キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 54巻

*ネタバレあり* 

キングダム 54 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 54 (ヤングジャンプコミックス)

  • 作者:原 泰久
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/04/19
  • メディア: コミック
 

 

54巻発売日は419日で、

映画公開日と同じ日でした。

 

わたしの住む地方は、去年から単行本の発売日が2日遅れ(引っ越してきた頃は1日遅れだったのに‥)になったのにもかかわらず、

この54巻は映画公開と合わせたのか

発売日に本屋さんに並んでいて、

めちゃくちゃ嬉しかったです。

 

表紙は信と政。

中表紙も政、信、王騎、楊端和、貂がそろった映画記念バージョンな感じ。

 

巻末には原先生の2万字インタビューがあって、読み応えたっぷり。

 

それでは、ひとまず本編のあらすじからです。

 

 

【あらすじ】

開戦より12日目の朝、隊を覚醒させ一気に趙軍左翼を押し込みにかかった信と王賁。

 

2隊の士気の高揚はすさまじく、対する趙軍の頭脳・趙峩龍は一旦後退し、立て直しを図る。

 

兵糧問題での体力の限界値を鑑み、

何としてもこの日中の戦果を得るべくと焦る飛信隊であったが、

趙峩龍が後退したことにより

結果的にその奥に位置する李牧中央軍を押し込むという成果を出せていた。

 

信たちの進撃によって機が熟した王翦中央軍は、満を持して12日間待機させていた無傷の軍を出陣させる。

 

日が落ちる頃には、王翦中央軍は一気に前進し、李牧中央軍に接近。

これは、翌日以降に飛信隊・玉鳳隊が趙左翼を突破すると見越しての進軍であった。

この日の2隊の活躍は、戦局を動かす大きな意味を持つ結果となったのである。

 

そしてその日の夜。

飛信隊ではついに最後の配給が行われる。

 

夜が明け、13日目。

趙軍が早くも動きを見せてくる。

 

趙峩龍が玉鳳隊目掛けて進軍をはじめ、

尭雲の精鋭部隊と岳嬰残党軍が飛信隊のいる位置へと動きを見せ始める。

 

尭雲の動きを注視して警戒していた信たちだったが、

突然尭雲の存在を見失ってしまう。

 

尭雲は、自らの姿を見失わせるために

岳嬰残党軍を助功として飛信隊を襲わせ、

自軍の必殺部隊は岳嬰残党軍の後ろに隠れて

王賁のいる右方向へとすり抜けていたのであった。

尭雲の狙いの本命は、信ではなく王賁だったのである。

 

尭雲の隊が玉鳳隊に接近し、王賁たちがその存在に気付いた頃、尭雲の300ほどの隊は更に数十騎の小隊に分かれ、

尭雲は巧妙に王賁本陣へと近づいていた。

 

尭雲の精鋭部隊と関常隊がぶつかり、壮絶な潰し合いになっていた頃、

とうとう王賁のもとへ尭雲の刃が届く。

 

王賁は尭雲率いる雷雲十槍ら精鋭部隊に囲まれた挙げ句、尭雲自らの攻撃をも喰らい続け、窮地に追い込まれる。

 

王賁は、攻めに転じることができない状況を立て直すために何とか脱出を試みるが、

脱出の途中 王賁を庇った関常が討たれてしまう。

 

瀕死の状態の中、そのまま逃げろと叫ぶ関常だったが、王賁は関常を救出に戻ることを選択。

王賁は決死の一突きで尭雲の右腕を粉砕するが、そのまま振り下ろされた尭雲の刃が届き、落馬してしまう。

 

王賁が討たれた絶望により、一気に士気が下りかける玉鳳隊。

 

しかし、関常の必死の叫びにより戦意を取り戻し、気絶した王賁を連れて脱出を図る。

 

一方趙軍は、尭雲が王賁を討ったことを確認し、趙峩龍が戦術を解除。

そのまま本陣へと下がって行った。

 

こうして13日目は終了する。

 

 

 

 

その夜、王賁が討たれたことを知った信は

玉鳳隊の夜営地へ訪れる。

 

瀕死の王賁を羌瘣に託し、

信は翌日に向けて勝つための軍議を

飛信隊と玉鳳隊合同で行うことを提案する。

 

玉鳳隊副長・番陽は信の提案を受け入れ、

2隊だけではなく亜光軍も交えて全体で話し合える場を設けるべきだと尽力する。

 

番陽の説得により、右翼の首脳陣が信の天幕に集まった。

この刻より、右翼の大将は信となったのである。

 

 

 

 

 

 

同じ日の夜、鄴では大事件が起こっていた。

 

鄴の城内 東西南北にある主要な兵糧庫が、

一夜にして全て焼かれてしまったのである。

 

火を起こしたのは、

前秦軍が数々の小城を落としながら行軍していた際、追い出した城の民に紛れさせて鄴へ送り込んでおいた王翦軍の間者であった。

 

鄴城主は早急に残りの食糧を集計し直し、

朱海平原にいる李牧へと知らせるため鳥を飛ばすーーー。

 

 

 

 

 

 

 

そして開戦14日目。

朱海平原では、早朝から激しい戦いが始まる。

 

兵糧が枯渇し、一刻も無駄にできない秦軍。

この日より信が実質の右翼の将となったことで、軍師の貂は覚悟を決める。

 

極端な攻め偏重の作戦により、各所の局面で死線を越えて戦うことでしか勝ちが見込めないという現実に苦しむ貂。

 

貂は、

今まで飛信隊が決してしてこなかった

助からないと思う仲間は助けに行かない

という戦い方を貫くよう、

騎馬隊の見極めを副長・渕に、

歩兵隊の見極めを松左にと、

現場の中でも視野が広い2人に救援の見極めを下す役割を任せる。

 

そして攻めに関しては、

岳雷・我呂を主とした飛麃、

楚水騎兵団・崇原歩兵団を主とし、

 

馬南慈軍と岳嬰残党軍は亜光軍が、

尭雲軍は玉鳳隊が足止めを請け負い、

 

信は趙左翼の頭脳・趙峩龍を討つため

趙峩龍鉄壁の防陣を強行突破して行く。

 

 

信たち騎馬隊の猛攻が始まった頃、

歩兵隊を率いて加勢に入ろうとしていた松左は、

趙軍に攻め込まれている自軍の小隊を目の当たりにする。

 

明らかな劣勢の状況から救助は絶望的と察した松左は、

苦渋の思いで見過ごそうとするが、

その小隊の中に干斗たち新人がいることを知り、

その足は小隊の乱戦の中へと向かうーーー。

 

 

 

 

 

*  *  *

 

 

 

 

前巻で覚醒した飛信隊と玉鳳隊。 

 

尭雲の目には

かつての秦六将の姿

を彷彿とさせるようでした。

 

そして信たちの活躍で、王翦の本陣がやっと動きます!

 

橑陽と行ったり来たりで半ば忘れていたのですが、

そもそも信たち右翼の役目は

目の前の敵を突破して押し込み、奥にいる李牧中央軍を正面から待機している王翦中央軍とで挟み込んで攻撃することでした。

 

上出来な感じで12日目を終えた信たちでしたが、

対する李牧は兵糧の絶対的有利で余裕をかましております。

 

そして李牧は夜のうちに趙峩龍・尭雲のところへカイネを遣わせて、翌日は本能型同士で相性がいい信ではなく、王賁を狙って潰せと指示します。

 

藺相如亡き後、尭雲が同じように予知夢的なものを見るようになった‥‥

っていう設定は、個人的にはうーん、と思ってしまいました。

 

予言とか予知とか、キングダムにはなんかふんわりしてて抽象的な感じが似合わないというのか‥‥。

 

例えば輪虎と戦った時の信が、

「天の導きとかどうのこうのよりも自分の足で俺は立つ」

的なことを言い放ったりとか、

 

万極の時も、積年の恨みと憎しみと呪いでおかしくなっちゃってる万極に対して、信なりに考えた上で理解を示しつつ

「もう楽になれ」

ととどめを刺してやるところとか、

 

そういう

概念的なものを飛び越える強さ

みたいなものに今まで胸を震わせてきたのです。

なので尭雲たちに関しては何となくむずがゆい思いでした。

 

でも、

世代交代

っていう大きな渦の中の流れを表現するためには必要なのかなと思ったりもします。

 

とはいえ、カイネに対する予言は、めちゃくちゃ気になる!

 

カイネにしてみたら、

李牧への忠義が過ぎるから、李牧死んだ後ワシらのようにならないか心配

みたいなこと言われたらブチ切れるのもうなずけます。

しかも夢な上に「よくは覚えておらぬが」って‥‥

そんな無責任にふんわりしたこと言われても‥‥

 

でも原先生がそんな無意味なフラグを立てる訳がない気がするし、

となると 

この予言の通りになるとしたら

李牧はここで(?)死ぬってことになります。

 

カイネに詰め寄られて、尭雲は

「そうなると断言したわけではない」

とは言ってましたが。

 

わたしは史実を知らないので、李牧は中華統一後もしばらくは死なないものだと思ってました。

死なないというか、秦に趙が獲られた後は

政に仕えないまでも頭脳を貸す、的なスタンスで生き続けるイメージを勝手に持っていて。

 

李牧自身、武力ではなくあくまで知力で戦うという方針でしたし(麻鉱は討ったけど)、

趙が秦に獲られても、趙王はクズですし、李牧は政を認めていて、政に仕えることにはそこまで抵抗が無さそうだと思ってたのです。

 

でも一方では、45巻での政との対面で、中華統一についてハッキリ意見が対立していますからね‥‥。

 

そして同じく45巻の黒羊戦のあと李牧が言っていた、

「桓騎の弱点」

が何かということと、

 

李牧が慶舎に誓った

「私がこの手で仇を討つ」

という言葉、

 

これを無視してこの戦が終わるとも思えないです。

 

ここにきてこれは李牧退場フラグなのか、どうなのか。

 

これからのキングダムの物語に李牧とカイネの2人がいないという想像が全く出来ないわたしは、

尭雲の予知夢の先がすごく気になっていますが、そろそろ答えが出る日も近いのでしょうか。

 

 

 

‥‥ちょっと脱線しすぎてしまいました。

話を戻します。

 

12日目に飛信隊・玉鳳隊の覚醒のおかげで

初めて進軍した王翦本陣でしたが、

なんと王翦、この2隊が覚醒することを読んでいたとか。

 

覚醒することを読むなんて、どんだけの読み師!?

しかもこの覚醒を見越して、あえて王賁を将にしなかったとか‥‥。

 

そして王翦は、9日目に趙軍左翼のボス陣の中で最初に仕留めるべきだったのは、

岳嬰じゃなくて趙峩龍だったとも言っておりました。

 

それは確かにそうだなぁと納得です。

51巻で、

趙左翼の4ボスは横並びだから、

最初に潰すのは最も力の劣る岳嬰だ、

と決めたのは王賁。

亜光将軍が最終的に判断したとはいえ、

岳嬰狙いを言い出したのは王賁でした。

 

実力が横並びとはいえ、頭脳を担う趙峩龍を最初に討たなかったのは確かにミスかも。

 

狙いを定めた内情を知ってか知らずか分かりませんが、

間接的に、王翦アイツ(王賁)はまだまだだ感を感じた気がしました。

 

 

そうそう、最後の配給の場面はよかったですね。古参メンバーたちへ信から豆干を手渡ししていたシーン。

 

わたしは信の初めての伍の長・澤さんがまだ生きていることを定期的に確認しては、ホッとしています。笑

尾平は泣きすぎですが、中鉄がいっつもなんか言ってるの毎回ウケる。

 

ここで信が羌瘣にだけほっぺたに豆干押し付けるいたずらしてて、

このコマ待ち受けにしたいぐらいに萌えました‥‥!

 

 

進みまして、13日目。

李牧の指示により狙われた王賁が尭雲の急襲に遭い、討たれてしまいます。

 

瀕死の王賁のもとに信が羌瘣を連れて行って治療を任せましたが、

瘣の例の魔法の秘薬と蚩尤族独自の気功術の一種のアレですね。

もはやホイミ遣いの羌瘣ちゃん、このままではどんどんチートキャラに‥‥!

 

そして番陽じィの呼びかけのおかげで右翼の首脳陣が信のもとへ集まり、

何と信が右翼の大将に!!

 

王賁の時は意地でも王翦の指示待ちだったのに、亜光のとこの段茶(だんさ)大将代理もよく許してくれたものです。

番陽が必死で説得してくれたようですね。

 

14日目、

信にとって初めての将軍級規模の隊を率いての戦いです。

 

緊張でプルプルしていた貂は

羌瘣に胸をモミモミされて(!)気がほぐれ、決意を新たにします。

ついでに信が調子に乗って羌瘣に殴られる、

というおなじみの夫婦漫才も見られました。

 

そして最後に、松左‥‥。

こちらは明らかなる不吉フラグです。

 

空を仰ぐのとか、背中バーンて描かれるやつはたいてい何かの前兆な気が‥‥()

 

54巻では序盤から松左にスポットが当たっていたので何となく感じるところはありましたが、

ラスト、

やばめな状況の干斗ら新人たちの乱戦を見過ごせずに向かってしまう松左を見て 

悲しい予感しかしないー!

 

一方鄴では、王翦が潜ませていた間者が

鄴城内の食糧を焼き放つという大事件が!!

 

 

55巻へと続きます!

 

 

【メモ】

⭕️王翦軍第3:田里弥(でんりみ)

王翦軍第4:倉央(そうおう)

 

⭕️おまけマンガ

「秘剣のナゾ」

ちび騰、かわいすぎる。

騰のファルファル伝説の幕開けです。

 

⭕️巻末

原先生2万字インタビュー

漫画「キングダム」という偶然、

映画「キングダム」という必然。

 

原先生の生い立ちから現在までがすごく詳しく書かれています。

学生時代から会社勤めの社会人時代を経て

漫画家になり、「キングダム」が映画化されるまで、が丁寧に語られていました。

 

原先生は本当にすごい。

 

社会人になって3年、ある程度苦労も失敗もして、その分野での賞を獲るという結果まで出して、

さらには先輩や上司にも恵まれた環境の中で、

 

「これ以上仕事を続けていると、もう漫画家になることを諦めてしまうと思った」

 

という理由できっぱり退職されたらしいのですが、そんなこと普通はできないです。

 

3年目、おそらく1番仕事の面白さがわかってくる時期です。

苦労した分生み出したうまみを捨てて、築き上げてきた人間関係もリセットして。

 

こういう決断をできる人は、どの道に進んでも結果を残せる人だと思うけれど、

原先生にとって一番結果を出したかった道はこの世界だったんだな。

 

原先生のことを改めて尊敬し、またキングダムの映画を観返す時に思い出して、

わたしは涙してしまうと思います。

必読のインタビューです。

 

⭕️原先生の元上司・永田さんの名前から田永がうまれる。

永田さんは、昔映画監督を目指したことがあるそう。

いま、原先生の活躍を心から喜んでくれていると思います。