キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 19巻 「千人将」

*ネタバレあり*

キングダム 19 (ヤングジャンプコミックス)

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ついに廉頗が出陣します。

蒙驁と廉頗の過去の関係もからませながら、
いよいよ戦本番。

楽華・玉鳳・飛信隊は急造千人隊に昇格し、
千人将になった信らの士気は高まるばかり。

廉頗四天王も本格的に動き出します。
この人たち、敵ながらも何だか魅力的で、
嫌いになれない、、、



それでは、あらすじから。


【あらすじ】
カク備千人将だけでなく、一夜にして8人もの千人将が暗殺された蒙驁軍。

3日後、次の城へ向かう進軍の様子は厳重そのものだった。

蒙驁軍は刺客の存在を警戒し、守備を一層強化するが、ついには羅元(らげん)将軍までもが討たれてしまう。

そして羅元将軍を討った後、伏兵達とともに山を下り脱出する輪虎に、飛信隊は遭遇する。

輪虎は禍々しい殺気を放って兵たちを怯ませ、
脱出優先で素通りしようとするが、
信はひるまず真っ直ぐに輪虎へ斬りかかっていく。

カク備千人将を斬った人物が輪虎だと知った信は激怒し、さらに斬りかかるが、
輪虎に真正面から剣を受け止められてしまう。

輪虎が信を始末しようとした瞬間、
駆けつけた飛信隊の仲間たちが援護に入る。
仲間達に慕われている信の姿を見て、
輪虎はそれ以上は信に攻撃をせず、
去っていった。


その頃、魏国王都・大梁(だいりょう)。
四天王の1人・姜燕(きょうえん)は、
3年間戦に出なかった廉頗が、なぜ今回の戦に出陣することを決めたのか、
その動機が分からないと廉頗に問う。

廉頗は、3年前魏に亡命してきた当時、
状況を理解し直々に見舞いに訪れた王騎に
「退屈したら蒙驁軍と戦え」
と勧められていたという。
蒙驁の抱える2人の副将は、世がまだ気づいていない"化物"であると。

廉頗と王騎は、敵対する国の敵同士でありながらも、どこかで苦しみと喜びを分かち合っている
"友"でもあったのだった。


その頃、秦軍の蒙驁のもとに、蒙武が昌平君の伝者として現れる。

亡命後3年間戦場に出てこなかった廉頗は、
魏王に冷遇されていると思われていたが、
実際は魏の詐術により中華全土がそう思わされていただけであり、
今回の戦では廉頗が出てくるであろうと予測されるとのこと。

元趙三大天・廉頗が参戦すると聞き、
蒙驁陣営はどよめくが、
蒙驁は予想の範疇だと言い、冷静に振る舞っているかのように見えた。

蒙武はそんな蒙驁の様子を見、強がりだと見抜く。

かつて蒙驁が"斉"国にいたころ、
"趙"の廉頗と"斉"の蒙驁は同世代であり、かけだしの頃から幾度も対戦していた。
しかし、蒙驁は一度も廉頗に勝ったことがなかった。
それ故"斉"での武将の道を閉ざされ、秦に流れた後にようやく将軍として花咲かすことができたのだった。

つまり、蒙驁にとって廉頗は、
"越えることができなかった大きな壁"
なのだ、と。


その後の夜。
蒙驁は、甲冑を脱ぎ、老人歩兵に化けて
陣営内を徘徊していた。
蒙驁が大きなプレッシャーを受けた時の不思議な癖だったが、
原っぱで寝転んでいるところに、
偶然信と出会う。

夜食を獲りに来たという信は、老人が蒙驁将軍とはまるで気づかず、
獲った獲物を共に食べながら語り合う。

蒙驁は、

「若い頃に一度も勝てなかった相手に
じじィになった今、再度ケンカをすることになったが、
相手はじじィの今も絶頂期で悩んでいる」

と信に話すと、
信は

「この期に及んで一発逆転の好機が生まれたって
ことだから
次勝ったらじーさんの総勝ちだ」

と言い切り、
蒙驁は何かが吹っ切れたかのように高らかに笑うのだった。


翌朝。
多くの千人将を暗殺された蒙驁軍は、軍の再編成をすると発表。

暗殺された千人将の代わりに、臨時で2名の三百将を千人将に昇格させるという。

結果、蒙恬と王賁の昇格が決まり、悔しがる信だったが、
蒙驁の計らいにより、信は条件付きで臨時千人将に昇格する。

千人将3人か、将軍1人の首が獲れなければ
什長まで降格させるというものだったが、
信は当然この条件を受けて立つのだった。


輪虎に暗殺されてしまったカク備千人将の隊が飛隊に配属され、戦力増大の飛信隊。
更に、カク備隊の副長であった楚水(そすい)が飛信隊の副長の1人に加わった。

一方で、象姉の仇討ちを後回しにして隊に残り、魏戦に参戦していた羌瘣は、
この戦を一区切りとして飛信隊を出て行くという決意を信に話す。
仇を討って戻ってきたら、隊の仲間と一緒に前に進みたい、と話す羌瘣に、信は快く その決断を受け入れる。


秦軍が魏に侵攻して2ヶ月、
決戦の地・山陽の流尹(るい)平野に、廉頗・蒙驁の両軍が到着した。

蒙驁は2人の副将、
王翦(おうせん)と桓騎(かんき)に出迎えられる。
蒙驁軍はここまでに3つの城を落としていたが、すでに王翦は8つ、桓騎は5つの城を陥落させていた。

一方魏軍は、総大将を廉頗ではなく白亀西(はくきさい)とし、
廉頗四天王の
輪虎(りんこ)・介子坊(かいしぼう)・姜燕(きょうえん)・玄峰(げんぽう)
を配置につかせる。

先鋒隊は、
秦軍・玉鳳隊(指揮官・土門将軍) 8000人
魏軍・輪虎隊(私兵+魏兵) 8000人

となり、戦が始まる。

王鳳隊は王賁の槍術で敵を寄せ付けぬ突破力を見せるが、
急造千人隊のため、ところどころに綻びが生じ、苦戦を強いられる。
さらに輪虎が"急造千人隊の将"を見定め、狙い討ちを始めたため、
序盤から千人将を数名狩られた秦軍は統率が乱れ出す。

輪虎に狙われた王賁は、
王賁必殺の"龍指"を繰り出し応戦するも、
輪虎に軽傷を負わせるにとどまる。
同時に王賁は胸に剣を投げ込まれ深手を負うが、
玉鳳の副長が援護に入り、何とか窮地を脱する。



その時、飛信隊を含む第二陣が出陣し、
先鋒隊の援護に入った。
千人隊となった飛信隊は、他の隊にはない強烈な光を放ち、
秦軍の士気を盛り返し始める。


* * *


戦が始まり、
新キャラ登場も含めて登場人物が溢れかえってます!

まずは廉頗の魏国亡命の理由から。

趙で、廉頗に恨みを持つ太子が王位に就いたがために、
廉頗は大将権剥奪の嫌がらせを受け、それを拒否した廉頗は王の怒りを買います。

挙げ句同士討ちの戦を起こされ、廉頗は勝利するも、王のアホさ加減に見切りをつけた廉頗は国を捨て、魏国に亡命。という流れ。

廉頗亡命は3年前の話ということなので、
現趙王って、
17巻で呂不韋が人質として拉致し、李牧を秦へ呼び出すための道具となった"春平君"に色ボケしてる変態野郎のことですよね。

中華随一の宝の頭脳を持つ李牧を、
春平君のためにほぼ私情で秦へ向かわせ、
李牧の命を危うく失いかけ、
同盟&城一つを与える羽目になった
あの悼襄王(とうじょうおう)ですよね。

あの時から若干イタい感じの想像はしていましたが、
まさか元三大天・廉頗を己の私怨で手放すとは、、、
相当なアホですな。。。

反対に、廉頗と魏王との関係は良好なようす。
魏王、なんだか人がよさそうな雰囲気です。


さて、信ですが、輪虎と遭遇してしまいます。

カク備千人将を殺したのが輪虎だと知り、怒りで斬りかかる信ですが、輪虎に余裕で受け止められてしまいます。

しかし信の剣の重さには輪虎も目を見張るものがあり、

🔴輪虎 : 「ほんのわずかだけどこの子はすでに
"武将の空気"をまといつつある

今回僕が討った千人将達より
よっぽどこの子の方が持ってるな」

と、重大発言!

そして34ページの信、
初・武将オーラ纏ってます!

そして輪虎は結局信を見逃すことに。
「仲間に慕われている人間はえてして天にも好かれている」
という持論を語り、
今回はやめておこう、と信を殺さずに立ち去ります。

そんな自分を不思議に思う輪虎。

🔴輪虎 : 「(ああそっか
この子のキラキラした感じが
どこかあの人達に似てると思ったからか)」

と気づくシーンがありますが、
この"キラキラした感じ"という表現が
すごく信にしっくりきました。

輪虎的には、廉頗や、かつての秦・六大将軍などを思い浮かべていたのでしょうか。



それから信は、蒙驁の計らいで臨時千人将に昇格!

あの信が、今や千人将とは‥‥。
感慨深い。

飛信隊にカク備兵が加わり、楚水副長が仲間入り。
そして羌瘣が一時離隊の意志を告げる。
出会いあれば別れありとはいえ、
飛信隊から羌瘣がいなくなる?
ここの時点では全く想像できません。

202話「告げる」(119ページ〜)のシーンでは、
普段感情を表に出さない羌瘣が、
素直に自分と向き合い、
正直に信に自分の思いを話すところが印象的でした。

🔴羌瘣 : 「私は地に足がついていない
だからお前達みたいに前に進めていない

それはやっぱり 象姉の仇を討ってないからだ

象姉の首を抱えた時の痛みは今もはっきり覚えている
‥‥だけど私はその象姉の仇討ちを後回しにしてこんな所にいる

それはきっと
ここが今の私にとって唯一の帰る場所だからだ

信 お前が言ったように仇討ちの先には道が続いている
‥‥じゃないと外を夢みていた象姉もうかばれないし‥‥
(私自身もそう願っている)

‥‥ でもやっぱり私のその道は象姉の仇討ちの先に広がっているんだ
だから
だからこの戦が終わったら私は飛信隊を出て行く
‥‥何ヶ月‥‥何年かかるか分からないけど
きっちり仇を討つ

‥‥そしてそれが終わってまた帰ってきたら
その時は私もちゃんとお前達と一緒に前に進めると思う」


以前、魏戦の後、信が百人将に昇格した頃は
信が「仇討ち終わったら隊に戻ってこい」と言っても「考えとく」とかそっけない返事だったけど、
今や自分で飛信隊が「唯一の帰る場所」と言っていて、
その心境の変化がすごく嬉しい。

貂に蚩尤の掟の話をした頃は、
象姉の仇討ちのためだけに生きていた羌瘣が、
今や仲間達と共に前に進みたいと願う、
その思いに胸がつまります。

どうか羌瘣に明るい未来がありますように。

そう願う反面、
何か変なフラグが立った気がして不安も覚えますが‥‥。


巻中盤では桓騎、王翦の紹介が入り、
後半は廉頗軍の"出陣の儀式"
からの先鋒隊・輪虎と王賁の激突シーン。
からの、飛信隊突入!
で熱すぎる怒涛の展開。
キングダムの真骨頂です。


【メモ】
⭕〈蒙驁軍副将二人の特徴〉
●桓騎 ・・・元々秦南方の山々を縄張りにしていた大野盗団の首領
気性が荒く残忍で、投降兵でも殺しまくる。
独自の兵法を持つ、戦いの天才。
別名"首斬り桓騎"。

●王翦 ・・・名門王一族の現頭首。王賁の父。
秦国一の危険人物とされており、昭王の時代から日蔭に送られている。
"自らが王になりたい"という野望を持つ。

⭕李牧、秦 VS 魏 戦は、十中八九魏軍の勝ちと予想。
廉頗に正面から勝てる武将は、李牧も含め天下に1人もいないと断言。

⭕魏軍、総大将に白亀西を立てる。
魏の詐術により魏王に冷遇されていることになっている廉頗は、
自らが将となれば魏軍の士気に関わると判断し、
凡将だが国民に好かれている白亀西を大将にして
兵の士気を上げ、自分は裏方で戦を操るという戦略を立てる。
(趙に未練があるから後ろめたいという説もあり。/輪虎推測)

⭕廉頗、白亀西を亀頭西と覚え間違える(笑)。

⭕おまけマンガ「飛信隊力比べ大会最終話」
おまけマンガ2「笑うキョウカイちゃん」