読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

キングダムが好きすぎて。

キングダムが好きすぎるあまり、自分を落ち着かせるためにまとめました。

キングダム 16巻 「天下の大将軍」

*ネタバレあり*

キングダム 16 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 16 (ヤングジャンプコミックス)


秦にとっても信にとっても、
ここで大きな転機となる
キングダム16巻。

そして8巻に引き続き、わたしの"泣き巻"です。

中華全土に名を馳せる、天下の大将軍・王騎。
ここまで、わたしを含めてどれだけの読者が信とともにさまざまなことを教わったか。

去りゆく男がいて、
新たに現れる男がいる。


王騎将軍の生きざまにただただ、感極まります。



【あらすじ】
戦場で王騎と龐煖がついに対峙した頃。

咸陽では、昌文君が政に
"王騎と摎の関係の真実"
を語り出す。

過去、昭王の時代。

王騎と昌文君は、戦場で共闘する機会が多く、
昔馴染みの戦仲間のような関係だった。

数々の戦を重ねるうち、ある時より王騎軍の若い女兵士が"戦の天才"だという評判のもと、頭角を現す。

昌文君自身も前線でその実力を目の当たりにし、能力を認めるほどであり、
その女兵士は容姿の可憐さもあいまって注目を集める存在となっていた。

女の身でありながらも戦果をあげ続け、武をとっても策をとっても明らかに才能に秀でていたその女は、
王騎の召使いの子であり、幼少時から王騎を見て育ったため、武芸の達人に成長したのだという。

その女兵士が「摎(きょう)」だった。

時は流れ、
連敗続きで苦戦を強いられていた"南安の戦い"の際、
数々の将が討たれたことにより王騎が繰り上げ総大将に任命されることになった。

秦軍連戦連敗続きのさなかでの総大将任命だったため、最悪の場合を想定した王騎は昌文君を呼び出し、"摎の出自の秘密"を打ち明ける。


摎は、実は昭王の娘であった。


摎の母はひときわ美しく昭王の寵愛を受けていたが、低い武家の出のため後宮内に誰も協力者がいなかった。

世継ぎ争いで無法地帯となっている後宮で、摎の母は
"力なき宮女は容赦なく殺される"
という現実に直面していた。

摎の母は、子の命を守るために
行商に頼んで摎を外部へ逃がし、自らは屋敷に火をつけ自殺をしてしまったという。

そして摎が逃がされて来たのが、
"王宮から離れた地であり、
なおかつ事情を理解できる地位の人間の側"
である王騎の屋敷だった。

摎の母は王騎の父の戦友の娘だったことから、
王騎は摎を受け入れる。
いきなり養女にするのは目立ちすぎるため、
表向きでは"召使いの子"として摎は王騎の側で育ったのだ。



王騎から衝撃の事実を聞かされ、驚愕する昌文君。

万一の事態を思い、信頼のおける昌文君に摎の秘密を話した王騎だったが、
結局王騎が総大将になった後「南安」の地を取ることに見事成功し、秦軍は勝利をおさめる。

王騎をねぎらいに現れた昭王は、
戦で大活躍した摎の評判を耳にし、
2人は顔を合わせることとなる。
そして2人はお互いの顔を見た瞬間、双方ともが親子だと気づいてしまったのだ。


摎が自分の子であると気づき、感極まる昭王だったが、
後宮から赤子が無断で外に出たという悪しき前列を公に認める訳にはいかず、摎の出自を語ることを禁じた。
摎も、それを理解した。


そして数年が過ぎ、快進撃を続ける摎は将軍になり、武功を重ね、ついには六人目の大将軍に任命された。

幼き頃、王騎に頼んだ
「城を百個とったら王騎様の妻にしてください」
という願いをずっと大事に夢見ている摎は、
六将の1人として更に猛威をふるう。

そして約束の百個目となった城は、
「馬陽(ばよう)」。

王騎も約束を覚えていることを知り、
喜びで涙する摎だったが、

この戦で摎は龐煖に討たれてしまうことに
なるのだったーーー





そして9年後の戦場。

ふたたび「馬陽」の地で対峙する王騎と龐煖。

摎が討たれた姿を思い出し、激昂する王騎。

一方、龐煖もかつての王騎への敗北感を思い出し、闘志を剥き出しにする。


そして一騎討ちが始まった。


激しく打ち合う王騎と龐煖。

スピードや力、技において自分が上回るとの自己分析にもかかわらず、王騎を斬り伏せることができない龐煖。

長く打ち合いをするうち、
王騎が優勢となり、いよいよとどめの一撃を与えようとしたその瞬間、
戦場に地鳴りが走る。

異変を感じ取った王騎が手を止めると、

なんと4万人もの軍を率いて
李牧が現れた。

「三大天」の旗を掲げた4万人の李牧軍を前にし、
一瞬にして秦軍の敗北は免れられない状況に陥ってしまう。


援軍を予測していたものの、王騎の計算を上回る早さで現れた李牧軍に、
してやられたと冷や汗をかく王騎だったが、

すぐさまに頭を切り替え、
心を折られた秦兵の士気を再び奮い立たせ、
死地からの脱出を試みる。


激しく兵が入り乱れ、王騎と龐煖の一騎討ちの体はそこで終わり大乱戦となるが、
龐煖は王騎を逃がすまいと再び勝負を挑む。


王騎と龐煖は再度激しく打ち合いになり、
王騎は足止めされ兵を指揮できない状況に陥る。
しかし、王騎の檄で兵士たちは再度奮い立ち、
活路をこじあけようと乱戦を続けるのだった。

激しい打ち合いの末、
ついに王騎は龐煖の矛の刃を折る。
王騎とどめの一撃を振り下ろした瞬間、


王騎の背を狙って放たれた矢が王騎を射った。


そして矢の衝撃のせいで王騎の一撃より早く、
龐煖の矛の刃が王騎の胸を貫いてしまう。


水を打ったように静まりかえる群衆。


王騎と龐煖の勝負に水をさした輩に怒り狂う信は、
矢を放った趙の弓の名手・魏加(ぎか)を斬り殺すが、
主を討たれた王騎軍は完全に戦意を喪失してしまう。

しかし、王騎は胸を貫かれながらも矛を振りかざし、龐煖の首を落としにかかった。


王騎の気迫に龐煖はとどめをさそうと矛を引き抜き振り上げるが、
そこに王騎副官・騰が現れ、その攻撃を阻止する。


信は王騎の馬に乗り込み、王騎を背で支えながら騰の指示による脱出経路に向かって走り出す。
その路には蒙武将軍が現れ、活路をつくりだそうとしていた。


必死で王騎を脱出させようとする王騎軍。
逃がすまいと首を狙ってくる趙軍を退けながら、
信は馬上で王騎に「将軍の見る景色」を教わる。


趙軍が躍起になって王騎を追うも、
王騎を城へ返そうと決死の覚悟で徹底抗戦の秦軍。
この勢いに対し、趙軍の犠牲も計り知れないと踏んだ李牧は、死はもはや間近の王騎を追撃することはやめるように指示。

戦の目的は秦の侵攻ではなく、
"王騎の死"にあり、
無意味な死は許さないという李牧は
戦の終わりを告げるのだった。


脱出に成功した王騎は、
副官・騰ら王騎軍、蒙武、信らが見守る中、
最期の刻を迎えようとしていた。

王騎は騰に軍の引き継ぎを命じ、
隆国をその証人とさせた。
そして自らの落ち度を詫びる蒙武に、
自身の課題を克服し
今後の秦国軍の顔になるべき一人だとの
言葉を授ける。

そして信に、自らの矛を授け、
最期を迎えるのだった。



王都・咸陽にも王騎の死の報が入る。

ショックで軍議を出て行く昌文君。

政は、王騎が出陣する前に政に伝えた
「昭王の遺言」
の内容を昌文君に話す。

「戦に慈悲は無用なれど
奪い取った地にある民は奴隷にあらず
虐げることなく
自国の民として同様に愛を注ぐこと」

全中華の王たる姿を教授するものである
この遺言の内容は、
王騎が昭王から
「"昭王の意志を継ぐ資質のある秦王のみ"
に伝えよ」と言われていたものであった。

政を"仕えるに値する王"と認めた王騎は、
出陣前、
政とともに"中華を目指す"ことを誓ってくれた
のだ。


その話を聞き、昌文君の目には涙が溢れ、
王騎の死を悼むのだった。




* * *




王騎、死す‥‥!


主人公の信が霞むぐらいに圧倒的な存在感を魅せてくれた、王騎の最期でした。


まずは摎との過去編。

連載当初からやたらと昌文君に絡んできていた
王騎でしたが、
昔は結構仲良しだったんですね。
仲良しというか、戦友というか。

王騎は昌文君に対し、
「信頼できる無骨な賢人」
というかなりの褒め言葉使ってます。
(昌文君の方は、「フン ただの目立ちたがり屋のアホ共だ」とか言ってましたが。笑)


摎の出自というトップシークレットを打ち明けるほどですから、
相当人間的に信用していたことがうかがえます。


16歳で頭角を現し、その後数年で将軍に昇格、更には六大将軍の一人にまで上り詰めた摎の戦う理由が、
たわいもない子供の頃の約束で
「王騎の妻になること」
っていうのがけなげすぎて泣ける‥‥!!


そんなけなげな夢まであと一歩、というところで
訳のわからない無名の龐煖に殺されてしまうなどという悲劇。

回想シーン明けの王騎の憎悪の表情に
ゾクッとします。
(亜っ!!ていう気合い?も。)

王騎にとって摎は、
偉大なる主である昭王の子というだけでなく、
軍の戦力としても欠かすことのできない存在であり、
幼き頃から自分を慕い続けてくれる可愛いただの女の子でもあったのでしょう。

王騎にとって様々な意味で大切な存在である摎を討った龐煖への怒り、
この一コマに現れてます‥‥。

一方、
9年前に王騎に敗北した後、
傷を癒すのに3年、
深山での修業に6年を費やし、
武の極みに達したと自負していた龐煖は、

自らの力ではじき返せないほどの王騎の一撃の重さの理解に苦しみます。

王騎はそれを
"将軍には、死んでいった戦友の思いが全て双肩に宿る"
からだと言い、

龐煖は
"死人の思いを継ぐなどは勝手な夢想
人は死ねば土くれと化す"
と言います。


62ページ、龐煖の攻撃を受け止める王騎のコマが最高にカッコイイ。


山に1人こもっている龐煖には、自分の言っていることはおよそ理解できないだろうと言う王騎。

側で戦いを見守る羌瘣も理解し難い表情。

どちらかといえば蚩尤の教えに通ずる龐煖の強さは、情を含めたあらゆる欲求を排除することで得られたものであり、それは理解できるとしても
あらゆる情(思い)を背負う王騎がなぜそれ以上に強いのか、
その矛盾に羌瘣も理解ができないでいます。


そして王騎が優勢で、あと一撃で倒せる!
という瞬間に、
李牧軍が到着。
その瞬間、秦軍の敗北が決定したようなものでした。

‥‥誰もが思ったと思いますが、
この時!!

何で攻撃やめたんや〜!!

って叫びたくなりました‥‥(泣)
あと一撃で死んでたのに!!

いえ、分かってます‥‥
自分のことしか考えていない龐煖と違って、
王騎は摎のこともあり勿論龐煖との勝負は重要ではありますが、
何より秦軍を背負う総大将。

常に先を見るのが王騎です。

自軍のことを考えれば、
4万の大軍が現れた今、一騎討ちどころじゃない。

王騎は絶望する自軍の兵をすぐさま立て直し、
活路をつくりだそうとしますが、

そこへ自己中な龐煖は再度王騎に向かってきます。

王騎は手こずりながらも、

「この死地に
力ずくで活路をこじあけます
皆の背には常にこの王騎がついてますよ」

と兵に檄をかけ、再び混戦に!

そしてあの「魏加の矢」。

してやったりの魏加は激昂した信に瞬殺されますが、
もともと命を捨てる覚悟で奴はきてました。


そして胸を貫かれた王騎と龐煖の最後のシーン。
死の淵にもかかわらず、
王騎の刃は龐煖の首に。

🔴王騎 : 「将軍とは」

🔴信 : 「!?」

🔴王騎 : 「百将や千人将らと同じく
役職・階級の名称にすぎません

しかし

そこにたどりつける人間はほんの一握り

数多の死地を越え
数多の功を挙げた者だけが達せる場所です」

🔴龐煖 : 「(首に刃を当てられ)、(この俺が力で‥‥)」

🔴王騎 : 「結果 将軍が手にするのは
千万の人間の命と
束ね戦う責任と
絶大な栄誉

故にその存在は重く」

🔴龐煖 : 「ぐうっ(刃が首にめりこむ)」
「(馬鹿な‥‥もはや死人のこの男になぜこんな力が‥‥)」

🔴王騎 : 「故にまばゆい程に 光輝く」

🔴龐煖 : (メギメギメギと刃が首にくいこむ)
「きっ(馬鹿な 何なのだ 何なのだこの男は?)」
「貴様は一体 何者だ」

🔴王騎 : 「ンフフフ 決まっているでしょォ」

「天下の大将軍ですよ」




‥‥‥!!(泣)
鳥肌たちました‥‥。
(この時の信の表情!)



そして、鬼の形相で援護に入る副官・騰。(こんな血走った目の騰さん見たことない!)

信は王騎の馬に飛び乗り、脱出経路を目指します。

騰が指示した脱出経路には、蒙武!!


趙の策に負け、シュンとなっていた蒙武が暴発し、退路を確保!!(よくやった!)
隆国も迎えに来てくれたー!(涙)

王騎の亡骸は絶対に趙軍に渡すまいと、
主を城へ返すために王騎軍は死にもの狂い。
涙と汗と血でぐちゃぐちゃになった顔で必死のパッチです。

そのひとりひとりの表情に涙が出そうになる‥‥。


信が馬上で王騎に
「将軍の見る景色」
を教わるシーンでも、
味方の兵の表情が秀逸すぎ。
164,165ページの見開きにも鳥肌が‥‥(泣)


そしていよいよ王騎最期のシーン。


🔴王騎 : 「ンフフフ 全く困ったものですねェ
いつの時代も最強と称された武将達は
さらなる強者の出現で敗れます

しばらくその男を中心に中華の戦は回るでしょう‥‥

しかし
それもまた次に台頭してくる武将に討ち取られて
時代の舵を渡すのでしょう

果てなき漢(おとこ)共の命がけの戦い

ンフフフ 全く

これだから乱世は面白い」



🔴王騎 : (武に生き 一時代を築き
さらに武に死ねることは本望‥‥

頼もしき次の時代の芽にも出会い
思い残すことはなく‥‥

ようやく先に逝った戦友(とも)達のもとへ‥‥

ンフフフ

摎も笑っています)



‥‥王騎のラストシーンは、
キングダム史上、現時点でわたしが最も震えた場面でした‥‥。


最後に、
戦が終わって信が家に帰った時、
休みをもらったという貂が家で待っていてくれたのはよかったですね。

たくさんのごちそうを作って。

‥‥こんなのもう嫁じゃないか!!
けなげすぎる!!

この時は、貂・嫁説に何の疑いも持っていませんでした。

そう、この時までは‥‥。(!)



【メモ】
⭕ちなみに趙軍の軍師・趙荘は、あっさり騰に殺られる。
⭕信、王騎将軍の矛を受け継ぐ。

⭕〈李牧の目的〉
三大天を受けたことで、李牧は趙軍の象徴として敵国と渡り合う立場になった。

中華に存在する武将の中で、王騎ほど多くの人間に憎悪され死を望まれている武将はいない。
50の城を取るよりも王騎の首ひとつに価値がある。その王騎に狙いをつける。

秦国の武威の象徴でもある王騎を討つことで、
秦の武威を失落させるとともに
趙国の武威は列国の脅威となる。
それを六国に示すことが最大の目的。

⭕おまけマンガ (15巻おまけのつづき。「羌瘣 VS‥‥」)