キングダム 42巻
*ネタバレあり*
- 作者: 原泰久
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/04/19
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キングダム 公式ガイドブック 「覇道列紀」
*ネタバレあり*
キングダム 公式ガイドブック 覇道列紀 (ヤングジャンプコミックス)
- 作者: 原泰久
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/01/19
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キングダム 41巻
*ネタバレあり*
- 作者: 原泰久
- 出版社/メーカー: 集英社
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キングダム 40巻 「敗北の巨星」
*ネタバレあり*
キングダム 40 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 原泰久
- 出版社/メーカー: 集英社
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長きにわたる政×呂不韋の戦いに、
この巻でついに決着がつきます。
表紙が内乱編オールスターみたいな感じで、
節目の巻なんだなあと実感。
キングダムの題字にもろかぶりの呂不韋と、
水色の背景と同化しているものの真っ赤なクチビルが異様な存在感を放ってる王騎が、
ちょっと笑えました。
さて、
39巻で互いの為政論をぶつけ合った政と呂不韋。
決着は、同時進行で起こっている咸陽での反乱の結末にかかっています。
呂不韋の企て通り、手下共が咸陽を制圧して王族をすべて始末し、
政から政権を奪うのか。
もしくは、
信をはじめとする大王の軍が反乱を抑え、
首謀者である呂不韋を黒幕として突き出すことができるのか。
読者の誰もが結果を分かっているものの、
1巻ではまだ14歳だった政が
8年の月日を経て加冠の儀を終え22歳、
そして本当の意味での秦の王になる瞬間‥‥
この目でみたい、確かめたい!
はやる気持ちをおさえつつ、
あらすじから追っていきたいと思います。
【あらすじ】
「人の本質の表れであり、人の世の営みの一部である"戦争"をこの世からなくすことなどできない。
戦争とは必ず起こるものであり、戦争が終わることは決してないという現実を受け入れるべきだ」
と語り、
「自分ならば暴力よりも金で人を動かして贅沢で豊かな国づくりをしてみせる」
と豪語する呂不韋に対し、
「人が持つ凶暴性や醜悪さはただの側面であり、人の本質ではない。
そこを見誤り、戦争は起こるものだと思い込むことは人に対する諦めをも意味する。
人の持つ本質とは、"光"なのだ」
と反論した政。
政は、かつて自分を趙から救い出してくれた闇商の頭目・紫夏に対し、
初めて人の優しさと強さを含めた強烈な光を見たと話し始める。
そして、
即位後からこれまでに出会った立場の違う様々な者たちの生きざまを目の当たりにし、
紫夏だけではなくその皆が一様に自分の中心に光を持っていたこと、
そして各々がその光を必死に輝かせて死んでいった姿を見てきたことを話す。
その光は、たとえその者が死しても
次の者がそれを受け継ぎ、
さらに力強く輝きを放って繋がっていく。
その繋がりこそが
人をよりよい方向へと前進させてくれるものであるのだ、と語る政。
そう確信するが故に、
己の光の有り様を見失い
人を闇に落とす最大の災いである
"戦争"
をこの時代でこの世から無くす、
と政は宣言する。
あくまで手段は"武力"なのかと尋ねる呂不韋に対し、
政は"武力"でだと断言。
戦国の王として、たとえ暴君と言われようとも武力で中華を統一し、
上も下も分け隔てなく一つにして
自分の代で戦争を終わらせるのだ、と。
全ては、
次の世を
「人が人を殺さなくても済む世界」
にするために。
政の宣言と覚悟を、その場にいる者たちは聞き入っていた。
一方、咸陽ではーーー
反乱軍は、後宮の奥まで迫ってきていた。
王女・麗の首を狙う琉期(るき)は、宮女たちを手当たり次第に虐殺しながら後宮内を荒らす。
麗とともに追手から逃げる向(こう)と陽(よう)は、反乱軍と通じていた宦官や宮女たちの裏切りにより、追手に追いつかれてしまう。
向と麗を逃がすべく、陽は己の命を賭けて時間稼ぎをしようとするが、
間一髪のところで飛信隊が到着。
信は琉期を捕らえ、麗を保護することに成功する。
その後太子・扶蘇(ふそ)の無事も確認され、ひとまずは王族の救出任務を果たした信たちだったが、
城外では、内側になだれ込もうとする凄まじい数の反乱軍に対し、
貂や尚鹿たちは苦戦していた。
戎翟軍など手練れの兵に加え、あまりにも数が多すぎる敵軍に、全滅寸前の貂たち。
もはや活路を見いだせず焦る貂のまえに、
突然貝笛の音が鳴り響く。
それは昌平君一団が到着したことを知らせる介億の貝笛の音だった。
昌平君は先頭に立ち、戎翟公・ワテギ目指して自らが出陣。
介億の貝笛により昌平君の到着を確信した貂は、戦況を見ながら昌平君の戦術に気づき、それに呼応した陣形をつくる。
そして貂の機転により陣形が整った昌平君は好機を逃さず、
一気に前進して見事戎翟公・ワテギの首を討ち取ることに成功。
そして残る何万もの反乱軍を咸陽から撤退させるために、
介億は大将首討ち取りの報を声高に叫んで周りに知らしめる。
貂たちは反乱軍の指揮系統が復活する前に素早く動き、
敗走を促すように誘導することで反乱軍を見事咸陽から撤退させることに成功する。
そして咸陽で起きた反乱は、無事鎮圧することができたのだった。
その頃、雍ではーーー
毐国軍の反乱が失敗したことを告げる伝者が呂不韋のもとを訪れ、
政と呂不韋の目の前でその事実が報告される。
この瞬間、長きにわたる政と呂不韋の政権争いの勝敗は決した。
呂不韋は、政に完敗したのだという事実を
正面からついに認めるのだった。
◆
後日 騒動が落ちついた後、
咸陽では表向きの反乱の首謀者・嫪毐の処刑が実行されることとなった。
嫪毐は、呂不韋の手引きで後宮に偽の宦官として入らされた過去を自供し、
反乱の経緯を洗いざらい口にするも、
玉璽の複製には太后は一切関わっておらず
反乱は全て己の独断で行ったことである、
と太后に罪が及ばないように庇う。
嫪毐処刑の場に現れた太后は、
己を先に処せよと政に食いかかるが、
政はあくまで反乱首謀者としての断罪人は嫪毐だとし、
太后を退ける。
引き下がらぬ太后は、嫪毐との間に産まれた2人の子の処遇について、政に問う。
政は、
「二度とこのような反乱が起きぬよう、
国家の禍(わざわい)となる火種は完全に消しておかねばならない」
と太后に告げる。
太后は初めて政に対して頭を下げ、
最初で最後の頼みだとして
子の命だけはと懇願するも、
政は断固としてそれを拒否。
怒り狂う太后は政に暴言を浴びせ暴れ回るが、その場に取り押さえられ、
嫪毐の処刑は決行された。
そしてさらに後日。
呂不韋の処罰については未だ審議中であったが、
その他反乱に関わった数百人は斬首の刑に処され、
趙高をはじめ4千余家の人間は島流しの刑とされた。
嫪毐と2人の子を失い、疲弊しきった太后のもとへ、政はひとり訪れる。
生気もなく泣き疲れて眠る母の隣で
政は、
"2人の子は密かに城外に出して匿っており、
いつか国内が落ち着いたら必ずや2人と引き合わせる"
と約束するのだったーーー。
* * *
祝・第一部 完!!
1巻からずっと続いていた呂不韋との政権争いに、とうとう決着が着きました。
非情で残酷な幼少期を送ってきた政の口から
「人間の本質は"光"だ」
と聞くからこそ、
その言葉の深さと重みを感じます。
己の路は
"中華の統一"
であるという志を体の芯に据え続けた政。
王騎の死の前に共に中華を目指そうと誓い合ったこと、
絶体絶命のサイ防衛戦で、麃公の死に様を信から伝え聞いたこと、
それらを含めて
前線で共に戦ったことはないはずの政が
王騎や麃公の生き様に関して光を感じることができたのは、
それらを伝え聞く相手(昌文君や壁、信など)から共に感じ、共有する想いがあったからにほかなくて、
出会った者や関わる者たちの希望や想いを背負いながら
王として政は立っているんだなあ・・・
と思うと、
改めてキングダムという物語の壮大さの根っこにある緻密な繋がりの凄さを感じることができました。
政が目指す"中華の統一"は
決して生半可な想いで描かれた夢ではなく、
第427話14〜21ページの
呂不韋が政に問うシーンで、
🔴政 :「人が闇に落ちるのは己の光の有り様を見失うから
見つからず もがき 苦しみ・・・
悲劇が生まれる
その悲劇を増幅させ 人を闇に落とす
最大のものが戦争だ
だから戦争をこの世からなくす」
🔴李斯(?) :「・・・」
🔴呂不韋 : 「武力でですか」
🔴政 : 「武力でだ」
「俺は戦国の王の一人だ
戦争からは離れられぬ運命にある
ならば俺の代で終わらす
暴君のそしりを受けようが 力でっ・・・
中華を分け隔てなく
上も下もなく 一つにする
そうすれば必ず 俺の次の世は
人が人を殺さなくてすむ世界となる」
ここの部分の2人のやりとりから、
政の覚悟がその場にいる全員に伝わったことが分かりました。
そしてまさかの呂不韋の目に
滲むものが‥‥!!!
あえて"武力"で中華をまとめる、
と言い切った政の覚悟。
成蟜が死の間際に信に言っていた
「中華統一の道のために跳ね返ってくる怨念は長平の比ではない」
という言葉を思い返すと、
改めてこれから先に流れるであろう血の量を考えさせられ、ゾッとします。
他国にとっては史上最悪の侵略者となり、
中華中から恨まれる存在となるであろう未来が待っている。
しかし、政は
"次の世のために"
それをやろうとしている‥‥
なんだかグッときてしまいました‥‥。
さて、政と呂不韋の決着をつけたのは、
咸陽での反乱の終結の報です。
向ちゃんと麗を守る陽ちゃん、
マジに死んじゃうかと思ったーーー!!
樊於期(はんおき)の息子・琉期の魔の手にやられそうになったその瞬間、信のルァァァが聞こえて陽ちゃん危機一髪!
琉期はどれほどのもんかと思っていたら、
アッサリ信にやられて仲間にも置いていかれる始末。
そして信に助けられた陽ちゃん、
完全に信に惚れちゃってました。笑
以前おまけマンガの中で、
向ちゃんから聞いた話で一時だけ信に恋心を抱いていた時期がありましたが、
ここにきて信の嫁候補がまた一人増えたということなのか?!
陽ちゃんは名のある武家の出で身分も申し分ないはずだし、
心情的な部分を除けば信の相手としては適任
なのでは?と思いつつ、
いや、でも陽ちゃんて一応政のお相手をする宮女な訳だしな。。
主人公がダチ(王様だけど!)のお下がり(言葉は悪すぎるけど!)と結婚というのも。。。
などなど、何だか無駄に考えこんでしまいました。笑
そして後宮内はひととおり落ち着いたところで、場面はてんやわんやの城外へ。
城内へなだれ込もうとする反乱軍を何とか必死に食い止めようとする貂たちですが、
絶体絶命の状況です。
しかしここで、雍から咸陽へ向かっていた昌平君が到着!!
介億が貝笛を吹き、合図を送ります。
姿こそ見えずとも、
師の到着を知り、戦況をみながら戦術を読み解いて、陣形を連動させた貂。
同じく姿こそ見えずとも、
思いもよらぬ陣形の完成に
「そこにいたのか河了貂」
と介億と蒙毅は貂の存在に気づき、
師である昌平君にも
「フッ」
と笑みを生み出させた貂の機転と軍師学校+サイ戦での絆に胸熱!
今巻でも大活躍だった昌平君。
以前の蔡沢老師の言葉から、
昌平君の武における強さのほどは
気になってはいましたが、
まさか蒙武にも匹敵する強さ(やや誇張あり:介億談)だったとは!
恐れ入りました。
(しかも、幼少期は蒙武をも超えていたとか‥‥ますます例の読み切りが読みたい‥‥)
戎翟公を討ち取ったシーンでは、
あまりの鮮やかな強さに貂の頬が赤らむほど。
一瞬で討ち取られた戎翟公・ワテギでしたが、
百年後の戎翟の復活を夢みて重臣たちに生き延びよと命じ、自らの命を落とした最期には、ホロリとさせられました‥‥。
そして戦が終わった後、信が昌平君に何故呂不韋を裏切ったのかを尋ねるシーンでは、
はっきりと昌平君の口から
「私も中華を統べることを夢に描く男の一人だ」
との発言がありました。
さらには信の質問への答えとして、
「現秦王はその夢を預けるに足る器の王だからだ」
ときっぱり。
昌文君もわたしも、感無量です。
そして、敗戦の報を受ける呂不韋。
金を見つめながら、自身の敗北を認めるシーンは感慨深かった‥‥。
この後、蔡沢に
「政は自分の息子だ」
と爆弾発言をしてドキッとさせられますが、
23ページでの若き日の呂不韋の表情からも、
ここでこの冗談を発言したことの真意は、
やはり呂不韋の言葉通り
「本当にそうであったならば」
と思うほどに、
政の成長がめざましくまぶしく、
呂不韋をも高揚させたことによるものなのでしょうね。
美姫(太后)への呂不韋なりの想いも含めながら。
太后様と嫪毐の結末ですが、
当然の結果とはいえ嫪毐は最も重い刑で死罪、そして2人の子も(表向き)死刑となりました。
太后が政に子の命を救うよう懇願する場面では、
2人の子だけが自分の全てだと言い土下座までする太后に対して複雑な表情を見せる向ちゃんが、
政から拒絶されるや否や
「てめぇなんか産んだのが間違いだった」
などと暴言を吐く太后に対して
堪えきれずに大反論したシーンがめちゃくちゃ泣けました。
そう、政だって太后の子。
しかしながら太后にとっては"クソみたいな人生"に含まれる存在であり、
そのことがとてもとても切ない。
でも、
今巻ラスト437話。
母(太后)に折檻され殺されかけて発熱を起こした政が、
ふと目覚めると濡れ手ぬぐいのようなものがおでこに乗せてあったという回想シーン。
布団は自分(太后)の分しか敷いてくれていなかったけど、枕は政に敷いてくれていた。
そのわずかながらの太后の母性ともとれる行為、政の記憶に残されていたほどに貴重なものだったのでしょう。
最終ページで、2人の子は政のはからいによって実は逃がされていることが分かり、
泣き疲れて眠っているはずの太后様の手も震えていたことから、
政の想いはきっと伝わっていたことでしょう。
政は強く、優しい。
さてさてキングダム、この先の展開は中華統一編になってくると思いますが、
"国をひとつにする"
ということがどれほどの大改革であり大戦争なのか、
想像するだけでも震えますね!
しかし40巻にもわたる内乱編、
長かったなー。
でも、めちゃくちゃ面白かったなー。
新刊が出ると、他の方の感想が知りたくてAmazonなどのレビューなどを読んだりするのてすが、
この40巻はおおむね大好評(大満足)のようですね。
しかし、
色んな方の感想を読むのは大好きなのでやめられないのですが、
たまに史実に基づくネタバレをレビューに書かれる方がいらっしゃって、
今回も史実では趙高はこの先◯◯‥‥
と書かれたとあるレビューを読んでしまい、
ネタバレを何より恐れるわたしは
ギャー!!となってしまいました。
知りたくない仲間の方はお気をつけください‥‥(涙)
それと余談ですが、今回の記事を立ち上げるにあたり、古iPhone使用のせいかやたらと落ちまくるように。。
そろそろ買い替え時でしょうかね。。。
次巻、楽しみすぎますね。
ではまた41巻で。
【メモ】
⭕成蟜の亡霊、瑠衣の肩に手を置く。笑
⭕39巻で矢に射たれまくった田有、なんとか生きているもよう。よかった!
⭕毐国と楚国はやはり金で繋がっていたことが判明。
⭕魏の前線に戻った一部飛信隊、隆国にブチ切れられる。笑
羌瘣、信を探しているっぽいが信はどこに?
⭕太后の側近宦官・趙高は島流しの刑。
⭕おまけマンガはなし、
原先生のあとがき2ページあり。
キングダム終了は80〜100巻の予定だとか。
(増えとる!)
⭕カバー裏
表側:イラストなし
裏側:蓑虫貂のイラスト「祝 第一部完」の扇子持ち。
【コミックス未収録】読み切り 「李牧」
*ネタバレあり*
キングダム連載前に、ヤンジャン本誌に掲載された読み切り、「李牧」。
舞台は趙国で、李牧とカイネの出会いが描かれた作品です。
この読み切りの評価が高かったおかげで、
キングダムの連載が決定したと言われていますね。
コミックス派のわたしは未読だったのですが、
数年前にこの読み切りが掲載されている販促用の小冊子をTSUTAYAで見かけて以来、
ちゃんと読みたいと思ってずっとずっと探していました。
2010年に発売された総集編にも掲載されていたようですが、
同じくコミックス未収録で総集編に掲載されている蒙武と昌平君の読み切りがかなりネタバレとの噂があるので、
あえて手を出しておりません。
(39巻現在・本編の流れからいうと、こっちの読み切りの方が読むのにいいタイミングな気もしますがね‥‥)
いつかは、コミックス未収録の読み切りなどをまとめて単行本化される日もくるのかな?
とは思いつつ、
この度ついに李牧読み切りのみの小冊子が手に入ったので、
ここに内容をまとめておこうかなと思います。
小冊子には原先生のコメントもあり、
「キングダム本編でもこの二人(李牧とカイネ)のエピソードにはふれていないので、
この読切はネタばれになってしまうのがひっかかりましたが、
しかし過去の読切を載せる場もなかなかないのでよしとしました。
いずれ本編でもこの辺の話は‥‥。」
と書かれています。
本編でもいずれ触れてくれるつもりなのかぁ、と一瞬読むのをためらいましたが、
合従軍を率いる前後ぐらいの時期から
李牧の背景がずっと気になっていたので、
結局読みました。笑
でも、
本編でその辺が描かれるまで待ちたい方は読みとばしてくださいね。
ちなみに、今後のストーリー展開に関わるようなネタバレは無かったのでご安心ください。
それでは、あらすじです。
【あらすじ】
趙国 北方の地、鴈門(がんもん)。
その土地は、そこからさらに北方の山間に存在する"匈奴(きょうど)"と呼ばれる凶暴な騎馬民族たちの度々の襲来により、
絶大な被害を被っていた。
匈奴たちは、時折南下してきては、犯し、奪い、殺し、去ってゆく。
鴈門の地を守るように趙の中央から派遣されてくる将軍たちは、匈奴との激戦に次々と敗れ、これまでに何人もが討ち死にしていた。
ある日、また戦死した将軍にかわり、国都・邯鄲(かんたん)から鴈門に新しい将軍が送られてくる。
李牧というその将軍は、
温和な顔つきの風情も含めて
今までの将軍とはまるで違っていた。
李牧は住民たちに
「不戦逃避」
を言いつけ、匈奴が襲来したら戦わずに砦に逃げろと指揮をとりはじめる。
長きにわたり凶暴な匈奴の被害に遭ってきた住民たちは、戦いを避ける李牧の策に納得しかねつつも、
毎日鴈門一帯の各集落を訪れては砦に避難する訓練を行い続ける李牧の指示に、渋々と従っていた。
しかし、一部の者たちは、李牧の策に納得できぬまま、不満を抱えていた。
特にカイネという女剣士は、両親を匈奴に殺されたという過去を持ち、匈奴を心から憎んでおり、
カイネは、戦わずして逃げる"腰抜け"な訓練をする李牧に対し、何かと食ってかかっていた。
そしてある日。
李牧が鴈門の将軍に任命されてから初めて、
匈奴が村を襲ってくる。
匈奴を迎え撃とうと準備する住民たちに、
李牧は戦わずに砦の守備をせよと指示。
カイネは反抗するが、
李牧は、指示に従わない者は
「斬首」
だときっぱりと言い切る。
住民たちは結局李牧の指示に従い、
家財・家畜とともに砦に逃げていた。
そして匈奴が村に着いた頃には住人はもぬけの殻であり、
匈奴たちは腹いせに村に火をつけて去って行った。
家々を焼かれ、悲しみに暮れる村人たちだったが、
李牧の指示のおかげで死傷者は1人も出ず、
焼かれた家々を再生すべく率先して山仕事をこなす李牧の姿に、住民たちも徐々に心を開いていった。
◆
一ヶ月後。
再び匈奴が攻め入ってくる。
李牧の策によりまたしても集落が抜け殻だったことに腹を立てた匈奴たちは、
砦の下に現れ、侮辱的な発言でカイネたちを挑発。
親を侮辱され、頭に血がのぼったカイネは暴走。
開門しろと怒り狂うが、
李牧に制止され、牢屋へ入れられてしまう。
その夜、牢屋まで来てくれた昔なじみの昭(しょう)に対し、
カイネは匈奴に対する怒りと
戦おうとしない李牧に対する怒りをぶつけていた。
カイネの気持ちを汲む昭は、1人邯鄲へ出向き、
李牧への苦言を伝えるために趙王に謁見するーーー。
◆
李牧のおかげで結果的に匈奴を撃退できているという現状に、住民たちは満足していた。
ある意味においての勝利だ、と喜ぶ住民たちを尻目に、
カイネは敵に屈しているだけだと憤り、
「趙人としての誇りや殺された仲間たちのことを思えば、
敵に背を向けて生き延びたとしても
我らの魂は死ぬのではないのか」
と李牧に訴えかける。
そんなカイネの姿を見て、
カイネの過去を知る李牧は
"ある男の話"として、
自らの過去を話し始める。
《今のカイネと同じ目をしていたその男は、
カイネと同じくらいの歳の頃、
戦争で両親と兄弟を失った。
男は怒り狂い、その念は部隊にいた同年代の者たちにも伝染した。
彼らは部隊長の制止を無視し、無謀にも敵陣に突撃した。
男は我を忘れて矛を振り、
気付けば敵陣を全滅させていた。
しかし、気付けばまわりの仲間たち‥‥
男以外のすべての人間は全滅していた。
男は、従兄弟も隣人の兄弟も、友人たちをもすべてを失った。
その時男の心に去来したものは、
家族の恨みを晴らした達成感ではなく、
今まで味わったことのない
耐え難いほどの失意であった・・・。》
カイネは、李牧が自身の話をしてくれたのだと察する。
そして李牧は、
設備も装備も兵力も不足している鴈門の地には、そもそも"勝利"など無く、
数十万にも膨れ上がった匈奴を討つことは絶対に不可能だ、と話す。
しかし、勝利がないのであれば徹底的に守り、
たとえ臆病者とも卑怯者ともののしられようが匈奴には味方に指一本触れさせはしない、
それが自分の役目だ、
と言い切る。
そしてカイネに、
「生とは自分が思っている以上に重く尊く守られるべきものであり、
そのことを憶えていてほしい」
と伝え、
カイネもその言葉を重く受け止めるのだった。
◆
後日ーーー
昭がカイネの気持ちを慮り、趙王に密告したことがきっかけとなり、
李牧は突然鴈門の地での将軍の任を解かれてしまう。
何も知らなかったカイネは昭を責めるが、
李牧は厳しい取り調べを受けるため
邯鄲へと引き戻されてしまうのだった。
そして、鴈門には新任の将軍が派遣されてくる。
新しい将軍は一転して好戦的人物であり、
匈奴の襲来に対して大挙して討って出るが、
匈奴の前に大敗。
将軍は討ち死に、鴈門は蹂躙されてしまうという最悪の事態に。
かろうじて生き残ったカイネら兵たちは、
家を捨て南下するが、
全滅寸前の状態に陥っていた。
戦死した昭の亡骸の前で泣き崩れるカイネは、
李牧がいた頃を懐かしむ兵たちの言葉を耳にし、
涙が止まらない。
数えきれないほどの仲間たちの骸と墓の前で、絶望感に打ちひしがれるカイネ。
とその時、
暗闇の向こうから人影が現れる。
気配を察し、剣を構えるカイネの前に現れたのは、
李牧だった。
「ただいま カイネ
残念ですけど今日からまた
腰抜け作戦の始まりですよ」
ーーー李牧が戻り、この後 鴈門は奇跡の復活をとげた。
そしてまた匈奴は何一つ奪えない日々が続いたと『史記』には記されているーーー
* * *
本編では、李牧崇拝のカイネですが、
当初はこんなに反発していたんですね。
39ページほどの読み切りだったので、
できるだけ詳しくあらすじを追いましたが、
簡単にまとめると・・・
もともとカイネは趙の北方に生まれ育ち、
両親を殺した"匈奴"に恨みを持ち、
日々復讐を願って剣の腕を磨きながら生きていた。
そこへやってきた新しい将軍・李牧は、
戦いを避けて砦にこもる作戦しか指示せず、
匈奴に復讐したいカイネの怒りの感情はおさまらない。
しかし、李牧にも戦争で両親や兄弟全てを失った過去があった。
李牧が怒りに任せて無理に戦争を進めたばかりに、仲間たち全てを失った。
その時の失意の底のような絶望感を今でも背負っているかのような李牧に対し、
カイネは、李牧は自分と同じようなことになって欲しくないと言いたいのだ、と悟り、
李牧の作戦にも理解をし始める。
しかしながら、カイネの匈奴への怒りを知る昔なじみの男の子・昭くんは、
戦おうとしない腰抜け李牧を追い出そうと
よかれと思って1人趙王に謁見し、密告します。
(一般人が王様に会えるのか??
という素朴な疑問は浮かびましたが。笑)
匈奴と戦い、両親の敵を討ちたいカイネに喜んでもらいたくてとった昭くんの行動でしたが、
カイネはカイネで李牧の過去を知り、
李牧の想いを理解しつつあったので、
李牧を卑怯な手で追い出した昭くんを責めます。
結局李牧は邯鄲へ引き戻され、
鴈門は以前のように匈奴に荒らされるように。
いよいよ鴈門一帯は蹂躙され、昭くんをはじめ、仲間たちもほぼ全滅。
あの時聞いた李牧の話が痛いほど胸に響き、
絶望に涙するカイネの前に、
再び李牧が戻ってきて、
カイネは泣きながら李牧に抱きつき
生き残った兵たちは李牧の帰還を喜ぶ・・・
といったお話。
短いながらも、
李牧の背景はしっかり分かりましたし、
カイネが何故あんなに李牧を慕うのか、
何故女ながらに李牧の側近的な位置にいつもいるのか、
その辺りの疑問もおおむねすっきりしたので
読んで良かったです。
この読み切りで出てくる"匈奴"は、
ご存知本編でも揚端和様のお話の中で登場します。
15巻で、王騎復帰戦・秦 VS 趙の戦いが繰り広げられていた最中、
咸陽の政のもとへ揚端和様が突然訪ねてきます。
端和様ら山の民は、勢力を拡大し、8万の軍を率いて北の騎馬民族・匈奴を
討ちに攻め入ったところ、
なんと10万以上もの匈奴たちはすでに全滅。
ほかの地域の山民族に比べ、桁違いの武力と軍勢を持っていたはずの匈奴が、
死体の様子から察するに
"武力"ではなく
何者かによる"策"の力によって
一方的にやられたように見えた、
と政に話します。
端和様は、戦場の位置関係から、匈奴を壊滅させたのは"趙軍"だと推測。
秦が趙と戦争中だと知っていた端和様は、
匈奴10万を全滅させるような脅威的な軍を趙が持っているということを、
秦が知っているのかどうかを政に確かめに来ます。
もし知らなかったとしたら、秦にとって非常にヤバイ状況だ、と案じて。
実際、趙の徹底的な情報操作により、そのことを全く知らなかった政。
端和様は、その軍を率いている者の名を匈奴の生き残りから聞き出し、
その名を"李牧"だと伝えてくれます。
匈奴はこのとき壊滅したもよう。
この李牧読み切りの時期から、いったい何年後の設定であるのかは明確に分かりませんが、
カイネたちにしてみれば、悲願の達成だったんですね。
環境が悪く、設備も兵力も無い北の鴈門に、
数十万もの匈奴を全滅させるほどの策を施し、見事にやり遂げた。
とてつもなく大がかりな策だったんでしょうねー。
ちなみに、このあたりは史実通りだそうです。
小冊子にある原先生のコメントより、
この李牧読み切りのラストシーンにあと1ページ追加しようかどうか悩んだそうなのですが、
"李牧が鴈門に戻った後、
北の軍隊を率いて匈奴と大戦し大勝した"
という史実を描くかどうかを迷ったとのことです。
結果的に諸々の事情から追加はしなかったようですが、
その後無事キングダムの連載を勝ち取り、
敵軍として李牧とカイネを登場させることもでき、
この時描かなかった部分を本編で端和様に語らせることができて、、、
「してやったり」だとこちらでもおっしゃってます。笑
改めて、キングダムはすごい漫画だなぁと実感。
人気と実力がなければ、いくら伏線を張ろうが、回収することはできませんからねー。
哀しくもそんな漫画はごまんとありますから。
改めて、キングダムという物語の壮大な背景を思い知らされる読み切りでございました。
それでは、次はたぶん次巻で。
【メモ】
⭕李牧、ムキムキマッチョ体型が判明。
材木運びの作業中、なぜか上半身裸であり、
「ドフ・・」という謎の擬音とともに
傷だらけの李牧裸アップ描写あり。
村人の女が「ゴクリ」と生唾をのんでた。笑
⭕小冊子には、ほかに原先生と中村勘九郎氏との対談が4ページほど掲載。
中村氏の1番好きなキャラは騰らしい。
歌舞伎界にもキングダムファンが多いそうな。
キングダム 39巻 「人の本質」
*ネタバレあり*
- 作者: 原泰久
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/07/17
- メディア: コミック
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呂不韋の策略によって引き起こされた
毐国軍の反乱による咸陽混乱の中、
ついに政の加冠の儀が完了しました。
と同時に、政と呂不韋との最初で最後の直接対決!!
本格的な戦や各々の決着は次巻以降に持ち越されましたが、
39巻のサブタイトルが示す通り、
"人"、"戦"、"国"の本質とは。
"天下"が表す言葉の意味とは。
政と呂不韋の対話の中で、じっくりと語られます。
そして、満を時しての昌平君の行動に注目です。
それでは、あらすじから辿っていきたいと思います。
【あらすじ】
加冠の儀の10日前。
攻略戦における任務のため、魏国に滞在していた飛信隊の貂のもとに届いた昌平君からの伝文には、
文を届けた呂不韋の手先である伝令係にも
内容を読み解かれぬよう、
一見普通の軍略指令にみえる暗号文で
真の内容が記されていた。
貂は、その暗号文で示される内容が、
"加冠の儀を狙った反乱が起こること"
を知らせるものであると読み解く。
呂氏四柱・昌平君が、敵対しているはずの大王一派・飛信隊に対し、政の危機を知らせるというこの行動は、
昌平君が呂不韋と"袂を分かつ"決意をしているということをも意味しており、
貂は全ての形勢が一気に覆る大事態かも知れぬと理解し、
急遽政のもとへ反乱の報せを送っていた。
そして加冠の儀の日。
攻略戦の任のための兵を魏に残し、
1000人の兵で咸陽を目指していた飛信隊は、
咸陽目前の位置にある川・渭水(いすい)の前で、
約1万人もの船団行軍に遭遇する。
なんと、船団の兵たちは、かつて合従軍防衛戦でともに戦った"サイ"の住民たちであった。
政から此度の事情を聞き、呂不韋にばれぬよう反乱鎮圧の準備を進めていたのである。
"サイ"の兵たちが用意してくれた船に乗り、信たちは川を渡るが、
川岸では反乱軍の戎翟公(じゅうてきこう)が待ち構えており、
船上へ一斉に矢を射ちこんでくる。
慣れない船上での戦いに、飛信隊はペースを狂わされるも、
貂はすぐさま陣形をつくり、タイミングを見計らって矢攻撃を仕掛ける。
隙をついて川岸に上陸した信は、戎翟の兵たちを蹴散らし、
味方である反乱軍鎮圧軍・馬仁(ばじん)将軍や尚鹿(しょうかく)将軍と合流し、咸陽へと急ぐ。
その頃、咸陽では、樊於期(はんおき)将軍ら反乱軍が既に到着していた。
呂不韋の手回しにより、何と咸陽の内側から城門が開き、
樊於期軍はいともたやすく咸陽へ突入する。
城内では住民が次々と蹂躙され、
特に戎翟の兵は、100年前の小国時代に秦に取り込まれ"県"にされてしまったという積年の恨みから、
執拗な蹂躙行為を繰り返す。
一方、旧王都・雍では、
加冠の儀が完了していた。
政は正式に第31代 秦国大王となる。
加冠の儀が無事に成し遂げられたことを見届け、
昌文君は即座に反乱軍討伐のため咸陽に向かおうと立ち上がる。
その時、呂氏四柱・昌平君が昌文君を呼び止めた。
そして呂不韋に向かって
「昌文君とともに反乱軍を鎮めるために咸陽へ向かう」
と宣言する。
昌平君の突然の行動に対し、呂不韋陣営は騒然となる。
11年もの間 呂不韋の下で軍総司令を務めてきた昌平君の離反に対し、
同じ四柱の李斯は激昂するが、
呂不韋は一瞬は驚くも動じず、引き止めることもなく昌平君と決別。
昌平君は、介億を引き連れて退室し、
昌文君と合流して咸陽へと向かう。
そして咸陽ではーーー
戎翟兵や樊於期(はんおき)軍らの蹂躙行為を制する昌平君直下の騎馬隊が突如現れ、反乱軍討伐の援護に加わっていた。
しかし、2つめの城門までもが呂不韋の手回しにより開かれ、
樊於期軍は呂不韋から教わった王宮・後宮までの最短ルートをたどり、進んで行く。
そのような状況の中、咸陽に着いたものの、戎翟兵など手練れの敵軍に手こずる信たち。
信は、苦戦する城内の飛信隊とサイの兵士たちに向かって
「敵の狙いは王族を消し去って呂不韋を次の王にすることであり、1番狙われるのは秦王の子供だ」
と叫び、
政の子供を絶対に助けるのだと檄を飛ばす。
一方、加冠の儀を終えた雍ではーーー
呂不韋が政に対し、
"天下"について語り合おうかと誘い、別室へと移っていた。
政は、太后、瑠衣、李斯、蔡沢の4名を同席させ、この者たちには自分たちの言葉を聞かせておくべきだと話す。
呂不韋はまず、
政の大望である"中華統一"について触れ、その願望は狂気の沙汰であると断ずる。
その理由を説明するため、
呂不韋は自身の思い描く"天下"像について語り始めた。
呂不韋は、
「"天下"とは、"貨幣制度"によってもたらされたものだ」
との持論を語る。
人の歴史における最大の"発明"にして"発見"
であるこの制度が生まれてから、
"金"こそが人々の"欲"を増幅させ、
他人との"裕福度"を比較する物差しとなり、
そのことが他人より多くを得たいという強烈な"我欲"をもたらしたのだ、と。
もともと物々交換の範囲で生きていた人々の世は、貨幣制度の普及により
中華という広大で複雑な世界へとまで進化した。
そして、
人々にとっての"天下"が"中華"へと代わり、
人間がその手で支配できるものなのではと
思わせるものへと変化した。
もし、呂不韋自身が国を担うならば、
大商人時代に金を通して誰よりも深く人の世を洞察してきた上で得た稀有な知識と経験により、
"戦争を第一手段とし、国民が血を流す世の中"
ではなく、
"金を操り、国民全員が人生を贅沢に謳歌することができる世の中"
をつくりだし、
「10年あれば秦を中華史上で最も富に満ちた国に成長させることができる」
と断言。
刃ではなく富を交わらせて他国との関係を築き、
列国の資源・産業を循環させる役割を秦(呂不韋)が担うことで中華全体の発展・繁栄の実現をさせ、
暴力ではなく豊かさで全体を包み込むのが自身の考える
"正しい中華の統治"
であると語る呂不韋。
敵国全てを暴力で征服し尽くす
"中華統一"
など、勝利する側の身勝手な夢の押し付けであって、悲しみと絶望と怨念を生み出すだけであり、
自国民に多大な犠牲を強いることを
"中華統一"の代償として政が善しとするのであれば、それは狂気の沙汰としか言いようのない考えである、
と呂不韋は政を激しく批判する。
呂不韋の言葉を受け、
趙で過ごした幼少期、虐待の日々を送っていた頃の鬱屈した感情が思わずよみがえる政。
そのやり方では戦争はなくならないと
反論する政に対し、
呂不韋は
「人の世から戦がなくなることなどない」
と断言する。
己の大義のため、仲間のため、愛する者のため、ただ私利私欲のため、復讐のため‥‥
戦う者たちの戦う理由は、
それぞれが人の持つ正しい感情からの行動であり、
誰もが間違っていないからこそ堂々めぐりとなり、戦争が終わることなどないのだ、
と言い切ってみせる。
政は、呂不韋の言葉により、趙時代に味わった復讐心の闇の中へと思わず引き込まれそうになる。
しかしその時、政の頭の中で、
かつて政を命がけで救ってくれた女商人・紫夏の言葉が聞こえる。
我にかえり、己の考えを整理できた政は、
呂不韋に自らの言葉をもって反論する。
呂不韋の考える為政(いせい)とは、
所詮"文官"の発想の域を出ないものであり、
戦に向き合わぬ呂不韋の為政は今の世の延長上にしかなく、
結局のところ500年続いた戦国時代が再びより大きな戦争期間へと突入するだけだ、と。
「"戦国時代を終わらせること"
こそが、人の世をより良い方向へ進める為政者の役目ではないのか」
と政が語ると、
呂不韋は
「戦争は人の本質の表れであり、人の世の営みの一部。
それを否定することは人を否定することであり、現実を受け入れて為政に挑まねば世の中は前進しない」
とさらに反論。
すると政は、
「人の持つ凶暴性も醜悪さも、
それは人の側面であり、
決して人の本質ではない。
人の本質を見誤り、戦争がなくならぬものと思い込み、その中での最善を尽くそうとしているが、
それは前進などではなく、
"人へのあきらめ"だ。
そこに気づかないからこそ、
中華は500年も戦争の時代を続けているのだ」
と答える。
呂不韋は政に対し、
人の本質とは一体何だと思うのかと問うと、
政は、
「人の持つ本質は 光だ」
と真っ直ぐに答えるーーー。
* * *
呂不韋、やはり手ごわい・・・!!
39巻では、決着がつきませんでした。
利口な貂は、昌平君からの暗号文を読み解き、
政へ反乱を知らせます。
昌平君→貂リレーのおかげで、政陣営はサイに協力を仰ぐことができ、
反乱軍鎮圧軍を待機させることができました。
ここでなつかしの尚鹿将軍が登場!
壁の幼なじみです。
しかし信の初陣から8年ほど経過したとはいえ、
えらく老けたような、、、笑
サイの民兵たちもたくましくなっており、
こんな時ではありますが、嬉しい再会が続きます。
しかし!話は逸れますが、
26ページのおまけラフ画の羌瘣セリフを見てかなりガッカリ!
「私も(船に)乗りたかったな‥‥」
って、羌瘣は来てないのかよ!?
読み進めていくと、魏国攻略戦の途中で飛信隊全員が抜ける訳にもいかず、戦力を残して来たと信が説明しておりましたが、
仕方ないとはいえ、たった1000人とは‥‥
ちょっと心配になってきました。
個人的にはすごく残念でしたが、やっぱり原先生は上手いとも思います。
政と信と貂が大きく関わるときは、羌瘣を外す。
ここの3人の特別な絆感は、ずっと一貫して描かれているんですよね。
そしてついに、昌平君が呂不韋陣営を抜けました!
言葉少なな昌平君なので、こうなるまでどこかでヒヤヒヤはしておりましたが、
「世話になった」
の一言で呂不韋のもとを去りました。
合従軍戦の際、国の存続をかけて秦が一丸となったあの時、
昌平君もいろいろと思うところがあったのでしょうね。
29巻で、
蒙武が楚の汗明を討ったという報に対し、派閥対立関係なく昌文君と握手をかわしたこと。
30巻で、
秦の劣勢に対し、もはや防衛を諦め政の首をとり合従軍に差し出そうと目論む呂不韋に対し、
政は、咸陽までの最後の砦である"サイ"へ自らが出向き、民衆の人心に火をともしにいく役を買って出たこと。
31巻で、
政と昌平君の間で行われた会話の内容を探る呂不韋に対し、
「状況をお考え下さい 相国
私は秦軍の総司令でもあります
今ーー それ以外のことは
取るに足らぬ小事です」
と昌平君が答えたこと、
加えてサイに介億ら側近100名を送り込み、
サイ防衛戦に協力したこと。
楚出身の昌平君にとって、秦という国に対する想いがどれ程のものなのかは分かりませんが、
政や呂不韋とはまた違う角度から
この人もまた
"中華"全体を見ていたことは間違いありません。
そうでないと、廉頗戦で勝ち取った"山陽(東郡)"を拠点とした"中華への進出"を密かに目論む必要はない訳ですからね。
(その企みに気づいたのは李牧・春申君だけのようでしたが。)
それも含め、軍総司令として、今秦を滅ぼされる訳にはいかないという意地もあったでしょう。
"国が存続できるか滅亡するかの瀬戸際"
の際に、
呂不韋は、国よりも己を優先した。
どんな状況であっても己の立場や優位性を重んじた。
政は、国のために自分が出来ることを最大限に行った。
この差が決め手となったのでしょうか。
実際、昌平君が呂不韋のもとを去る理由の説明はありませんが、
この差こそが、呂不韋失脚の本質的な部分に繋がっていくのかもしれません。
第420話の呂不韋のセリフで、
🔴呂不韋 : 「"四柱"とは儂を華やかに彩るためのただの"装飾"にすぎぬ
"装飾"は所詮"装飾"
それが一つや二つ身からはがれ落ちようと
この呂不韋という人間の強大さは一切揺らぐものではないぞ
うぬらは全員 誰一人としてまだ呂不韋という男の大きさを測れておらぬ
当然といえば当然か
測れるほどの"物差し"を誰も持ち合わせておらぬからな」
というものがありましたが、
ものすごいセリフだなとゾッとしました。
昌平君が離反することに対する強がりとか、
そういうことから出る言葉では一切無く、
本気で人を信用せず、
人は己を彩る装飾品とまで言い、
ただ己の能力のみを愛している。
(でもこれまでになく本音が出過ぎているあたり、やっぱり大分イラついてはいたのでしょう)
ラストの中華統治論演説にも、その部分がハッキリと表れていました。
政ですら、過去の怨念(ゾンビ亡霊たち)を思い出さされる程に巧みな言葉と耳ざわりのよい表現の数々。
瑠衣らの表情をみても、呂不韋理論に付け入る隙が無く、完全にのみこまれています。
数々の国を見てきた蔡沢ですら、呂不韋の語る為政論に一目置かざるを得ない表情。
政を圧倒するような論破っぷりに、
その場の空気がかたまりまくっています。
やはり、流石は呂不韋としか言いようがありません。
並行して行われている咸陽での反乱軍との戦いシーンが差し込まれますが、
秦の侵略により100年前に国を取り込まれてしまった"戎翟"の怨念による強さも、
呂不韋の理論を裏付けるようで読者にも効果的です。
しかし、呂不韋の理論にのみこまれそうになる政は、紫夏さんの光に救われて自分を取り戻します。
もっともらしい呂不韋の理論に対し、
政は、
「人に対して"あきらめている"限り、
人の本質を見誤っている限り、争いは終わらない。
だから500年も戦争が続いている」
ときっぱり。
ここで、呂不韋の時は質問を交えながらも
渋い表情で目を伏せていた蔡沢が、
目を開けて自分の胸をぎゅっと掴んだシーンが印象的でした。
(まさかここにきて普通に心臓発作とかじゃ、、ないよね?!笑)
8年ほど前には、
「早う大きゅうなりなされィ 大王
この蔡沢は 強き者にのみお仕えいたしまするぞ」
と言っていた蔡沢。
昭王時代の丞相を務めていたほどの人物ですから、
胸の奥深くには忘れかけていた"熱きもの"を秘めているのではないのか?!
大きゅうなった政に対し、何を感じているのかすごく気になる。
そしてここまで何も喋っていない、感情の動きを見せない、太后の意見も気になります。
1巻から39巻までの間続いてきた、政と呂不韋の権力争い。
果たしてどちらが国の実権を握るのか、
結果は分かっているものの、
今巻は進行がスロウでちょっとはがゆくはありましたが、
決して短縮できないシーンですからね。
政がどう締めるのか、40巻に期待です。
最後に、触れそびれていましたが、
信をかばって矢まみれになった田有さんの生死はいかに!?
3ヶ月先が長すぎますね。。。
【メモ】
⭕おまけマンガ「天幕(テント)つづき」
羌瘣ちゃん!!
まさかあなたが自ら・・・!!
⭕カバー裏 表 : 貨幣イラスト
裏 : (おまけマンガからの)「しーっ(秘密ね、的な)」てしてる羌瘣(かわいすぎ)
⭕向ちゃんの愛娘・麗ちゃんはめちゃくちゃかわゆく成長。
⭕呂不韋の手下と思っていた樊於期、さほどの信頼関係はなさそう。まさに金で雇っただけの関係?
⭕呂不韋、よく足がしびれる。笑
⭕原先生、"アメトーーク!キングダム芸人の回"放送に大喜び。
《昌平君について、おさらい》
⭕秦国の右丞相。
⭕元々は楚の人間である。
⭕呂不韋のもとで11年間仕える。
⭕軍師養成学校を自費で運営する。
《これまでに気になっていたこと》
⭕10巻の呂氏四柱登場シーン。
蒙武が中華最強を宣言するところで、
🔴蔡沢 : 「すでにそこに貴様より強い男が一人おるぞィ なァ 昌平君!?」
という蔡沢のセリフと、
⭕13巻 蒙武 VS 趙軍 戦を城跡で観戦中の蒙毅と貂の会話シーン。
🔴蒙毅 : 「今はもう戦略戦術が必須の時代だ
蒙武の戦い方は明らかに時代に逆行している
中華最強という言葉自体も漠然とはしているが
もしそれに当てはまる武将がいるとしたらーー
それは高度な知略を起こし実践できる武将のはずだ
(そう 本来ならそれは先生が‥‥)」
というセリフからの昌平君の表現。
軍総司令+軍師学校の講師というだけに、文官のイメージを抱いていたところ、
何だかこの2人の言い方だと
「知略だけでなく相当武にも長けている」
という感じがして(李牧タイプ)、
昌平君のことはずっと気になってた。
⭕今巻第421話で、昌平君は甲冑着てますから、もしかして昌平君の戦闘シーンが見られるのかな?!と密かに注目してます。
※昌平君については、今までいろんな描写があったので別枠でまとめてみたくもあったのですが、
例の、ネタバレを含むらしいという噂から
"総集編掲載の読み切り"を未読のため、
そこに描かれている昌平君を知らない以上は、自分なりにとはいえまだうかつに人物像をまとめることはできない気はします。またいつか。
【感想】 「アメトーーク! "キングダム芸人"」
*ネタバレあり*
今か今かとひそかにずーっと待っていた、
「アメトーーク!"キングダム芸人"の回」
がついに現実化し、先日放送されました。
(※2015年5月28日放送分。以下、"アメトーク"と記します)
嬉しすぎてテンション上がりまくりましたが、
見ていて思ったのは、
やはりたったの1時間ではキングダムの魅力は語りつくせない、、、!
ということですね。
キングダム大好き芸人たちも、きっと同様の気持ちを抱きながら、もどかしくも必死に魅力を伝えてくれたことでしょう。。
とはいえ、アメトークを通してキングダムを読みたいと思う人が増えてくれたら
いちファンとしてめちゃくちゃ嬉しい!
なので、今回は祝・アメトーク記念として、備忘録も兼ねて感想を残しておきたいと思います。
◆
【キングダム大好き芸人たち・キングダム軍】
各キャラのコスプレ姿で登場。
●高橋茂雄(サバンナ) ・・・信
●小島瑠璃子 ・・・羌瘣
●ケンドーコバヤシ ・・・タジフ
●吉村崇(平成ノブシコブシ) ・・・王騎
●菊地智義(ポテト少年団)・・・桓騎
まず第一に、こじるりの羌瘣コスがめっちゃかわいかった!!
キョーカイちゃん大好きなわたくしといたしましては、放送を見る前までこじるりが羌瘣だなんて地味すぎる!と否定的でしたが(すみません)、
超絶似合っておりました。
サバンナ高橋の予言通り、ツイッターでも話題になってましたね。
それに対して、高橋の信!
宮迫にスネ夫がいる?とボケられるほどに
まったく覇気が無さすぎて爆笑!
本人も、
「戦顔(いくさがお)ちゃうから〜」
と認める始末(笑)
ノブコブ吉村バージョンの王騎は、不気味ではありましたがいい味は出てましたね。
「劇画顔だから」と一同に納得されておりました(笑)
ケンコバタジフはプヨってるお腹がかわいすぎて爆笑!
菊地さんの桓騎は・・・正直微妙でした。。(菊地さんのことも初めて知りました・・すみません)
【キングダム分からん軍】
●礼二(中川家)
●狩野英孝
●若林正恭(オードリー)
●土田晃之
●千秋
【番組の流れ】
一、キングダムとは?
二、キングダムの凄さ
三、ハマるポイント
四、史上最大のピンチ
五、キャラクター列伝
こんなかんじの五部構成でした。
〈一、キングダムとは?〉
ケンコバ :「ひとことで言うとめちゃくちゃ面白い!」
高橋 :「主人公の成り上がりのストーリー」
おおまかにまとめると、
"(日本では弥生時代の頃)秦の始皇帝が中国を統一する物語"
と紹介されておりました。
「1話目冒頭に、
"夢を叶え将軍になった主人公"
があらかじめ描かれているところがすごい!」
と高橋が熱く語ってくれます。
そしてこじるりが1,2話の内容を解説。
「読みたくなりませんか?」
と煽ります。
《キングダムとは(画面に出たまま写します)》
1.めちゃくちゃ面白い!
2.中国を統一する物語。
3.主人公の親友の死で第1話終了
4.「タッチ」の和也が1話で死ぬ感じ?
5.死んだ漂を見つけて第2話終了
6.読んだら最後 You can't stop!!
7.国内のクーデターで命を狙われてる。
8.最初に未来の姿が描かれている。
9.あえて先の展開を見せてる
〈二、キングダムの凄さ〉
サバンナ高橋が、連載前の裏話を披露。
★原先生の連載が決まり、キングダムの構想が出来上がると"絶対に面白いものになる"と確信した編集。
そこで、初連載の原先生のために、あの井上雄彦先生のもとへ4ヶ月間アシスタント修行に行かせた。
編集が連載前に絶対売れると作品の魅力を確信し、新人を巨匠に送り込みアシスタント修行に出させるという流れ、初めて聞きました。
しかも初連載の新人に!
次に、何故か"キングダムを◯◯に例えたら"
コーナー的な流れになり、
ポテト少年団・菊地が
「土田さん、ラオウと同じぐらい王騎の事を好きになれます」
と断言したことをきっかけに例え話が発展。
高橋「ケンシロウは信!」
土田「トキは?」
高橋「トキは・・(無理矢理こじるり羌瘣を当てる)」
ケンコバ「俺(タジフ)はハート様です!」
土田「何か分かってきた・・・」
ハートって!!
それ全然タジフじゃなくてケンコバのお腹がやん!!(笑)
千秋がマンガじゃなくて阪神に例えてキングダムを説明しろと言えば、
サバンナ高橋が
「信は(例えるなら)若きエース・藤浪」と答え、
掛布=王騎
マートン=桓騎
タジフ=フィルダー
などなど発展回答が続きます。
狩野が大好きなラルクに例えて〜と言うと、
ハイドは信になったものの、キングダム軍にラルク知識が無く、役が決まらずにグダグダになって終わり(笑)。
《キングダムの凄さ(画面に出たまま写します)》
1.連載デビュー作で大ヒット!!
2.井上雄彦⇔(師弟)原泰久
3.連載デビュー決定後に井上雄彦に弟子入り。
4.次の巻をガマンできなくなる。
5.38巻でも状況は変わらず
6.毎回が「ムリやん」→「 マジか?」
7.簡単に一言では片付けられない。
8.方や日本ではネズミ対策
〈三、ハマるポイント〉
とにかく1巻を読めばハマる!と一同力説。
ケンコバは、
1巻で万が一ハマれなければ3巻を、
それでもダメなら16巻、
次は26巻、
と各巻のオススメポイントを挙げていきます。
このあたりで、別撮りで三四郎・小宮(最近よく出てきてますね)に3巻まで読ませた様子を紹介。
「山の王が女だったのが衝撃。お金払ってでも続きが読みたい」
と言わしめました。
ノブコブ吉村は、
「好きすぎて16巻だけ読めない」と興奮。
主要キャラ・王騎が死ぬ展開の説明に、
高橋やケンコバも
「15巻まで王騎が死ぬ気配なんて全くない」
と16巻の衝撃を力説しておりました。
個人的に嬉しかったのが、高橋&ケンコバの録嗚未フィーチャー!
「キングダム史上初めて"ツッコミ"が生まれるシーン」
として、キングダムファンにはおなじみの
騰×録嗚未の例の掛け合いの数々が紹介されておりました(笑)。
そしてこのあたりで、別室にオードリー若林を連れていき、キングダム1巻を読ませる展開に。
〈四、史上最大のピンチ〉
ここでキングダム最大の山場、合従軍編のストーリーが説明されます。
まず、"合従軍とは?"の説明。
サバンナ高橋は、
「ドラゴンボールに例えたら、最初のほうにピッコロ、フリーザ、ベジータから魔人ブウやらが一気に攻めてきて、
こっちはウーロンとプーアルしかおらん状態」
と、事の重大さを力説(笑)
そしてこの絶体絶命の事態に、ケンコバタジフ属する山の民が救援にかけつけてくれるシーンを紹介。
詳しいことは話せない!とじらしてました。
あとは函谷関の戦いで、桓騎が井闌車に油をぶっかけ、火矢を放つシーンのフリップが出され、
15万人もの敵軍まみれの大海原に桓騎が1人(正確には精鋭部隊400)で降り立ち
しれっと敵軍のボスを倒すという、
28巻の激アツ展開が紹介されていました。
この301話が掲載された号の、ヤンジャン読者の反響はとんでもなかったとか。
まったく、この時の桓騎の「すべて 上手くいく」には心の底からしびれましたね・・・。
この桓騎の行動を聞いた中川家の礼二が、
「そんな組織の和を乱すヤツ、アカンやん」
とツッコミを入れ、
しばらくケンコバと押し問答みたいになったところが個人的にめっちゃ面白かった(笑)
*
さて、ここいらで1巻を読み終わった別室の若林に一同が注目!
まんまとキングダムの面白さにハマったっぽい若林に、全員がしてやったりと大喜びでした。
若林、2巻を持って、ひな壇に戻る(笑)。
《秦 VS 合従軍(画面に出たまま写します)》
1.趙の李牧が合従軍を形成。
2.誰もが絶対負けると思った。
3.秦国に+αの力が働いた。
4.最強の助っ人「山の民」
5.トリッキーな行動で危機を救う。
〈五、キャラクター列伝〉
各キャラクターのざっくりとした説明コーナー。
とにかく最終的に王騎がカッコいい!と一同絶賛。
集英社から借りてきたという"王騎の矛"を狩野に持たせ、
この"矛"の凄さをこじるりが説明。
伝説の一戦・王騎×の龐煖の戦いをフリップで紹介し、
龐煖の化け物的強さの解説も。
「さんま VS たけし みたいな戦い」
「パッキャオ VS メイウェザーみたいなもん」
「龐煖はジョーカー的な強さ」
などなど各自が評しておりました。
羌瘣と龐煖の戦いのアニメ映像もちらっと流れ、
連載終了までアニメを見ないと決めているわたしは、ここで初めて羌瘣の
"トーン タン タン"
を聞いたのでした。
(思っていたリズムと違った)
そして、分かりやすかったのが
ノブコブ吉村の、
"信の成り上がりを島耕作に例えたら"
のフリップ説明。
ヒラ社員 = 歩兵(伍)
主任 = 百人将
係長 = 三百人将
課長 = 千人将
部長 = 三千人将
取締役 = 四千人将
専務 = 五千人将
社長 = 将軍
(会長 = 大将軍)
なるほどー!(笑)
あとはカリンや成蟜の解説、
呂不韋と太后さまのエロシーンフリップ、
まさかのキーパーソン・嫪毐の説明などが入り、
最後は高橋から再びキングダム制作秘話。
★連載初期、なかなか人気が出なくて悩んでいた原先生は、師・井上雄彦先生のもとへ相談に行った。
井上先生は、
「信の瞳をもう少しだけ大きくしてみたら」
とアドバイス。
原先生はアドバイスをもとに信の瞳を少し大きく描くように意識し出したところ、
それから本誌アンケートでは常に人気1位に。
(↑このエピソードは以前にも高橋がどこかの番組で語っていたので、知ってる方も多いかと思います。)
そして菊地やケンコバが原先生に描いてもらったイラストを紹介。
その後"絵心ない芸人"ホトちゃんと礼二が描いた王騎を原先生にプレゼントする、という流れになり、番組は終了となりました。
《キャラ列伝(画面に出たまま写します)》
[信]
・どんどん成長して行く主人公
・成長を自分と照らし合わせる
・このまま将軍(社長)になれるのか?
・そして大将軍へ
・龐煖VS 信 =
大御所芸人 VS 劇場クラスの若手
[羌瘣]
舞いながら戦う女剣士
[カリン]
巨体の女将軍(性格に難あり)
[成蟜]
・最終的に好きになる?
・異母兄弟の政を嫌う
[呂不韋]
・「一年=十二カ月」を提案
・太后とチョメチョメしてる
[嫪毐]
・スゴイ男根の持ち主
・現在、物語のキーマンに
《原先生のスゴイ所(画面に出たまま写します)》
1.「好きなキャラクター描かせて下さい」
2.「皆さんのサインを下さい」
3.芸人が描いた絵を仕事場に飾る。
◆
【補足と、余談】
狩野は、もともと5巻ぐらいまでは読んでいたらしい。
よくそこでやめられたな。。
(ちなみにわたしは8巻まで会社の同僚に借りて、
続きが気になりすぎてあとは26巻まで家人とともに一気に買い集めました。)
キングダム芸人たちが1巻→3巻→16巻→26巻
とオススメ巻を紹介していましたが、
自分ならどの巻を勧めるかなぁと考えてしまいましたね。
好きな巻ではなくて、ハマるきっかけになりやすい巻としたら、
必然的に上記のようになるのかもしれませんね。
わたしなら、
1巻→8巻→14巻→16巻→22巻→25巻→30巻→32巻
かな。
特に自分が好きな巻というだけかも知れないけど、
グワッとくる巻というか、
何度読んでも心が掴まれる巻です。
好きなシーンとか、名シーンなんて、
数えきれないけど。。。
【アメトークの影響】
現在、放送からしばらく経ちましたが、世間的にも大反響のようす。
めちゃくちゃ嬉しいですね〜!
ヤフーニュースから結構アメトーク絡みの記事にいくつか出あい、
その影響に驚かされました。
(アメトークの影響でAKBメンバーもハマる!とか、Amazon電子書籍のキャンペーンに合わせ、キングダムを大人買いする人続出!とか、その影響でAmazonキングダム売り切れ続出!とか、近所の本屋に1巻がどこにも売ってない!とか諸々)
正直、今からキングダムを38冊も初めて読める人たちがうらやましくて仕方ないです。(笑)
ちなみに、自己満足のためにひっそりやってるわがブログですら、異常現象が起こっていました。
アメトーク放送日を境に、1日のアクセス数が10倍ぐらいになっており、目を疑いました。
(アクセス数の多さの基準がどれ位なのかよく分かっておりませんが、2,3日で1万とかいっていてびっくりしました)。
ここにたまたまたどり着いた方(ありがとうございます)が、ぜひキングダムにハマってくれますよう、
ひそかにひそかに願っています。
では、次は39巻で。