キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 46巻

*ネタバレあり*

 

 

 

久々に、表紙に信が単独登場の46巻。

なんと信が手に持つのは、満を持しての王騎の矛!

そして帯には
「秦の覇道を懸け 趙・李牧と決戦へ!!」
との煽りです。

あとがきの原先生のコメントによると、
"合従軍以来の大戦"
が始まるとのこと。

六国制覇の第一歩(斉除く)が李牧のいる趙ってところが、たまらなくアツイですね。
いよいよな感じに、めちゃくちゃワクワクします。

信たちも滾りまくりの46巻、
あらすじからまいりたいと思います。


【あらすじ】
来る大戦へ向け、選抜された1千人の新戦力が加わった飛信隊。

元"中華十弓"である蒼源を父に持つ 仁(じん)・淡(たん)兄弟をはじめ、身体能力に優れた兵たちが集まり、日々練兵に励んでいた。

一方咸陽では、蔡沢が遺した数々の置き土産を元手に、昌平君は本格的に中華進出への戦略を描きはじめていた。

また、政と斉王との会談に唯一人同席していた昌文君は、政の目指す中華統一後の世が
"法治国家"
であると知ったことにより、
秦国内で最も法に精通している人物である
李斯のもとを訪ねる。

「"法"とは何か」
という李斯からの問いかけに対し言葉を詰まらせる昌文君だったが、
李斯は
「"法"とは願い であり、
国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものである」
と答える。

統一後に全中華の人間にどうあって欲しいのか 、
またどう生きて欲しいのか、
どこに向かって欲しいのか。
それらをしっかりと思い描くことができれば、自ずと形が見えてくるはずだと李斯は助言する。

呂不韋政権失脚後、最も暗躍した人物として地下牢に幽閉されていた李斯であったが、統一後の世のために必要な法作りには李斯の力が絶対不可欠であると痛感した昌文君は、政の承諾を得て李斯を政陣営に迎え入れるのだった。

そして始皇11年。

軍総司令・昌平君から信・王賁・蒙恬に対し咸陽へと召集がかかる。

趙攻略の作戦を伝えるために信たちを呼び寄せた昌平君だったが、
その作戦は、王賁や蒙恬らまでもが耳を疑うほどの突飛すぎる内容であった。

元々は、前回の戦で勝ち取った趙西部・黒羊を拠点とし、趙攻略の勢力を広げていく算段であったのだが、
秦の侵攻に対し李牧が率先して陣頭指揮を執り、広範囲にわたって築城による防衛網を張り出したことで、昌平君の計画に歪みが生じてきたのである。

李牧の築城計画により、趙攻略には次々と生み出される城を突破し続けなければならず、それ故に約10年はかかるであろう長期戦を余儀なくされることになり、
このままいくと政が計画する"15年で6国を滅ぼす"という目標からはるか遠く、実現不可能となってしまう。

対秦の戦を長期戦に持ち込もうとする李牧の戦略を危惧した昌平君は、
趙西部の攻略を"囮"として定石の戦略と見せかけ、実際の本命としては
趙の王都・邯鄲の喉元にある
"鄴(ぎょう)"
を攻め落とすことで李牧を出し抜くことを提案。

王都に近い鄴を攻めるとなると、当然の如く趙から強固な包囲攻撃を受けることは必至であり、もし敗れれば秦軍全滅の可能性すらはらむ奇策中の奇策。

策としては下の下であり、定石から逸脱するこの戦略こそが、李牧の目を欺く唯一の方法であると昌平君は結論づけ、
その戦略上、信ら3隊が重要な役割を担うことになるためわざわざ咸陽まで呼び寄せたのだと話す。

飛信隊・玉鳳隊・楽華隊の3隊は、今回の大戦で想定していない事態が降りかかった場合、現場で瞬間瞬間の的確な判断をとることができる権限を与えられる。

政から、必ずこの戦で大功をあげて3人揃って将軍へと昇格するようにと直々に発破をかけられた信らは、覚悟を決めながらも士気を高めるのだった。

そしていよいよ出陣の日。

昌平君から作戦の公表と総大将の発表が行われる。

●全軍総大将:王翦将軍
●桓騎将軍
●楊端和将軍

大規模となる此度の戦では、およそ20万の軍が出陣することになり、これら3軍の大将率いる連合軍戦となること、
また、作戦に関しては本命の鄴攻めの内容は伏せられ、表向きとして趙西部の攻略であると公式に発表された。


出陣前、信は政に預けていた王騎の形見の矛を受け取る。
そして政へ勝報を届けると誓うのだった。



秦軍は、黒羊へと行軍をはじめた。
本命の鄴へ向かう真の作戦を知る者は、3軍の将軍と信・貂・王賁・蒙恬のみであり、
完全に情報漏れを防いでいた。

趙では、李牧が秦軍出陣の急報を受け、
"王都の守護神"と呼ばれる扈輒(こちょう)将軍の趙西部への出陣を要請する等、手筈を整え出す。

そして側近の舜水樹(しゅんすいじゅ)を最前線へ遣わせ、秦軍の"兵糧の量と流れ"を追うように指示し、見張りを強化していた。


一方秦軍は、表向きの目的地・黒羊と、本命の地・鄴への進路変更地点である"金安"を兵糧中継地とし、続々と兵糧を運搬していた。
そしてその兵糧の流れを確実に趙は把握していた。

しかし実際は、秦は金安にあらかじめ隠し地下施設を用意しており、そこで"偽装俵"を大量に生産していた。
そしてその偽俵を兵糧に見せかけ、黒羊に送り込んでいたのである。

秦軍の欺きは順調に進んでいたが、
秦軍へ送り込んでいた趙の間者が金安のみで複数人が消息不明になったという情報を得た舜水樹は、金安の地に疑念を抱きはじめる。

その頃、王翦と李牧のもとにそれぞれ同じ急報が届いていた。

対秦で西方に軍を固めていた趙の隙をつき、
燕のオルドが侵攻してきたのである。

秦軍の侵攻に備えて自ら西方の築城を進めていた李牧は、突然降りかかってきた東方の燕軍の侵攻に気を取られかけるが、
自らが"三大天"に推したという司馬尚(しばしょう)が出陣したと聞き、ひとまず気を落ち着かせる。

その落ちつきもつかの間、舜水樹が前線から戻らないことが気にかかった李牧は、
偽の兵糧運搬の仕掛けに気付いた舜水樹の報告から推測し、
此度の秦軍が目指す真の目的地が鄴であることに気づく。

李牧は即座に王都・邯鄲へと急報の鳥を飛ばし、ただちに邯鄲から軍を興して鄴の手前にある王都圏の入口・列尾(れつび)に送り込むよう趙王に献策するが、
王は邯鄲から精強な自軍を離れさせることを許さず、
鄴周辺の城から兵を集めるように指示。

李牧は、秦軍の到着より一刻でも早く王都圏へと戻るために、馬を走らせるーーー。

 

* * * * *

 

久しぶりにスケールの大きい戦が始まりました。後半のたたみかけるようなスピード感に、気持ちが高ぶります!

まずは大戦に向けて、飛信隊に新しい仲間が加わりました。

前巻で登場した新キャラ・弓矢兄弟の仁&淡と、なんだか崇原が買っているらしき干斗(かんと)とその仲間たちがめでたく選抜合格です。

弓矢兄弟は、500歩の位置から10射中10射を的に当て、特例合格。

厳しい体力テストを突破した干斗は、何故飛信隊に入りたいのかを聞く崇原に対し、

「元下僕から這い上がった隊長に その脇を固めるあんたらもほとんど平民の出
そんな部隊が活躍してて
憧れねェ奴はいねェだろが」

と答え、崇原を密かにしびれさせておりました。

いやはや、飛信隊も、若者たちに憧れられる存在になったんだなーと思うと、いろいろと感慨深いですね‥‥。

そして羌瘣 に至っては、同じ隊で働きたがる者続出な上、羌瘣 様ァ〜羌瘣 様ァ〜と崇められる存在に!笑

これからの戦で新メンバーたちがどんな活躍をしてくれるのかが楽しみですねー。
なんだか、信の初陣の時を思い出してしまいました。


そして本編。
昌文君が李斯を陣営に加え、中華統一に向けた法作りに本格的に触手しはじめたこと、
昌平君が中華統一への絵図に向けた奇策中の奇策を政へ進言したこと。
ここからめまぐるしい展開に!

ここで李斯のいう
「法とは、願いである」
という言葉の意味に、しばらく考えさせられました。

お恥ずかしながら、わたし自身もういい大人だというのに、"法"の意味についてなんてあまり深く考えたことがなかった、、、

改めて考えてみたら、それこそ昌文君みたいに、"悪いことをしたら罰が与えられる人間界でのルール"ぐらいにしか思っていませんでした。

そんな考えに対して李斯は
「刑罰とは手段であって法の正体ではない」
と断じます。

人々がどう生きて欲しいのか、どこに向かって欲しいのか、
そんな願いが込められたものが"法"。

どのような法をつくりだすのかによって、
その国の未来が変わるのですよね。
この先秦がどのような法を制定するのか、、
史実をググれば分かってしまうのでしょうが、そこは戦と同時進行で楽しみに待ちたいと思います。


さて戦のほうですが、
前回せっかく落とした黒羊は、李牧のガードが固すぎて、もはやこの地からの趙攻略は現時点で無理めなもよう。

昌平君や蒙毅が頭を抱えながらもなんとかひとつの策を絞り出したのですが、
その策はあの李牧を出し抜くためにひねり出した、非常にトリッキーかつリスキーな計画!

それは大胆にも、敵陣が待ち構える首都・邯鄲の目と鼻の先に位置する"鄴"を攻めるとの内容でした。

しくじれば敵地で四面楚歌、全滅の恐れすらあるギャンブル策です。

しかしながら、秦の体力を考えると、正攻法でチンタラやってる時間はありません。
政は昌平君のこの策に乗っかり、信たち若手3人衆に極秘作戦を共有させます。

昌平君が、小隊の頃から信たちに現場での的確な現場判断能力を培わせるために
"独立遊軍"の権限を与えていたとは、
これまた感慨深い!

呂氏四柱の時から信には目をつけていて、小隊どころか隊長にもなっていない時期から
羌瘣 ともども"駒"として手に入れておきたいと言ってましたもんね。
そういえば飛信隊は、王騎出陣時に百人将として初めて戦に出た時からすでに、どこの軍にも所属しない特殊部隊扱いでした。
同じく玉鳳・楽華も三百人隊の時から特殊部隊扱いでしたね。

3人の伸びしろを見込んで、何年もかけて成長を見守っていたとは‥‥
そして満を持してこの中華攻めという大戦で彼らを解き放つとは‥‥!

この3人での連動プレイは、対魏(廉頗)戦以来でしょうか?
今回も戦場でどのような化学反応を起こすのか、めちゃくちゃ楽しみです!

その上、総大将が王賁父・王翦ときましたね。
玉鳳隊の所属が王翦のところなのかどうかも気になりますねー。
飛信隊は楊端和軍に配属されておりましたが、
大戦が故に気を張りすぎている貂に対し、
クールに諌めてあげる端和様が超絶カッコよかった。

蕞(サイ)戦での大功績により、秦国での将軍の称号を与えられた端和様ですが、
今回は初めて秦軍として、そして連合軍の大将としての大役です。

振り返れば、山界だけでなく積極的に下界との交流を持ちたがっていた端和様の念願がここで改めて叶うわけであり、
それを考えるとほんとうにこれまた感慨深くて‥‥!

そして信は王騎の矛を!
はわわ‥‥!!

‥‥己の語彙力の無さが心底お恥ずかしいのですが、46巻はほんとうに
"満を持して"なシーンばかりすぎて
キングダム第2章感が改めて伝わり、
繰り返し"感慨深い"ったらないですわ。。。


話を戻します。
後半、燕のオルドが趙に攻め入ってきて、
李牧が秦の本命は鄴ということに気づき
一気にワチャワチャしますが、

最後に久々に登場した、変態趙王。
いっつも湯の中でお戯れです。笑
李牧の急報での指示を認めず、非常時にもかかわらず自分のいる邯鄲の守りを崩そうという気がさらさらありません。
美少年たちに足をしゃぶらせ(!!)、「おふ」っとご満悦のようす‥‥!!

李牧もアホな王の性格はお見通しで、用意していた代案を胡周じィやに提案させ、
李牧本人は趙西部から王都圏へと大急ぎで馬を走らせます。
目指すは王都圏の入り口"烈尾(れつび)"。
対する信たち秦軍も"烈尾"へ向かって直進中。

まずは桓騎軍をぶつける流れな対趙戦、
李牧と信たちが対峙するのはもうすぐなのか?!どうなのか?!


47巻へ続きます!

 

【メモ】
呂不韋、脱官の裁きを受ける。

太后、雍から咸陽へ戻される。

○六将・胡傷は、唯一軍師上がりの六将だったらしい。

○六将・胡傷は、昌平君の軍略の師であった。

○六将・胡傷は王翦のことを軍略の才だけで六将並みの逸材だと認めていたらしい。

王翦、出陣前に昌平君へひとつ頼みごとをする。

○壁、端和様登場に大喜び。

○黒桜さん、ファンがつく。

○タジフ、平地の言葉をちょっと覚える。

○燕は趙南の中都市・青歌(せいか)を狙う。
その地には、李牧が三大天に推した司馬尚(しばしょう)がいる。

○おまけマンガ「ふり分け」

○裏表紙表側イラスト:弓矢
裏表紙裏側:おまけマンガの続き