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キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 37巻 「これからの戦国」

*ネタバレあり*


前巻で、奇跡的に(ほぼ)無傷で生還した貂。
操もどうにか保たれました。

戦はついに3日目!
作戦決行のためには、凱孟軍のキレ者軍師・荀草を深く策にはめこまないと勝ち目無し、とのことで、貂がかなり頑張ります。

そして魏火龍編、思わぬ幕で決着が着き、次の展開が早くも楽しみ過ぎてソワソワ。


ドヤ王賁の見せ場シーンに、ぶっちぎる羌瘣と、なかなか爽快な展開を見せながらも、
後半の締めは何やら得体の知れない暗雲が。

37巻もみどころ満載すぎていろいろ詰まってます!

では、あらすじから。


【あらすじ】
著雍戦、3日目。
きたる正午の"作戦決行"に向け、各所では激しい戦いが始まった。

信は凱孟と一騎討ちに入り、
2日間あえて停滞していた録嗚未軍も全軍出陣。

そして前日紫伯軍に完敗を喫した玉鳳隊は、紫伯撃破にこだわり抜く王賁の執念により、死闘を繰り広げていた。

前夜。
魏国一の槍の実力者である紫伯に対し、王賁ではまだ力が及ばぬと判断する千人将・関常は、再び一騎討ちに挑むは無謀であると意見する。

もし敗北するとなれば、すなわち作戦の失敗となり、首謀者の王賁は大敗の原因を作った戦犯となり得るため、作戦自体を中止するべきだと促していた。

しかし王賁は、無理に見える戦局を覆してこそ名があがるのだと言って聞かず、作戦決行を貫き通す。

そして再び紫伯との決戦。
前日の負傷も伴い、王賁はまたも苦戦するが、
何度も紫伯の槍を受けながら、王賁は徐々に紫伯の槍技の"型"を捉えはじめる。

紫季歌を失って以後、"生"への本能が欠如している紫伯は、それゆえに"急所を守る"という人間本来の反射反応が皆無であった。

王賁は、紫伯のその動きに違和感を覚え、"生"への執着を持たない紫伯に対し、それは弱点となると確信する。

そして王賁は粘り強く打ち合った末、ついに紫伯の型を捉え、急所を貫くことに成功。
王賁は紫伯を撃破する。


一方、飛信隊の持ち場では、信と凱孟が激しく打ち合いを続けていた。

ひねりがなさすぎるように見える貂の戦い方に対し、凱孟軍軍師・荀草は訝しむが、
貂は頃合いを察し、凱孟軍の横から挟撃を仕掛けるように見せかけていた右軍の羌瘣隊に合図を送り、呉鳳明本陣を目指して離脱させる。

羌瘣隊が本陣へ向かうことにより、がら空きになった飛信隊の右翼側から凱孟軍が中央になだれ込んでくる。
敵軍に取り囲まれ、窮地に陥る飛信隊。

その時、右手の山側から、隆国将軍率いる援軍が現れた。

貂は、この時のために前夜から隆国将軍のもとへ援軍の要請に向かい、連動を図っていたのだった。

魏軍に気づかれることなく援軍が絶妙なタイミングで現れたという状況を鑑みて、荀草は隆国軍を危険な敵と判断。凱孟に退却するように指示を送り、信と凱孟の一騎討ちはそこで終了となった。
凱孟軍退却後、信はすぐさま本陣に向かう。



そして呉鳳明本陣では、
紫伯を討ち取った玉鳳隊が真っ先に突入してきていた。その数3000人強。

呉鳳明が対応を指示しているそばから、録嗚未軍も突入。その数8000人。

そして羌瘣率いる飛信隊・約2000人が本陣へ突入。
呉鳳明本陣は3軍同時の突入に混乱する。

騰軍が秦の"主攻"であると錯覚し、作戦を読み間違えたことに気づいた呉鳳明は、
もはや喉元までに迫り来る3軍を止める術は無いと悟る。

その頃、飛信隊は呉鳳明本陣の間近まで迫っていた。
羌瘣は、岳雷と我呂に隊を任せ、1人で呉鳳明本陣へ突撃。
遮る魏軍兵を瞬殺し、呉鳳明の天幕の中まで辿り着いた羌瘣は、呉鳳明の首を刎ねるが、
側近の表情から替玉だということに気づく。

呉鳳明本人を討ち損ねたものの、本陣は壊滅状態。
羌瘣は、魏軍本陣一帯に火を放ち、"敵本陣陥落の狼煙"をあげて全戦場に秦軍勝利の報を伝えるように指示。
勝利の狼煙を目にした秦軍は歓喜に沸き立ち、呉鳳明が討たれたと落胆した魏軍は戦意を失った。


秦軍勝利に各所が沸き立つ一方で、
替玉により逃げ切り、騰本陣を目指し立て直しを図っていた呉鳳明は、
逃亡の途中で同様の算段により動いていた霊凰と出くわす。

本陣を捨てた経緯を説明する呉鳳明に対し、霊凰は、「現在援軍が来ない騰軍を攻め込み、騰の首さえ獲れば、一気に魏軍の勝利に傾けさせることができる」と断言。
騰軍に対し全軍攻撃を仕掛けるつもりであることを話しているまさにその時、
2人の前に信の刃が襲いかかる。

信は、本陣に向かう途中、偶然目に入った呉鳳明軍の逃亡中の砂塵に気づき、向かってきていたのだ。

矛を振り上げた信は、呉鳳明の顔を知らなかった故に、呉鳳明が咄嗟に霊凰に向かって発した「鳳明様お逃げをっ」という声に反応し、霊凰を斬った。

攻撃の衝撃により信が落馬した隙に、呉鳳明は逃亡。恩師を身代わりに切り捨ててまでも、呉鳳明は「これからの戦国を魏が勝ち残るために」と言い放ち、逃げ切るのだった。

これにより、魏軍は完全撤退。
秦軍の勝利が決定する。

この勝利により、秦は魏の重要地・著雍を奪い取ることに成功。
さらに、出陣前に昌平君から騰に出されていた指示により、著雍に塁を張り巡らせ、天然地形を活かした大要塞を築くという大計画が発表された。

著雍を拠点とし、まずは魏国の弱体化を図ることで、秦が中華へ躍り出る第一歩が踏み出されることとなったのである。



著雍の戦から2ヶ月が過ぎた頃、
咸陽では、王宮に突然太后が現れる。

卜(うらない)により、2年間ほど離宮に隠れていたという太后だったが、
突然の訪問の理由として、
「"山陽"と"著雍"一帯を後宮の三大宮家で固めて統治し、金を落として一帯を強化したい」
と切り出す。

呂氏四柱・李斯(りし)は、著雍の築城でただでさえ金のかかる地に、後宮三大宮家の財を当て込むのは悪くない案だと考えながらも、即決はしかねるため検討させて欲しいと答える。

しかし太后は、三大宮家が推薦する宦官・嫪毐(ろうあい)を山陽の長官に迎え入れると言い、呂不韋に同意を求めた。

実際のところ嫪毐は宦官ではなく、呂不韋太后との体の関係を断つために後宮に送り込んだ男娼であった。
その事は王宮内でも呂不韋と李斯しか知らぬ事実であったため、ある種の脅しともいえる同意を求められた呂不韋は、太后の提案を認めざるを得なかった。
そして太后の思惑通りに事は強引に進められることとなる。

その後、李斯は隠密・朱凶を使い、太后と嫪毐を探る。

朱凶は太后と嫪毐の間に双子らしき兄妹(姉弟?)が生まれている事実を突き止めるが、李斯に報告する前に後宮の見張り番に殺されてしまう。

王宮では嫪毐の正体が一切不明のまま、山陽・著雍一帯の長官の人選は後宮にゆだねられていた。

首脳陣たちが困惑しているさなか、呂不韋は、長年にわたり編輯(へんしゅう)していた「呂氏春秋(りょししゅんじゅう)」という一大書物を完成させ、その祝いに勤しんでいた。

その頃、山陽の動きに何かを嗅ぎ取らせるため、昌平君は介億を派遣し、探りを入れていた。
介億はそこで、太后と嫪毐が山陽を出て"太原(たいげん)"という北の地に向かったという情報を掴む。

そして、咸陽の王宮にも、
秦国北東の地・太原に太后と嫪毐が山陽入り、
「太原一帯を"毐国"とすると宣言した」
という急報が入るーーー!




* * *




著雍戦最終日、熱かった!

(さらわれたせいで)貴重な時間を無駄にしたことに責任を感じる貂が、
挽回の策をどのように持ってくるのか、荀草との軍師対決に注目が高まります。

その前に、まずは苦戦中の玉鳳から。

魏火龍・槍の紫伯に王賁は押されまくり、関常からも今の王賁の力では勝てないと言われてしまいますが、
王賁は意地でも紫伯を倒すと言って聞きませんでした。

王賁は、
「大いなる勝利を手にし続けねば
中華に名を刻む大将軍には決して届かぬ」

と言い、

🔴王賁 : 「‥‥"夢"だ何だと浮ついた話ではない

これは‥‥
"王"家の正統な跡継ぎとしての
この王賁の責務だ」



と叫びます。

関常が、「そういうことか‥‥」
とつぶやいていましたが、正直何に納得したのかここではよく分かりませんでした。

そして、番陽副長の回想シーン。

幼少期の王賁が槍の練習をしていたところに、たまたま現れた王翦が一言だけ指南します。

王翦が王賁に言葉をかけるのはあまりに珍しい出来事だったらしいのですが、
思い起こせばその日を境にして王賁の槍の修練が始まったのだと番陽は気づきます。

今まで王賁は、王一族の"本家"であることにやたらとこだわり、
信が慕っていた同一族の王騎に対して「どこぞのバカが〜」と言ったり、"所詮は分家"的な物言いをしたりしていたので、
過去に王騎に対して恨みや確執でもあったのではないかと勘繰ってはいましたが、
もしかしたらそんな大袈裟なことではなくて、もっと単純なことだったのかも。

王賁は子ども心に、父親に槍を指南してもらえたことが素直に嬉しかった。
その日から父・王翦と自分を繋ぐものは槍となり、王賁は単純に父親に認めてもらいたくて、槍の使い手としての頂点を目指していたのかもしれない。

王翦が危険人物と言われている噂は、王賁も絶対耳にしたことがあるだろうし、そのことについて王賁がどう思っているのかは分からないけれど、
王翦は実力はあってもその思想ゆえに昭王の時代から日蔭に追いやられている。

かたや"分家"の王騎は、中華に名を馳せた"天下の大将軍"。

そのことが悔しかったのかもしれない。

だからこそ、"本家"にこだわり、"正統な跡継ぎ"である自分の立場にもこだわり、"天下の大将軍"にもこだわり続けている。
それなら必ず自分がなってみせる、と。

そういうことかな‥‥。(‥‥たぶん。)
そんなふうに感じました。

関常とは違う理由かも知れませんが、ずっと気になっていたひそかな疑問だったので、なんとなく今回でわたしも自分なりに納得したのでした。

王賁の王翦への感情は、これまであまり触れられてこなかったけれど、
今回の戦で父・王翦軍への援軍要請を断固として拒否したことを、自ら"私情がらみもある"と認めているだけに、2人の関係は今後詳しく描かれそうですね。

しかし、回想のちび王賁、意外と可愛かったです。(裏表紙で見た時は、一瞬新キャラかと思った。笑)

そして王賁をずっと見守る番陽副長、このじィはかつて飛信隊を見下した、ムカつく"気をつけ"じじィではありますが、
王賁への深い想いと信頼には、ちょっとじんわりきました。


さて、王賁が紫伯をくだし、録嗚未も出陣して、
いよいよ飛信隊の出番です!

貂が隆国軍に援軍の要請に行っていたなんて、予想外でした。確かに前夜、馬を走らせてたもんな。

なかなか来ない援軍に業を煮やし、

🔴貂 : 「何をしてんだ りっ‥‥」

と貂が叫ぶところでは、
り?誰?と思っていたら、まさかの隆国!

🔴隆国 :「‥‥全く世話のやける」

相変わらずシブいっす。

(しかし貂、将軍自ら援軍に来させるなんて、貸し一つどころか十ぐらい分あるだろ!!)

貂の策がまんまとハマり、凱孟軍は撤退。
そして作戦決行に向かったのは羌瘣、久々にぶっちぎりの強さを見せつけてくれます。

飛信隊が手柄を得るために、ちょっと到着を遅らせたという羌瘣(潰れ役をさせた他の2軍ごめんなさい)、
一人じゃ無理だと止める我呂に隊を任せ、なんと馬から下りて単身で呉鳳明本陣へ!

スヒ、バヒン、ザヒ、ラストはヒン!
呉鳳明の首を落とし‥‥たと思いきや、首は偽物。
身代わりの韓徳とやらは可哀想な最期でした。

羌瘣の無敵の動き、鮮やかすぎて見ていてスカッとします。
食いしん坊キャラも可愛くて大好きだけど、やっぱり強い羌瘣は最高ですな!
もっと手柄あげてほしい。。。

でも戦のラストはやっぱり信!
なんと逃げ延びた呉鳳明を発見します。
呉鳳明は咄嗟の機転で信に霊凰を斬らせて己の身を守り、逃亡に成功。

国を守るためには強き者が生き残らなければならないという理屈は分かるけど、よくも恩師を差し出したものだよ‥‥恐ろしい男!
(そして、無駄にイケメンである。)

信は、王賁が見事に魏火龍・紫伯を討ち取ったことに対し、自分は凱孟を仕留められなかったことを悔しがっていましたが、霊凰だって魏火龍の1人なのに"拾いもの"扱いなのが信らしい。笑

"軍師"は大軍を動かすし、言わずもがな戦の勝敗を左右する重要な役割を担っているけれど、
信が呉鳳明と霊凰の前に現れた時のような、武力以外では防ぎようのない危機的状況においては、軍師の命って儚すぎる。

李牧や廉頗みたいに軍師並の頭脳持ち+超絶武力のタイプは例外として、鳳明や霊凰みたいな軍師オンリーのタイプって(貂も)、いざという時はどうにもならない、できないという恐ろしさが常に戦場ではつきまとうんだろうな。

信としては、軍師なんて斬った気にもならなくて、同じ魏火龍の首でも満足できなかったのでしょうね。


という訳で派手に登場した魏火龍七師、あっさり2人が消えてしまいました。
14年も地下牢にいた奴らなんかにてこずって欲しくない!と思っていたので、ここのサクサク進む感は良かったです。

魏火龍に関してはいろいろとモヤモヤする点が多かったのですが(前巻パート参照)、
戦が終わってみて思うのは、
「世代交代の暗示」
を示唆する役割を果たすために登場したキャラだったのかなと。

時代は、次の世代へ。

呉鳳明も言っていましたが、もう六将や魏火龍の時代は終わっており、次の若い強者の時代に突入している。

六将はもういないし、三大天も、唯一初代で生き残っている廉頗が魏〜楚へ亡命したために、新しい三大天が任命されている現状。

個人的には、突然降って湧いたかのように思えた魏火龍の登場には多少やっつけ感が否めず、
初めてキングダムの展開にモヤモヤしたのですが、

今後、秦が中華統一のために勢力を拡大していく流れの中で、
秦は"過去"の傑物たちを上回る武威を示す必要があり、言い方は悪いのですが魏火龍はそれを示させるための捨て駒的な役割を担うために登場したのかな、と。

(史実ネタバレを何より恐れているわたしなので、恐る恐るでしか検索をかけていませんが、どうやら魏火龍は原先生のオリジナルキャラという意見がネットでちらほら。
史実にないキャラだったとしたら、激しく納得です。)

しかし、凱孟だけが生き残っているところが、ちょっと意味ありげ。
信が凱孟の一撃を受けた時、あの廉頗の一撃を受けた時と"同じ"位の重さを感じて"本物"だと認めた訳ですから、
紫伯や霊凰のようにあっさり死なれては困るっちゃあ困ります。
凱孟を生き残らせた意味がきっとあるはずですから、いずれ再び信と対峙した時、貂や羌瘣を絡めた色恋展開がまたあるのかも。

とにかく、魏火龍編はここで決着!
李牧の振りからも、次巻からは、いよいよ秦が中華統一に向けて本格的に出動か!


‥‥とワクワクしていた矢先、
まさかの太后再登場!!
嫪毐との間に子どもまでいやがった!!

次の戦いが早く見たいのに、邪魔してくれます太后さま。。。
口元のシワが一気に美貌を老けさせていましたね。。。
一体、"毐国"が秦の中華進出にどう邪魔してくるのか、
次巻が楽しみです。



【メモ】
⭕始皇8年、呂不韋呂氏春秋」完成。
⭕「呂氏春秋
●その時代までに存在した史書・思想書・学術書を"十二紀"に編輯。
礼・音楽・"気"の扱い・兵事・農耕など、あらゆる人の営みについての答えを網羅した大事典。

●中でも"時令"は、一年を十二に分ける"月"の発想が記されており、一年=十二ヶ月という形は現代にまで続いている。

●「一字千金」という逸話あり。

⭕見せ場あんまりなかったけど、20ページの録嗚未出陣シーン、めちゃ格好良い。

⭕おまけマンガはなし。
カバー裏は、表紙側のみ王賁の額ガードみたいな飾りもののイラスト。