キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 12巻 「飛矢」

*ネタバレあり*


キングダム 12 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 12 (ヤングジャンプコミックス)


いよいよ開戦です。

魏との戦で麃公将軍が見せた"本能"の戦とは
違い、
王騎将軍の戦い方は、常に知略をはりめぐらせた頭脳戦。

それに加え、"武"の力も兼ね備えた戦をする、
まさに"攻"と"守"を併せ持ったバランスのいい武将です。

信と共に、王騎から戦とは何たるかを学んでいる気にすらなってきますね。

序盤から死闘だらけで
めちゃくちゃアツい!!!

そして "飛信隊" が誕生!!!


ではあらすじから追っていきたいと思います。



【あらすじ】
"馬陽"に到着した秦軍。
王騎将軍の指示で、馬陽には入らずに
"乾原(かんげん)"という荒地へ向かい横進し、
趙軍を誘い出す。

荒地の"乾原"は、趙の騎馬隊の機動力を封じる地形として適していた。
趙軍の軍師•趙荘も、想定内だった王騎の誘いにあえて乗り、決戦の地は"乾原"へ!

各軍の配置は、以下のようになっていた。

◉秦軍
右軍 • • • 40000人
中央軍 • • • 40000人(蒙武 20000人) + 信100人
中央軍奥の本陣 • • •王騎10000人
左軍 • • • 干央軍長10000人(壁1000人)

◉趙軍
左軍 • • • 60000人(渉孟,万極,公孫龍 各20000人)
中央軍 • • • 李白20000人(剛乱1000人)
中央軍奥の本陣 • • • 龐煖20000人
右軍 • • • 馮忌20000人


趙軍は、バランスのとれた特性のある将軍が配置されていた。
「破壊」の渉孟、
「特攻」の万極、
「万能」の公孫龍
「守備」の李白
「頭脳」の馮忌。

特に馮忌には、軍師なみの能力があるという。

いよいよ開戦。
秦軍の先鋒隊は、蒙武軍2万を中心とした、4万人の中央軍。
すさまじい破壊力を見せつける蒙武の"武力"により、秦軍の士気が上がるも、
李白の守備によりなかなか勢いを保てない。

趙の先鋒隊は、左軍の渉孟。
破壊力は蒙武と同等かのように見えたが、
対する秦軍の右軍は大苦戦。半ばまで崩壊しかけていた。

王騎は、本陣を抜け出し、左軍にいる王騎軍•干央軍長や壁に指示を与え、趙の右軍へ突入させる。

そして中央軍の後方に配置されていた、
特殊百人部隊である信のところへ直々にやってくる。

総大将である大将軍を前にし、テンションがあがる信たち。
王騎は、序盤戦で最も重要な戦いになるのは
中央軍ではなく、秦左軍と趙右軍の戦いだと言い、
信たちにその戦で任務を授けるという。

その内容は、

「左軍と趙右軍が戦っている最中に、
どさくさにまぎれて敵将•馮忌の首をとってこい」

という、大胆すぎるものだった!!


王騎将軍は、
戦を効率よく進めるためには、
敵側の指揮能力が高い有能な武将を殺すことが効果的であり、
この序盤の戦で殺しておきたいのは、
軍師なみの頭脳を持つと言われている将軍•馮忌だという。

たった100人の兵で2万の軍の敵将の首などと、
一見無謀にも思えるこの任務に、
兵達は不可能だと絶句するが、
信には算段があるらしく、この任務を引き受けた。

そして信の成長を感じた王騎は、褒美として

"飛信隊(ひしんたい)"

という隊名を信に授け、
本陣に戻っていった。



信は、渕副将とともに無国籍地帯の平定時につちかった知識を生かし、作戦を立てる。

その頃、壁ら左軍は馮忌の巧妙な罠にはまり、
苦戦していた。
壁は矢で射たれながらも、必死で檄を飛ばし、
干央軍長の騎馬隊とともに正面突破を試みる。

信たち飛信隊は、
壁ら秦左軍と趙右軍が正面から激突して争っている真横に回り込み、
小隊の利を生かして虚をつくという作戦に出て
ついに本陣の真横に到着!

途中敵の見張りに見つかるも、羌瘣が人知れず始末してくれたり、
いよいよ突撃という寸前のところで
兵たちの士気が下がりかけたりという局面があったものの、
意を決して飛信隊は突入する。

趙軍の虚をつくことに成功した飛信隊は、
必死に奮闘し続けるも窮地に立たされるが、
正面を突破してきた干央軍長や壁らと合流することができ、協力しながら馮忌を追い詰める。

戦局を一旦立て直すべく山中へ退陣しようとする馮忌の前に、
王騎が仕掛けたハッタリの秦旗が山中ではためく。

一瞬躊躇した馮忌の姿を捉えた信は、
飛矢のごとく飛び斬りかかり、
ついに馮忌を仕留めるのだった。


* * *


信、将軍首獲りました!!(泣)


信の成長と飛信隊の絆に胸熱の12巻です。


王騎の戦の仕方、読み方は、信ともども本当に勉強になりますね。
戦の組み立てをしっかり学んだところから
展開される怒濤の血まみれ展開に、
こちらまで息をつく間もないったら。

そして羌瘣がグッジョブすぎます。
敵の見張りに見つかり、あわやという瞬間、
表情すら変えずに"ヒン"斬りであっさりと見張りを抹殺。
敵•味方の誰にも気づかれずに。

クールッ!!!

さすが千年の歴史•蚩尤族の実力派ナンバーワン。
刺客暗殺能力高すぎ。
惚れ惚れしてしまいます。

そしていよいよ馮忌軍本陣に突入、という時、
兵たちに迷いが生じます。
そんな兵たちの葛藤もよく描かれてますね。

特に、子どもが生まれたばかりという
竜川(りゅうせん)。
もし自分が死んだら、と思うと
戦いに集中できなくなり。
松左が「察してやんな」と気遣うと、
まわりの兵たちも、各々の家族を想い、
複雑な表情に。

そこで信、
「話を戻すぞ」
と、そっけない応対。

しかし、
🔴信 : 「この飛信隊はいわば一本の"飛矢"だ
敵将の所まで飛んできゃ その首とれるし
届かなきゃそこでたたき折られてーーー
全員死ぬ」

「そして 俺らが失敗したら
目の前でやられてる左軍の奴らも全員死ぬ

お前らの帰りを待ってる村の人間も全員死ぬんだ」

「忘れたのか
この戦いに負けりゃ 趙軍は秦国内になだれこんでくる
そしたら馬央みてェにそこら中で虐殺が起こるんだ」

「馬央の赤子は一人残らず頭を叩きつぶされ
血の池に捨てられたそうだ

何でそこまですんのか知らねェが
奴らはマジだ」

「竜川! 勝たなきゃお前のガキもそうなりかねないんだぞ」

「お前ら頭にたたき込んどけ
これは そういう戦いなんだ」



信のこの言葉で、竜川をはじめ兵たちは目が覚め、腹をくくります。

(信は、どうやら長平の戦いにおける秦趙の因縁については知らなさそうな様子ですね。
読み返すと、11巻127ページで澤さんが長平の話をした時も、信は聞いてなさそうでした)

信、おバカなだけではありません。

他の兵たちに比べて、守るものは無いかもしれない。
信には、"漂との夢を叶える"
つまり、"天下の大将軍になる"
という大望、たったひとつだけ。

だからといって仲間の気持ちがわからない奴ではないのです!

本陣突入後も、わざわざ下馬して自ら歩兵たちの先頭に立ち、
趙兵を斬りまくります。

歩兵たちが疲労で意識が遠のく中、
信を見て

「あいつが斬る度に力が湧いてくる
俺らの大将が敵をぶった斬る度に
再び全身に力がみなぎる」

と立ち上がるシーンには胸が熱すぎて泣きそうになってしまいますが、
ここで信はすでに隊員の精神的支柱になっているのですね。

埒があかない戦況を打破するために、
たった100人の兵を2隊に分けることを提案し、
精鋭兵を送り出す渕副長や澤伍長にもしびれます。。。!

そしてその精鋭兵30人ですら、敵の策により完全に死地に立たされる状況に陥る場面。
ここでの尾平と信の会話。

🔴尾平 : 「お前と羌瘣なら抜けられる
だから‥‥行け」

🔴信 : 「何言ってやがんだ尾平
お前ふざけて‥‥」

🔴尾平 : 「ふざけてねェ!!
行けっつってんだバカヤロォ」
「お前はここで死ねねェだろォが!!
天下の大将軍になるんだろォが!!」

🔴信 : 「行けるかよ」

🔴尾平 : 「信っ」

🔴信 : 「すまねェ羌瘣」

🔴羌瘣 : 「‥‥‥」



このくだりもアツすぎです‥‥!
ビビりの尾平が、信を逃がそうとするその想い。

そしてその場に残った信の想い。

ただ将軍になれたらいいって訳じゃない、
ここで仲間を見捨ててまで、
それでなれた将軍なんて、信がなりたい将軍じゃない!

そんなふうに感じます。

そして羌瘣にかけたひとこと。

羌瘣の本当の目的である、象姉の仇討ちへの想いの強さを知る信だけに、
共に死地に立たせる以上は最悪の想定もしたのでしょう。
先に羌瘣に謝ります。

そんな信に、ちょっと呆れたような顔の羌瘣でしたが、

🔴羌瘣 : 「あやまるな‥‥まだ終わってない」

その時、正面突破してきた干央軍長の兵が現れ、
何とか信たちは窮地を脱したのでした。

信は謝っていましたが、羌瘣もきっと仲間を置いて自分と信だけ脱出したりはしなかった気がしますね。。。そんな子だと思います。

そして12巻のハイライト!(私的に)

干央隊に続き、壁隊も加わり乱戦状態になったとき、
信らも乱戦に加わりに突撃しますが、
その時の信と尾到らの会話。

🔴尾到 : 「早く行けっ
ここで敵将をとり逃がしたら何にもならねェ

他の隊の奴らにとられても同じだ

大将の首はお前がとるんだ 信」

🔴信 : 「‥‥‥」

🔴田永 : 「ちょっ‥‥ちょっと待てコラ
勝手にそいつを行かすな
ここまで来たら大将首は俺がもらう」

🔴信 : 「心配すんな 田永」
「手がらは俺がもらうが恩賞は山分けにする」

🔴田永 : 「山分け!?」

🔴信 : 「ああ ここにいるお前らと
後ろにいる渕さんたちと」

「生きてる奴も 死んでる奴もっ
全員まとめてきっちり百等分だ!!」

🔴兵たち : 「っ‥‥ 行けェ隊長」!!

🔴信 : 「オォ」!!

(信、羌瘣と2人騎馬で先を急ぐ。)

🔴羌瘣 : 「‥‥‥」「信」

🔴信 : 「あ?」

🔴羌瘣 : 「(戦友(仲間)‥‥か‥‥)」

🔴信 : 「‥‥!?何だ羌瘣!?」

🔴羌瘣 : 「何でもない」

🔴信 : 「はぁ!?」


クゥゥ、、!
いいシーンですね。。。

デカく稼げるからと沛浪に誘われ、飛信隊に入った田永、
この期におよんで今、金かい?!と思いましたが、
信の返しがまたイカしてます!
(田永的には百等分で足りたのかどうかは不明ですが)

そして「戦友」と書いて「仲間か‥‥」とつぶやく羌瘣、
飛信隊の絆がアツい〜!!

この先、どんなに隊が大きくなっても、
基本はここなんだな、
と、このシーンは格別に感慨深かったです。



そんなこんなで馮忌を仕留めた信。

勢いはそのままに13巻へ続きます。


【メモ】
⭕蒙毅と貂ら軍師候補生たち、乾原が見渡せる城跡?で戦を観戦。貂、驚異の視力で信を見つける。

⭕崇原五人衆、相当の剣術バカ。

⭕羌瘣、信と馬に2人乗り。よく見るとしゃがんでる。笑

⭕壁、喉元を矢で射たれるも、生き延びる不死身っぷり!(左慈以来2度目)

⭕おまけマンガ「向ちゃん 陽ちゃん」