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キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 39巻 「人の本質」

*ネタバレあり*



呂不韋の策略によって引き起こされた
毐国軍の反乱による咸陽混乱の中、
ついに政の加冠の儀が完了しました。

と同時に、政と呂不韋との最初で最後の直接対決!!

本格的な戦や各々の決着は次巻以降に持ち越されましたが、
39巻のサブタイトルが示す通り、

"人"、"戦"、"国"の本質とは。
"天下"が表す言葉の意味とは。

政と呂不韋の対話の中で、じっくりと語られます。

そして、満を時しての昌平君の行動に注目です。

それでは、あらすじから辿っていきたいと思います。



【あらすじ】
加冠の儀の10日前。
攻略戦における任務のため、魏国に滞在していた飛信隊の貂のもとに届いた昌平君からの伝文には、
文を届けた呂不韋の手先である伝令係にも
内容を読み解かれぬよう、
一見普通の軍略指令にみえる暗号文で
真の内容が記されていた。

貂は、その暗号文で示される内容が、
"加冠の儀を狙った反乱が起こること"
を知らせるものであると読み解く。

呂氏四柱・昌平君が、敵対しているはずの大王一派・飛信隊に対し、政の危機を知らせるというこの行動は、
昌平君が呂不韋と"袂を分かつ"決意をしているということをも意味しており、
貂は全ての形勢が一気に覆る大事態かも知れぬと理解し、
急遽政のもとへ反乱の報せを送っていた。

そして加冠の儀の日。
攻略戦の任のための兵を魏に残し、
1000人の兵で咸陽を目指していた飛信隊は、
咸陽目前の位置にある川・渭水(いすい)の前で、
約1万人もの船団行軍に遭遇する。

なんと、船団の兵たちは、かつて合従軍防衛戦でともに戦った"サイ"の住民たちであった。
政から此度の事情を聞き、呂不韋にばれぬよう反乱鎮圧の準備を進めていたのである。

"サイ"の兵たちが用意してくれた船に乗り、信たちは川を渡るが、
川岸では反乱軍の戎翟公(じゅうてきこう)が待ち構えており、
船上へ一斉に矢を射ちこんでくる。
慣れない船上での戦いに、飛信隊はペースを狂わされるも、
貂はすぐさま陣形をつくり、タイミングを見計らって矢攻撃を仕掛ける。
隙をついて川岸に上陸した信は、戎翟の兵たちを蹴散らし、
味方である反乱軍鎮圧軍・馬仁(ばじん)将軍や尚鹿(しょうかく)将軍と合流し、咸陽へと急ぐ。


その頃、咸陽では、樊於期(はんおき)将軍ら反乱軍が既に到着していた。
呂不韋の手回しにより、何と咸陽の内側から城門が開き、
樊於期軍はいともたやすく咸陽へ突入する。

城内では住民が次々と蹂躙され、
特に戎翟の兵は、100年前の小国時代に秦に取り込まれ"県"にされてしまったという積年の恨みから、
執拗な蹂躙行為を繰り返す。


一方、旧王都・雍では、
加冠の儀が完了していた。
政は正式に第31代 秦国大王となる。

加冠の儀が無事に成し遂げられたことを見届け、
昌文君は即座に反乱軍討伐のため咸陽に向かおうと立ち上がる。

その時、呂氏四柱・昌平君が昌文君を呼び止めた。
そして呂不韋に向かって
「昌文君とともに反乱軍を鎮めるために咸陽へ向かう」
と宣言する。

昌平君の突然の行動に対し、呂不韋陣営は騒然となる。
11年もの間 呂不韋の下で軍総司令を務めてきた昌平君の離反に対し、
同じ四柱の李斯は激昂するが、
呂不韋は一瞬は驚くも動じず、引き止めることもなく昌平君と決別。
昌平君は、介億を引き連れて退室し、
昌文君と合流して咸陽へと向かう。


そして咸陽ではーーー
戎翟兵や樊於期(はんおき)軍らの蹂躙行為を制する昌平君直下の騎馬隊が突如現れ、反乱軍討伐の援護に加わっていた。

しかし、2つめの城門までもが呂不韋の手回しにより開かれ、
樊於期軍は呂不韋から教わった王宮・後宮までの最短ルートをたどり、進んで行く。

そのような状況の中、咸陽に着いたものの、戎翟兵など手練れの敵軍に手こずる信たち。

信は、苦戦する城内の飛信隊とサイの兵士たちに向かって

「敵の狙いは王族を消し去って呂不韋を次の王にすることであり、1番狙われるのは秦王の子供だ」

と叫び、
政の子供を絶対に助けるのだと檄を飛ばす。



一方、加冠の儀を終えた雍ではーーー
呂不韋が政に対し、
"天下"について語り合おうかと誘い、別室へと移っていた。

政は、太后、瑠衣、李斯、蔡沢の4名を同席させ、この者たちには自分たちの言葉を聞かせておくべきだと話す。

呂不韋はまず、
政の大望である"中華統一"について触れ、その願望は狂気の沙汰であると断ずる。
その理由を説明するため、
呂不韋は自身の思い描く"天下"像について語り始めた。

呂不韋は、
「"天下"とは、"貨幣制度"によってもたらされたものだ」
との持論を語る。

人の歴史における最大の"発明"にして"発見"
であるこの制度が生まれてから、
"金"こそが人々の"欲"を増幅させ、
他人との"裕福度"を比較する物差しとなり、
そのことが他人より多くを得たいという強烈な"我欲"をもたらしたのだ、と。

もともと物々交換の範囲で生きていた人々の世は、貨幣制度の普及により
中華という広大で複雑な世界へとまで進化した。
そして、
人々にとっての"天下"が"中華"へと代わり、
人間がその手で支配できるものなのではと
思わせるものへと変化した。

もし、呂不韋自身が国を担うならば、
大商人時代に金を通して誰よりも深く人の世を洞察してきた上で得た稀有な知識と経験により、

"戦争を第一手段とし、国民が血を流す世の中"
ではなく、
"金を操り、国民全員が人生を贅沢に謳歌することができる世の中"
をつくりだし、

「10年あれば秦を中華史上で最も富に満ちた国に成長させることができる」

と断言。

刃ではなく富を交わらせて他国との関係を築き、
列国の資源・産業を循環させる役割を秦(呂不韋)が担うことで中華全体の発展・繁栄の実現をさせ、
暴力ではなく豊かさで全体を包み込むのが自身の考える
"正しい中華の統治"
であると語る呂不韋

敵国全てを暴力で征服し尽くす
"中華統一"
など、勝利する側の身勝手な夢の押し付けであって、悲しみと絶望と怨念を生み出すだけであり、

自国民に多大な犠牲を強いることを
"中華統一"の代償として政が善しとするのであれば、それは狂気の沙汰としか言いようのない考えである、
呂不韋は政を激しく批判する。

呂不韋の言葉を受け、
趙で過ごした幼少期、虐待の日々を送っていた頃の鬱屈した感情が思わずよみがえる政。

そのやり方では戦争はなくならないと
反論する政に対し、
呂不韋

「人の世から戦がなくなることなどない」

と断言する。

己の大義のため、仲間のため、愛する者のため、ただ私利私欲のため、復讐のため‥‥
戦う者たちの戦う理由は、
それぞれが人の持つ正しい感情からの行動であり、
誰もが間違っていないからこそ堂々めぐりとなり、戦争が終わることなどないのだ、
と言い切ってみせる。

政は、呂不韋の言葉により、趙時代に味わった復讐心の闇の中へと思わず引き込まれそうになる。

しかしその時、政の頭の中で、
かつて政を命がけで救ってくれた女商人・紫夏の言葉が聞こえる。

我にかえり、己の考えを整理できた政は、
呂不韋に自らの言葉をもって反論する。

呂不韋の考える為政(いせい)とは、
所詮"文官"の発想の域を出ないものであり、
戦に向き合わぬ呂不韋の為政は今の世の延長上にしかなく、
結局のところ500年続いた戦国時代が再びより大きな戦争期間へと突入するだけだ、と。

「"戦国時代を終わらせること"
こそが、人の世をより良い方向へ進める為政者の役目ではないのか」
と政が語ると、

呂不韋
「戦争は人の本質の表れであり、人の世の営みの一部。
それを否定することは人を否定することであり、現実を受け入れて為政に挑まねば世の中は前進しない」
とさらに反論。

すると政は、
「人の持つ凶暴性も醜悪さも、
それは人の側面であり、
決して人の本質ではない。

人の本質を見誤り、戦争がなくならぬものと思い込み、その中での最善を尽くそうとしているが、
それは前進などではなく、
"人へのあきらめ"だ。

そこに気づかないからこそ、
中華は500年も戦争の時代を続けているのだ」

と答える。

呂不韋は政に対し、
人の本質とは一体何だと思うのかと問うと、

政は、

「人の持つ本質は 光だ」

と真っ直ぐに答えるーーー。



* * *



呂不韋、やはり手ごわい・・・!!
39巻では、決着がつきませんでした。


利口な貂は、昌平君からの暗号文を読み解き、
政へ反乱を知らせます。
昌平君→貂リレーのおかげで、政陣営はサイに協力を仰ぐことができ、
反乱軍鎮圧軍を待機させることができました。

ここでなつかしの尚鹿将軍が登場!
壁の幼なじみです。
しかし信の初陣から8年ほど経過したとはいえ、
えらく老けたような、、、笑

サイの民兵たちもたくましくなっており、
こんな時ではありますが、嬉しい再会が続きます。

しかし!話は逸れますが、
26ページのおまけラフ画の羌瘣セリフを見てかなりガッカリ!
「私も(船に)乗りたかったな‥‥」
って、羌瘣は来てないのかよ!?

読み進めていくと、魏国攻略戦の途中で飛信隊全員が抜ける訳にもいかず、戦力を残して来たと信が説明しておりましたが、
仕方ないとはいえ、たった1000人とは‥‥
ちょっと心配になってきました。

個人的にはすごく残念でしたが、やっぱり原先生は上手いとも思います。
政と信と貂が大きく関わるときは、羌瘣を外す。
ここの3人の特別な絆感は、ずっと一貫して描かれているんですよね。


そしてついに、昌平君が呂不韋陣営を抜けました!

言葉少なな昌平君なので、こうなるまでどこかでヒヤヒヤはしておりましたが、
「世話になった」
の一言で呂不韋のもとを去りました。

合従軍戦の際、国の存続をかけて秦が一丸となったあの時、
昌平君もいろいろと思うところがあったのでしょうね。


29巻で、
蒙武が楚の汗明を討ったという報に対し、派閥対立関係なく昌文君と握手をかわしたこと。

30巻で、
秦の劣勢に対し、もはや防衛を諦め政の首をとり合従軍に差し出そうと目論む呂不韋に対し、
政は、咸陽までの最後の砦である"サイ"へ自らが出向き、民衆の人心に火をともしにいく役を買って出たこと。

31巻で、
政と昌平君の間で行われた会話の内容を探る呂不韋に対し、
「状況をお考え下さい 相国
私は秦軍の総司令でもあります
今ーー それ以外のことは
取るに足らぬ小事です」
と昌平君が答えたこと、
加えてサイに介億ら側近100名を送り込み、
サイ防衛戦に協力したこと。

楚出身の昌平君にとって、秦という国に対する想いがどれ程のものなのかは分かりませんが、
政や呂不韋とはまた違う角度から
この人もまた
"中華"全体を見ていたことは間違いありません。

そうでないと、廉頗戦で勝ち取った"山陽(東郡)"を拠点とした"中華への進出"を密かに目論む必要はない訳ですからね。
(その企みに気づいたのは李牧・春申君だけのようでしたが。)

それも含め、軍総司令として、今秦を滅ぼされる訳にはいかないという意地もあったでしょう。

"国が存続できるか滅亡するかの瀬戸際"
の際に、
呂不韋は、国よりも己を優先した。
どんな状況であっても己の立場や優位性を重んじた。
政は、国のために自分が出来ることを最大限に行った。

この差が決め手となったのでしょうか。

実際、昌平君が呂不韋のもとを去る理由の説明はありませんが、
この差こそが、呂不韋失脚の本質的な部分に繋がっていくのかもしれません。

第420話の呂不韋のセリフで、

🔴呂不韋 : 「"四柱"とは儂を華やかに彩るためのただの"装飾"にすぎぬ

"装飾"は所詮"装飾"
それが一つや二つ身からはがれ落ちようと

この呂不韋という人間の強大さは一切揺らぐものではないぞ

うぬらは全員 誰一人としてまだ呂不韋という男の大きさを測れておらぬ

当然といえば当然か
測れるほどの"物差し"を誰も持ち合わせておらぬからな」


というものがありましたが、
ものすごいセリフだなとゾッとしました。

昌平君が離反することに対する強がりとか、
そういうことから出る言葉では一切無く、
本気で人を信用せず、
人は己を彩る装飾品とまで言い、
ただ己の能力のみを愛している。
(でもこれまでになく本音が出過ぎているあたり、やっぱり大分イラついてはいたのでしょう)

ラストの中華統治論演説にも、その部分がハッキリと表れていました。

政ですら、過去の怨念(ゾンビ亡霊たち)を思い出さされる程に巧みな言葉と耳ざわりのよい表現の数々。

瑠衣らの表情をみても、呂不韋理論に付け入る隙が無く、完全にのみこまれています。

数々の国を見てきた蔡沢ですら、呂不韋の語る為政論に一目置かざるを得ない表情。

政を圧倒するような論破っぷりに、
その場の空気がかたまりまくっています。
やはり、流石は呂不韋としか言いようがありません。

並行して行われている咸陽での反乱軍との戦いシーンが差し込まれますが、
秦の侵略により100年前に国を取り込まれてしまった"戎翟"の怨念による強さも、
呂不韋の理論を裏付けるようで読者にも効果的です。

しかし、呂不韋の理論にのみこまれそうになる政は、紫夏さんの光に救われて自分を取り戻します。

もっともらしい呂不韋の理論に対し、
政は、
「人に対して"あきらめている"限り、
人の本質を見誤っている限り、争いは終わらない。
だから500年も戦争が続いている」

ときっぱり。

ここで、呂不韋の時は質問を交えながらも
渋い表情で目を伏せていた蔡沢が、
目を開けて自分の胸をぎゅっと掴んだシーンが印象的でした。
(まさかここにきて普通に心臓発作とかじゃ、、ないよね?!笑)

8年ほど前には、
「早う大きゅうなりなされィ 大王
この蔡沢は 強き者にのみお仕えいたしまするぞ」
と言っていた蔡沢。
昭王時代の丞相を務めていたほどの人物ですから、
胸の奥深くには忘れかけていた"熱きもの"を秘めているのではないのか?!
大きゅうなった政に対し、何を感じているのかすごく気になる。

そしてここまで何も喋っていない、感情の動きを見せない、太后の意見も気になります。


1巻から39巻までの間続いてきた、政と呂不韋の権力争い。
果たしてどちらが国の実権を握るのか、
結果は分かっているものの、
今巻は進行がスロウでちょっとはがゆくはありましたが、
決して短縮できないシーンですからね。
政がどう締めるのか、40巻に期待です。


最後に、触れそびれていましたが、
信をかばって矢まみれになった田有さんの生死はいかに!?

3ヶ月先が長すぎますね。。。



【メモ】
⭕おまけマンガ「天幕(テント)つづき」
羌瘣ちゃん!!
まさかあなたが自ら・・・!!

⭕カバー裏 表 : 貨幣イラスト
裏 : (おまけマンガからの)「しーっ(秘密ね、的な)」てしてる羌瘣(かわいすぎ)

⭕向ちゃんの愛娘・麗ちゃんはめちゃくちゃかわゆく成長。

呂不韋の手下と思っていた樊於期、さほどの信頼関係はなさそう。まさに金で雇っただけの関係?

呂不韋、よく足がしびれる。笑

⭕原先生、"アメトーーク!キングダム芸人の回"放送に大喜び。

《昌平君について、おさらい》
⭕秦国の右丞相。
⭕元々は楚の人間である。
呂不韋のもとで11年間仕える。
⭕軍師養成学校を自費で運営する。

《これまでに気になっていたこと》
⭕10巻の呂氏四柱登場シーン。
蒙武が中華最強を宣言するところで、
🔴蔡沢 : 「すでにそこに貴様より強い男が一人おるぞィ なァ 昌平君!?」

という蔡沢のセリフと、

⭕13巻 蒙武 VS 趙軍 戦を城跡で観戦中の蒙毅と貂の会話シーン。

🔴蒙毅 : 「今はもう戦略戦術が必須の時代だ
蒙武の戦い方は明らかに時代に逆行している
中華最強という言葉自体も漠然とはしているが
もしそれに当てはまる武将がいるとしたらーー

それは高度な知略を起こし実践できる武将のはずだ
(そう 本来ならそれは先生が‥‥)」

というセリフからの昌平君の表現。

軍総司令+軍師学校の講師というだけに、文官のイメージを抱いていたところ、
何だかこの2人の言い方だと
「知略だけでなく相当武にも長けている」
という感じがして(李牧タイプ)、
昌平君のことはずっと気になってた。

⭕今巻第421話で、昌平君は甲冑着てますから、もしかして昌平君の戦闘シーンが見られるのかな?!と密かに注目してます。


※昌平君については、今までいろんな描写があったので別枠でまとめてみたくもあったのですが、
例の、ネタバレを含むらしいという噂から
"総集編掲載の読み切り"を未読のため、
そこに描かれている昌平君を知らない以上は、自分なりにとはいえまだうかつに人物像をまとめることはできない気はします。またいつか。