キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 36巻 「新生玉鳳隊」

*ネタバレあり*


14年ぶりの復活を遂げた魏火龍七師。
秦軍では作戦が決まり、各対戦相手も決まって戦は進んでいきますが、

ここで突然、飛信隊に大事件が勃発!

そして予想外のタイミングで訪れたヒロイン決定戦?!

対魏戦の決着はまだつきませんが、
ヒロインの座はほぼリーチがかかったか?

ある意味衝撃の36巻。

じっくりあらすじから追っていきたいと思います。


【あらすじ】
王賁の立てた作戦に従い、"3日目の決戦"に向けて戦闘を開始した飛信隊・玉鳳隊・録嗚未軍の3軍。

飛信隊の持ち場では、"魏火龍"の1人・凱孟が猛撃をふるう。
凱孟は突然大声を張り上げ、信に一騎討ちをしろと挑発。それを聞きつけた信は受けて立ち、2人の一騎討ちが始まる。

怪力・凱孟の一撃を受け止める信に驚く魏軍だったが、凱孟の渾身の一撃の強さに信は身体ごと吹き飛ばされてしまう。
信は、かつて廉頗に受けた一撃のような"重さ"を凱孟の一撃ちにも感じるのだった。

負けじと応戦する信は、凱孟と激しく打ち合うが、一騎討ちの途中で凱孟に撤退指示の急報が入り、闘いは中断される。

その頃、撤退指示を出した凱孟の側近軍師・荀草(じゅんそう)は、飛信隊の軍師・貂に目を付け、貂を生け捕りにしていた。

意識が戻った貂は、近くに見えた羌瘣隊の旗に向かって叫ぶ。
貂の声を聞いた羌瘣は状況を察し、貂を救出に向かおうとするが、周囲の敵があまりにも多く苦戦を強いられていた。

さすがの羌瘣でもとても貂のいる場所までは到達できそうに無く、
さらに荀草の指示で羌瘣までもが生け捕りの対象にされたことに気づいた貂は、
羌瘣に向かって指揮官である荀草を捕らえるように叫ぶが、再び殴打され意識を失ってしまう。
羌瘣は、貂の指示を受け何とか必死に荀草を捕らえるが、貂はそのまま連れ去られてしまうのだった‥‥。


その日の夜。
飛信隊の野営地では、貂がさらわれたことを受け、全員が落胆していた。
信は心配のあまり苛立ち、詫びる羌瘣に対して激しく怒りをぶつける。

さらわれたらどんな目に遭うか分かっていながら何故助けられなかったのか、と信に強く非難された羌瘣は落ち込み、貂を助けに行こうとするが、仲間たちに止められる。

信や尾平らが、一か八か夜襲をかけて貂を助けにいくかどうかを話し合っている時、
元・麃公兵の我呂(がろ)は、古参のメンバーにとって馴染み深い人間とはいえ、貂1人のために危険を犯してまでする賭けなのかと疑問を呈する。

また、副長の渕は、
飛信隊が凱孟にやられた損害は大きく、軍師の貂も不在の今では、他の2軍のためにも作戦中止の伝者を送るべきではないか、と諭す。

しかし羌瘣は、作戦中止の前にひとつだけ試す手立てがあると話し、貂の咄嗟の指示で捕らえた凱孟の側近指揮官・荀草を使って、人質交換をもちかけることを提案。
その方向で隊の意見がまとまりかけた時、
再度我呂が口を挟む。

我呂は、無策で交渉を持ち掛ければ罠にはめられる危険性もあり、ちゃんと考えてから決めろと信たちに忠告。

交渉に進むにしろ、かなりの危険を犯してまで貂を助けにいく"動機の深さ"を知っておきたいという我呂は、
「貂は信の"女"なのか」
と信に尋ねる。
皆が何故か触れないようにしているが、そこをはっきりさせてくれると納得がいく、と話す我呂。

信は、貂との出会いを振り返り、
「貂は政とともに最初に出来た信の戦友であり、唯一の身内である漂が死んだ日からずっと自分の横にいる"たった一人の妹"のようなものだ」
と語る。
そして、
「貂のために特別無茶をやっているように見えるかもしれないが、貂を見殺しにするような真似は絶対にできない」
と言い切る。

その言葉に我呂も納得し、人質交換に望みを繋ぐことに意見がまとまった。


一方、捕らわれの身となっている貂は、
魏兵たちから激しく虐待を受ける寸前で檻から出され、凱孟のもとに呼ばれていた。

凱孟は、貂の表情を見て、貂に問いかける。

「女の身で軍師となり戦場などにいる
貴様の"欲望"はどこにあるのか」

と聞き、

「年若き女を戦場にまで引っ張り出してくる信とはどれほどの男なのか」

と興味を示す。

信の"女"なのかと問われて激しく否定する貂に対し、

「貴様にとって信とは何者なのか
心の奥底で信に何を求めているのか
貴様の"欲望"をぶちまけてみろ」

と再度尋ねる。

貂は、戸惑いながらも
「欲望かどうかは分からないが、
信の夢が叶って欲しい、
そして自分も一緒に幸せになりたい」

と話す。

凱孟は貂の願望を聞き、
それは"女の欲"であり、貂は戦場から去るべきだと忠告するが、
貂は「戦場で戦って幸せになる」といって退かなかった。

凱孟は貂の"強欲"に納得したのか
荀草と引き換えに貂を信のもとに返してやる、と言い出し、
無事に人質交換が決行されることになった。


その翌日。
無事に貂は飛信隊へ戻る。

貂は、自分のせいで作戦が遅れたことを悔やみ、
絶対にこの戦は勝とうと信に誓う。



一方、玉鳳隊の持ち場では、
魏火龍の1人・槍使いの紫伯(しはく)が王賁の前に立ちはだかる。

玉鳳隊は、半年前に王翦軍から派遣されてきた千人将・関常(かんじょう)が加わったことが隊の強化に大きく作用し、初日から前線の敵を蹴散らし爆進していた。

着々と"3日目の決戦"に向け駒を進めていた玉鳳隊だったが、
2日目に魏火龍の1人・紫伯が動き出し、
魏軍の他所の予備軍を連動させ玉鳳隊を包囲しにかかってきた。

完全に包囲される前に一旦離脱することを提案する関常に対し、王賁はそのまま突破をはかり、敵将の首を取ると言い切る。
意見が分かれた関常隊は退却に入り、王賁は敵将・紫伯の居所目がけて突進していく。

その時、王賁が見つけるより先に、突然紫伯が姿を現した。
激しく攻撃してくる紫伯の槍はまさに圧倒的であり、玉鳳隊の精鋭部隊ですら太刀打ち出来ずに次々と倒されていく。

王賁は紫伯と激しく打ち合うも、深手を負い、退却を決意。

隊を離脱させるための指示を出しながらも、
王賁自身は翌日必ず紫伯を討ち取るために紫伯の槍を目に焼き付ける必要があると言い、
命がけで殿(しんがり)をつとめていた。

深手を負った王賁は、先に離脱した関常隊が救出に現れたことによって助かるも、
結局、2日目の戦いは紫伯軍に敗れる形となってしまった。



一方、3つ目の主攻・録嗚未軍は、2日目を終えてもまだ本格的に動いていなかった。

魏火龍に当たらない録嗚未には、3日目の約束の時間にきっちり本陣に攻め入る算段があってのことだったが、
霊凰軍に攻め込まれている騰軍の脇を守るためでもあった。

様子を見にきた騰から、録嗚未は他の2軍が苦戦していることを聞く。

合従軍戦で中華に名を広めた呉鳳明が参戦することで、この著雍の戦は今や中華全土の注目を集めていることから、

録嗚未は、王賁の策に乗ったりせずに、騰こそが指揮をとりこの戦で力を見せつけるべきだったのではないか、と詰め寄る。

騰は、王騎が本気で大王・政と中華を獲りに行くつもりだったことを振り返り、
今の秦軍にそれにとりかかれる才覚のある武将が何人いるかと録嗚未に問う。

騰は、この著雍の戦を、
"秦軍の今後の武威の一角を担うべき若き才能たちの力と名を中華に響かせる戦い"
であると思っていると話し、
その力を示して欲しいと願っているのだったー。



そして作戦実行の日、3日目。

貂は、前夜からこの日のために駆け回っていた。

凱孟軍の軍師・荀草は、人質交換の際に凱孟が貂と千金抱き合わせてでも交換すると言っていたほどに凱孟にとって必要不可欠な軍師であった。

荀草と貂の戦術の戦いでもあるこの戦。
双方とも、慎重に互いを探っていた。

そして荀草が動く。
凱孟の位置を知らせ、誘い込まれてくる信らの首を討ち取ろうと目論み、布陣を組むーーー。



* * *



はわわ。。。

表紙からして王賁の巻だと思ったし、
今回はがっつり魏火龍との戦メインだな、
と思って読み進めていたのに、
いきなりここでヒロイン決定戦!?

意表をつかれすぎてアワアワしてしまいました‥‥。

貂が戦場で捕まる日が来ることは、なんとなく想像ぐらいはしていました。
信も言っていたように、貂は前線に出過ぎでしたし(そのおかげで隊が立て直されて助かったことは幾度もありましたが)、
その度にあんな無防備な小娘軍師、一瞬で殺されそうだ、といつも思ってました。

軍師のタイプも様々でしょうし、本陣で指揮をとるだけでなく、時には前線で細かい指示をしなければならない状況もあるにはあるでしょう。
しかし、まして女である貂、今まで無防備すぎました。

そしてさらわれた貂を、唯一状況を察した羌瘣が必死で助けようとしますが、
結局貂は連れ去られてしまいます。

謝る羌瘣に対し、信は胸ぐらを掴んで責めたて(おいおい)、責任を感じた羌瘣は1人で貂を助けに行こうとして仲間たちに止められます‥‥。

羌瘣、かわいそうに‥‥。
あんなに怒鳴られて、めちゃくちゃショック受けてるし‥‥。

でも実はわたしも、羌瘣が貂を助けられなくて密かにショックでした。
ゴメン羌瘣。必死で動けなくなるまで頑張ったのにね‥‥。


一方、貂は凱孟に質問責め。
凱孟のキャラがいまいちよく分かりませんが、
"人"や"欲望"に対して興味があるらしい。
一戦交じえたことで信に対する興味も強く、
貂に色々探りを入れてきますが、
"女の身で戦場に居座り、またそれをさせる信とは何者か、どういう存在なのか"
が知りたいようす。

そんなことアンタが知ってどうすんだよ‥‥
と思いながらも、
ここは読者的に薄々想像はつきながらもハッキリしたことがない貂の気持ちの部分。
貂はどう答えるんだろうとドキドキ。

貂は、戸惑いながらもハッキリ認めます。

「オレもあいつと一緒に幸せになりたい」

(!!)

そして、

🔴凱孟 : 「好いた男と共に戦場にあって添いとげようなどとはムシがよすぎる

このままいけば お前は必ず最悪の結末を迎えることになるぞ」

🔴凱孟 : 「お前が"女"ならばさっさと戦場から去‥‥」

🔴貂 : 「嫌だっ」

「オレは戦場で戦って そして幸せになるんだ」





‥‥やっぱり"幸せ"ってそういう意味だよね?!
貂から信への矢印はついにハッキリと示されてしまいました。
知りたかったような、知りたくなかったような‥‥。
そして凱孟の言う、"最悪の結末"が意味深すぎて気になります。


貂は信のそばにいるために努力して頑張ってきたけど、
初めは家族愛のようなものだったはず。


チビっ子の頃から天涯孤独の身で最悪環境の黒卑村で日銭を稼ぎ、たくましく生き延びていた貂。
信や政と出会い、一旦は平穏な日々を手に入れてその環境に満足していたものの、
次々と先に進んで行く信たちとの間に隔たりを感じはじめて、孤独感に思い悩む。
その頃同じ女の身で凄まじい剣技を身につける羌瘣に出会い、その強さに憧れて剣技の教えを請うも、却下され落ち込む。
落胆する貂を見かねて羌瘣が提案した道が、"軍師"への道だった。

すべては、"信に何かあった時、そこに自分がいないことが怖い、自分も同じ場所にいたい"

という強い願望から始まった貂の道。

今思い返すと、女だねェ〜。と感じずにはいられない想いだけれど、
当時のちび貂には、恋愛感情というよりは家族愛的な感情の方が強かったように思う。

でもここでははっきりと凱孟に
"女"としての感情を認めております。
長い時間を経て、大人になったんだね、貂‥‥。


そして一方で、飛信隊のほうでも大変な話題に!

出番が最近多くなってきた我呂さんからの素朴かつ絶妙な質問が!!

飛信隊のメンバーたちの動揺する表情に、こっちまでハラハラします。笑
羌瘣も目をまんまるくしてびっくり!
核心をつく我呂の質問に対し、羌瘣の反応を横目でチラ見する松左!(「子を産む」発言の余波か?!)

貂とは違って、信の答えは想像通り
「妹」
でした。


信は一貫して貂のことを妹扱いしていたし(あのキス事件の時ですら)、納得の答えではあったけれど、
貂の気持ちを知ってしまった今となっては読者としてちょっと複雑な思いに。
貂が健気なだけに‥‥切なさ倍増。

原先生が公式ガイドブックで、「貂と羌瘣の両方と結婚させたらダメか」と担当さんに聞いたら猛反対されたとおっしゃっていましたが、
ここにきて「早くハッキリさせろ」との指示でも出たのでしょうか?
なぜこのタイミングで!!とわたしはかなり動揺し、危うく本筋を忘れてしまうところでしたよ‥‥。


さて、キングダムの本筋はこっちです!

著雍戦、いよいよ作戦決行の3日目までやってきました。
順調に駒を進めていた玉鳳でしたが、魏火龍の紫伯が圧倒的な強さを見せ、王賁大苦戦。
父親・王翦軍から派遣されてきたデキる千人将"関常"はかなりの謎キャラですが、
何より王翦の意図が超謎。戦の後、明かされるのでしょうか?気になります。

そして魏火龍・紫伯の過去がざっくりと描かれていましたが、
キングダムにしてはちょっと粗い過去描写だった気がします。

〈かつて兄妹(※血は繋がっていない)で愛し合っていたという紫伯と妹の紫季歌(しきか)。

紫伯は紫季歌以外のことには無欲であり、紫季歌のためなら魏火龍の名すら捨ててもよいとすら思っていた。

ある日、紫伯の父・紫太(※一代前の紫伯。子が無く、紫伯も紫季歌も別々の妻の連れ子。)の嫉妬(※血の繋がりの無い紫伯が名前を継ぎ、更に地位や名声を手にしたことによる)により、紫季歌は紫伯と同じ魏火龍の1人・太呂慈(たいろじ)に無理矢理嫁がされる。

"妻殺し"の異名を持つ太呂慈は、紫季歌に対し、今後は自分だけを愛すると誓うように迫るも、紫季歌は反発。太呂慈は紫季歌を惨殺する。

全てを知った紫伯は激昂し、魏火龍内で対立が起こる。
太呂慈側についた晶仙(しょうせん)・馬統(ばとう)、
紫伯側についた霊凰・凱孟。(呉慶は中立の立場だった。)
紫伯は、父・紫太をはじめ、太呂慈・晶仙・馬統をたった1人で全員討ち殺す。

そして同士討ちの罪により、紫伯・霊凰・凱孟は
王が代わり呉鳳明の懇願により解放されるまで、14年間もの間投獄されることになる‥‥。〉



紫伯の過去はざっとこんな感じです。
"最愛の女を殺され、感情を失い、今や機械的に目の前の敵を超絶槍技でなぎ倒すだけの殺戮マシーンと化した男"
ってところでしょうか‥‥。

でも個人的には、設定があまりしっくりこなくてもやもやしました。

そんなに愛した女を失って、紫伯はよくも14年も自害せずに地下牢で生きたな、とか、

確かに理不尽な紫季歌の死は可哀想だし紫伯の怒りに同情もできるけれど、
魏火龍同士の絆や損得が全く見えない中、
大将軍ともあろう6人が、同士討ちの重罪を負ってまで対立し、
14年間も地下牢に繋がれるような割りの合わないことに協力するかなあ?とか、

そもそも紫伯の性格からして、なんとなく他人に頼らず1人でやりそうなのに、なんでわざわざ魏火龍内で派閥を組んで対立させる設定が必要だったんだろうか(実際1人で殺ったけど結局3人とも投獄されてるし)とか、

さらにさらに魏王も大将軍クラス6人も失うようなことになって、国としてどうだったんだとか、

あっちもこっちも何だかもやもやしました。

キングダムでこんなにもやもやすることは滅多に無いので自分でも戸惑いましたが、
原先生のことですからきっとこの先の展開にこれらのもやもやが活きてくるはず!
と思い直し、読み進めていくことにしました(笑)。


そして最後は、もうひとつあったもやもやが解決しました。

貂がさらわれた時、羌瘣を激しく非難して八つ当たりした信。
信が仲間を責めるシーンは珍しく、しかも相手は羌瘣。
何も胸ぐら掴んでまで怒らなくても‥‥!
精一杯できる限りのことをした羌瘣に対するこの仕打ちに対し、仲間たちは羌瘣をかばいますが、
信のいら立ちはおさまらず、羌瘣自身もへこんでました。

3日目の決戦の前夜、信は羌瘣を探してその時のことを謝ります。

🔴信 : 「昨夜は悪かったな お前に当たっちまって」

🔴羌瘣 : 「‥‥‥」

🔴信 : 「‥‥‥」

🔴羌瘣 : 「私だって何でもできるわけじゃない」

🔴信 : 「‥‥んなこた分かってる‥‥ただあん時は‥‥」

羌瘣に"つーん"とされる信。笑

🔴信 : 「オ オイ羌瘣」

🔴羌瘣 :「冗談だ
もし象姉が同じように捕まったら
きっとお前以上に私は取り乱してると思う」

🔴信 :「面目ねぇ」

🔴羌瘣 :「許さん」

🔴信 : 「オイ」

🔴羌瘣 : 「冗談だ」



信が仲間(しかも羌瘣)に当たるなんて余程のことなので、貂がさらわれたことへの動揺のMAX表現だったのでしょうが、結構ここで信の株は暴落したような気がしていたので、
このシーンでのフォローは良かったです。
"つーん"羌瘣もかわいかったし。

しかしながら、先にも述べたように、
わたしも羌瘣が貂を助けられなくて結構ショックだったのです。

何のショックなんだろうと自分でもよく分からなかったのですが、
羌瘣が信に
「私だって何でもできるわけじゃない」
と言ったことで腑に落ちました。

そう、羌瘣なら何でもできる、何でもしてくれる、と勝手に思いこんでいたのですねー。

信も羌瘣を頼りにするあまり、羌瘣の力にある意味甘えているあまり、貂を助けられなかったという羌瘣のたった1回の痛恨のミスを受け入れられなかったのでしょう。

羌瘣も大変だな。
あの強さが皆にとって当たり前になっちゃってるもんね。

そして貂の気持ちが明らかになったことにより、今後信との関係に変化はあるのか?そのことが信と羌瘣の微妙な距離感に変化をもたらすのか?
‥‥否が応でも気になりすぎる展開になってきました。


締めの騰&録嗚未のシーンも良かったです。
常に誰に対してもカッカしてるあの録嗚未が、騰のことはちゃんと認めてるんだなー、
としみじみ思わされる良いシーンでした。

自分ではなく、若手たちの名を中華に広めさせるため、その真の力をはかるとともに示させる。
騰が描く著雍戦の裏テーマにしびれます。
かつての主・王騎の夢を叶えたい、という想いも内包しながら。

騰は、理想の上司であり、理想の部下そのものですね。

次巻はいよいよ著雍戦"3日目"!




【メモ】
⭕魏火龍七師
●霊凰(れいおう)
●凱孟(がいもう)
●紫伯(しはく)
●太呂慈(たいろじ)
●晶仙(しょうせん)
●馬統(ばとう)
●呉慶(ごけい)

⭕我呂の貂救出に対する意見で
「古参のお前らにとっちゃ馴染みの深い奴なんだろうが一、二年の付き合いの俺らにとっちゃ納得しづれェー」(第386話 67ページ)
という言葉。

●飛信隊誕生(百人隊)
●三百人隊
●(急造)千人隊

⇩ ★羌瘣一時離脱・軍師・貂加入。

●(正式)千人隊

⇩★"サイ"戦で麃公兵残兵を率いる。

●三千人隊(麃公兵・岳雷、我呂正式加入)

⇩★羌瘣帰還

●五千人隊(現在) ※信・四千人将、羌瘣・千人将


古参メンバーと我呂の貂とのなじみの差は、羌瘣がいなかった1年強ぐらいの差。
にもかかわらず、確かに古参メンバーの貂の溺愛ぶりは顕著(笑)。

⭕おまけマンガ「天下の大料理人」

⭕カバー裏・表紙側に梟鳴スタイル貂のイラスト