キングダム 1巻 「無名の少年」
*ネタバレあり*
【あらすじ】
舞台は紀元前245年、春秋戦国時代の
中華西方の国「秦」。
戦争孤児であり、10年もの間集落の長に養われている「信(しん)」と「漂(ひょう)」という2人の少年がいた。
下僕の身ながらも、
2人は 「史に名を残す 天下の大将軍になる」
という大望を抱き、時間をみつけては日々激しい打ち合いを繰り返し、ひたすらに剣術を磨いていた。
そんな2人には全く関係のないところで、秦国では王宮の実権争いによる王弟の反乱が起こっていた。
ある日、道端を通りかかった昌文君(しょうぶんくん)という文官が漂を見て驚き、王宮に士官するようにと引き抜く。
しかし後日、ひとり王宮へ引き抜かれたはずの漂は瀕死の状態で信の元へ突然戻り、小さな地図を託して息絶えてしまう。
漂の死に怒り悲しみ、泣き叫ぶ信だったが、漂の最期の頼みを聞くべく地図の場所に向かうと、
そこには漂そっくりの顔をした秦国大王•嬴政(えいせい)がいた。
嬴政と瓜二つな漂が王宮に引き抜かれたのは、反乱のさなか、万一に備えての身代わりとしてのことだったのだ。
漂の死の真相を知り、再び怒り狂う信だったが、
大王の身代わりに気づき、後を追ってきた刺客一族"朱凶"を倒して漂の仇を打った後、嬴政とともに更なる追っ手から逃げることになる。
* * *
改めて読み返すと、
1話目で命を落とすのにもかかわらず、漂の存在感はすごい!
1巻冒頭で、いきなり「李"信"将軍」なる人物が登場していることから、
この物語は主人公信が(大)将軍にのし上がるまでの軌跡が描かれることが予想されるのですが、
この2人の関係性を1巻でしっかりと描くことで、
今後続いて行く壮大なストーリーのバックボーンが出来上がります。
53ページ、瀕死の漂に対して
からの54ページ
🔴漂:「なるさ!」の場面は泣けます。。。
原先生はページをめくった先のコマの見せ方が本当に上手いのです。
* * *
上記あらすじの続きになりますが、
朱凶を倒した後、更なる追っ手から逃げる信と嬴政の前に、蓑を被った子供「河了貂(かりょうてん)」
が現れ、道案内として仲間に加わります。
(そして貂はキングダム前半のマスコットキャラクター的存在に。)
新たな追っ手がすぐそこに迫る中、
嬴政が昌文君と打ち合わせていた合流地に着いた一行。
ここで1巻は終了します。
ちなみに終盤197ページで「王騎(おうき)将軍」が初登場しますが、
まさかこの時はこのクチビルお化け将軍に泣かされる日が来るとは思いもしなかったのでした。
【感想まとめ】
⭕後々にも活きてくる漂の魅力的なキャラ設定が素晴らしい。