キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 18巻 「奇貨居くべし」

*ネタバレあり*


キングダム 18 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 18 (ヤングジャンプコミックス)



18巻。
2014年12月現在、やっと折り返し地点にまでやってきました。

読み返すと改めて面白すぎて、
そして頭の中でまとめることが多すぎて、
内容もあれもこれもと詰め込みたく
パンパンに長々なブログ内容になってしまい
なかなか進みません。笑
完全に自己満足ですが。。。

次の巻が1月ぐらいに発売のはずだから、
年内には36巻まで追いつきたかったのですが、
このペースだと厳しいですね。。。

新しい巻が出たら、読後の思い溢れる感想をすぐにアップしたいがために始めたこのブログ。
‥‥なだけに、なんとか間に合うようにがんばってみよう。


では、あらすじから。


ヤンジャンって少年ジャンプと違って青年誌だったわ‥‥と、
改めて気づかされ、
激しすぎるベッドシーン(!)が何故だか笑える(わたしだけ?)18巻です。



【あらすじ】
母・太后から、複製の玉璽を使った白紙の書簡を受け取った政は、直々に後宮へ出向き、
太后と対面する。

人質となっていた趙から脱出して以来、
親子でありながらも互いに会おうとはしなかった
政と太后

趙の人質時代、2人は趙人からの壮絶な虐待を受けながら身を汚して生き延びた。
その地獄の日々は互いに思い出したくもない過去であった。

政は、女商人・紫夏により、命懸けで意識の闇の底から救い出されたが(※8巻参照)、
太后は未だ闇の中にいるように政には思えた。

白紙の書簡の理由について、太后は政の顔を久しぶりに見たかったからだと話す。

政は、呂不韋陣営に対抗するために
後宮の力を貸して欲しい、と
太后に願い出る。

数日後、太后から協力する旨の返答があるが、政は何か裏があるような気がしてならなかった。

ある日の夜。
宮女・向が、後宮内で太后呂不韋の密会を目撃してしまう。

壁越しに2人の会話を聞いた向は、

太后呂不韋陣営の傘下に入ったこと
太后が政に再会した時、全く母性を感じず、
今更政がどうなろうと知ったことではないと
言い捨てたこと
●今回の白紙書簡騒動は、呂不韋を後宮に呼び寄せるためだったこと
太后呂不韋は、17年前は恋人同士だったこと

を知ってしまう。


政に伝えなければと焦る向だったが、
人の気配を感じた太后の側近に、壁越しに刺されてしまう。

咄嗟に刃の血を拭き、気づかれずに向は逃げ去った。

秘密の小部屋へ入っていった太后呂不韋
太后は、後宮勢力を呂不韋陣営の傘下に加える条件として、
呂不韋に17年前の関係を復活させることを提示する。

太后は、過去"邯鄲の宝石・美姫(びき)"と呼ばれる美しき舞姫だった。

呂不韋の許嫁だった太后は、ある日突然
秦の王族・子楚(政の父)と結婚するように呂不韋から言われ、そして政を身ごもる。

呂不韋は金をつぎこみ子楚を王位に就かせ、秦丞相の席を手に入れることに成功。

太后は、呂不韋の出世のために利用されたのだった。

恨みや憎しみが大きい反面、呂不韋を求める太后
そしてその夜、太后呂不韋は姦通する。


一方、刺された向は、傷が深く死の淵をさまよう。
しかし、陽が政に知らせてくれたおかげで一命を取り留め、
駆けつけた政に"太后呂不韋の不義"を伝える。


向のおかげで事の真相に気づいた政は、
今こそ呂不韋陣営を叩く時だと決意。
2人の不義を声高に広め、呂不韋陣営を揺さぶり、一気にたたみかけようと立ち上がる。


その頃呂不韋は、度重なる太后の密会の誘いに辟易しつつも、関係を継続させていた。




一方、前線地帯。
魏国攻めの戦の準備が整った。

総大将は、蒙驁大将軍。

信たち飛信隊は、武功の多さから本軍の前方に配置され、隊の士気は上がる。
しかし王賁ら玉鳳隊は、実績に加え期待値の高さから、さらに前方の最前列に配置されていた。

悔しがる飛信隊の前に、
蒙恬ら楽華隊が現れ、信と初めて顔を合わせる。
秦の若手三百将揃い踏みとなった。

そして開戦。
数日間膠着状態が続き、長期戦の構えの戦況に兵の士気は下がりっぱなしの中、
王賁は煙幕や井闌車(巨大な箱型の梯子車のようなもの)を使って城壁へ突入。
一気に膠着状態を打破する。

玉鳳隊の活躍で城門がこじ開けられた瞬間、
蒙恬率いる楽華隊が城内へ突入。
結果、10日以上も手こずっていた城を
あっというまに落としてしまったのだった。

玉鳳、楽華に遅れをとってしまった飛信隊。
悔しがる信の前に、城下町から火の手があがる。
不審に思った信らがかけつけると、
そこは魏の民を好き放題に蹂躙する、秦兵らの姿があった。

家々には火が放たれ、老人や子供は首を落とされ、女らは陵辱された末惨殺されている
陰惨な光景が信の目の前に広がる。

敵国とはいえ、降伏した一般人に対する卑劣な行為に激怒する信。
首謀者の千人将・乱銅に斬りかかろうとするが、
同士討ちは斬首の恐れもある重罪。
飛信隊の仲間たちや駆けつけた蒙恬は信を制止しようとするが、
敗者をいたぶるのが戦争の醍醐味だと悪びれずに笑う乱銅を許せず、信は斬りかかってしまう。

結果、信は一夜投獄の刑に処せられる。
奇跡的に軽罰で済んだ理由は、
蒙驁を祖父・蒙武を父に持つ蒙恬の口添えにより、信に有利な発言をしてくれたためだった。

信は、隊の皆にあやうく迷惑を掛けるところだったことに激しく反省する。
自らの行為が及ぼす影響を理解しつつも、
自分の信念に真っすぐに突き進む信を、蒙恬は好ましく思うのだった。

一方、魏国王都・大梁(だいりょう)。
なんと、3年前に魏国に亡命し、
一度も魏軍を率いた戦をしていなかった
元趙国三大天・廉頗(れんぱ)が、
秦戦において再び前線に立つ意志を表明。
"廉頗四天王"を率い、蒙驁軍を迎え討つ準備を始めた。


開戦よりひと月、
秦軍は3つ目の城"近利関"を落としにかかっていた。
飛信隊の武功は玉鳳・楽華の2隊を上回り、
信は隊の皆と祝杯をあげる。

そこに、信と同じ下僕出身でありながら
若い将校たちの間で最も将軍に近いと言われているという"カク備(かくび)千人将"が、
同じ境遇の信を気にかけ、ねぎらいにやってくる。

その道の帰り、カク備千人将は、
廉頗が送り込んだ"四天王"のひとり"輪虎(りんこ)"に暗殺されてしまう。

輪虎は、廉頗出陣前に、秦の目ぼしい将校たちの首を狩って回っていたーーー。



* * *




まず、呂不韋!!

まさかの政母の元カレでした!!!


政母・太后呂不韋を恨むのは分かるし、
憎さと恨みの深さは理解できる。
しかし想像以上にただの色情魔(笑)。

絶世の美女と呼ばれた美姫の面影はなくとも、
宦官すら欲情をそそられるという太后の強烈な色香と異常なまでの性欲は、
趙時代の地獄の生活が目覚めさせたものなのでしょうか。

改めて考えると、呂不韋ときたら、
自らがのし上がるために自分の許嫁をあてがってまで丞相にのぼりつめたくせに、
その捨てた女の息子を暗殺しようとするなんて‥‥
なんて悪すぎるヤツなんだ‥‥。
頂点こそが呂不韋の究極の野望なのでしょうか。
やることがとことん大胆すぎ。

そして呂不韋の名言
"奇貨居くべし"
(※得がたい機会だから逃さず利用すべき。珍しいものは今買っておいて後日に利益を得るほうがよい。という意味)
は、Wikipediaにも載っているという大物ぶり。

向ちゃんの活躍で、政は嵌められずに済んだけど、
まさか自分の母親と、敵対していて自分の命を狙うほどの相手が昔恋仲だったなんて、
絶対思いもしないよな。。。


しかし‥‥

衝撃のベッドシーンは、コレホントにキングダム?と戸惑うほどの激しさでびっくりしましたよ‥。
ギッシィギッシィいわせすぎで何か笑っちまいました。また太后の表情が恐ろしい!

ま、このおかげで(?)、呂不韋陣営に綻びが生じることになるので、
結果的にはよかったのかも‥‥
‥‥よかったのか?


一方、前線では大きな戦が始まります。

張り切りまくる信ですが、
象姉の仇討ちを後回しにして、前回の趙戦から前線に残ってしまっている羌瘣は、

「ひとまず‥‥この遠征をもって
一つの区切りとする」

と、何かの決断をしたもよう。

いつかこの流れになることは分かってはいたけれど、
この時の飛信隊から羌瘣が抜けるなんて、大丈夫か?!と思いましたね。
羌瘣のいない飛信隊がもう想像できないというか。

信は確かに強いけど、数々の危機を乗り越えてきたのは羌瘣の功がかなり大きいし、
飛信隊の右腕としては、渕さんには荷が重いし‥‥(泣)。

このあたりの先行きもかなり気になります。



そして、わたし的18巻のハイライト。

第192、193話「"侵略の現実"〜"俺の戦り方"」。
信が、魏国の住民を蹂躙していた千人将・乱銅を斬るシーン。


渕さんの言うとおり、戦争は侵略するかされるかのみ。陵辱の場面は必ずついて回ること。
信もそれは分かっています。

乱銅が言うとおり、同じ秦軍の千人将などを斬れば、信だけでなく仲間全員にとばっちりの罰が与えられるだろうこと。
信は葛藤します。

蒙恬が言うように、一時の感情で全てを棒にふり、"大将軍になる夢"を失ってもいいのか、信にとってはその程度の思いなのか、
と問われ、
信は歯をくいしばります。

それでも結局、
蹂躙行為をやめようともせず、
むしろそれが楽しみで戦争をやっていると
笑う乱銅を許せない信。

🔴乱銅 : 「てめェみてェに現実知らねェ正義漢気取りが一番ムカつくんだよ」

🔴信 : 「ルアアッ!!(乱銅を斬る)」

🔴乱銅:「てめっ やりやがっ‥‥」

🔴信 : 「俺はてめェみたいな現実現実つって
クソみてェなことまで正当化する奴が一番ムカつくんだよ

みんなやってるからなんて何の言い訳にもなってねェ!!
外道は外道だ!!

飛信隊の信はどんな理由であろうとクソヤロォは
絶対許さねェ!!

相手が千人将だろうが
将軍だろうが
王様だろうが関係ねェ!!

それが これまでもこれからもずっと
変わることのねェ俺の戦り方だ!!

処罰が怖ェからってこんな状況を見て見ぬふりなんざして
何が天下の大将軍だ!!」



信にとっては、本人が自覚しているかしていないかは別として、
ただ大将軍になりたいだけなのではなく、
大将軍に至るまでの道程もすべて含めて
"自分なりの戦り方"
で大将軍になりたいんだろうな。

そして共に夢見た漂と自分の戦り方で大将軍になって始めて、
ふたりの夢が叶うのでしょう。

もし蒙恬がいなければ、乱銅を斬ったことで
大問題になっていたかもしれない。
仲間にも迷惑をかけて。
それでも信は斬っただろうし、
そんな信だからこそ、隊の皆はついてくる。
そんな信だからこそ、蒙恬も手助けしたくなる。
すべてはつながっていることを、
信は知っている。

そういうわけで、ここのくだり、すごく好きです。

羌瘣がちび姉妹を助けるエピソードや、
投獄された信に偶然会い、話し相手にさせられる場面もすごく好き。


そして終盤!
廉頗さんが登場です!

好きな武将ランキングがあったら、わたしは5本の指には必ず入れたい人ですね。

廉頗四天王・輪虎がカク備千人将をあっさり殺っちゃったシーンはショックでしたが、
見どころ満載の対廉頗戦、
次巻からも楽しみです。


【メモ】
⭕始皇5年、魏の山陽地方一帯の攻略戦が開戦。

⭕開戦後、秦は魏の高狼、虚中、虚西の城を落とす。

⭕〈廉頗、魏国亡命の理由と経緯〉
●「蛇甘平原の戦い」の数ヶ月前、
趙で史実にも異質な同士討ちの戦が起こる。
(趙・廉頗 VS 趙・楽乗 の戦い。)

●この年即位した趙王・「悼襄王(とうじょうおう)」は太子の頃から素行が悪く、
廉頗に時々諌めされていた。

●悼襄王はそれを恨んでおり、王位に就いてすぐに遠征中だった廉頗の大将剥奪を言い渡す。

●理不尽な更迭を廉頗は拒否。

●激昂した悼襄王は、楽乗に廉頗を討つように命じる。

●20年廉頗と共に戦った楽乗だったが、戦は廉頗の勝利。
国への思いよりも戦への思いのほうがはるかに重いと語る廉頗は、見込みのない趙王に嫌気がさし、魏国へ亡命することとなった。

⭕おまけマンガ「飛信隊 力比べ大会のつづき」