キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 30巻 「麃と飛」

*ネタバレあり*


蒙武の大活躍により、
最大の危機を乗り越えたかのようにみえた秦軍。

喜びも束の間、
カリン軍に函谷関の裏を取られて
絶体絶命‥‥

かと思えば形勢が再び逆転して。

戦況が二転三転しまくる30巻。

そして、8巻、16巻に引き続き、
わたしの"泣き巻"3冊目です。

麃公将軍!!(涙)


【あらすじ】
函谷関の裏手から現れたカリン軍5000人は、
一気に背後からなだれ込み、
今にも内側から函谷関の正門をこじ開けようとしていた。

蒙驁将軍をはじめ、函谷関を護る秦軍の
誰もが陥落を覚悟した瞬間、
山間から王翦軍が一斉に現れる。

山岳地帯での燕・オルドとの心理戦を制し、
函谷関の援護に現れた王翦軍により、
秦軍は函谷関陥落の窮地を危機一髪で脱する。

これによって合従軍側の"15日目の総攻撃"作戦は失敗に終わったということになり、
合従軍の函谷関突破は極めて困難となった。
そして燕軍を除く合従軍全軍が、
開戦前の位置まで軍を退却させるのだった。

歓喜する秦陣営。
ここにきてこの先、別の決め手が出てくることは考えにくいと推測される状況に対し、
どこか安堵の雰囲気が漂う秦軍。
そんな中で、前線の麃公や信は、李牧が動いていないことに対し
まだ何かの企みを感じずにはいられなかった。

そして開戦18日目。
咸陽に、小さな城が攻め落とされたという
急報が次々に入り出す。

昌平君らが急いで地図を調べると、
咸陽に至る"北道"を守る"函谷関"からではなく、
咸陽に至る"南道"を守る"武関(ぶかん)"の
内側(咸陽側)の城が次々と落とされていた。

"武関"が抜かれた様子がないことから、
敵軍は険路が多く大軍移動には向かないはずの南道へ山間から割り入り、
相当の日数をかけて進んできたことになる。

敵軍の数は4万人にものぼり、
兵を率いている人物は李牧であると判明。
思いつきではなく、開戦当初から計算通りに
兵を少しずつ送りこんでいたと思われる
李牧の緻密な戦略に気づき、
秦陣営に戦慄が走る。


一方、合従軍の中ですら李牧の動きに気づく者は
ほとんどいなかった中で、
麃公将軍だけは直感で動き、飛信隊を引き連れ、
後を追ってきていた。

麃公・信たちは、自国の利でまっすぐに南道を目指すことができた分、
秦軍に見つからぬよう用心深く兵を進めていた李牧軍に追いつく。

李牧の仕掛ける戦術"流動"をことごとくかわし、
ついに麃公は李牧と対峙。
"直感"だけで"流動"の流れを把握し、
中心まで攻め込んできた麃公に対し、
李牧は"理解の範疇を超える本能型武将の極み"
だと称するも、
麃公を前にして李牧は冷静そのものだった。

そして李牧は、麃公に対し、
何と龐煖を向かわせる。

突然の龐煖の出現に、
龐煖を知る飛信隊のメンバー達は驚愕。
李牧の"流動"に手こずりながらも、
何とか麃公の援護に向かおうと奮戦していた。

麃公は、王騎を討った男がこの龐煖だと知り、
合点がいったと語る。
王騎の名を出した途端、
何の感情も持たぬように見えた龐煖に
苛立ちの感情が現れたことに気づいた麃公は、
それを認めようとしない龐煖に
「己の中の大いなる矛盾に気づかず
一人もだえておる ただのど阿呆」
と言い放ち、
龐煖と一騎討ちを始めた。

龐煖と打ち合う麃公だったが、
李牧の戦術"流動"の流れを見破れる者は
麃公以外におらず、
麃公と共に中央まで突破してきた数十騎の兵たちは李牧軍の兵に討たれ、
麃公は孤立。
もはや活路は見出せない状況に陥っていた。

その時、麃公の援護に向かっていた信たちが
徐々に近づいてくる。
信の声に気づいた麃公は、
信に前進して咸陽へと進めと叫び、
自らの盾を信へと投げつける。
そして麃公は、龐煖との激戦で
左腕を斬られ、
麃公は龐煖の左腕をへし折った。
麃公は信に、
「火を絶やすでないぞォ」
と叫び、龐煖に討たれる。

麃公の死を目の当たりにし、
信は激昂。
麃公の仇討ちに向かおうと怒り狂う信を
壁は力づくで諌め、
今は咸陽へ進み、麃公の意志を繋ぐべきだと
言い聞かせる。

信は必死に抵抗するも、壁の指揮のもと脱出。
5000人いた麃公軍は2000人ほどに激減。
残った兵たちは李牧軍の追撃を受けながらも
咸陽を目指して走った。


そして麃公討ち死にの報を受けた咸陽では、
活路を失い、手だてを考える時間すら
残されておらず、
秦陣営は絶望していた。
その時、水面下で呂不韋が動き出す。

もはや咸陽陥落は時間の問題と判断した呂不韋は、
"朱凶"ら暗殺集団を王宮に忍ばせ、
政の首を狙おうとしていた。
常に呂不韋の動向を見張っていた肆氏は、
呂不韋の不穏な動きに気付き、
昌文君に報告。
肆氏の推測では、
恐らく呂不韋は政の首と引き換えに
李牧に"和睦"を交渉し、
城をあけ渡すことで何かしらの恩恵を受けようと目論んでいるはずだという。

その頃、渦中の政は、誰にも告げず姿を消していた。
政は独断で昌平君に相対し、
「国家存亡の刻、呂氏四柱としてではなく
軍総司令としての立場から意見を聞きたい」
と問う。

政は昌平君に、
咸陽の喉元にある最後の城・"サイ"に
政自らが出向き、
一般市民を率いて李牧軍と戦うと宣言。

そして昌文君らとともに、
政は"サイ"へ向け出陣するーーー。



* * *



信とともに、麃公将軍の死に
涙だだ流れの30巻でした‥‥。

落ちかけていた函谷関に、
突然王翦軍が現れ、
秦は最大のピンチを脱します。

これにより戦局がガラリと変わり、
合従軍は一旦退却。
喜びまくる秦軍ですが、
麃公、信、貂や
この戦を亡命先の楚で見守る廉頗(久々の登場!)は、
"李牧がまだ動いていないこと"
に対して訝しんでいました。

そうは言っても元々超劣勢から始まったこの戦い、
まさかの形勢逆転に信たちも喜ばずにはいられません。

貂は興奮のあまり、信の腕に"ぴと"と手を置き、
喜びを伝えるほど。
(第318話 39,40ページ)

ここで初めて!(今までで!)

信が貂に対して顔を赤らめ、
ちょっとかわいいじゃねーか的な表情‥‥。
(原先生、このあたりややこしくしないでくださいー!)


しかし李牧はやっぱり動きました。
というより、すでに最初から動いていました。
開戦当初から、この時のために、
少しずつ少しずつ自軍を南道から咸陽へ向けて送りこんでいたのです。

その数すでに4万!
表向きは何十万もの合従軍を率いて
ガチで戦いながらも、
万一の劣勢時に備えての手筈も怠らない、
恐ろしい軍略家!

しかも、忌まわしいあの男"龐煖"を
引き連れてきていて、
今ここで出してくるとは!!

本当に憎たらしいほど準備万端な奴です。。。

そして嫌な予感は的中、
麃公将軍と対決することに。

化け物龐煖は、やはり圧倒的でした。
以前に羌瘣を狙って飛信隊を襲ってきた時のような、
読んでいて龐煖という存在に対しての怒りと憎しみが湧き上がってくるほど。

出てくんなよ!!!(哀しい叫び‥‥)

我らが麃公将軍は、
もはや死地となった場所に信が来ることを
遮ります。

何と言ってもこのシーンは30巻のハイライト‥‥。


🔴麃公 : 「童(わっぱ) 信
前進じゃァ」

🔴李牧 : 「!」
🔴信 : 「!?」
🔴壁 : 「!?」
🔴尾平 : 「えっ!? どっ どこを指差してっ」

🔴麃公 :「ここは貴様の火を燃やし尽くす
場所に非ず
咸陽へ行け 童 信」

🔴信 : 「!! 咸陽へ‥‥ !
(なっ で でも それじゃ‥‥将軍は‥‥)
何 言ってんだ
何言ってやがんだ 麃公将軍」

🔴麃公 : 「‥‥‥」
(盾を引っ掛け、信のいる方向へ投げつける)」

🔴信orモブ兵 : 「たっ 盾っ‥‥麃公将軍の盾だっ‥‥!!」

🔴麃公 :「さァて 待たせたの龐煖
そろそろしめといくか」

🔴龐煖 : 「死の覚悟‥‥ではない
貴様は生をあきらめた

貴様は 弱者だ」

🔴麃公 : 「何も分かっておらぬな
このど阿呆が!!

龐煖 やはり貴様は 全く何も感じておらぬのだのォ

わき上がってくる力を

つむがれていく炎を!

じゃから貴様は王騎に勝てなかった
バハハ 奴に代わってその答えを儂が教えてやってもいいが
戦場に甘美な夢を描いていた王騎らと違い
戦場に生まれ落ち
そこで育ち
ただただ戦いに明け暮れてきたこの儂の刃は
王騎らのよりもっ
大分荒々しいぞォ!!」

(麃公、龐煖と打ち合うも、左腕を斬り落とされる。
しかし麃公も龐煖の左腕をへし折る。)

🔴麃公 : (信のいる方向へ振り向き)
「童(わっぱ) 信」!!

「火を絶やすでないぞォ」



そして麃公将軍、討ち死に。


このあたりから、壁が怒り狂う信を殴って諌めるくだりまで、
涙が止まらなかった。。。!

麃公さんが最後に信へ託した想い、
新しい時代へ繋げたい想い、
そんな想いをよそに無情に麃公を狩る龐煖への
怒りに、
信も相当顔がグッシャグシャでしたが
わたしも相当にグッシャグシャに泣きました。

そして壁のあんちゃんの言葉にも泣けた。
(第326話 181〜182ページ)


🔴壁 : 「頭を冷やせ馬鹿者っ
将軍が前進とおっしゃったのが聞こえなかったのか!!
盾を投げられた意味が分からなかったのか!!

ここで我らが脱出し その意志をつがねば
咸陽を守らねば
麃公将軍の死すら
その意味を失ってしまうのだぞ」


怒り狂って収拾のつかない信に対し、
壁が思い切り信をぶん殴って諌めるシーン。

ここは、壁のあんちゃんしか信を止められなかったな、と思う。

今まで信が引っ張っていく場面が多かったけれど、
今や壁も立派な三千人将。
本当のアニキみたいだ。
壁のあんちゃんがこの時 信と共にいてくれて
本当によかったと心から思いました。


一方で咸陽では、まさかの政が立ち上がる!

派閥内の敵味方は一切関係無く、
秦国のために昌平君と正面から向き合い、
また昌平君も呂氏四柱としての立場から離れ、
政と相対して意見を交わし合う。

呂不韋だけは私利私欲でまた政を暗殺しようと
企んでいるところが、
人間的に急に小物に見えてくる。
(実際は、こういうヤツがある意味大物なんだろうけど、
このシーンでは激しく小物に見えるあたり、
原先生の人間の描き方は素晴らしい)

向ちゃんへの別れ(ひとまずの)を済ませ、
ついに政が出陣!!
(向ちゃんめっちゃ頑張った!)

この展開は予想だにしてなかったなあ。

最高潮の盛り上がりで、
31巻に続きます。




【メモ】
⭕《李牧の別働隊について》
●函谷関攻防戦での趙軍の配置を、
あえて一番端にしていた。

●趙軍の配置は南道に最も近く、開戦から
誰にも気づかれずに少しずつ数千人単位の趙兵を南道から咸陽へ向かわせていた。

●趙軍12万の持ち場に対する秦軍は元々4万。結果的に趙軍から4万の軍が消えていたが気づく者はいなかった。

●15日目の作戦が失敗に終わった後、
戦線に間に合わないと知りながらも
各国の軍から精兵1000人を別働隊に呼ぶことで、趙の別働隊が秦を落とした場合も
"趙軍単独の手柄ではない"
とするための配慮も怠らず。

⭕尾平、いつのまにか騎馬してる!と思ったら、誰かの後ろに乗っけてもらってた(笑)

⭕おまけマンガ「カクビ兵」

キングダム 29巻 「至強」

*ネタバレあり*

キングダム 29 (ヤングジャンプコミックス)

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引き続き、函谷関攻防戦。
29巻では、いよいよ楚軍総大将・汗明と
蒙武の大勝負。
決着もつきます!

カリン軍 VS 騰軍 の戦いは接戦中ながら、
カリンの目論見は予想外の方向から戦局を大きく変えそう‥‥!

まだまだ戦は終わりそうにありません。

では、あらすじから。

【あらすじ】
函谷関の裏手の山岳地帯から、
函谷関へ向かい一気に攻め込もうとするオルド。
その背中を、王翦はとらえていた。

"山読み"の能力に長けるオルドだったが、
王翦は最初からオルドを嵌めるべくして誘い込んでいた。
オルドがそれに気付いた時には時既に遅く、
王翦軍に背後から攻め入られ、
退却する他ない状況に陥る。
その結果、8000人の精鋭部隊を失ってしまい、
山中で身動きがとれない状態に。
オルドは王翦に、まさに踊らされたのであった。


一方、最大規模の戦場・楚軍 VS 蒙武・騰連合軍の戦いは、大きく動く。

まず、カリンに抜擢され五千人の将になった項翼が、臨武君の仇と息巻き、騰に襲いかかる。

そして楚将・カリンが本格的に始動。
騰軍方陣の要である隆国軍の持ち場に、
中央から方陣を打ち破ろうと攻め込んできた。

蒙武軍は、昌平君の策による斜陣がけの功により、手薄になった汗明までの道が開けた。
蒙武はついに汗明をとらえる。

いよいよ蒙武と汗明の激しい一騎討ちが始まる。

広大な楚の領土の中、中華を横またぎに攻め込み続けた汗明。
かつて、楚に攻め入ろうとした
秦の六将・王コツ(おうこつ)を
若き頃の汗明があっさり撃退したという、
秦にとっては驚愕の事実が暴露され、
秦兵達は一同に青ざめる。

まさに百戦錬磨の汗明に対し、
蒙武との経験値の差があることは否めなかった。

しかし、激しく打ち合い続ける中で、
蒙武の中の未知数の力が引き出され、
互いの腕を砕き合うほどの接戦に持ち込まれる。


その時、遠方から2人の一騎討ちを様子見していたカリンが動いた。
汗明が万一討たれることがあった場合の軍の損失を考慮し、
弟のカエンを使って蒙武を討ちに行かせる。

カリンの不穏な動きを察知し、
カエンのあとを追う蒙恬。

カエンが蒙武を討つつもりであると察した
蒙恬は、
カエンの蒙武への攻撃を阻止するために
カエンと打ち合いになる。

蒙恬がカエンからの攻撃をかわした際にバランスを崩し、
蒙武と汗明の一騎討ちの間に割り入ってしまったその瞬間、
水をさされ激怒した汗明は蒙恬を斬った。

目の前で蒙恬が斬られたのを目にし、
怒り狂った蒙武は汗明を剛打。
蒙武はさらに一撃を加え、
ついに汗明を撃破する。

蒙武は汗明を討ったその後も汗明軍を次々に破壊して行き、
完璧に中央軍を壊滅させる。
この瞬間、蒙武 VS 汗明 の最大規模の戦場では
蒙武軍の勝利が確定したのだった。

その頃、李牧・春申君のいる大本陣へ
カリンから
「勝利は目前
総司令様は 函谷関をくぐる準備をされたし」
との報が入る。

なんと、
今までのカリンの動きはすべて"目くらまし"
であった。
そしてその頃、カリンの真の目的のため、
精鋭部隊5000人が
用意周到に函谷関の裏側へ到着していたーーー。



* * *



29巻はほぼ1冊丸々 対楚戦でした。
莫邪刀・項翼、一騎討ちではないとはいえ
騰に斬り負けなかったなんて、
実は臨武君より強いんじゃないの!?
騰のヘアーはあんなこと(※200ページ)
になってるし!(爆笑)

そして自信過剰、自意識過剰女・カリン、
自意識はともかく、自信のほどはあながち過剰ではなかった‥‥かなりのキレ者!

側近のバミュウのMっぷりにはウケますが、
騰の抜けた(一時右軍にて項翼と対戦中)本陣の蓋を破りに突撃してくるという、
なかなか笑えない展開になってきました。

しかし喜ぶべくは、
録嗚未・干央が生きていたこと!
隆国が守る方陣中央軍の援護に現れます。
そして左翼の将・王賁もカリン本陣の背後を
討ちにさすがのタイミングで登場。

よかった〜。
さすが録嗚未、不死身!


さて、本命の蒙武軍です。
蒙武がいきなり全員をざわつかせた高等戦術・
"斜陣がけ"は、
昌平君のレクチャーによるものだったようですね。

両端に貝満(べいまん)・剛摩諸(ごうましょ)の各軍が攻め入ったことで
斜陣がけ全体の勢いは完全に失われてしまい、

汗明や仁凹(じんおう)は"慣れぬ策に溺れるからだ"と蒙武を嘲笑しますが、

これらはすべて中央の汗明への道をこじ開けるための昌平君の作戦でした。

蒙武、ここぞとばかりに突っ込んできます!

そしてとうとう総大将・汗明と一騎討ち!

"ドドンド ドンドン 汗明!!"
とまわりで鼓舞してるドラムスたちがうざいです。笑

自信満々で蒙武を吹き飛ばす汗明は、
自分語りに入り、衝撃の事実を口に!

かつて楚に攻め入ってきた六将・王コツを、
若き頃の汗明が撃退したと豪語(しかも第1陣で)!

手ひどく傷を負い、情けなく逃げ帰ったという
王コツは、
敗戦の口外を禁じたために自国にこの事実が広まっていなかったとか。

王コツ‥‥‥‥チョーかっこ悪い‥‥。


いきなりこんな話を聞かされてビビりまくる秦兵たちですが、
蒙武は"初めて全力が出せる"と高揚してます。

蒙武の筋肉が盛りまくり、服が破れ始め、
ドラゴンボールみたいな展開に!!笑

そして蒙武は全力で汗明と戦いますが、
汗明の強さは凄まじく、
蒙武は気絶寸前まで陥ります。

その時蒙武の脳裏に浮かんだ昌平君。


🔴昌平君 : 「(蒙武
積み重ねた戦歴 大将軍としての"格"
それらが力となって双肩に宿るとするならば
汗明の武は今の中華で最強やも知れぬ

その時お前であっても
汗明は揺らがぬ山に見えるだろう
汗明はお前よりも強い

だが俺は信じている

それを打ち破るのが蒙武という漢(おとこ)だと

お前に理屈は必要ない
この一戦で天下に示せ

誰が最強の漢であるかを)」


そして奮起した蒙武は汗明の腕を砕く!


しかし今回、昌平君の回想シーンが多いばかりか
やたらと2人は信頼し合っている感が描かれておりますが、
この2人、確かに共に呂氏四柱とはいえ、こんなに絆で結ばれてたんだ‥‥
と驚き。

ネタバレ回避のため未読である
"キングダム総集編"掲載の蒙武の読み切りに、
その辺が詳しく描かれているのか?!
くぅ、、、読みたいが我慢である。


(話は戻って)蘇った蒙武は、また激しく汗明とやり合いますが、
そこにカリンが放った刺客(弟・カエン)が蒙武を狙う!
とそこに、蒙武を討たせまいと蒙恬が阻止!

‥‥蒙恬この子、本当に気が回る天才だなぁ。
父親を守るためとはいえ、
この能力はすごい。

そしてバランスを崩した蒙恬は汗明の前に出てしまい、
邪魔されて激怒した汗明に斬られてしまう!
そして蒙恬を目の前で斬られた蒙武は
ブチ切れて汗明を剛打、撃破!!
蒙武の勝利です。


結果的に、この蒙恬のおかげで、
蒙武が武力だけでは汗明を超えられなかった
"何か"
を超えられたんでしょうね。
少年(青年)漫画的展開と言われればそれまでですが、
蒙武が勝てて良かった。
そして初めて見る、父親の顔でした。
(出陣前の会話時よりずっと。)


蒙武の勝利の報を受けた咸陽本陣や
函谷関を護る蒙驁らは、
一斉に大喜び。

息子の大金星に蒙驁は雄叫びをあげ、
そして本来敵同士である
嬴政派・昌文君と、
呂氏派・昌平君が、

🔴昌文君 : 「‥‥総司令
‥‥‥大きいですぞ これは‥‥‥」

🔴昌平君 : 「‥‥‥ええ」

"バシッ"と握手を交わします。
(第315話 188ページ)

もはや派閥関係なく、皆が一丸となって
秦国のために戦っていることが分かる良いシーン。

一方この時呂不韋は、

🔴呂不韋 「ハッハ さすが儂の蒙武だ」
モブ部下 : 「ごもっとも ワハハ」

と、この期に及んで自分中心なのが
性格出てますねー。


合従軍との戦いにおいて、最大規模の対決に
勝利した秦軍は、
喜びに沸き立ちますが、
知らず知らずの内に次なる魔の手。

カリンは戦場での派手な振る舞いを目くらましに、実は真の目的として
函谷関へ自らの精鋭部隊を半分派遣していたのでした。



どうなる!?

次巻へ続きます。



【メモ】
⭕昌平君は元・楚人らしい。

⭕扇子ジジイ仁凹本陣、蒙武軍の追撃に壊滅。
貝満・剛摩諸は生き残る。

⭕項翼、なんか信とキャラ被ってる?

⭕おまけマンガ「狼牙がゆく 2」

キングダム 28巻 「陥落の危機」

*ネタバレあり*

キングダム 28 (ヤングジャンプコミックス)

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山場を迎えた各所での戦い。
蒙武・騰連合軍の奮戦と、
桓騎・張唐の奇襲作戦。
そしてついに函谷関の望楼に火の手があがります。

下衆な元野盗野郎のはず‥‥なのに、
桓騎が繰り出す機転に震える‥‥!



【あらすじ】
蒙武・騰連合軍 対 楚軍の戦場では、
壁隊3000人が出陣したのを皮切りに、蒙武は高等戦術・"斜陣がけ"を仕掛ける。
猪突猛進が特徴のはずの蒙武の戦略に、
敵味方共に驚きを隠せない。

騰軍側からは楚軍・カリンがついに動き出す。
巨大な戦象を登場させ、戦場を掻き回し
秦軍の度肝を抜いた後、
緻密に組まれた楚の布陣が騰軍の前に現れた。

さすがの騰も小さく冷や汗をかく。
騰は、劣勢配置の状況の中、
王賁と蒙恬を急遽五千人将に抜擢。
2人に左右の軍の指揮を任せるという賭けに出る。
しかしその決断は、先に出陣した
録嗚未、干央らの軍を見殺しにすることになる苦渋の決断でもあった。

騰の突然の抜擢に対し、
王賁と蒙恬は見事に期待に応える。
話合う時間もないまま出陣した左軍の王賁と
右軍の蒙恬だったが、
まるで鏡合わせのように2人同時に同じ戦略で左右を戦っていた。
2人の奮戦の功により、カリン 対 騰 の戦場は思わぬ接戦にもつれこむこととなった。


一方、函谷関。
魏・呉鳳明は、巨大井闌車に引き続き、
巨大な床弩(しょうど)を積んだ車を何十台も用意してきた。
規格外のその床弩車は、4メートルにも及ぶ矢が装填されており、
その矢は函谷関の壁に向かって一斉に射ち放たれた。

壁に刺さった矢からは綱が下がっており、
その綱をつたって次から次へと魏軍が壁上に登ってくる。
更には件の井闌車が現れ、再び函谷関に梯子がかけられてしまった。

これにより、張唐の持ち場から魏軍に攻め込まれ、桓騎、蒙鷙の持ち場にも魏軍がなだれ込んできてしまう。
そして張唐は、成恢の毒の影響により、死の効果が現れる時期を迎えていた。

その時、劣勢の戦況を打破するために桓騎が動く。
騎馬した桓騎は、井闌車に煙玉を投げ込み、
魏軍が一瞬怯んだ隙に地上へ下り立つ。
15万はいる敵兵の中に、桓騎はたった80ほどの騎馬を引き連れ、
魏軍から奪った魏の旗を掲げて堂々と敵兵の海の中を渡って行く。

前夜に桓騎と対面した張唐は、
"武将"の存在を愚弄する桓騎と意見が決裂してはいたものの、
目の前の15万の軍の中へ自らの策を実行する
桓騎の"度胸"と"戦術眼"に舌を巻き、
その勇敢さを認めざるを得なかった。
そして死期を悟った張唐もまた、戦場で命を全うしたい思いから、
桓騎と共に地上に下り立つ。

敵軍は、今にも崩壊しそうな函谷関の上ばかりに注目しており、
そのため桓騎らは悠々と敵軍の中を進んでいた。
更に、目立たぬように別働隊を5つに分けて進ませており、400の隊で韓将・成恢の首を落としにかかる。

ついに成恢の姿を捉えた張唐。
背を向けて逃げる成恢に武将の意地を見せ付け、
見事成恢の首を討ち取ることに成功。
そして張唐は、そこで息絶えるのだった。

その頃、部下に任せていた函谷関の桓騎の持ち場はかなりの侵攻に遭い、
ついに3階建ての望楼に火の手が上がってしまう。


一方、函谷関左の山岳地帯を護る
王翦は、忽然と姿を消してしまう。
攻め入るオルドの主攻隊が王翦軍の心臓部ともいえる場所を襲い、
王翦は退却を余儀なくされたかのように見られていた。

オルドは、類い希なる"山読み"の才を発揮し、
函谷関の裏へのルートを塞いでいる
巨大な絶壁の前まで攻め込んできていた。

そして、号令をかけ、函谷関へ攻め込らんと絶壁を駆け登っていくオルド達の背に、
王翦が目を光らせていたーーー。



* * *



敵兵が次々と押し寄せ、
函谷関もいよいよ大詰めです。

キングダムは、
"始皇帝(=政)が歴史上初めて中華を統一するまでの物語"
なので、きっと秦がここで落ちる訳はないのです。
それを分かっていながら読んでいるというのに、

一体どうやったらこの合従軍を振り切れるのか、
どうやってこの状況を切り抜けるのか、
誰が死んで誰が生き残るのか、

ハラハラしっ放しでたまらない!

このあたりは、ハァハァ言いながら読んでいた気がします‥‥。


さて。前半は対楚。
蒙武が高等戦術"斜陣がけ"を仕掛け、
戦場がどよめきます。

どうでもいいのですが、
蒙武が部下の来輝(らいき)と血管で語り合うシーンにウケました。
(第296話 30ページ)


そして騰軍の方は、
王賁・蒙恬の活躍で劣勢からの立て直しに成功。

若手の実力を見抜き、信じて抜擢する騰にも感心しますが、
見事に期待に応える2人にもしびれますな。

蒙恬の覚悟と湧き上がる士気に対し、
一瞬呆気にとられた後に感極まって
涙ぐむ"じィ"の表情が何だか泣ける。
(第298話 71ページ。特に6コマ目!)

じィ、ずっと蒙恬の側で仕えてきて、
誰よりも蒙恬の戦の才能を理解するが故に、
流し流しの蒙恬の性格にヤキモキさせられてきたんだろうなぁ。

信たち同世代と出会って、
お互い競い合ううち、蒙恬も本気度が増してきた。
蒙鷙を必死で護ろうとした廉頗戦を含め、
そういう関わりの中で成長した蒙恬は、
今や立派な将。
じィの思い、伝わってるよ!


そして函谷関では大ピンチ。
また呉鳳明のヤツが巨大な武器を用意してきやがりました。

わらわらと函谷関の上へ登ってくる敵兵たち。
劣勢を打破するために、桓騎が動きます。

15万の敵の軍勢の中をすり抜けて敵将を討つ、
なんて大胆な作戦、
一体どうやったら考えつくんだ!!

無茶には慣れているはずの桓騎の部下たちでさえ、15万人を目の前にして怯んでます。(当然)

そんな時にこの一言。

🔴桓騎 : 「ハハッ 心配すんな雷土(らいど)」

「全部 上手くいく」


か‥‥かっけー!!
黒桜さんも頬を赤らめてますよ(そりゃそうだわ‥‥ポッ)。

国に対する気構えや考え方が相反する桓騎に対し、
これまで張唐は決して良い感情を抱いていませんでしたが、
さすがにこの奇策を決行する勇気と度胸には
うなったようです。
滅茶苦茶な策のようでいて、常に先読みして細かく作戦立てしている緻密さにも、
張唐は一目置きます。

50年間の戦歴を誇る張唐、
毒にやられて死に至らされる己に激昂し、
毒矢に射たれた後も驚異の精神力と
武将の最後の意地で、
成恢を撃破!

桓騎兵が
「いっ いけェ 張唐っ」
と応援してる姿も熱かった。

そして最期、死に際の桓騎との会話。

🔴張唐 : 「貴様は 戦が 楽しいのだ
己の力で戦に勝つ快感に はまっておる

‥‥そして それは‥‥
名武将の持つ気質そのものだ

腹立たしいが
才能も‥‥ある

土下座などせぬが‥‥
儂と約束せィ

秦国一の武将となれ
桓騎
秦を‥‥頼むぞ」

🔴桓騎 : 「‥‥‥寝言は死んで言えよ じじィ」

桓騎兵 : 「お お頭」

🔴張唐 : 「フッ 剛情な 奴め‥‥」

桓騎兵・張唐兵 : 「あっ」「ちっ 張唐様ァァ」

🔴桓騎 : (ガッ)崩れ落ちる張唐の襟元をつかむ。

「‥‥チッ 調子の狂うじじィだったぜ 全く」




‥‥親子ほども歳が離れているせいもあってか、
何故か仲違いしていた親子が最期にお互いを認め合ったかのような、
そんな雰囲気すら感じさせられました‥‥。

結局桓騎が張唐に答えることは無かったけれど、
桓騎が馬鹿にしていた"武将"の意地は
しっかり張唐が見せてくれた。
何かしら伝わったからこそ、
息絶えた張唐を受けとめたのでしょう。

さりげにジーンとくる名シーンだったな‥‥。


さてさて、ラストは(忘れかけていた)王翦 対 オルド。
王翦、ホントに山、得意だな。


次巻に続く。


【メモ】
⭕汗明軍、軍師が豊富。
●貝満(べいまん) : 軍師 兼 将軍
●仁凹(じんおう) : 軍師
●剛摩諸(ごうましょ) : 軍師 兼 将軍

⭕戦象さんを操る謎の南蛮人
言葉が方言風。
例 : 「キタバイ キタバイ」
「ナンヤアリャ」
「モウヨカロ」
「ヨカカナ」
「ヨカヨネ」

⭕おまけマンガ「狼牙がゆく」

【裏話】キングダム公式ガイドブック 「英傑列紀」

キングダム公式ガイドブック英傑列紀 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム公式ガイドブック英傑列紀 (ヤングジャンプコミックス)


27巻発売と同時期に、キングダム公式ガイドブックなるものが発売されました。

27巻時点でのキャラクターの能力値や、
秘蔵ラフスケッチ、キャラ初期設定やボツ案、
原先生のロングインタビューなどが載っています。

27巻と同時にこのガイドブックを買って、
初めて知った初期設定などに結構な衝撃を受けました。
合従軍編の途中ですが、
当時の感覚や感情とともにストーリーを追いかけたいので、
発売時期にあわせて今回はガイドブック裏話編です。



【秘蔵ネーム集 その1】

連載前に原先生が考えていたキャラクターの設定やストーリー設定。
意外な事実が多くて非常に興味深い。

⭕初期タイトルは、
「黄金の翼(はね)」だった。
(「キングダム」でよかったです。)

⭕当初は、貂ではなく羌瘣が序盤の主要メンバーとして信・政と共に活躍する予定だった。
(そうだったのか‥‥)

⭕羌瘣は、当初は正統派のヒロインとして想定されていた。
(なんと!!)

⭕昌文君の初期原案イラストでは、
恰幅が良く、人のよさそうな太っちょさんバージョンと、
若めのキリッとした強面バージョンがあった。
(イメージ全然違う)

⭕楊端和様は、男性の設定だった。
"嬴政の6人の強力な仲間=黄金の六翼"
の一翼を担うという設定があった。
(あとの五翼のメンバーも想像してしまうなー。)

呂不韋の初期キャラデザインは、
蒙鷙のような細目の穏やかな表情をしていた。
(イメージ真逆)

⭕蒙毅の初期キャラデザインは、やんちゃな若武者といった感じのゴツめの青年。
(末の弟って感じ、全くない)


【秘蔵ネーム集 その2】

連載用ネームのボツ案集。

⭕第1話で王騎と出会う信。
王騎の落とした首飾りを信が拾ったことで、
2人に交流が生まれる。
信は家族のために出稼ぎで戦場にやってきた普通の15歳の少年という設定。

王騎は信を馬に同乗させ、数々の天下の名将たちの話を聞かせる。
信は大将軍へと思いを馳せる。
そこへ突然趙軍三大天の襲撃が!

刺客に王騎は討たれてしまう。
王騎は信に自分の首と首飾りを託して息絶える。
信は獅子奮迅の活躍で、王騎の首を持ち帰り、
泣き叫ぶ表情で「開門!!」を告げるカットで
第1話が終了。

(王騎、優しげな老将といった風貌で別人。
しかも第1話で死ぬとか!!
びっくりの設定。)


⭕鳥の卵を飲んだことで懐妊したという、嬴政の祖先の逸話から物語がスタート。
負傷し、草むらで倒れていた政を信が見つけて助ける。政は信の家で居候を始めるが、
ある日村の噂で政が高貴な身分だと知る。
信の妹として"填(てん)"が登場。

(やはり、テンは妹か。)


⭕嬴政が主人公。
王弟の反乱により、付き人の沢圭と逃げ延びた政。
明るく活発な少年として描かれている。
一方、身寄りのない信、漂、填は、
村で、兄妹となり生き抜く決心をする。

(澤さん、こんなところで登場するとは。)


【原先生ロングインタビュー】

キングダムの裏話を語ってくださっています。
こんな壮大なストーリー、
本当に漫画好きな人じゃないと描ききれないよなぁ。と改めて実感。


⭕「王弟の反乱」は、史実ではもっと後に起こる事件だが、信と政をうまく出会わせるためのエピソードとしてオリジナルで組み込んだ。
史実に従い、反乱は再度描かれる予定。

(今となっては、あの反乱があったからこその絆ですもんね。原先生の狙い通りです。)

⭕最初は信と政と羌瘣の3人がパーティを組む予定だったが、序盤はアンケートの順位が良くなく、
展開を早くしないとと焦っているうちに羌瘣を登場させるタイミングを逃してしまった。

(アンケート順位によるテコ入れ‥‥週刊連載の宿命ですね‥‥)

⭕貂は序盤の人気キャラだったが、
「もう家で信の帰りを待ってるだけのキャラでいいかな」と思っていた原先生に対し、
担当さんの意見によりフェードアウトすることなく軍師として復活。

(衝撃!はじめから考えられていたかのような展開だったのに!すごいなー。)

⭕原先生は羌瘣がヒロインのつもりだったが、
貂が軍師となり信と再び共にいることで、タブルヒロイン状態に。
原先生のお友達から集計したヒロインアンケートでは、今のところ半々の結果とのこと。

(今でも半々なのでしょうか?初めから読んできて、意見が変わった読者もいるはず。
私も最初はチビ貂がキャラとして可愛くて仕方なかった。
しかし、女らしさが増す程に何故か抵抗が生まれ、22巻で羌瘣が死の淵から生還して以後はハラハラした分、完全に羌瘣推しに‥‥)

⭕原先生はそろそろ色恋沙汰の展開があってもいいと思っている。
羌瘣と貂、両方と結婚したらダメなのかと担当さんに聞いたらダメ出しをくらったらしい。

(コレを読んで少々ショックでした。わたしはキングダムに色恋沙汰を絡めて欲しくなかった。
しかし、このことを知って、いずれ信の相手が決まるのならば絶対に羌瘣が良いと強く思うように。それからは何かあるごとにハラハラしてる。笑)

⭕原先生には、"どうしても描きたいイベント"がふたつあるらしい。
早くそこまで辿り着きたいという思いが強いそう。

(あと2回もビッグイベントが待ち構えているなんて、今から楽しみすぎる。)

⭕原先生は、キングダムは60〜70巻ぐらいで完結できたらいいと思っている。

(永遠に読み続けていたい気もするし、
完結を見届けたい気持ちもあります‥‥!)



【キャラクター能力値】

27巻時点でのキャラクター能力値。
主要キャラだけ抜粋しときます。

★信★
経験値 : C
武力 : 90+α
指揮力 : 80
知力 : 72
必殺技 : ジャンプ

★嬴政★
経験値 : C
武力 : 78
指揮力 : 98
知力 : 88
道 : 中華統一

★河了貂★
経験値 : D
武力 : 60(吹き矢付き)
指揮力 : 85
知力 : 88
料理 : 99

★羌瘣★
経験値 : C
武力 : 95+大α
指揮力 : 80
知力 : 87
かっこいいセリフ : 舞うぞ緑穂

★楊端和★
経験値 : A
武力 : 95
指揮力 : 99
知力 : 95
美貌で : もちろん100!
(↑美貌度?そのまま抜粋してます)

★王騎★
経験値 : S
武力 : 98
指揮力 : 93
知力 : 95
カリスマ : 100

★騰★
経験値 : A
武力 : 96
指揮力 : 92
知力 : 94
マジカル : ファルファル

★麃公★
経験値 : S
武力 : 95
指揮力 : 95
知力 : 70
直感力 : 100!

★蒙武★
経験値 : B
武力 : 99
指揮力 : 90
知力 : 84
道 : 天下最強

★王賁★
経験値 : C
武力 : 91
指揮力 : 87
知力 : 89
必殺技 : 龍指

★蒙恬★
経験値 : C
武力 : 88
指揮力 : 86
知力 : 90
特徴 : 代々父と似ていない

★蒙鷙★
経験値 : A
武力 : 89
指揮力 : 90
知力 : 91
誰が : 凡将フォ!

★桓騎★
経験値 : B
武力 : 93
指揮力 : 92
知力 : 95
残酷度 : 99

★王翦★
経験値 : B
武力 : 93
指揮力 : 93
知力 : 97
黒野望 : 100!

★廉頗★
経験値 : S
武力 : 97
指揮力 : 98
知力 : 96
大将軍度 : 100

★李牧★
経験値 : A
武力 : 91
指揮力 : 98
知力 : 100
政治力 : 92

★龐煖★
経験値 : B
武力 : 100
指揮力 : 皆無
知力 : 馬鹿ではない
武神度 : 100!

★春申君★
経験値 : S
武力 : 70
指揮力 : 90
知力 : 98
備考 : 最後の戦国四君


楽毅
経験値 : SS
武力 : 93
指揮力 : 100
知力 : 98
大将軍度 : 100!


* * *


他にも、漫画に対する思いを語り合った安彦良和氏との対談や、
ヤンジャン目次コメント集、おなじみおまけマンガもあったりと、
なかなか楽しめる1冊です。
‥‥コミックスサイズで905円(+税)は、
ちょっと高い気もするけど。


【メモ】
〜はじめての合従軍〜

本編(25巻)ではあまり語られなかった、
最初の合従軍についての
ワンポイント講座。

〈きっかけ〉
他国に対して横暴にふるまっていた斉。
特にひどい目に遭っていた燕の昭王は、
楽毅に斉を攻めるように命じる。
楽毅は他の5カ国を回って燕への協力を要請した。

〈戦いの流れ〉
6カ国の連合軍は、斉の済水のほとりに集合して斉と戦い、勝利。
燕以外の国はここで帰国するも、
楽毅は斉の首都を占領し、最終的には
半年で70以上の城を落とす。

〈その後〉
莒(きょ)と即墨(そくぼく)の城を攻撃中、
燕の昭王が亡くなり、
恵王が後を継いだ。
恵王は斉将・田単(でんたん)の策にはまり、
楽毅に帰国を命じるも、
楽毅は帰国せずに趙に亡命。
その後、田単は楽毅の獲った城を全て取り戻した。

キングダム 27巻 「人間全て」

*ネタバレあり*

キングダム 27 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 27 (ヤングジャンプコミックス)


前巻で騰が大金星をあげ、
まずはひとつの危機を回避した秦軍。

とはいえ、そもそもは 列国 対 1国 の戦い、
まだまだ果てしなく危機的状況継続中。

信の持ち場では万極軍との戦いがメインとなり、
函谷関では韓軍が動き出します。
そして騰の勝利で勢いづく蒙武軍と、
楚軍第2軍が出陣!

各所、緊迫の27巻です。


【あらすじ】
慶舎の策に嵌まり、後ろから攻め込んできた
万極軍に挟みうちをくらった麃公。

麃公軍の中において
直感で危機を察知した信だけは、
飛信隊を引き連れて逆走し
手遅れになる前に後方軍の立て直しをはかって
万極軍と奮戦していた。

しかし、後方軍だけでも1万の数の敵兵がいる戦場では完全なる乱戦状態に陥り、
飛信隊のメンバーは散り散りになってしまう。

「長平の戦い」の遺族・遺児のみで構成された万極軍。
彼らはもはや長平の恨みそのものであり、
怨念にとりつかれた兵たちの執念は、
味方の兵も震撼するほどにすさまじいものだった。
なかなか倒れない万極軍の異常な粘り強さに、
信たちは苦戦を強いられる。

外側から戦局を見守っていた貂は、
長すぎる乱戦でバラバラになった隊を立て直すため、戦場の中に突入。
はぐれていた隊員たちを少しずつ拾いながら
信の元へとかけつける。


そして信は将軍・万極と対峙。


万極もまた、
かつて秦の白起将軍が40万人の趙の投降兵を生き埋めにして虐殺した、
"長平の戦い"の生き残りだった。

怨念に支配された万極は、秦人への恨みから、
これまでに数々の秦人への虐殺・陵辱・蹂躙行為を行ってきた。
秦人に対する恨みを語る万極に対し、
自らも戦争孤児である信は一定の理解を示すも、
ひとつの答えを導き出す。

出口のない戦争の渦を解く唯一の答えが、
政の目指す道、
"中華の統一"
であること。

国境があるから国々が対立し、争いが起こる。
国を一つにすることで、戦乱の世の終結を目指す
政の道が、信の中ではっきりとつながる。

「人間全てが呪われている」
と叫ぶ万極に対し、
信は、誰もが万極のようになり兼ねない戦国の世の中で、
たまたま周りに怨嗟の渦から引き上げてくれる人間がいなかったために
最も怨念に取り憑かれてしまった万極を憐れみ、
もう楽になれ、と万極を斬りつける。

信は、
「俺は絶対に長平のようなことはしないし、
絶対にさせない」
と万極に誓い、
万極を討ち取るのだった。


合従軍との戦いの初日が終わり、
翌日、2日目の攻防が始まる。

2日目、
最大規模である蒙武・騰連合軍と楚軍第2軍の戦場では、
楚軍第2軍の将・カリンの指示により、
第2軍は一切動かさず元・第1軍(臨武君の軍)のみで戦術も無く秦軍に戦いを挑んでくる。

カリンは、
"凡戦を連ねて10日後に函谷関を落とすべし"
という内容の進言を李牧に伝える。
そして2日目は全ての戦場において、
地味に戦力を削り合う戦いだけで終わった。

カリン・李牧の作戦変更により、
各地とも6日目まで凡戦が続き、
7日目に入った頃、突如韓軍の総大将・成恢(せいかい)が動き出す。

毒兵器の研究の第一人者である成恢。
函谷関を護る張唐将軍の持ち場に向かって、
毒矢を打ち込み、
続いて"丹丸"と呼ばれる煙玉を打ち込んだ。
煙に包まれる張唐たちだったが、
その場では何の変化も無いように見えた。
韓軍はその後さっさと退却していき、
張唐は何かを感じながらも、成恢の意図を汲みかねていた。

しかし翌日、8日目の夜。
桓騎を呼び出した張唐の顔には、
血管が浮き上がり目から血が流れていた‥‥。


そして両軍凡戦を重ね続けて15日目。
李牧は、全軍の力を結集して
ついに函谷関を落としにかかる。
合従軍との戦はとうとう山場を迎えた。

最大規模の軍勢である、
楚軍 対 蒙武・騰連合軍の戦場では、
楚軍総大将・汗明がいよいよ出陣。
カリン軍率いる第2軍と合わせて12万もの軍勢が
秦軍を睨む。

対する蒙武・騰連合軍は約7万。
蒙武は響き渡る声で檄を飛ばし、
汗明に対して宣戦布告。
蒙武の号令がかかり、
先鋒は三千人将・壁が率いる左軍!
秦軍による突撃が始まった。




* * *




「長平の戦い」に関しては、
つくづくひどいものだと改めて思います。

変態陵辱野郎・万極に情はかけませんが、
過去の秦の仕打ちは確かに非道い。

秦軍の兵ですら引いていたこの虐殺、
命を下した白起将軍の人間性を疑いますよ。
何かいつも表情が無いし、
ビー玉みたいに冷たそうな目玉。
なんでこんなヤツが六将だったんだ。

そういえば以前、廉頗が
"白起が自害した時は涙した"
と言っていました。
自害の理由は触れられていませんでしたが、
あの廉頗に涙を流させる程の男だったのか、
個人的には甚だ疑問ですわ。

史実は連載終了までたどらないように気をつけているので、
白起についてはこの時点でこれ以上の情報がありませんが、
秦軍の好きな武将ランキングがあったら
わたしは最下位に推しますかね。
本当に非道いことをしたと思います。

万極の幼少時の回想シーン(第285話 33〜40ページ)では、
父や兄とともに生き埋めにされた場面が
生々しく描写されます。
泣きながらむせながら土を被せられていく趙の人々。
手足を縛られ、なす術もなく隣で土に埋まっていく肉親や仲間を目に焼き付けながら、
自らも土に埋まっていく。

胸が痛すぎる。

しかしながら、
貂の言うように、万極は秦の領土に攻め入っては虐殺を繰り返す凶悪な武将。

🔴貂 : 「無力な女子供まで殺してんじゃねェよ
このクソヤロォが

子供に何の罪がある
赤子に何の罪がある
まだ何も分からないでただ一方的に‥‥
命を奪われてっ‥‥

お前は長平の復讐と称して
虐殺目的で戦争をしてる最低の異常者だ」


かつての万極初登場シーンは確かに最低最悪でした。


しかし信は信なりの考えがあって、
ひとつの答えを導き出します。


🔴信 : 「こいつが善だろうと悪だろうと
味方を殺ろうって奴は許さねェ
だけど
こいつに同情の余地がなくはねェ

人の感情はそんな簡単じゃねェよ

別にこいつが特別ってわけじゃねェ
五百年の戦乱の世だ
こんな奴はぜってェいる

一歩間違えりゃ俺らだってそうなってたかも
しんねェし
万極に殺られた村に一人でも生き残りがいりゃ
すでにそうなってるかもしれねェ

キリがねェし
そんなところを考えだしても
俺らはその答えを持っちゃいねェ
誰も持っちゃいねェ
だから五百年も戦争やってんだ」


と答えます。
そして
「出口なき闇で永劫に呪い合って
答えもなく殺し合う、それが真理だ」
と語る万極。
信は、

🔴信 : 「俺もさっきまでそうなんだと思ってたぜ

俺も戦争孤児で万極ほどひねくれちゃいねェが
戦争はあるもんだって思って生きてきた
それがどうこうなんて考えが及ぶもんでもねェって感じて生きてきたんだ

だが いざ万極の醜悪ぶりを目の当たりにして
やっぱり何か答えがねェかって考えた

そしたら笑えるが今ごろになって俺は
気づいたんだ

この出口のねェ戦争の渦を解く答えを
持ってる奴を
実は俺は知ってたんだってなァ

‥‥そうだろ? テン」


元祖三人組の想いがここでつながりますね。

万極のような哀れな人間をこれ以上増やす訳にはいかない。
政の想いを実現させるためにも、
ここで秦が滅ぼされる訳にはいかない。

信が万極を斬り、

🔴信 : 「俺は長平みてェなことは絶対にやらねェし!
絶対 やらせねェ!!」

と万極に宣言するシーンは、
心底、男でした。


激動の初日が終わり、
大将首を挙げながらもテンションだだ下がりの
飛信隊。

そんな信たちのもとに、麃公将軍が直々にねぎらいに現れます。
(しっかし、信&貂キスシーン‥‥
少女マンガの定番ハプニングじゃないんだからさー!もう!要らんわぁ。。。)

🔴麃公 : 「飲めい 小童ァ
今日の勲功者は貴様じゃァ」

と酒を突き出し、

🔴麃公 : 「それとも万極に同情して世を憂い
夜通し泣くか?」

と核心をついてくる麃公さん(意外)。

結局宴となり、
伝説の掛け声
「ハア となーりーの じじーいーの
金ー◯ーはー」
が始まります(笑)!

酒盛りの中で、麃公さんにこの日の戦いぶりを褒められた信。
そして、

🔴麃公 : 「つまらぬ感傷に浸っている場合ではないぞ
今は国が生きるか死ぬかの瀬戸際じゃろ

この大戦で化けてみせろ
童(わっぱ) 信」


信、麃公さんに随分と目をかけられました。


一方、楚軍では、
初日に騰に討たれた臨武君の火葬が行われ、
項翼が号泣しながらキレまくってました。
やっぱり、臨武君は慕われていたみたいですねぇ。

そして臨武君が討たれたため、
楚軍の第2軍の将、
超巨躯女・カリン(漢字変換できず、オルドの仲間みたいになっちゃいました‥‥)が登場。
李牧に進言するほどに、
なかなかのキレ者のようす。
何だかイヤな予感。


函谷関では、
張唐じいさまが韓の毒攻撃をくらい、
命のカウントダウンが始まってしまいます。

ラストで久々に壁のあんちゃん登場!
しっかり三千人将となり、
蒙武軍の先鋒で出陣します。

勢い止まらぬまま、28巻へ続く!


【メモ】
⭕貂、信とハプニングキッスの後、信を意識しまくる。
対する信は全く動じず、
「この色ガキ あのくれェで何意識してんだ」
と頭を小突く(否、どつく)。
この時点では完全に妹扱いですね。

⭕しかし貂、すっかり信の嫁に見える。
包帯をかえてやろうとしたり、
夜食をちゃちゃっと作ってくれと頼まれたり、
ホントに良い嫁になると思われる。
(しかしわたしはそれでもキョーカイちゃん推し)

⭕おまけマンガ「テンのカブト(合従軍戦前のお話)」

キングダム 26巻 「王騎が認めた男」

*ネタバレあり*

キングダム 26 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 26 (ヤングジャンプコミックス)


対合従軍戦、ついに開戦です。

楚軍の汗明がダラダラと開戦の儀式(?) を
やってる間に、
麃公さんがしびれを切らしたのか突撃の号令!
麃公軍所属の飛信隊、さっそく出番です。


26巻は、
満を時しての騰の巻。
というよりは騰軍(元・王騎軍)の巻ですね。
昔から王騎の傍らで異彩を放ち、
その強烈なキャラで半端ない存在感ではありましたが、
今回その騰の本当の実力が明らかに‥‥!

そして各所での戦いが交互に展開され、
どこからも目が離せません。



【あらすじ】
合従軍との戦いがついに開戦。
飛信隊を含む麃公軍4万は、
李牧が全幅の信頼を置く趙軍副将・慶舎(けいしゃ)率いる12万の軍勢と戦う。

麃公と同じ"本能型"である慶舎は、
並外れて勘の鋭い麃公の動きを理解するが故に
巧妙な策を仕掛けてくる。

兵の表情や目線などから敏感に戦場の動きを感じ取る麃公に対し、
慶舎はあえて自軍に自らの作戦を伝えなかった。
さらに連動する将の軍にも一切の計略を禁じたことにより、
"麃公が本来察知すべき戦の情報"
を完全排除。
徹底した"麃公対策"により、
麃公は慶舎の策にはまり、後方から迫る万極(まんごく)将軍の隊に挟みうちをかけられてしまう。

その時、いち早く後方の動きに気づき、"本能"的に急遽逆走していた信は、
麃公軍の後方部隊が万極軍に攻められている戦場へ駆けつけ、檄を飛ばす。
後方部隊が手遅れの状態になる寸前で
麃公兵は信によって士気を取り戻し、
飛信隊に呼応するように後方1万の敵軍に挑む。


一方その頃、函谷関。
張唐将軍の持ち場の城壁に、
魏将・呉鳳明が特殊設計した"対函谷関用の巨大井闌車(せいらんしゃ)"によって梯子がかけられてしまう。
これにより魏軍が城壁へなだれ込み始めるという危機的状況に。

さらに2台目の井闌車が桓騎将軍の持ち場の城壁へ梯子をかけるが、
ここで桓騎将軍は樽に入った油を投げつけて火矢を放ち、
登り来る魏軍もろとも井闌車を焼き払うことに成功。

張唐将軍の持ち場も、一時は騒然とするが
将軍が指揮をとり城壁に登り来る魏軍を冷静に刈り取って行き、ひとまずは劣勢から持ち直していた。


そして同時にその頃、函谷関の左の戦場。
蒙武・騰連合軍9万 対 楚軍15万 の
最大規模の戦が展開されていた。

5万の軍を率いる楚軍第一軍の将・臨武君は、
項翼・白麗ら若手千人将を引き連れ爆進。
対する秦軍は、蒙恬・王賁らが所属する騰軍が
その第一軍を討つという作戦だった。

蒙恬が項翼につかまり、手こずっている間に
騰軍軍長・録嗚未が臨武君の本陣まで突破をかけ、臨武君と対峙。
一騎討ちが始まる。
そこへ更に鱗坊軍長が現れる。
討ち死にした同金の仇である臨武君に対し、
鱗坊は録嗚未に加勢しようとするが、
その時遠方から放たれた白麗の矢に
鱗坊は貫かれてしまう。

戦況を見守っていた蒙恬は、白麗の弓に危機感を覚え、
録嗚未の援護と先々のために白麗を始末しに向かうが、
白麗を援護に現れた項翼が隊で白麗と連携を取り出し苦戦。
その時王賁が現れ蒙恬の援護に加わり、激しい打ち合いが始まった。


一方、鱗坊を失い、臨武君と一騎討ちになっていた録嗚未は苦戦していた。
馬上から叩き落とされ、絶体絶命の危機に陥っていたその時、
戦況を見守っていたはずの騰将軍が
本陣を隆国軍長に任せ、
楚兵をなぎ倒しながら直々に臨武君の前に現れる。

そして騰と臨武君の一騎討ちが始まった。

激しく打ち合う2人。
広大な楚国で将軍にのぼり詰めたという自らの強さに絶対の自信を持つ臨武君に対し、
騰は天下の大将軍・王騎を傍らで支え続けた自負があると誇る。

そして騰は臨武君に勝利。

衝撃の大番狂わせとなった初日早々の報せに、
戦場は騒然となるーーー。




* * *




類稀なる天下の大戦がとうとう開戦しました。

どんな戦いになるのか全く見当もつかないまま
始まってしまった合従軍編ですが、
初っ端から信がめっちゃアツいです。

直感で動いて味方の危機的状況を打破。
田有と田永に旗をあげさせるシーンは
鳥肌たちます。

対輪虎戦で目覚め始めた"武将としての才"
がここにきて更に開花。

敵の策に珍しく嵌ってしまった麃公さんでしたが、
後方から聞こえる信の檄を察知し、

🔴麃公 : 「(小童がまんまと大炎を巻き起こしよったわ

しかしあの場に現れるとは
よほど素早く行動に出おったな

直感で動いたか

ムハハ 何じゃ貴様もこっち側か
童(わっぱ)信よ 己で気づいておるまいが

貴様 本能型の武将の才が目覚めてきておるぞ

‥‥しかし 王騎の矛を受け取った男が本能型とは
笑えるわィ)」


‥‥と罠に嵌まりながらもどこか嬉しそう。


そして函谷関での戦いも序盤から大ピンチです。

ドヤ顔で函谷関の屈強さを演説していた
張唐将軍の前に、巨大井闌車の梯子がかかります。
顔面蒼白の秦兵たち。

2台目が桓騎将軍の持ち場に梯子がかかったところで、
さすがは桓騎。
咸陽の備蓄庫からちゃっかり盗んできておいた
油の樽を井闌車にぶつけまくり、
仕上げに火矢を放って余裕の撃退。
うーん、鮮やか!


そして26巻のメインは
騰 VS 臨武君。
珍しく録嗚未にもスポット当たってます。
蒙恬に、

🔴蒙恬 : 「(残党だと甘くみていた
かつてのあの軍の中にあって"最強"と言われた男
王騎軍 第一軍長 録嗚未の名は
伊達ではなかったーーー)」

とまで言われ、
録嗚未最大の見せ場か?!
と期待がふくらみますが、
やっぱり臨武君は強かった。


ことごとくあの髪型をイジられまくっている臨武君、
何となく性格的には悪い奴ではなさそうな気がする。

大国・楚において将軍になるということは、
土地の狭い他の六国で将軍になることとは
競い合う人口の数が違いすぎてレベルが違う、
とか何とか、
"楚"にこだわりすぎて過信し、他国の将を侮ったところが敗因ではありましたが、

基本的には部下に慕われ、優しく、嫁思い(白翠・白麗姉弟、美しすぎでしょ)な人物像だった気がします。

確かに、広大な面積の楚国では、
他国に比べて人口が違いすぎるし、
そこで将軍になるには相当な場数を踏まなければなり得ないという凄さはある。

楚は長年戦いの中心を南側の蛮族を相手にしていたということからも、
国が広い故に隣接する国が多く、迂闊に他国を攻めることができないというデメリットからの
事情なのでしょうか。

その分、中華を自由に行き来することができない国とも言えるし、
騰が言うように

🔴騰 : 「お前は修羅場をくぐってきた己の力に絶対の自信があるのだろうが
私には
中華をまたにかけた大将軍 王騎を
傍らで支え続けた自負がある」

‥‥と王騎と共に中華を掻き回した騰は、
ある意味では臨武君よりも
"くぐってきている"男と言えるでしょう。

まさかあんなに強いとは思わなかったけど。
(しかも剣で!)


しかし蒙恬は相変わらず地味にいい仕事しますねー!


次巻へ続く。




【メモ】
⭕おまけマンガ「軍師学校のホープ」

キングダム 25巻 「迫り来る合従軍」

*ネタバレあり*

キングダム 25 (ヤングジャンプコミックス)

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えらいことになってきました。

大国・楚が秦に侵攻して来るという
最悪の展開になってきたかと思いきや、

魏・趙も動き出す。

さらに燕や韓も攻めてきて‥‥

かつてない衝撃の大展開、25巻です。


【あらすじ】
楚が侵攻してきたという報せを受け、
戦慄が走る政や文官たち。

一方前線では、
あらかじめ楚の怪しい動きに備え
南部防衛を任されていた"蒙武"、"張唐(ちょうとう)"の2将軍が、
秦国南部の防衛線の位置へ急いでいた。

楚軍より早く到着せねば本格的に侵攻されてしまうという状況の中、
現実的には楚軍が防衛線を抜ける方が確実に早いという見通しに蒙武や張唐が焦っていた頃、

南虎塁付近であらかじめ張っていた
王騎残党軍・騰の隊が楚軍の前に立ちはだかる。

5万人の楚軍に対し、5千人の騰軍だったが、
今は一刻をかせぐことが何より重要だと騰は楚軍へ向かって行く。


その頃、信たちも楚軍侵攻の報を受け、
対戦の地へ向かっていた。

しかし、その道中で10万を超える"魏"の大軍を目撃する。

急いで対魏の防衛拠点の城へ向かうと、
すでに城は落とされた後。
信たちは、"国が侵攻される"という恐怖を
肌で感じ始める‥‥。


そして咸陽では、続々と新しい情報が寄せられていた。
タイミング的にみて、"楚"と"魏"が連動していることは間違いなく、
更に"趙"が侵入してきたという報が入り、
政は、これは三国が同盟を組み合った
"三国連合軍"だと身構える。


その時、更なる急報が入り、
"燕"12万の軍、
続いて
"韓"5万の軍
の侵入が確認された。

加えて
"斉"も大軍を興し、現在趙を通過して西に向かう気配あり、という報せまでが入り、

事を察した首脳陣全員の顔から血の気が引いた。

国連合軍どころか、
これは、敵一国に対して複数の国が盟を結び興される連合軍・"合従軍(がっしょうぐん)"だった。

中華の国全てが秦一国を滅ぼすために
侵攻してきたのである。

秦の中枢を担う臣たちの殆どは絶望し、
もはや放心状態に。
昌平君と昌文君だけが対応策を講じ汗をかいていた。

脱け殻のように思考を止めていた臣下たちに対し、政は檄を飛ばす。

ここ中枢にいる30人ほどが国の命運を握っており、
ここにいる者だけが対処を講じられるのだと。
絶対に諦めずに戦うぞ、と叫ぶ政に、
呂氏派の臣下までもが戦意を取り戻すのだった。




軍総司令・昌平君は、最悪の状況下の中、策を講じ始める。
まずは唯一まだ秦へ侵攻してきていない"斉"に目を付け、
現在も外交で東に遠征していた呂氏四柱・蔡沢に
"斉の合従軍離脱"を斉王に交渉するよう、託す。

そして蔡沢は斉王に謁見し、破格の金の提示と
外交力により、交渉を見事成立させる。


一方、前線の信たちは、
10万の魏軍に対し1万ほどの軍で応戦している
麃公将軍を目撃する。
対する魏軍の総大将は、かつて麃公が討ち取った
呉慶将軍の息子・呉鳳明(ごほうめい)。
飛信隊は麃公の援護に入り、魏軍と戦うが、
妙な陣形を取り始めた魏軍に策略の臭いを嗅ぎ取った麃公は、一旦退がるように指揮。
この日は両軍とも仕切り直しとなった。

飛信隊が麃公軍に加勢し、呉鳳明率いる魏軍との戦が4日目となった頃、
李牧率いる趙軍が呉鳳明のもとに訪ねてくる。
これにより、戦はここで中断され、
遠方に上がった砂塵に気づいた麃公は退却した。


その頃、咸陽で連日連夜策を講じ合っていた
昌平君らは、
やっとわずかばかり光明を感じることができる策を考えつく。
名だたる武将全員を咸陽に呼び集め、
その唯一の作戦を伝令した。


中華一の"不落の城"と呼ばれる咸陽は、
周囲を山岳に囲まれる"天然の要塞"。
咸陽に至るためには、大道をふさぐ
"国門・函谷関(かんこくかん)"
を越えなければならない。

此度の唯一の作戦とは、
秦軍の各将・各軍を集結させ、
"函谷関を死守すること"
それのみであった。

信たちをはじめ、
蒙恬・王賁らも函谷関の前へ集結。
秦軍は迫り来る合従軍に対し、構えの体勢を
とった。

そして合従軍が函谷関の前に到着。

◉合従軍総大将 : 楚軍・春申君(しゅんしんくん)
◉合従軍参謀役 : 趙軍・李牧(りぼく)

●楚軍(15万) ・・・総大将 : 汗明(かんめい)
●趙軍(12万) ・・・総大将 : 李牧
●燕軍(12万) ・・・総大将 : オルド
●魏軍(10万) ・・・総大将 : 呉鳳明(ごほうめい)
●韓軍(5万) ・・・総大将 : 成恢(せいかい)


これらを迎え撃つ秦軍の布陣は、


●函谷関配属(対魏・韓) ・・・蒙驁、張唐、桓騎
●函谷関右(対楚)) ・・・騰(3万)、蒙武(6万)
●函谷関右奥(対趙)・・・麃公(4万)
●函谷関左(対燕)・・・王翦(7万)


飛信隊は麃公軍に、
玉鳳・楽華隊は騰・蒙武の連合軍に配属された。


楚軍総大将・汗明が開戦の号令をかけ始めた
その時、
麃公将軍が突撃の号令をかけ、
大戦の口火を切ったのは
飛信隊属する麃公軍!

こうして紀元前241年、
合従軍 対 秦軍 ・函谷関攻防戦が開戦した。




* * *




"合従軍"なるものがあるとは
想像もしていなくて。

李牧の動きは怪しかったとはいえ、
まさか各国が協力し合って秦を潰しにかかるというどでかい話になるなんて、
思いもしなかった!

前巻の前フリから、
今巻の楚→魏→趙の侵攻発覚順といい、
恐怖の煽り方が秀逸で、
さらに
燕→韓→斉の侵攻の報が入ったときの
咸陽首脳陣の表情ときたらすごすぎました
(原先生の表情の書き分けは本当に上手くて
わたしがキングダムが好きすぎる要素のうち、
間違いなくかなりのウェイトを占めている)。
一緒になって血の気が引きましたよ。

敵対し合う国々ばかりの中華で
複数の国が盟を結び興される"合従軍"は、
長い戦乱の中でも一度しか起こったことがないといいます。

ていうか起こったことあったんだ!ヒィィ‥‥!

昌文君によると約40年前に斉がその憂き目に遭ったらしいのですが、
昌文君が当時も今も現役(文官とはいえ)なのがさりげにすごい。笑

今は小国の斉が、あんな大国だったなんて驚いたと同時に、(※53ページの地図参照)
"合従軍"は国をも歴史をも変えるという事実に
恐ろしくなる‥‥。

"普通に考えたら"、
絶対に勝てる訳がない。

一体どうなるのか、見当が全くつかない展開です。

李牧との会談ではあれほどの存在感を見せた呂不韋ですら、
今回は全く出る幕無しな雰囲気。

(呂)楚の怪しい動きは察しておった、そうじゃろ昌平君?

(昌)は‥‥しかし敵も対策を練ってきているようです

(呂)ぬん?

とか(笑)、

次々と各国の侵攻を報じてくる伝者に対し、

(呂)ええィやかましいのォ
今度は何じゃあ?

とか、
完全にもう担当外。
李牧との秦趙同盟の交渉の際、
信が自分や武人の出る幕が無いと感じたように、
今回はその逆ですね。
戦略に長けた昌平君ら文官の策と、
前線で戦う男達に全てがかかってます。

文官たちが連夜血眼で模擬戦を繰り返し、策を模索する中、
「ふあ」とあくびしながら涼しい顔で起きてくるあたり(115ページ)、
呂不韋のふてぶてしさ半端ない。笑


対する合従軍は、各国の総大将たちが作戦会議。
それぞれキャラ濃いですねー。
そしてこの合従軍を興すことになった理由を、
李牧が説明します。

李牧自らが提案した"秦趙同盟"により、
ここぞとばかりに"山陽奪取・東郡宣言"
を実行した、
秦の軍総司令・昌平君の実力を見誤っていたこと。

"山陽奪取"は秦にとって、
"中華全土の奪取"
に向けての
"何十手も先を見据えた上での詰みの一手"
であると読めたこと。

そしてこのまま放置しておけば、
魏国だけでなく中華全土が侵攻され、
秦もまた中華全土を侵攻しにかかってきている
という事実に
李牧と春申君の2人が気づいたこと。


これらの理由から、
秦が猛威をふるい出す前に各国で秦を潰しておかなければならない、
と合従軍は興された訳ですね。


こんな恐ろしい軍を興してまさに今から開戦、
という時に、
李牧の表情は複雑そうです。

前巻での信との勝負の際に見せた葛藤らしき
シーンといい、

もう少し李牧のキャラとしての背景が知りたいかなと個人的には思うところ。

キングダム連載前に、読み切りで掲載された時の主人公は李牧でしたから、
当然そのあたりの人となりの描写はそこで少なからずあったかと思いますが、

コミックスには未収録だし、
総集編の読み切りにも手を出せないでいる(ネタバレありという噂を聞いたため)わたしとしては、
もう少しだけ背景描写が欲しいところ。

実は数年前にTSUTAYAのDVDレンタルコーナーで、キングダムのボロボロの小冊子が置いてあって、
その中身が李牧読み切りでした(はず)。
その時出先でしかも急いでいたため全部読めずにここまできて、もはや今となっては悔やんでも悔やみきれない!

ヤフオクでも時々探すんですけどね。。


背景を知ることで、大分感じ方が変わってくるはずだもんなぁ。
‥‥コミックス派の嘆きでした。


次巻、いよいよ大戦です!



【メモ】
⭕かつて合従軍が興された時(約40年前)の内容
●総大将 : 燕・楽毅(がくき)大将軍
●敵国 : 斉
●目的 : 斉の列国への暴威を止めるため。
当時の斉は、"現在の燕の西半分・趙の東端・魏の東端・楚の東側の殆ど"
の部分を有する大国だった。
一番被害を受けていたのは燕だったため、
総大将は燕・楽毅大将軍に。
●結果 : 斉は、たった2城を残したのみで
他の全ての土地を失った。

⭕騰軍軍長・同金、楚の臨武君に一撃撲殺される。(泣)

⭕合従軍の総大将は、李牧ではなく楚の春申君。大国・楚の王は、色々と体裁を気にするらしい。

⭕春申君について
●"戦国四君"最後の1人。
●楚の宰相として、20年間国をまとめている。
●文官・武官問わず、中華全土の現役格付けで
頂点に位置する人物。
●口はめちゃくちゃ悪い。

⭕おまけマンガ「羌瘣 一人旅」