キングダム 15巻 「真打ち」
*ネタバレあり*
- 作者: 原泰久
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: コミック
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開戦から5日目、
とうとう王騎と龐煖が対峙します。
そして、今回の戦に関して趙軍が隠していた秘密が明らかに‥‥。
貂や蒙毅とともに戦を観戦している、
李牧の正体とは。
9年にわたる王騎と龐煖の因縁に深く関わる、
王騎と摎の関係とは。
これらが明らかになる15巻。
では、あらすじから。
【あらすじ】
龐煖に遭遇した蒙武。
龐煖の持つ強大な武のオーラを感じ取り
蒙武は無意識に冷や汗をかきつつも、
迷うこと無く龐煖に向かって行く。
しかし、意外にも龐煖は蒙武との勝負をかわし、
一瞥しただけで走り去っていった。
激怒し背を追う蒙武。
しかし龐煖は、趙荘の策により蒙武との対戦を避け、自らが囮となって蒙武を罠にかけようとしていたのだった。
罠の気配に気づいた隆国軍長は、蒙武に深追いをやめるように進言するも、
蒙武は策に屈する気はないと突進を続ける。
ほどなくして、趙荘の計略通り蒙武軍の頭上に巨大な岩石が落とされ、その衝撃により蒙武軍は半数が壊滅。
あらかじめ王騎に趙本陣の場所を知らせる狼煙を上げていた隆国は、
王騎が来るまで待つように蒙武を諭すが、蒙武は追撃をやめることなく更に龐煖を追うのだった。
その頃、王都咸陽。
政は、山界の王・楊端和の突然の訪問を受けていた。
早急に知らせたいことがあるという楊端和。
政が話を聞くと、
楊端和ら山の民は、この1年で勢力を拡大し、先日8万の軍を率いて北の騎馬民族・匈奴(きょうど)を討ちに攻め入ったという。
他の地域の山民族に比べ、桁違いの武力・軍勢を持つ匈奴。
その匈奴が、楊端和が攻め入った時にはすでに全滅していたらしい。
その数は10万人以上。
匈奴の死体の様子から、「武力」でやられたのではなく、何者かによる「策」の力によって一方的にやられたような感じがする戦場跡だったという。
楊端和は、戦場の位置関係から、匈奴を壊滅させたのは「趙軍」だと断言。
そして、この大規模な戦の情報を政陣営が知らなかった時点で、
趙軍が情報封鎖していたことは確実であるとも推測。
「隠されていた趙の軍」が、今まさに行われている秦趙の戦に援軍として現れたとするなら、
戦の勝敗を決するほどの脅威となり得るだろうと危惧していた。
匈奴を全滅させた軍を率いた者と、
今回の秦趙の戦で隠された援軍を差し込もうとしている者がいるとすれば、
恐ろしい策士であることに違いなく、
楊端和は同一人物の可能性が高いと推理。
楊端和が匈奴の生き残りから聞き出した、
"匈奴を全滅させた趙軍を率いた男"の名前は
「李牧」だった。
その頃。
正体は明かさず、貂や蒙毅と戦を観戦していた李牧のもとに、趙軍からの迎えが来る。
李牧やカイネが敵国の趙軍であることを
そこで初めて知った貂たちは、
戦が終わるまでという条件で捕らわれてしまう。
戦場に向かう李牧とカイネ。
去り際に蒙毅がカイネから聞き出した李牧の正体は、
なんと趙の「三大天」だった。
その頃、戦場では。
疲弊した蒙武・隆国連合軍のもとに、
総大将・王騎将軍が到着する。
◉秦軍 20000人
●王騎軍 10000人
●騎兵 4000人
●歩兵6000人
◉趙軍 24000人
●趙荘軍 12000人
●騎兵 4000人
●歩兵 8000人
兵達の士気は五分。いよいよ本陣同士の戦が始まった。
趙軍に、どこかに伏した援軍がいることを予想していた王騎は、戦のスピードを早める。
王騎副官・騰の活躍や、信たち歩兵の陽動作戦も功を奏し、
先陣をきって攻め込む王騎の勢いは止まることなく、ついに大将同士の一騎討ちに!
その頃、王都咸陽。
昌文君は、政に今まで話さずにいた王騎と摎の過去を打ち明ける。
六大将軍のひとりでもある摎の素性が不自然なほどに知られていないのは、
昭王がそれを禁じたからであることと、
そして摎は、王騎の妻になるはずの女であったことを。
その頃戦場では、
王騎と龐煖の9年越しの決着をつける激しい決戦が始まったのだった。
* * *
陰で今回の趙軍を操っていたのは、
趙荘ではなく、李牧でした。
13巻で、
李白が訝しんでいた
"龐煖が三大天になった経緯のあたり"
に関して公孫龍が口を濁していた理由や、
王騎が騰に
"趙軍には趙荘以外の軍師がいるのか?"
と確認するほど不自然な策の臭いを感じ取っていた原因は、
この李牧の存在だったようです。
李牧の存在は、趙軍では趙荘と公孫龍にしか知らされておらず、(13巻で渉孟が、知らずに三大天の残り二つの椅子の一つをもらうとか豪語してました)完全に情報封鎖されていたため、
王騎にも察知することはできなかったみたいですね。
とはいえ、さすがは王騎。
"何者かによる援軍"が入る恐れを感じてはいます。
端和様の推理通り、
李牧は、
"趙の北に匈奴を討つほどの強力な軍がいること"
を自軍にも悟られぬように隠し、
"隠しておいた軍を秦趙の戦終盤で横から参入させる"
という、秦軍にとっては恐ろしい戦略を実行しようとしています。
(しかし改めて端和様は頭がキレる人だわ‥‥
同盟を結んでくれてありがたすぎる‥‥)
「李牧」というキャラは、
キングダムが連載になる前に、
ヤンジャン本誌に読み切りとして掲載された時の主人公。
以前に原先生が、キングダムが連載になり李牧を登場させることができて、"してやったり"だとおまけページで語っておられました。
それだけ重要な大物キャラだということです!(泣)
ああ、王騎には絶対に負けて欲しくないのに、
嫌な予感しかしない。。。
王騎と摎の関係も明かされましたね。
それにしても摎、美女すぎ!!
なぜ王騎の許嫁?!笑
この理由は次巻で明らかにされます。
ところで15巻で1番腹が立ったのは蒙武!
策に屈しない強気もいいけど、
なんでもかんでも突っ込んでいって!
隆国の忠告も聞かず(気に入ってたのに)!
蒙武軍・来輝(らいき)の
「奴らが何を仕掛けてこようと
たとえ万の伏兵が待ちうけていようと
この蒙武軍の爆進は誰にも止められぬわ!!」
のどアップからの
見開きで落石の罠にかかる有様!!
(20ページ)
もう地団駄踏みたくなった。(笑)
「ガギリ」じゃねーよ!!(泣)
137ページでは、王騎軍到着のおかげで助かった蒙武たちはシュンとおとなしくなってます‥‥。
疲弊した兵達や大量の馬の死体を見ながら、
蒙武はちょっと反省しているかのようにも見えますがね‥‥。
王騎軍たちは
"敵大将が目の前にいたのなら仕方ない"
と深追いした蒙武を誰も責めてはいませんがね‥‥!
わたしはこの時、
龐煖の次に蒙武キライ!!
って思ってました。笑
つづく。
【メモ】
⭕騰、ファルファル斬り炸裂。
⭕趙軍モブ兵、騰に対し
「剣使いなど 騎兵は長ものという常識を知らぬ愚か者が!!」と現れ、一瞬でファル殺される。
(でも、"騎兵は長もの"って常識、初めて知った。それもそうだよなぁ。)
⭕王騎将軍と龐煖どっちが強いか聞かれた羌瘣、「龐煖」と答える。(泣)
⭕おまけマンガ「羌瘣 VS‥‥」
⭕おまけページより、羌族の新たな蚩尤候補・「羌識(きょうしき)」と「羌礼(きょうれい)」登場。象姉の愛剣の名前は「白鳳(はくほう)」と判明。