キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 42巻

*ネタバレあり*


キングダム 42 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 42 (ヤングジャンプコミックス)


黒羊丘の戦い・対趙戦の続きが気になる42巻です。

私事ですが、家族の転勤でこの4月に関西から中国地方へ引っ越しをしました。

慣れない引っ越し先で片付けに追われる日々を送りつつも、指折り数えて待っていたキングダム42巻の発売日。 

念のため前日に(習慣でして‥‥)本屋に立ち寄ると、そこには我が目を疑うPOPが!!

「当県では通常新刊の発売日が1日遅れます」

なん・・・だと・・・

まさかと思いすぐさまネットで色々調べましたが‥‥フツーに事実でした‥‥。
物流がこんなに発展している現代なのに‥‥涙です。

なのでいつにも増して待ちきれなかった今巻なのですが、

期待を裏切らない面白さに毎度ながらも魂が震えました!

今巻は、どいつもこいつもキャラが立ちすぎです!感想は後ほど。
とりあえずはあらすじからまいりたいと思います。

【あらすじ】
此度の戦の勝敗に直結する中央丘の奪取。

先に中央丘に進軍を開始したのは
趙軍総大将・慶舎の先鋒隊だったが、
秦軍総大将・桓騎は中央丘を先に占拠されるのを阻止するために
軍の最強部隊・ゼノウ一家と自身の片腕・雷土の隊を左翼前線に投入する。

雷土とゼノウの隊は圧倒的な武力で趙軍の前線を突破していくが、
慶舎は精鋭部隊を率い、自ら中央丘を駆け下りて奇襲をかけてくる。

慶舎は黒羊の地の特徴である樹海の地形を巧みに利用し、
雷土・ゼノウ隊の後続である2列目の部隊を攻撃することで桓騎軍を完全に分断。
雷土・ゼノウ隊を孤立させ、包囲することに成功する。

慶舎の策により、先鋒隊と後続隊を分断されてしまった雷土は、
元大野党団特有の嗅覚と知恵により
現状が絶対絶命の窮地であると早急に判断し、
"火兎(かと)の笛"を鳴らして全軍退却の合図を送る。

脱兎のごとく我先にと逃げ去る桓騎軍の退却のさまはあまりにも無秩序で無様なものではあったが、
「味方を一切気にせぬ"個"の逃げ方は結果的に最も生還率の高い逃げ方である」
ということを、
元野党団の桓騎軍は身をもって知っていたのであった。

慶舎の策の前に退却を余儀なくされた桓騎軍だったが、
雷土・ゼノウは小隊のみで再び集結し、
中央丘を砦化しようとしている趙軍の先鋒隊を襲撃。
あたり一面に火を放ち、趙軍による中央丘への進軍の足を止めるために一矢報いるのだった。


一方、斥候として前方に進んでいた羌瘣は、
後続の本隊である信たちが馬呈(ばてい)・劉冬(りゅうとう)らに足止めされたため、
飛信隊から孤立してしまっていた。

すでに趙軍の前線を越えた位置にいた羌瘣は、これを好機と取り、
趙将・劉冬(りゅうとう)の築く夜営地に潜入する。

無茶だと反対する仲間たちを残し、1人で劉冬の寝所に強襲をかけた羌瘣だったが、
あらかじめ劉冬が張っていた罠にかかり、
劉冬に太刀をあびせながらも自身も斬られ、負傷してしまう。


翌日、戦2日目。

桓騎軍の参謀・摩論(まろん)より2日目の作戦を受けた飛信隊は、
指示通り持ち場の右翼側を中央丘横まで押し上げることを宣言する。

初日の失敗から、2度目の失敗は死を意味するとの桓騎からの伝令を受け、
信と貂は普段以上に気合いが入るが、
2日目の戦地は"橋"も"舟"もない状況下での
"渡河の戦い"だった。

突破口となるはずの"橋"も"舟"も無い現状で、
必死に策を講じるも打開策が無く苦しむ貂だったが、
師・昌平君でさえも"無手"の状況と判断するであろうこの状況下において、
3つの手から成るひとつの策を生み出す。

1手目。
足が届く浅瀬が対岸まで続く場所が2ヶ所ある。
1ヶ所目の浅瀬幅が広くて凹地である中央の川底の道に、隊長・信を筆頭とした飛麃・カクビ兵らの屈強な兵士を集結させ、
敵からは大軍投入における一点突破と見せかける。

2手目。
もう1ヶ所の狭い凸地である川底の道に、
楚水と貂を筆頭とした隊を渡らせ、こちらが主攻であるかのように敵を揺さぶる。 
幅が狭い川底ゆえに大人数での渡河が不可能なため、
上陸戦に備えて息の合う飛信隊生え抜きの少数精鋭を固めた隊を配置する。

そして3手目。
底が見えぬ程の水深がある激流の地で、さらに対岸が険しい絶壁であるという悪条件が重なる地に、渕副長を筆頭とした隊を配置する。
この地は悪条件過ぎるが故に、敵軍の包囲が一切無い。
漁師の出で川に詳しい岐鮑(きほう)を頼りに、渕副長の隊を対岸まで渡らせる。


貂の描いた作戦とは、まず3手目ありきのものであった。
最右端に位置する渕副長らが対岸まで渡りきり、1手目の凹地の右端部分にいる敵の背を討つ。
それにより、信たちが右岸へ上陸し、
そのまま一気に岸を制圧し後続の渡河の道を確保するーーー
という絵図である。
責任重大な3手目を任された渕副長は、
激流の中幾度も流されそうになりながらも、
上流から流れてくる仲間たちの血に奮起し
見事対岸に上陸することに成功。

対岸を占拠していた趙軍・馬呈は、
1手目・2手目が3手目のための囮であり、
さらに1手目を"助攻"から"主攻"に化けさせるという貂の作戦に気づくも、
軍師役を担う劉冬が前夜の負傷による不在であったために立て直しがきかず、
退却を余儀なくされることになる。

これにより、飛信隊はさらに前進し、
趙軍の前線に大打撃を与えるのだった。




一方、中央丘の戦いも動き出す。

中央丘真横に位置する前線左翼側の雷土・ゼノウ隊は、桓騎の指示により両者動かずにらみ合いとなっていたが、
丘の斜面では陣取り合戦が開始していた。

丘の左半円は、
桓騎軍参謀・摩論(五千将)と
慶舎軍副官・金毛(きんもう)将軍
がぶつかり合うも力は拮抗していたが、

丘の右半円の戦いでは、
桓騎軍副官・黒桜(五千将)と
紀彗軍・海剛(かいごう)将軍
が争っており、黒桜の指揮で前線を優位に押し込めていた。

しかしその時、
押されていた海剛将軍の持ち場へ紀彗将軍が姿を現す。

紀彗将軍の姿を見るや否や、兵士たちの士気は異様な程に上昇。
そして紀彗は自ら断崖を駆け下り、参戦する。

紀彗の出現で黒桜軍は押し込まれ後退し、一気に形勢が逆転。
まさに雷光の如き速さの展開であった。

急激に風向きが変わったことを察知し、
素早く全軍退却の指示を出した黒桜の判断により、
桓騎軍の損害は最小限におさまったものの、
中央丘での戦いは趙軍に優位な展開となる。

こうして2日目の戦が終わった。

戦全体で見てみると、
右側は秦・飛信隊が押し込み、
中央丘は趙・紀彗軍が押し込む。
左側は平地も丘も拮抗して前線は大きく動かなかったため、
結果的には両国互角の状態で2日目の幕を下ろしたのだった。


一方、劉冬への夜襲で負傷した羌瘣は、
趙軍に捕らわれることなく逃げのびていたが、
意識朦朧の状態でとある村人たちに助けられていたーーー。



*  *  *  *  *



思っていた以上に長引きそうな予感の黒羊丘戦ですが、
なんか、、、いろいろと熱いものがこみあげてきて泣けました。

まず、前巻で慶舎と出くわしてしまった尾平ですが、持ち前の運と生命力(笑)で無事に生き延びました。

ていうか、慶舎直々の一撃をまともに受けしのぐなんて、尾平すごいじゃないか!
その後馬にはねられて、うまいこと窪みに飛ばされ、九死に一生を得ます。

そして隊を分断され、退却せざるを得ない状況に追い込まれて慶舎に惨敗だった桓騎軍の雷土たちですが、
初日の終わりにはきっちり中央丘の趙軍の築城を止める仕事をやり遂げ、
己らの失敗の後始末をつけるところが流石ですな。
何だかゼノウが隣にいると、おっかない雷土さんが至極マトモな頼り甲斐のある上司に見えてきます。笑

そして初日に下手を打った飛信隊。
桓騎からの伝令で、初日の失敗の責任代として右腕を切り落とすように言われますが(!)
最後に勝ちゃあいいんだろうが!
と開き直って伝令を追い返す信。

あげくには、桓騎に伝えろと言って、

「最後はこの俺が敵将 慶舎の首をとって
黒羊の戦いを勝利に導いてやるってなァ!!」

と啖呵を切りますが、

この時の馬印と那貴の表情と、コマに軽くフラッシュが入っているのがイイですねー。
信が、ハッタリでもなく、本気でそう思っていること、
そしてもしかしたら本当にそれを実現するかもしれないと思わされること。
ハッとしたような2人の表情に、信の熱意が響いたような印象を受けます。

大分さかのぼりますが、
対魏・廉頗戦の前、信が急造千人将になった時に初めて千人もの部下の前で就任のあいさつのようなものをしましたが、
その時
"信の声は不思議とよく通った
聞き手には信の声を通して その情熱がひしひしと伝わっていた"
という描写がありました。

まさに、そんな感じだったんでしょうねー。

そして、斥候に出たまま戻らない羌瘣ですが、
なんと1人で趙将暗殺に向かおうとしとるー!!

10数騎しかついてきていない仲間たち、
若者兵たちが羌瘣の美貌に気を取られながらも平常心を保とうとしているさまがカワイイですが、
ミドルエイジっぽい孫仁さんは冷静かつ必死で羌瘣を説得して引きとめようとします。

こんな無茶は信だって望んでないし、
何でここまでやろうとするんだ、
と羌瘣を諌める孫仁さん。

羌瘣は、
万の軍の敵将の首を、味方の犠牲無しで討てる好機が今あると言い、

「飛信隊のために無茶をやるんだ」

と微笑みます。

羌瘣の決意と覚悟と飛信隊への想いを前にして、仲間たちももう見守るしかないですよ。。

このへんは何だか泣けてきました。

超絶剣技と軍師並の頭脳持ちというスペックとは裏腹に、ふわふわド天然な羌瘣ですが、
胸の奥はものすごく熱くて、
仲間を常に思いやっている。
胸の奥に熱いものを持っているなんて、本人は自覚すら無いのかもしれない。
今回のことも、孫仁さんに問われて初めて
"自分の行動の意味"を考えたみたいな表情をしていたし。

仲間をできるだけ失いたくない気持ち、
飛信隊のために力になりたい気持ち。

この子が象姉を失ってから仇の幽連を討つまでの道程と今まで描かれてきた心の変化、
それらを思い返すと、仲間たちに向けた優しい笑顔に何だかグッときて涙が出てきましたよ‥‥。

そして向かった夜襲の相手は趙将のひとり、劉冬。

第452話、ほぼ丸々劉冬と羌瘣のやり取りでしたが、
ビジュアル的に美しすぎたのは気のせいですかね?笑

劉冬は原先生がデザイン的に気に入っているキャラ(ガイドブック参照)のようですし、
羌瘣とのビジュアルバランスがめちゃ相性良かった気がします。

なのに劉冬、かわいい羌瘣ちゃんに容赦なく2太刀も入れやがりました!
寝所に糸を張るだなんて、地味‥‥いや、抜け目ない奴!
羌瘣も劉冬に2太刀入れましたが、剣の入り方が明らかに羌瘣のほうが重傷‥‥!
しかもめっちゃ高いところから転落してしまいました。
まさかの暗殺失敗ー!!はわわ。。。

劉冬は劉冬で、何か抱えるものがありそうです。
"黒羊の先"とは、離眼の城のことでしょうか。
劉冬なりの、"命を賭して守るべきもの"
が何なのかも、気になります。
羌瘣も、そこは少し気になっているようす。


そして2日目の飛信隊ですが、
舟も橋もない渡河戦。
昌平君すら無手だと言った状況下での戦いです。
ここからは貂の見せ場でしたが、
第454話112ページの鬼気迫る貂の見開きには何故か怖すぎて笑ってしまいました。笑

貂が必死で絞り出した策は、敵の裏の裏をかくかなりリスキーな作戦。
この作戦の主役は、なんと渕さんです。
泳ぎが得意な土南さんが、10歩も進まずに流されてしまうほどの激流(登場からたった17コマで消えゆきましたが、めっちゃいい奴だった。。涙)の中を、
渕さんが兵たちを引き連れて渡れと!
そして渡ったあとはそのまま敵の背を狙い戦えと!
ヒィィ!!

はっきり言って無謀すぎる策すぎて、
我呂が突っ込むのも解ります。
しかしここはあの昌平君すら無手だと判断する状況下なので、
このあたりの無茶は仕方ありません。

そして責任感を買われた渕さん、見事にやり遂げます!よかった‥‥!!

信たちも無事上陸して、あとはもう飛信隊のペースです。

馬呈が戦況を立て直せなかった理由が
軍師役を担う劉冬が負傷による不在だったため
というところが、
前夜の羌瘣の無茶夜襲がキッチリ功を奏しているってことでこれまたニクすぎる!

そんなこんなで飛信隊はひとまず初日の借りは返せた形になりました。

そしてメインの中央丘の戦いですが、
ここにきて桓騎軍の紅一点(たぶん)・ロケット乳の黒桜さんが登場です!

結構前から桓騎とともに登場はしていましたが、今回めでたくタメてからのクローズアップ!
桓騎の副官で五千将でイケメン好きということが判明しました。

桓騎軍の副官だけあって、かなりデキる姐御のようですが、
そんな黒桜さんの活躍を一瞬で打ち消してしまったのが、
趙将・紀彗!!

登場しただけで趙兵たちの士気がいきなり上がります。
この戦では趙将として慶舎の下についていますが、もともと"離眼城"の城主である将軍。
離眼の城では子どもたちにも大人気だったことや、
兵たちの紀彗を見る眼差しと表情からも、
絶大な信頼を得ている人物ということが分かりますね。

黒桜さんの守備部隊・角雲は、
せっかく手柄をあげて黒桜さんを天幕に誘おうと息巻いていたのに‥‥13コマで殺られちゃいました‥‥。
紀彗将軍、武力にも憂いなし!

劉冬もそうですが、紀彗たちの城・離眼にかける想いとそこかしこに漂う絆のようなもの、
敵ながらにこの先どうなるのか気になります。

いつものように、勝った・負けたの単純な戦には終わらなさそう。

今巻は、いろんなキャラにスポットが当たっていて、
それぞれがそれぞれに魅力的で、
なんだか濃ゆい1冊だった気がします。

今まで謎が多かった桓騎軍にも、割と親しみがわいてきました。
摩論とか、めっちゃいいキャラしてます。
敵軍である紀彗や劉冬も、敵軍だからと憎めない感じ。
読んでいて誰に気持ちを注いだらいいのか分からなくなってきます。笑


そしてラスト、
負傷した羌瘣が集落の村人たちに助けらておりましたが、
めっちゃ重傷っぽいー!!
無事に隊に戻れるのか?!
例の秘薬(輪虎戦で信に使ったやつ)はもうないのか?!

戦の先行きも気になりますが、
羌瘣の安否が気にかかります。

また3ヶ月が長いー!


【メモ】
⭕️桓騎軍参謀・摩論は五千将。

⭕️桓騎軍副官・黒桜も五千将。

⭕️キングダム実写動画公開中。
予想に反してけっこう良い世界観出てました。

⭕️おまけマンガ 「進軍 飛信隊!」

⭕️裏表紙カバー裏 : 梟明スタイルの貂ちゃん