広まることは無かったのである。

その後紀彗は若き城主となって離眼を支え、わずか5年ほどで離眼の兵力を復活させる。加えて3年で暗何をも屈服させ、 紀彗はついに一帯の盟主となったのである。




紀彗軍の強さを語り、羌瘣 の怪我の深さを案じて村にとどまるよう促す村長に対して、
羌瘣 は、敵が強いのであればなおさらに早く隊のもとへ戻らなければと聞かず、
どんな相手であろうと負けるわけにはいかないのだと改めて心に誓うのだったーーー。




一方、黒羊丘の戦いは、3日目を迎えていた。

持ち場であった右の戦場の主導権を手にした飛信隊は、
戦の要となる中央丘へと進出。
桓騎軍が次の攻め手を何種類も選択できるという戦況をつくりだすという最大限のお膳立てをしつつ、様子を伺っていた。

貂をはじめ敵将・慶舎や紀彗、桓騎軍の黒桜らその場にいる指揮官たち全員が、この3日目にして最大の好機における桓騎の動きを見守っていたが、
なんと桓騎はこの好機を完全にスルー。
一切何もせず、3日目を終わらせてしまう。

そして4日目。
味方ですら理解不能な桓騎の判断に、
指揮官たちも桓騎の動きを読むことができず、
各所ではそれぞれが膠着状態となっていた。

しかし、一向に気配を消し続ける桓騎に苛立ち、しびれを切らした慶舎は、
秦軍右翼を担う飛信隊を標的に自らが出陣。
飛信隊は、中央丘のふもとで絶体絶命の窮地に陥ってしまう。

しかしその頃、同時に丘の中腹では、
ゼノウ一家が紀彗軍の布陣の中に突如現れ、
紀彗のいる本陣には目もくれずに爆走を始めていた。

ゼノウ一家の目的は、飛信隊を急襲しようと丘のふもとまで下がってきていた慶舎だった。
ゼノウ一家は圧倒的な武力で慶舎軍を破壊して行き、ついには総大将・慶舎の目前へと迫る。

桓騎は、これらの展開を全て計算した上で
飛信隊をエサにし、慶舎を誘い出したのであった。
3日目の沈黙も含め、全ては桓騎の戦術の上での結果だったのである。

桓騎の思惑通り、ゼノウが慶舎の目前まで迫り打ち取ろうとしたその瞬間、
紀彗が援護にかけつけ、さらに両腕である馬呈や劉冬が紀彗の救護にあらわれたことにより、混戦となる。
そして慶舎は、紀彗たちが交戦している隙に戦線から離脱し、難を逃れたのだった。


桓騎に囮にされ、慶舎軍に大打撃をくらった飛信隊。
信は、中央丘右半分を奪取するため上方での乱戦に参戦しようとする貂の指示を制止し、
丘の裏に退却していく慶舎の気配を察して
飛信隊の手で慶舎の首をとるべく慶舎本陣を追うべきだと判断する。

信の決断のもと、慶舎本陣の背を追いつつも、屈強な本陣の兵に苦戦する飛信隊。
飛信隊の動きにいち早く気づいた劉冬軍が駆け付けたことにより、
さらに戦況は激しい乱戦に。

軍師の貂が狙われようとしていたその瞬間、
怪我により離脱していた羌瘣 が突如戻り、飛信隊の援護に入る。

羌瘣 に劉冬の足留めを託し、信はまっすぐに慶舎目がけて突き進むーーー!



*  *  *  *  *



おおおー!!

久々に信の檄が炸裂し、胸熱展開に心躍りますね!!
まずは羌瘣 負傷編からまいりたいと思います。

利口な愛馬のおかげで、重傷を負った羌瘣 は、戦が始まる前に退避するよう忠告しに行った村の長に助けられていました。

危険を冒してひとり敵地へと暗殺に向かい、
意識を失うほどの傷を負いながらも
飛信隊のもとへ帰ろうとする羌瘣 の飛信隊への想いが、健気すぎてたまりません‥‥!

村長のお婆は、敵国ながらもわざわざ退避の忠告をしに来た羌瘣 に対して
"悪い娘ではない"と判断し、
一応の手当ての最善を尽くしてくれたのと、
紀彗らの過去を聞かせてくれました。

紀彗たちの過去が明らかになり、離眼の兵たちの絆と紀彗の慕われ度の理由が明らかになりましたね。
先代の紀昌は、どことなく蒙驁将軍を彷彿させられるたたずまいでした。

過去に離眼の城が落ち、紀彗の親世代の男たちは全て殺されてしまった。
紀彗は20歳そこそこで離眼の城主となり、
火刑で親を失った城下のすべての子どもたちの親となった。
時は経ち、紀彗は一帯をまとめあげ、善政をしいて次の世代の子どもたちにも慕われる城主となっている。

馬呈と劉冬は、紀彗とともに血の涙を流しながらここまで離眼を立て直してきたのでしょうね。。
劉冬が
"すがるものではなく、奮わせるもの"
と称した3体の守り子の像は、
戦前に3人が紀昌に贈ったもので、火刑になる直前に"門出"の想いを託して劉冬らに返されたものだったんですね。。。

それを思うと、42巻で劉冬が守り子の像に祈っていた姿に胸が痛みます。。。   

紀彗の強さが趙に広まっていない理由としては、"離眼の悲劇"から15年ほど経過していることと、8年ほどで一帯を統治している紀彗の実績を考えると、
何故大物との噂が広まらなかったのかなぁ‥‥と若干疑問に思うところではありますが、
この時代は名を通すのにも代々継がれてきた名家であることが重要だったのでしょうし、
早くに先代を失ってしまったことでそういった何らかの手はず的なものがちゃんと出来なかったりしたのかもしれませんね。

・・・そう考えると、(政という最強のコネクションを持つとはいえ)己の力でのし上がるただの下僕出身の信って素直にスゴイ・・・。

そして火刑が執行される際、邯鄲から派遣されてきた裁可をくだす役割の朝廷メンバーの中に李牧がおりました。
この時に、李牧は紀彗の人となりを認識したようす。(李牧、15年前から見た目全く変わってない。笑)
過去の悲劇をふまえつつ、今回の戦で李牧は紀彗を慶舎の片腕に指名していたのですね。

しかしまあ、敵ながら、3人の絆と想いの深さに複雑な気持ちになって困ります。。。

(ちなみに村長のお婆に対する羌瘣 の態度は、弱っているからなのかどうなのか、
どことなくやわらかいですね。
羌族の里のバアや明、識、礼と話している時のような、歳相応の女の子の口調になっています。)

さて、黒羊丘の戦の方ですが、
羌瘣 が伏せっている間、劉冬は3日目から傷をおして前線に復帰しました。
劉冬不在で渡河の戦いを制した飛信隊は勢いのまま前線を押し込み続け、
黒羊での戦いの要となる中央丘まで進軍!

貂の作戦もハマりまくり、
田有や竜川、沛浪や去亥ら飛信隊の生え抜き百人将メンバーたちは、連勝続きでウハウハしてます。
(てか、久しぶりに澤さんいたー!!
まだ生きてたー!!笑)

そして桓騎軍の黒桜さんのところも準備が整い、
あとはお頭桓騎の指示を待つのみ! 

この上なく秦軍に有利な戦局の中、
満を持しての桓騎の指示待ち状況、
オギコを呼んで さあどんな展開が?!
と構えていたら、、、

!!いつもの肩もみ!!笑

自軍敵軍ともに予想外すぎる桓騎の完全スルーに、
慶舎の目は血走るわ、貂は荀草みたいな顔になるわで一同騒然。笑

そんな中、桓騎軍から飛信隊に送り込まれてきた那貴は、冷静に桓騎の行動に対し、
"この日動かなかったことに対する大きな見返り"
があるはずだと分析しておりました。

そして4日目。
しびれを切らした慶舎は丘を下り、飛信隊を狙ってきますが、
何とこの慶舎の起こした行動こそが桓騎の誘いだったのでした。

"沈黙の狩人"と称され、
どの戦いでも敵は張り巡らされたワナに気付かず先に動いてからめ捕られてしまい、
結局いつも皆 慶舎の手の平の上で踊らされて敗れる、
という前評判"待ちの達人"慶舎でしたが、

まんまと桓騎のワナに嵌まった慶舎に対し、
桓騎は
「そういう奴に限って最後は俺の手の平の上でクリクリ踊って大グソ漏らすって話だろ?」
と妖しく笑い、ザコ呼ばわり!
桓騎、見事に知略で慶舎を出し抜きましたねー!

一方で、エサにされた飛信隊は屈強な慶舎兵に大苦戦。
信は
"李牧に名指しであげられた標的"
という名誉(?)を得るも、
とにかく慶舎兵が強すぎて飛信隊はボロボロ
、あげく隊は分断されてしまいます。

ヤバいぜ飛信隊‥‥!
と思わされた瞬間、ゼノウ一家が慶舎兵を襲撃!!
これまた桓騎の計画通りでした。

さすがの慶舎も、獣の如き異常な武力で襲ってくるゼノウたちになす術なく、、、
と思ったら、
慶舎を護るため紀彗軍が登場!!

馬呈や劉冬も駆けつけ、予想外の紀彗軍の活躍にゼノウは慶舎を取り逃がすことに。

そして桓騎に囮にされたことを悟った信でしたが、
丘の裏に逃げていく慶舎の気配を察し、
そのまま背を追うことに。

慶舎軍に追いついたものの、余力も少なく
慶舎軍にはやはり大苦戦の飛信隊。
加えて飛信隊の急襲にいちはやく気づいた劉冬が立ちはだかり、
軍師の貂が狙われたその瞬間!!

なんと、
絶妙なタイミングで羌瘣の帰還です!!

鮮やかなスヒン斬りで貂を救い、
状況をすばやく察して足留めを引き受け、
信たちを慶舎のもとへと急がせます!

いやいやいや、
この登場の仕方、普段なら信の役割ですよね?!
主人公並みの見開き帰還シーンに、
わたしは胸が震えましたよ。。。

魏火龍戦の時、さらわれた貂を助けられなかった羌瘣 でしたが、
キッチリここで貂を助けてあの時の借り(?)を返してしまうあたりが、
どこまでも最高すぎかよ。。。!

それで信がまた、早く行けっつってんのに
わざわざ羌瘣を呼び止めて、
「今まで何してた」
って!

信、そんなに気になってたんや。笑

「寝てた」(事実)
とだけ返すところが本当に羌瘣らしい。

信に怪我を見抜かれるも、
「ボロボロのお前らよりましだ」
と言って掴まれた腕を振り払う羌瘣 ちゃんに、わたしはさらに身悶えしましたよ。。。笑

🔴信 :「今度は  後ですぐに会うぞ」

ですってよ!(ポポッ)

そして信に大将首を獲らせるため、
羌瘣 はふたたび劉冬と戦うことに。
"人ではないような"回復力(気功法の一種?)を持つ羌瘣 が、
深手を負ったままの劉冬に負けるはずはありませんが、
守り子の像の件も含めてこの2人のカラミは次巻でも注目したいところです。


そしてラストは久々の信!

シレッと逃げのび、ドヤ顔で

「来るには五年早かったな 飛信隊」

などとのたまう慶舎でしたが、
信の超絶突破力で慶舎兵をぶった斬っていきます。
これには那貴も目を見張る!
(桓騎軍に戻ったら、桓騎にキッチリ報告してもらわないと‥‥!)

そして第470話タイトル「俺の背中」の文字通り、
敵をなぎ倒しながら叫ぶ信の激!

🔴信 :「よく聞け 慶舎
昔 王騎ってすげェ人がいた

その人が先頭を走る時
後ろの兵は鬼神と化し いつもの十倍強くなった

そういう"力"が大将軍にはありやがる

それを今からてめェに見せてやる

ヤロォ共 へばってんじゃねェぞ

苦しいんなら俺の背中を見て戦え

俺の背だけを見て
追いかけて来い!!

続け飛信隊っ!!」


くーーーっ!!!

次巻へ続く!


【メモ】
⭕️劉冬、"旦虎の戦い"にて左目を負傷。

⭕️桓騎、絶倫のもよう。

⭕️おまけマンガ
「進軍 飛信隊!」〜つづき〜

温泉を見つけ、一番風呂の取り合いをする信と羌瘣。
羌瘣 ちゃんの貴重なサービスショットあり!
信を騙くらかして卑怯な手を使い、一番風呂をゲットする羌瘣 がかわゆすぎます。

⭕️カバー裏 : 裏表紙側に信のイラスト

キングダム 42巻

*ネタバレあり*


キングダム 42 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 42 (ヤングジャンプコミックス)


黒羊丘の戦い・対趙戦の続きが気になる42巻です。

私事ですが、家族の転勤でこの4月に関西から中国地方へ引っ越しをしました。

慣れない引っ越し先で片付けに追われる日々を送りつつも、指折り数えて待っていたキングダム42巻の発売日。 

念のため前日に(習慣でして‥‥)本屋に立ち寄ると、そこには我が目を疑うPOPが!!

「当県では通常新刊の発売日が1日遅れます」

なん・・・だと・・・

まさかと思いすぐさまネットで色々調べましたが‥‥フツーに事実でした‥‥。
物流がこんなに発展している現代なのに‥‥涙です。

なのでいつにも増して待ちきれなかった今巻なのですが、

期待を裏切らない面白さに毎度ながらも魂が震えました!

今巻は、どいつもこいつもキャラが立ちすぎです!感想は後ほど。
とりあえずはあらすじからまいりたいと思います。

【あらすじ】
此度の戦の勝敗に直結する中央丘の奪取。

先に中央丘に進軍を開始したのは
趙軍総大将・慶舎の先鋒隊だったが、
秦軍総大将・桓騎は中央丘を先に占拠されるのを阻止するために
軍の最強部隊・ゼノウ一家と自身の片腕・雷土の隊を左翼前線に投入する。

雷土とゼノウの隊は圧倒的な武力で趙軍の前線を突破していくが、
慶舎は精鋭部隊を率い、自ら中央丘を駆け下りて奇襲をかけてくる。

慶舎は黒羊の地の特徴である樹海の地形を巧みに利用し、
雷土・ゼノウ隊の後続である2列目の部隊を攻撃することで桓騎軍を完全に分断。
雷土・ゼノウ隊を孤立させ、包囲することに成功する。

慶舎の策により、先鋒隊と後続隊を分断されてしまった雷土は、
元大野党団特有の嗅覚と知恵により
現状が絶対絶命の窮地であると早急に判断し、
"火兎(かと)の笛"を鳴らして全軍退却の合図を送る。

脱兎のごとく我先にと逃げ去る桓騎軍の退却のさまはあまりにも無秩序で無様なものではあったが、
「味方を一切気にせぬ"個"の逃げ方は結果的に最も生還率の高い逃げ方である」
ということを、
元野党団の桓騎軍は身をもって知っていたのであった。

慶舎の策の前に退却を余儀なくされた桓騎軍だったが、
雷土・ゼノウは小隊のみで再び集結し、
中央丘を砦化しようとしている趙軍の先鋒隊を襲撃。
あたり一面に火を放ち、趙軍による中央丘への進軍の足を止めるために一矢報いるのだった。


一方、斥候として前方に進んでいた羌瘣は、
後続の本隊である信たちが馬呈(ばてい)・劉冬(りゅうとう)らに足止めされたため、
飛信隊から孤立してしまっていた。

すでに趙軍の前線を越えた位置にいた羌瘣は、これを好機と取り、
趙将・劉冬(りゅうとう)の築く夜営地に潜入する。

無茶だと反対する仲間たちを残し、1人で劉冬の寝所に強襲をかけた羌瘣だったが、
あらかじめ劉冬が張っていた罠にかかり、
劉冬に太刀をあびせながらも自身も斬られ、負傷してしまう。


翌日、戦2日目。

桓騎軍の参謀・摩論(まろん)より2日目の作戦を受けた飛信隊は、
指示通り持ち場の右翼側を中央丘横まで押し上げることを宣言する。

初日の失敗から、2度目の失敗は死を意味するとの桓騎からの伝令を受け、
信と貂は普段以上に気合いが入るが、
2日目の戦地は"橋"も"舟"もない状況下での
"渡河の戦い"だった。

突破口となるはずの"橋"も"舟"も無い現状で、
必死に策を講じるも打開策が無く苦しむ貂だったが、
師・昌平君でさえも"無手"の状況と判断するであろうこの状況下において、
3つの手から成るひとつの策を生み出す。

1手目。
足が届く浅瀬が対岸まで続く場所が2ヶ所ある。
1ヶ所目の浅瀬幅が広くて凹地である中央の川底の道に、隊長・信を筆頭とした飛麃・カクビ兵らの屈強な兵士を集結させ、
敵からは大軍投入における一点突破と見せかける。

2手目。
もう1ヶ所の狭い凸地である川底の道に、
楚水と貂を筆頭とした隊を渡らせ、こちらが主攻であるかのように敵を揺さぶる。 
幅が狭い川底ゆえに大人数での渡河が不可能なため、
上陸戦に備えて息の合う飛信隊生え抜きの少数精鋭を固めた隊を配置する。

そして3手目。
底が見えぬ程の水深がある激流の地で、さらに対岸が険しい絶壁であるという悪条件が重なる地に、渕副長を筆頭とした隊を配置する。
この地は悪条件過ぎるが故に、敵軍の包囲が一切無い。
漁師の出で川に詳しい岐鮑(きほう)を頼りに、渕副長の隊を対岸まで渡らせる。


貂の描いた作戦とは、まず3手目ありきのものであった。
最右端に位置する渕副長らが対岸まで渡りきり、1手目の凹地の右端部分にいる敵の背を討つ。
それにより、信たちが右岸へ上陸し、
そのまま一気に岸を制圧し後続の渡河の道を確保するーーー
という絵図である。
責任重大な3手目を任された渕副長は、
激流の中幾度も流されそうになりながらも、
上流から流れてくる仲間たちの血に奮起し
見事対岸に上陸することに成功。

対岸を占拠していた趙軍・馬呈は、
1手目・2手目が3手目のための囮であり、
さらに1手目を"助攻"から"主攻"に化けさせるという貂の作戦に気づくも、
軍師役を担う劉冬が前夜の負傷による不在であったために立て直しがきかず、
退却を余儀なくされることになる。

これにより、飛信隊はさらに前進し、
趙軍の前線に大打撃を与えるのだった。




一方、中央丘の戦いも動き出す。

中央丘真横に位置する前線左翼側の雷土・ゼノウ隊は、桓騎の指示により両者動かずにらみ合いとなっていたが、
丘の斜面では陣取り合戦が開始していた。

丘の左半円は、
桓騎軍参謀・摩論(五千将)と
慶舎軍副官・金毛(きんもう)将軍
がぶつかり合うも力は拮抗していたが、

丘の右半円の戦いでは、
桓騎軍副官・黒桜(五千将)と
紀彗軍・海剛(かいごう)将軍
が争っており、黒桜の指揮で前線を優位に押し込めていた。

しかしその時、
押されていた海剛将軍の持ち場へ紀彗将軍が姿を現す。

紀彗将軍の姿を見るや否や、兵士たちの士気は異様な程に上昇。
そして紀彗は自ら断崖を駆け下り、参戦する。

紀彗の出現で黒桜軍は押し込まれ後退し、一気に形勢が逆転。
まさに雷光の如き速さの展開であった。

急激に風向きが変わったことを察知し、
素早く全軍退却の指示を出した黒桜の判断により、
桓騎軍の損害は最小限におさまったものの、
中央丘での戦いは趙軍に優位な展開となる。

こうして2日目の戦が終わった。

戦全体で見てみると、
右側は秦・飛信隊が押し込み、
中央丘は趙・紀彗軍が押し込む。
左側は平地も丘も拮抗して前線は大きく動かなかったため、
結果的には両国互角の状態で2日目の幕を下ろしたのだった。


一方、劉冬への夜襲で負傷した羌瘣は、
趙軍に捕らわれることなく逃げのびていたが、
意識朦朧の状態でとある村人たちに助けられていたーーー。



*  *  *  *  *



思っていた以上に長引きそうな予感の黒羊丘戦ですが、
なんか、、、いろいろと熱いものがこみあげてきて泣けました。

まず、前巻で慶舎と出くわしてしまった尾平ですが、持ち前の運と生命力(笑)で無事に生き延びました。

ていうか、慶舎直々の一撃をまともに受けしのぐなんて、尾平すごいじゃないか!
その後馬にはねられて、うまいこと窪みに飛ばされ、九死に一生を得ます。

そして隊を分断され、退却せざるを得ない状況に追い込まれて慶舎に惨敗だった桓騎軍の雷土たちですが、
初日の終わりにはきっちり中央丘の趙軍の築城を止める仕事をやり遂げ、
己らの失敗の後始末をつけるところが流石ですな。
何だかゼノウが隣にいると、おっかない雷土さんが至極マトモな頼り甲斐のある上司に見えてきます。笑

そして初日に下手を打った飛信隊。
桓騎からの伝令で、初日の失敗の責任代として右腕を切り落とすように言われますが(!)
最後に勝ちゃあいいんだろうが!
と開き直って伝令を追い返す信。

あげくには、桓騎に伝えろと言って、

「最後はこの俺が敵将 慶舎の首をとって
黒羊の戦いを勝利に導いてやるってなァ!!」

と啖呵を切りますが、

この時の馬印と那貴の表情と、コマに軽くフラッシュが入っているのがイイですねー。
信が、ハッタリでもなく、本気でそう思っていること、
そしてもしかしたら本当にそれを実現するかもしれないと思わされること。
ハッとしたような2人の表情に、信の熱意が響いたような印象を受けます。

大分さかのぼりますが、
対魏・廉頗戦の前、信が急造千人将になった時に初めて千人もの部下の前で就任のあいさつのようなものをしましたが、
その時
"信の声は不思議とよく通った
聞き手には信の声を通して その情熱がひしひしと伝わっていた"
という描写がありました。

まさに、そんな感じだったんでしょうねー。

そして、斥候に出たまま戻らない羌瘣ですが、
なんと1人で趙将暗殺に向かおうとしとるー!!

10数騎しかついてきていない仲間たち、
若者兵たちが羌瘣の美貌に気を取られながらも平常心を保とうとしているさまがカワイイですが、
ミドルエイジっぽい孫仁さんは冷静かつ必死で羌瘣を説得して引きとめようとします。

こんな無茶は信だって望んでないし、
何でここまでやろうとするんだ、
と羌瘣を諌める孫仁さん。

羌瘣は、
万の軍の敵将の首を、味方の犠牲無しで討てる好機が今あると言い、

「飛信隊のために無茶をやるんだ」

と微笑みます。

羌瘣の決意と覚悟と飛信隊への想いを前にして、仲間たちももう見守るしかないですよ。。

このへんは何だか泣けてきました。

超絶剣技と軍師並の頭脳持ちというスペックとは裏腹に、ふわふわド天然な羌瘣ですが、
胸の奥はものすごく熱くて、
仲間を常に思いやっている。
胸の奥に熱いものを持っているなんて、本人は自覚すら無いのかもしれない。
今回のことも、孫仁さんに問われて初めて
"自分の行動の意味"を考えたみたいな表情をしていたし。

仲間をできるだけ失いたくない気持ち、
飛信隊のために力になりたい気持ち。

この子が象姉を失ってから仇の幽連を討つまでの道程と今まで描かれてきた心の変化、
それらを思い返すと、仲間たちに向けた優しい笑顔に何だかグッときて涙が出てきましたよ‥‥。

そして向かった夜襲の相手は趙将のひとり、劉冬。

第452話、ほぼ丸々劉冬と羌瘣のやり取りでしたが、
ビジュアル的に美しすぎたのは気のせいですかね?笑

劉冬は原先生がデザイン的に気に入っているキャラ(ガイドブック参照)のようですし、
羌瘣とのビジュアルバランスがめちゃ相性良かった気がします。

なのに劉冬、かわいい羌瘣ちゃんに容赦なく2太刀も入れやがりました!
寝所に糸を張るだなんて、地味‥‥いや、抜け目ない奴!
羌瘣も劉冬に2太刀入れましたが、剣の入り方が明らかに羌瘣のほうが重傷‥‥!
しかもめっちゃ高いところから転落してしまいました。
まさかの暗殺失敗ー!!はわわ。。。

劉冬は劉冬で、何か抱えるものがありそうです。
"黒羊の先"とは、離眼の城のことでしょうか。
劉冬なりの、"命を賭して守るべきもの"
が何なのかも、気になります。
羌瘣も、そこは少し気になっているようす。


そして2日目の飛信隊ですが、
舟も橋もない渡河戦。
昌平君すら無手だと言った状況下での戦いです。
ここからは貂の見せ場でしたが、
第454話112ページの鬼気迫る貂の見開きには何故か怖すぎて笑ってしまいました。笑

貂が必死で絞り出した策は、敵の裏の裏をかくかなりリスキーな作戦。
この作戦の主役は、なんと渕さんです。
泳ぎが得意な土南さんが、10歩も進まずに流されてしまうほどの激流(登場からたった17コマで消えゆきましたが、めっちゃいい奴だった。。涙)の中を、
渕さんが兵たちを引き連れて渡れと!
そして渡ったあとはそのまま敵の背を狙い戦えと!
ヒィィ!!

はっきり言って無謀すぎる策すぎて、
我呂が突っ込むのも解ります。
しかしここはあの昌平君すら無手だと判断する状況下なので、
このあたりの無茶は仕方ありません。

そして責任感を買われた渕さん、見事にやり遂げます!よかった‥‥!!

信たちも無事上陸して、あとはもう飛信隊のペースです。

馬呈が戦況を立て直せなかった理由が
軍師役を担う劉冬が負傷による不在だったため
というところが、
前夜の羌瘣の無茶夜襲がキッチリ功を奏しているってことでこれまたニクすぎる!

そんなこんなで飛信隊はひとまず初日の借りは返せた形になりました。

そしてメインの中央丘の戦いですが、
ここにきて桓騎軍の紅一点(たぶん)・ロケット乳の黒桜さんが登場です!

結構前から桓騎とともに登場はしていましたが、今回めでたくタメてからのクローズアップ!
桓騎の副官で五千将でイケメン好きということが判明しました。

桓騎軍の副官だけあって、かなりデキる姐御のようですが、
そんな黒桜さんの活躍を一瞬で打ち消してしまったのが、
趙将・紀彗!!

登場しただけで趙兵たちの士気がいきなり上がります。
この戦では趙将として慶舎の下についていますが、もともと"離眼城"の城主である将軍。
離眼の城では子どもたちにも大人気だったことや、
兵たちの紀彗を見る眼差しと表情からも、
絶大な信頼を得ている人物ということが分かりますね。

黒桜さんの守備部隊・角雲は、
せっかく手柄をあげて黒桜さんを天幕に誘おうと息巻いていたのに‥‥13コマで殺られちゃいました‥‥。
紀彗将軍、武力にも憂いなし!

劉冬もそうですが、紀彗たちの城・離眼にかける想いとそこかしこに漂う絆のようなもの、
敵ながらにこの先どうなるのか気になります。

いつものように、勝った・負けたの単純な戦には終わらなさそう。

今巻は、いろんなキャラにスポットが当たっていて、
それぞれがそれぞれに魅力的で、
なんだか濃ゆい1冊だった気がします。

今まで謎が多かった桓騎軍にも、割と親しみがわいてきました。
摩論とか、めっちゃいいキャラしてます。
敵軍である紀彗や劉冬も、敵軍だからと憎めない感じ。
読んでいて誰に気持ちを注いだらいいのか分からなくなってきます。笑


そしてラスト、
負傷した羌瘣が集落の村人たちに助けらておりましたが、
めっちゃ重傷っぽいー!!
無事に隊に戻れるのか?!
例の秘薬(輪虎戦で信に使ったやつ)はもうないのか?!

戦の先行きも気になりますが、
羌瘣の安否が気にかかります。

また3ヶ月が長いー!


【メモ】
⭕️桓騎軍参謀・摩論は五千将。

⭕️桓騎軍副官・黒桜も五千将。

⭕️キングダム実写動画公開中。
予想に反してけっこう良い世界観出てました。

⭕️おまけマンガ 「進軍 飛信隊!」

⭕️裏表紙カバー裏 : 梟明スタイルの貂ちゃん


キングダム 公式ガイドブック 「覇道列紀」

*ネタバレあり*

キングダム 公式ガイドブック 覇道列紀 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 公式ガイドブック 覇道列紀 (ヤングジャンプコミックス)


41巻と同時に、公式ガイドブック第2弾が発売されました。
前回の「英傑列紀」は、正直内容の割に高い!という印象でしたが(スミマセン)、
第2弾の今回はかなり内容が濃く、読み応えがあったので買ってよかったと思います。

その理由が、原先生の対談や解説がかなり多かったこと。

わたしは好きなミュージシャンのCDが出ると、ライナーノーツや某雑誌の"全曲解説"的なものを読んだりしていろいろと思いを馳せるのが好きなヤツなので、
今回の公式ガイドブックにある
"原先生が語る主要キャラクター秘話"
なるコーナーは喜々として読みました。笑

なのでおおむね満足な内容だったのですが、
コミックス派でネタバレ回避主義のわたしにとってまさかの罠(?)が!

勝手に既刊コミックスの内容に沿った流れの編集だと思って何の警戒も無く読んでいたら、
キャラクター紹介のページにけっこう41巻の続きの内容が書かれていてちょっとビクつきました。。。

特に桓騎軍のページで、"馬印"のところと、
趙の"慶舎"、"劉冬"、"岳エイ"の紹介ページにはネタバレありなので、
42巻が出るまでの間にコレを読もうと思っている方はご注意ください。。。

では、内容の紹介です。


【内容】
⚫︎序章 
「World of キングダム エピソードダイジェスト 王弟反乱〜合従軍襲来」

ざっと合従軍編までのあらすじ。

⚫︎第1章 
「秦国史書」

合従軍襲来から41巻の黒羊丘の戦いまで、あらすじに沿ってエピソード毎に紹介・解説されています。

●第2章 
「戦国人物録」

約300人のキャラクター紹介と、パラメータデータの刷新版。
前回の「英傑列紀」の時のキャラ掲載ページ順が
信→漂→嬴政→貂→羌瘣
だったのに対し、
今回は
信→貂→羌瘣→嬴政
なのが地味に気になった。。。
国内編から中華統一編になったとはいえ、
主要キャラとして、信の次はなんとなく政であって欲しい。笑

●第3章 
・「スペシャル対談
・「主要キャラクター秘話 / 主要エピソード秘話」
・「原泰久YJ目次コメント集」

一番の見どころ企画。
キャラクター秘話が興味深かった!後述します。

週刊少年ジャンプ 出張版特別読切(2013年)
「キングダム」

飛信隊が魏軍に攻めこまれた国境付近の城の姫・翡翠(ひすい)を助ける、というお話。

わが家はWJ読者なので、これはリアルタイムで読みました。(今も保管してあります。笑)
当時はわたしも原先生と同じく、「来たこれ。ゴゴゴゴ」とかなりテンションが上がりましたよ。
この読切についての原先生のコメントも書かれているのですが、読者アンケートに懸ける熱意やその結果に対する反省とか、
原先生の性格がちょっと垣間見えてとても面白かった。


以上、ガイドブックの中身はこんな感じの構成となっております。


【裏話】
●原先生は、キングダムはなんとか80巻くらいに収めたいそう。

●原先生のお気に入りキャラは、 
信、羌瘣、媧燐、李牧。あとは横並びだとか。
媧燐は意外!

ケンコバのお気に入りキャラは、
録嗚未、麃公、桓騎。

●水野氏のお気に入りキャラは、
蒙驁、政、貂。

●信をめぐる恋愛模様に関しては、原先生は貂を含めたハーレム状態にしてもいいと思っていたらしい。(!)読者に反対されそうなので可能性は低そうである。(ホッ。。)

●向ちゃんが懐妊した時、原先生は陽ちゃんも幸せにしてあげたくて同時妊娠を考えていたが、担当からボツをくらったそう。
(宮女としての立場だから現実的ではあるが、確かに読者の感情的にはなんか複雑!)

●羌瘣に絡んでくる"引っ掻き回し役"が今後登場するらしい。(今まで我呂がそんな役割だと思ってた。)

●原先生はよく分からないそうだが、
何故か楚水の女子人気が高いらしい。
(分かる気がする。笑)

●項翼が所有している"莫耶刀"は、まだ本物なのかどうかはわからないそう(マジか!)。

週刊少年ジャンプ出張読切の話が来た時、原先生は大チャンスだと思い、
読者アンケートで1位をとる! 
という目標を掲げたそう。
結果は残念ながら惨敗で、順位を聞きもしなかったそうな。
様々な計算をし過ぎて、魂が乗っかりきっていなかったと反省する原先生。
(当時わたしも感じました。絵も話もジャンプ向けのクッキリ王道な感じでよかったのですが、本編のような熱さ、泥臭さがあんまり無くて。
出張読切なんかでキングダムの魅力は伝わりきらない!とその時は歯がゆく思っていたけれど、
原先生もきっちり悔しかったんだなあ、と思うと何だかほっこりしました。本当に、適当な仕事をしない人だなー。)

●ちなみに、↑の出張読切掲載時のWJ目次コメントで、ワンピ尾田先生がめっちゃキングダム推してました。全巻持ってる!って。笑


【キャラクター能力値】
前回は27巻時点でのキャラクター能力値、
今回は41巻時点バージョンに刷新されておりました。

主要キャラだけ前回データと比較しときます。

★信★
経験値 : C → B
武力 : 90+α → 91+α
指揮力 : 80 → 83
知力 : 72 → 74
必殺技 : ジャンプ → ジャンプ、諦めない

★嬴政★
経験値 : C → B
武力 : 78 → 82
指揮力 : 98 → 98
知力 : 88 → 92
道 : 中華統一 → 中華統一

★河了貂★
経験値 : D → C
武力 : 60(吹き矢付き) → 62
指揮力 : 85 → 87
知力 : 88 → 90
料理 : 99 → 覚醒 : する気配

★羌瘣★
経験値 : C → B
武力 : 95+大α → 96+特大α
指揮力 : 80 → 85
知力 : 87 → 88
かっこいいセリフ : 舞うぞ緑穂 →
隠れ口癖 : おなかへった

★楊端和★
経験値 : A → S
武力 : 95 → 95
指揮力 : 99 → 99
知力 : 95 → 96
美貌で : もちろん100! → 敵が死ぬ

★騰★
経験値 : A → S
武力 : 96 → 96
指揮力 : 92 → 94
知力 : 94 → 94
マジカル : ファルファル →
録嗚未を : いじりたおす

★蒙武★
経験値 : B → A
武力 : 99 → 99
指揮力 : 90 → 92
知力 : 84 → 86
道 : 天下最強 → 天下最強!

★王賁★
経験値 : C → B
武力 : 91 → 93
指揮力 : 87 → 88
知力 : 89 → 89
必殺技 : 龍指 → 龍指、龍巣

★蒙恬★
経験値 : C → B
武力 : 88 → 89
指揮力 : 86 → 88
知力 : 90 → 91
特徴 : 代々父と似ていない →
女性 : 大好き

★桓騎★
経験値 : B → A
武力 : 93 → 93
指揮力 : 92 → 94
知力 : 95 → 95
残酷度 : 99 → 妖しい瞳 : 99

★王翦★
経験値 : B → A
武力 : 93 → 93
指揮力 : 93 → 94
知力 : 97 → 97
黒野望 : 100! → 100!

★李牧★
経験値 : A → S
武力 : 91 → 91
指揮力 : 98 → 99
知力 : 100 → 100
政治力 : 92 → 常に : 何かを狙っている

★龐煖★
経験値 : B → A
武力 : 100 → 100
指揮力 : 皆無 → 皆無
知力 : 馬鹿ではない → 馬鹿ではない
武神度 : 100! → 100!

★慶舎★
経験値 : B → A
武力 : 88 → 88
指揮力 : 88 → 90
知力 : 90 → 91
本能型の : 狩人 → 沈黙の : 狩人

★媧燐★
経験値 : B → A
武力 : 94 → 94
指揮力 : 92 → 93
知力 : 96 → 97
備考 : 巨乳怪力モンスター → 楚のNO.2(巨乳怪力モンスター)

★李園(初登場)
経験値 : A
武力 : 70
指揮力 : 88
知力 : 95
史記とのギャップ : 99

★尾平(笑)
経験値 : C
武力 : 70
指揮力 : 70
知力 : 68
出っ歯 : 100

飛信隊の歩兵の中でデータがあるのは尾平だけでしたが、
田有、竜川の他にも沛浪、去亥が百将ということが判明!意外と知らなかった!
田永、崇原、松左などはまだ什長、、世知辛いですなぁ‥‥。


【感想】 
やっぱりキャラクター秘話のページが一番面白かった!
わたしが知りたかったことや、気になっていたことがほぼ書いてあってかなり満足しました。

たとえば、わたしが唯一展開の粗さでモヤッとしていた"魏火龍七師"のくだり。
原先生的には、
「ライバル国として魏を強くしないといけなくて登場させたものの、
ちょっと展開が急ぎ足になってしまったかなと思っている」
とおっしゃっていて納得できたし、

気になっていた王翦 × 王賁の関係や過去についても、
「何故王翦が王賁に対してドライな態度をとっているのか、
王賁が必死で成そうとしていることは何なのか、まだ核心には触れていない」
と原先生が明言されたことから、
今後やっぱりそのあたりはちゃんと描かれるんだ、という期待がふくらんで更に今後の展開が楽しみになりました。

キングダムの伏線は投げっぱなしではなく、
ほとんどがちゃんと回収される。

こういう原先生の丁寧な仕事っぷりも、
わたしがキングダムを好きな理由のひとつなのです。

前半のキャラ紹介ページは、割と細かいキャラまでクローズアップされていて結構楽しめました。
ただ介億の紹介コーナーで、
"軍略のプロだが、女好きな一面もある様子?"
と説明があったのですが、
わたしの介億に対する見解は、女好きというよりも"他人の恋バナ好きの茶々入れキャラ"
だったので個人的にはやや違和感ありました。笑

対談などを読んでいると、原先生は結構読者の意見や感想も意識して展開を紡いでいっている感じがします。 
ネットのチェックなどもされてるのかも。
水野氏との対談の中で(136ページ)、
「(読者の意見の)優先度は高いですけど、正直に言うとトップではないです。
読者の期待を裏切ってしまうかもという心配はあまりしていなくて。
自分が面白いと思えるものを、ひたすら描き続けている感じです。」
とありましたが、
これからもぜひそのままのスタンスで描き続けていただきたい!と切に思います。

"アメトーーク!"以後の大ブレイク、キングダムファンとして本当に本当に嬉しいのですが、
人気が出すぎてファンの声が届きすぎることにより、
展開にブレーキがかかったり、迷ったりブレたりはしないのかなぁ‥‥
と、素人が無駄に心配してみたりしてしまうんですよね‥‥。

が、原先生自身は"史実"というしっかりとした骨組みがある以上、ゴール目指して向かっていくだけだという強固な意志をお持ちなので、
きっとわたしの心配などは杞憂でしょう。


・・ガイドブックのせいでますます次巻の発売が楽しみすぎて待ちきれなくなりました。笑



【メモ】
⭕️干央のパラメータデータで、"好きなもの→いも"とあり爆笑したものの、
よく考えたら栄備と勘違いしてた。(※22巻のオナラエピソードから)
むしろ栄備の好物をいもにして欲しかった。笑

⭕️原先生が楊端和さまを描く際には、"作中一の美女"のつもりで意気込んで描くらしい。

⭕️蒙毅の帽子は不人気らしい。笑

⭕️蒙武、以前の読切(昌平君とのネタバレ読切)では今よりも明るいキャラだったらしい!
意外すぎる!

⭕️媧燐のモデルは、和田アキ子ではないらしい!(絶対皆思ってた)

⭕️楚の大将軍・項燕は、まだ構想中のようす。

⭕️原先生、カラーのイラストがすごく上手くなったと思う。

⭕️おまけマンガ 「飛信隊 平(ひら)の能力値」