キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 43巻

*ネタバレあり*


キングダム 43 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 43 (ヤングジャンプコミックス)


桓騎と慶舎の表紙がかなりの存在感を放っている43巻。
眉毛の対比がすごすぎます。笑

さて引き続きの黒羊丘戦。
前巻では各キャラがそれぞれの見せ場をつくり序盤戦を盛り上げてくれましたが、
43巻は久々に飛信隊の長としての信がアツイ!!

この疾走感を維持したまま戦の終わりまで一気に読んでしまいたい!!
とヤキモキしてしまう展開の今巻です。

それでは、あらすじから。


【あらすじ】
趙軍・劉冬の寝所に単独で潜入し暗殺を試みたものの、致命傷を与えるに至らず自らも負傷してしまった羌瘣。

夜襲に気づいた趙軍の追手から逃げる最中、
羌瘣 は意識を失いながらもとある集落にたどり着く。その集落は、羌瘣 が黒羊丘での戦が始まる直前に退避を忠告しに訪れていた村であった。

意識が回復した羌瘣 は、劉冬との斬り合いの際に拾ってきていた
"離眼の守り子の像"
を見た村の長から、
"紀彗"、"馬呈"、"劉冬"らの哀しい過去である"離眼の悲劇"について話を聞かされる。


15年ほど前、趙国・黒羊近くの一帯には"離眼"と"暗何(あんか)"という2つの城があった。

力で圧政をしく暗何の城主・唐寒(とうかん)と、善政で民からの信頼が厚い離眼の城主・"紀昌(きしょう)"は、長年にわたり地域の覇権をかけて互いに争っていた。

兵数は暗何の方が倍以上であったが、戦上手の紀昌と猛者揃いの側近たちの活躍、さらには紀昌の息子・紀彗が、共に兄弟のように育った亡き腹心たちの子である馬呈や劉冬らとともに頭角をあらわしはじめ、戦局は離眼の方に傾き出していた。

勢いを増す離眼に対し、財をはたき周辺の兵を駆り集め、離眼の5倍の兵を率いて決戦"旦虎の戦い"に打って出た暗何軍だったが、凄まじい戦いの末に 最後は紀彗軍が暗何城主・唐寒を打ち取り、戦は離眼軍が勝利することとなる。

しかし、"旦虎の戦い"で打ち取られた唐寒の息子・唐釣(とうきん)が、軍留守中の離眼城を急襲。負傷兵しかまだ城に戻っていなかった離眼の城を落とし、城内にいた女・子供・老人全員を人質にとり、離眼城主・紀昌と将校・兵の投降を迫ったのである。

父の仇と怒り狂う唐釣だったが、紀昌と将校達の命と引き換えに、成人以下の残兵と女・子供・老人たちの命は見逃すという条件をのみ、趙の朝廷の仲裁軍が場を執り仕切る中 紀彗たちの目の前で離眼の大人達は火刑により焼き払われてしまう。

かくして離眼の城は主だった大人達をほとんど失ってしまったことにより、趙の中でも紀彗の名が広まることは無かったのである。

その後紀彗は若き城主となって離眼を支え、わずか5年ほどで離眼の兵力を復活させる。加えて3年で暗何をも屈服させ、 紀彗はついに一帯の盟主となったのである。




紀彗軍の強さを語り、羌瘣 の怪我の深さを案じて村にとどまるよう促す村長に対して、
羌瘣 は、敵が強いのであればなおさらに早く隊のもとへ戻らなければと聞かず、
どんな相手であろうと負けるわけにはいかないのだと改めて心に誓うのだったーーー。




一方、黒羊丘の戦いは、3日目を迎えていた。

持ち場であった右の戦場の主導権を手にした飛信隊は、
戦の要となる中央丘へと進出。
桓騎軍が次の攻め手を何種類も選択できるという戦況をつくりだすという最大限のお膳立てをしつつ、様子を伺っていた。

貂をはじめ敵将・慶舎や紀彗、桓騎軍の黒桜らその場にいる指揮官たち全員が、この3日目にして最大の好機における桓騎の動きを見守っていたが、
なんと桓騎はこの好機を完全にスルー。
一切何もせず、3日目を終わらせてしまう。

そして4日目。
味方ですら理解不能な桓騎の判断に、
指揮官たちも桓騎の動きを読むことができず、
各所ではそれぞれが膠着状態となっていた。

しかし、一向に気配を消し続ける桓騎に苛立ち、しびれを切らした慶舎は、
秦軍右翼を担う飛信隊を標的に自らが出陣。
飛信隊は、中央丘のふもとで絶体絶命の窮地に陥ってしまう。

しかしその頃、同時に丘の中腹では、
ゼノウ一家が紀彗軍の布陣の中に突如現れ、
紀彗のいる本陣には目もくれずに爆走を始めていた。

ゼノウ一家の目的は、飛信隊を急襲しようと丘のふもとまで下がってきていた慶舎だった。
ゼノウ一家は圧倒的な武力で慶舎軍を破壊して行き、ついには総大将・慶舎の目前へと迫る。

桓騎は、これらの展開を全て計算した上で
飛信隊をエサにし、慶舎を誘い出したのであった。
3日目の沈黙も含め、全ては桓騎の戦術の上での結果だったのである。

桓騎の思惑通り、ゼノウが慶舎の目前まで迫り打ち取ろうとしたその瞬間、
紀彗が援護にかけつけ、さらに両腕である馬呈や劉冬が紀彗の救護にあらわれたことにより、混戦となる。
そして慶舎は、紀彗たちが交戦している隙に戦線から離脱し、難を逃れたのだった。


桓騎に囮にされ、慶舎軍に大打撃をくらった飛信隊。
信は、中央丘右半分を奪取するため上方での乱戦に参戦しようとする貂の指示を制止し、
丘の裏に退却していく慶舎の気配を察して
飛信隊の手で慶舎の首をとるべく慶舎本陣を追うべきだと判断する。

信の決断のもと、慶舎本陣の背を追いつつも、屈強な本陣の兵に苦戦する飛信隊。
飛信隊の動きにいち早く気づいた劉冬軍が駆け付けたことにより、
さらに戦況は激しい乱戦に。

軍師の貂が狙われようとしていたその瞬間、
怪我により離脱していた羌瘣 が突如戻り、飛信隊の援護に入る。

羌瘣 に劉冬の足留めを託し、信はまっすぐに慶舎目がけて突き進むーーー!



*  *  *  *  *



おおおー!!

久々に信の檄が炸裂し、胸熱展開に心躍りますね!!
まずは羌瘣 負傷編からまいりたいと思います。

利口な愛馬のおかげで、重傷を負った羌瘣 は、戦が始まる前に退避するよう忠告しに行った村の長に助けられていました。

危険を冒してひとり敵地へと暗殺に向かい、
意識を失うほどの傷を負いながらも
飛信隊のもとへ帰ろうとする羌瘣 の飛信隊への想いが、健気すぎてたまりません‥‥!

村長のお婆は、敵国ながらもわざわざ退避の忠告をしに来た羌瘣 に対して
"悪い娘ではない"と判断し、
一応の手当ての最善を尽くしてくれたのと、
紀彗らの過去を聞かせてくれました。

紀彗たちの過去が明らかになり、離眼の兵たちの絆と紀彗の慕われ度の理由が明らかになりましたね。
先代の紀昌は、どことなく蒙驁将軍を彷彿させられるたたずまいでした。

過去に離眼の城が落ち、紀彗の親世代の男たちは全て殺されてしまった。
紀彗は20歳そこそこで離眼の城主となり、
火刑で親を失った城下のすべての子どもたちの親となった。
時は経ち、紀彗は一帯をまとめあげ、善政をしいて次の世代の子どもたちにも慕われる城主となっている。

馬呈と劉冬は、紀彗とともに血の涙を流しながらここまで離眼を立て直してきたのでしょうね。。
劉冬が
"すがるものではなく、奮わせるもの"
と称した3体の守り子の像は、
戦前に3人が紀昌に贈ったもので、火刑になる直前に"門出"の想いを託して劉冬らに返されたものだったんですね。。。

それを思うと、42巻で劉冬が守り子の像に祈っていた姿に胸が痛みます。。。   

紀彗の強さが趙に広まっていない理由としては、"離眼の悲劇"から15年ほど経過していることと、8年ほどで一帯を統治している紀彗の実績を考えると、
何故大物との噂が広まらなかったのかなぁ‥‥と若干疑問に思うところではありますが、
この時代は名を通すのにも代々継がれてきた名家であることが重要だったのでしょうし、
早くに先代を失ってしまったことでそういった何らかの手はず的なものがちゃんと出来なかったりしたのかもしれませんね。

・・・そう考えると、(政という最強のコネクションを持つとはいえ)己の力でのし上がるただの下僕出身の信って素直にスゴイ・・・。

そして火刑が執行される際、邯鄲から派遣されてきた裁可をくだす役割の朝廷メンバーの中に李牧がおりました。
この時に、李牧は紀彗の人となりを認識したようす。(李牧、15年前から見た目全く変わってない。笑)
過去の悲劇をふまえつつ、今回の戦で李牧は紀彗を慶舎の片腕に指名していたのですね。

しかしまあ、敵ながら、3人の絆と想いの深さに複雑な気持ちになって困ります。。。

(ちなみに村長のお婆に対する羌瘣 の態度は、弱っているからなのかどうなのか、
どことなくやわらかいですね。
羌族の里のバアや明、識、礼と話している時のような、歳相応の女の子の口調になっています。)

さて、黒羊丘の戦の方ですが、
羌瘣 が伏せっている間、劉冬は3日目から傷をおして前線に復帰しました。
劉冬不在で渡河の戦いを制した飛信隊は勢いのまま前線を押し込み続け、
黒羊での戦いの要となる中央丘まで進軍!

貂の作戦もハマりまくり、
田有や竜川、沛浪や去亥ら飛信隊の生え抜き百人将メンバーたちは、連勝続きでウハウハしてます。
(てか、久しぶりに澤さんいたー!!
まだ生きてたー!!笑)

そして桓騎軍の黒桜さんのところも準備が整い、
あとはお頭桓騎の指示を待つのみ! 

この上なく秦軍に有利な戦局の中、
満を持しての桓騎の指示待ち状況、
オギコを呼んで さあどんな展開が?!
と構えていたら、、、

!!いつもの肩もみ!!笑

自軍敵軍ともに予想外すぎる桓騎の完全スルーに、
慶舎の目は血走るわ、貂は荀草みたいな顔になるわで一同騒然。笑

そんな中、桓騎軍から飛信隊に送り込まれてきた那貴は、冷静に桓騎の行動に対し、
"この日動かなかったことに対する大きな見返り"
があるはずだと分析しておりました。

そして4日目。
しびれを切らした慶舎は丘を下り、飛信隊を狙ってきますが、
何とこの慶舎の起こした行動こそが桓騎の誘いだったのでした。

"沈黙の狩人"と称され、
どの戦いでも敵は張り巡らされたワナに気付かず先に動いてからめ捕られてしまい、
結局いつも皆 慶舎の手の平の上で踊らされて敗れる、
という前評判"待ちの達人"慶舎でしたが、

まんまと桓騎のワナに嵌まった慶舎に対し、
桓騎は
「そういう奴に限って最後は俺の手の平の上でクリクリ踊って大グソ漏らすって話だろ?」
と妖しく笑い、ザコ呼ばわり!
桓騎、見事に知略で慶舎を出し抜きましたねー!

一方で、エサにされた飛信隊は屈強な慶舎兵に大苦戦。
信は
"李牧に名指しであげられた標的"
という名誉(?)を得るも、
とにかく慶舎兵が強すぎて飛信隊はボロボロ
、あげく隊は分断されてしまいます。

ヤバいぜ飛信隊‥‥!
と思わされた瞬間、ゼノウ一家が慶舎兵を襲撃!!
これまた桓騎の計画通りでした。

さすがの慶舎も、獣の如き異常な武力で襲ってくるゼノウたちになす術なく、、、
と思ったら、
慶舎を護るため紀彗軍が登場!!

馬呈や劉冬も駆けつけ、予想外の紀彗軍の活躍にゼノウは慶舎を取り逃がすことに。

そして桓騎に囮にされたことを悟った信でしたが、
丘の裏に逃げていく慶舎の気配を察し、
そのまま背を追うことに。

慶舎軍に追いついたものの、余力も少なく
慶舎軍にはやはり大苦戦の飛信隊。
加えて飛信隊の急襲にいちはやく気づいた劉冬が立ちはだかり、
軍師の貂が狙われたその瞬間!!

なんと、
絶妙なタイミングで羌瘣の帰還です!!

鮮やかなスヒン斬りで貂を救い、
状況をすばやく察して足留めを引き受け、
信たちを慶舎のもとへと急がせます!

いやいやいや、
この登場の仕方、普段なら信の役割ですよね?!
主人公並みの見開き帰還シーンに、
わたしは胸が震えましたよ。。。

魏火龍戦の時、さらわれた貂を助けられなかった羌瘣 でしたが、
キッチリここで貂を助けてあの時の借り(?)を返してしまうあたりが、
どこまでも最高すぎかよ。。。!

それで信がまた、早く行けっつってんのに
わざわざ羌瘣を呼び止めて、
「今まで何してた」
って!

信、そんなに気になってたんや。笑

「寝てた」(事実)
とだけ返すところが本当に羌瘣らしい。

信に怪我を見抜かれるも、
「ボロボロのお前らよりましだ」
と言って掴まれた腕を振り払う羌瘣 ちゃんに、わたしはさらに身悶えしましたよ。。。笑

🔴信 :「今度は  後ですぐに会うぞ」

ですってよ!(ポポッ)

そして信に大将首を獲らせるため、
羌瘣 はふたたび劉冬と戦うことに。
"人ではないような"回復力(気功法の一種?)を持つ羌瘣 が、
深手を負ったままの劉冬に負けるはずはありませんが、
守り子の像の件も含めてこの2人のカラミは次巻でも注目したいところです。


そしてラストは久々の信!

シレッと逃げのび、ドヤ顔で

「来るには五年早かったな 飛信隊」

などとのたまう慶舎でしたが、
信の超絶突破力で慶舎兵をぶった斬っていきます。
これには那貴も目を見張る!
(桓騎軍に戻ったら、桓騎にキッチリ報告してもらわないと‥‥!)

そして第470話タイトル「俺の背中」の文字通り、
敵をなぎ倒しながら叫ぶ信の激!

🔴信 :「よく聞け 慶舎
昔 王騎ってすげェ人がいた

その人が先頭を走る時
後ろの兵は鬼神と化し いつもの十倍強くなった

そういう"力"が大将軍にはありやがる

それを今からてめェに見せてやる

ヤロォ共 へばってんじゃねェぞ

苦しいんなら俺の背中を見て戦え

俺の背だけを見て
追いかけて来い!!

続け飛信隊っ!!」


くーーーっ!!!

次巻へ続く!


【メモ】
⭕️劉冬、"旦虎の戦い"にて左目を負傷。

⭕️桓騎、絶倫のもよう。

⭕️おまけマンガ
「進軍 飛信隊!」〜つづき〜

温泉を見つけ、一番風呂の取り合いをする信と羌瘣。
羌瘣 ちゃんの貴重なサービスショットあり!
信を騙くらかして卑怯な手を使い、一番風呂をゲットする羌瘣 がかわゆすぎます。

⭕️カバー裏 : 裏表紙側に信のイラスト