キングダム 57巻
*ネタバレあり*
- 作者:原 泰久
- 発売日: 2020/03/19
- メディア: コミック
ここ最近のペースよりひと月ほど遅れて発売された57巻、待ちくたびれました!
朱海平原の戦い、佳境ではありますが今巻でもたぶん作中で何十分かしか進んでません。笑
しかしながらその数十分の間にいろんなことがありすぎて……
表紙はありそうで今までなかった信&羌瘣、 そしてあの古参も‥‥!
何度も何度も読み返してしまった57巻、あらすじからまいります。
【あらすじ】
ついに李牧本陣の目前まで迫った飛信隊。
田里弥・倉央軍ともに進撃を続け、挟撃をかける信たちだったが、
李牧は動じずに傅抵隊を中央突破させ、王翦本陣へと進撃させる。
数百騎で行われた傅抵隊の突破劇に対し、
対する田里弥・倉央はもはや捨て身の行為だと判断し見過ごす。
しかし李牧は、秦軍右翼の背後の位置にいたはずの馬南慈軍を南下させており、王翦本陣の真横へとあらかじめ向かわせていた。
一方で傅抵は李牧の作戦通りに突き進み、ついに王翦本陣へと突破をかけ始めたころ、
馬南慈軍が森林地帯を通り抜け王翦本陣の真横へ到着。
馬南慈は先頭に立ち猛威をふるう。
李牧は、王翦を欺き傅抵隊と馬南慈軍との挟撃を仕掛けていたのである。
趙北部の台地で鍛えあげられた馬南慈軍の馬は、道なき森林地帯をものともせずに駆け抜ける力があり、
秦軍にとって森林地帯を抜けてくる軍が在ることは完全なる誤算であった。
王翦本陣は絶体絶命の窮地に追い込まれてしまう。
王翦の目前にまで迫った傅抵は、王翦本陣の後方退路を断たせて王翦を囲い込む。
趙兵に囲まれ、まさに王翦の首が狙われようとしたその時、
王賁が王翦の援護に現れた。
王賁は、馬南慈軍の動きを不審に思い、関常らを含む20騎ほどの小隊で追ってきていた。
王翦軍の戦況を察して援護を制止する関常を振り切り、
王賁は父の窮地を救いに向かったのである。
父・王翦を狙う刃から身を呈して護る王賁であったが、自身も尭雲との戦いによる負傷が深く、劣勢であることには変わりなかった。
しかし傅抵が王翦の首を狙おうと動き出したその時、
蒙恬率いる楽華隊が後方から到着。
蒙恬は、李牧の援護に向かう馬呈軍を追って中央までたどり着いていたのである。
楽華隊の参戦により、死地であった王翦本陣の退路が開け、王賁は父・王翦への攻撃を防ぎ続けながら王翦を逃そうと尽力する。
武力の差を理解する蒙恬は、矛を振りかざす馬南慈の攻撃を受け流し、一撃を与えることに成功。
そして間髪入れず王翦兵へと呼びかけ、脱出するための指揮をとるのだった。
一方、馬南慈軍・傅抵隊の挟撃が成功し勝利を確信していた李牧本陣のもとへ、
共伯を突破した糸凌を率いる倉央の軍が目前に迫っていた。
そして趙左翼・金毛将軍と秦右翼・飛信隊の戦場では、飛信隊が李牧本陣への押し込みをかけていた。
軍師・貂が現場の中に入り、都度的確な指示を出すことで自軍の防戦戦術がことごとく潰されていることに着目した金毛は、
飛信隊の頭脳を担っている貂を狙う。
金毛から狙われた貂は、金毛兵から矢で肩を貫かれ落馬するが、
遠方から貂の窮地を察した仁が放った矢が敵に命中。
さらに仁は身体を張って貂を護ろうと駆けつける。
金毛兵に捕まった仁は首を落とされかけるも、
兄の窮地を目の当たりにして覚醒した弟・淡が矢を放ち、次々と金毛兵を射ち抜いて行く。
そして貂を狙う金毛の身体にも淡の矢は命中。
金毛は、矢を受けながらも貂に対し主や仲間を飛信隊に殺された怒りをぶつけ、
戦場に夢を見る者がいるから戦争は無くならないのだと叫ぶ。
貂は、その意見自体は否定しながらも、思いはそれぞれであることを理解し、金毛の思いを飛信隊が背負っていくことを誓う。
金毛は、貂の言葉を受け入れ、自身の中で亡き主・慶舎が信に討たれた理由を理解する。
そして再び淡が放つ矢に貫かれ、絶命するのだった。
◆
金毛を突破した飛信隊は、そのまま李牧本陣へと進撃する。
いよいよ李牧の姿が目前に現れ、李牧本陣を囲い込み攻め込もうと向かう飛信隊だったが、
李牧を目前に突如現れた龐諼により、先陣が壊滅。
先頭にいた去亥は命を落とす。
飛信隊先陣を一刀両断した龐諼は咆哮し、飛信隊の動きを止めてしまう。
しかし、かつての主・麃公将軍の仇を前にした元麃公兵は憎悪のあまり龐諼へ向かい、
ことごとく身を裂かれていく。
その姿を目の当たりにし、怒りが抑えられない岳雷と我呂。
制止する楚水や渕の声も聞かずに龐諼へ向かおうとしたその時、羌瘣 の巫舞の唄が響きわたる。
羌瘣 は、満身創痍の信と龐諼を戦わせないため、信が来る前に龐諼を仕留めようとしていた。
羌瘣 は魄領の禁の域まで深く深く意識を落とし、
最深の巫舞とともに龐諼へと襲いかかる。
羌瘣 は龐諼に幾太刀も入れ、左手の指2本をも切り落とすが、
龐諼に左足を掴み砕かれ、地面へと叩きつけられてしまう。
信が駆けつけた気配を察した龐諼は、ボロボロになった羌瘣 をそのまま信に投げつけ、
信は羌瘣 を受け止めた後 尾平に託す。
去亥を含め、胴体を裂かれた仲間たちの死体や瀕死の羌瘣 の姿を見た信は激昂し、龐諼と対峙する。
信の持つ矛から王騎の姿を見た龐諼は、再度激しく咆哮し、信へと襲いかかるが、
信は龐諼の攻撃を矛で何度も受け止め、何度も倒されながらも繰り返し立ち上がる。
2人が打ち合う姿を本陣から見続けるカイネは、李牧に対し龐諼という存在は何であるのかと問いかける。
李牧は、かつての自らの過去を振り返り、
以前に自身が龐諼本人から
"龐諼の道の答えに導く者"
であると言われたことを話す。
19年前ーーー
家族や仲間たち全てを失い、山中で瀕死の状態だった李牧のもとに突然現れた龐諼。
自らを"求道者"であると名乗る龐諼に助けられた
当時の李牧は、
一体龐諼は何者であったのか、
"求道者"とは何なのかを知るためにしばらく放浪したという。
李牧が探し求め理解した龐諼の道の目的とは、
"人の救済"
であった。
李牧が調べたところ、龐諼のような求道者は500年以上も前から存在していたことが分かった。
争いを繰り返す世の中を憂い、どうにか人々を救えないかと真剣に考え合った賢者たちの集団が、元々の求道者の始まりだったという。
争いの中に道を探しても、
そこに答えは無いと断定した求道者たち。
偏愛がある限り争いは生まれ、
情がある限り苦しみの世は変わらないが、
情があるからこそ人であるというこの"矛盾"を解くために、
人を超える存在にならなければならないと結論づけたという。
そしてまずは自分たちが人を超える"模"を示さなければならないと求道者たちは考え、
「求道者たちの中で誰か1人でも人を超え、神に近い領域に立つ時、
人は今とは違う上の存在に変化し
争いを止め苦しみの世から完全に解放される」
と本気で信じていた。
李牧は、求道者たちの本当の目的は
"人の救済"であり、
そのためにそれぞれの道から人より天(たか)い存在を目指しているのだと話す。
つまり、龐諼が全てをかけて武神にならんとする道を目指すその行動の目的は、人の世の苦しみを解放するためということになる、とカイネに語る。
人の情を否定したのが求道者であり、
求道者の前にはただ道があるのみ。
ただただ龐諼には武神への道があるだけであると。
それ故に、いわば龐諼は
"人の代表"
であると話す李牧。
そして立ち向かう信もまた
"人の代表"
であり、
そして信は、龐諼の求める
"答えを持つ者"
でもあると、李牧は語るーーー。
* * *
待ちに待った57巻、表紙と中表紙が羌瘣 だったので、いよいよ龐諼とやるのか‥‥と思いながら読み進めていたら、
不意打ちの去亥の死に呆然‥‥!
思い返せば長きにわたる龐諼との因縁、
どう落としどころを着けるのかと注目しておりましたが、
ここにきて李牧から何やら哲学的な話に。
"人の代表"
とは?
さて感想も順を追って話していきたいと思います。
まずは王翦本陣。
前巻で、王翦が李牧の読みを上回ったー!!
と思っていたのも束の間、
李牧の策により思いがけない場所からの馬南慈登場で挟撃返しされ、一気に大ピンチに!
趙の馬は北の台地で鍛えあげられてて中華一、って今までも何度か出てきていたのに、
秦軍は段茶も貂も出し抜かれて、まさか森を抜ける軍があるとは思ってもみなかったようでした。
そしてスピードキング傅抵はあっという間に王翦の目前へ!
王翦は何かしら李牧がやらかすと察して警戒はしていた訳ですから、わたしは王翦にも何か策があるだろうと考えていたのですが、
王賁が援護に来た時に、
「この死地は何も変わらぬ
‥‥愚か者が」
ってアッサリ死地だと認めてて、
策ないのかよ!!まじかよ!!とちょっとズッコケてしまいました。
関常が止めるのも聞かず、絶体絶命の窮地だからこそ"父"を助けに行かねばと援けに入った王賁。
王賁がプライベートな感情をあらわにするのはものすごく珍しいし、
ここまで直接的に表現するのは今までで初めてかもしれません。
自分の心臓は止まりかけているはずなのに、
「指一本触れさせぬ」
と王翦を護る王賁をめちゃめちゃ健気に思いました。
そしていいところで蒙恬が来てくれた!
馬南慈に一太刀入れて、即座に王翦軍の近衛兵にすら指揮をとる有能ぶり!
もう臨時ではなく名実ともに将軍の器ですね。
このあたりで、勝利を確信していたはずの李牧に動揺が見られます。
未だ傅抵が王翦を討ち取れずにいることに少し焦りを感じているようす。
一方で飛信隊の方はいい感じにグイグイ押し込み、李牧本陣へと近づきます。
金毛将軍が貂を狙ってきてあわやという場面もありましたが、
弓矢兄弟の大活躍で何とかピンチをしのぎました!
ホントに仁はよくやってくれた‥‥。
兄のピンチで覚醒した淡も良かった。
敵ながら金毛将軍の死に様にも思うところがありました。
慶舎や岳嬰を失いながら、国のためにと遺された己を奮い立たせて戦っていた金毛は、死の間際に貂と話せたことで自ら納得の行く答えが出せたような表情をしていました。
最期はあえて淡に射られ、命を全うした金毛。
金毛の国にも世代にも、信じる思いや志があって、
それはそれで正しくて間違ってなくて。
いま、政が信じる思いや志に信や貂たちが賛同して、信じて貫こうとしていることもまた、
正しくて間違ってない。
「思いはそれぞれだ」
と否定せずに認めて、
「お前の思いもオレ達が背負っていく」
と信の思いを代弁した貂の言葉。
それが金毛に届いて、
彼は最期の最期である意味背負ってきた肩の荷をおろし、敵(しかも仇)ではあるけれど貂(飛信隊)にそれを託すことができたのではないでしょうか。
そして金毛を抜いた飛信隊は、疲労困憊の信や羌瘣 に代わって渕さんが檄を飛ばし、
古参も新参も一丸となって攻め込んで、ついに李牧の姿をとらえます!
李牧を逃しに迎えに来たカイネがアワアワしてるというのに、向かってくる信の方をじっと見つめながら冷静な李牧。
慌てるカイネの頬に手を当てて落ちつかせますが、やっぱりいつもの李牧とちょっと違う行動ですね。
龐諼が出てくると分かっていて信を見ていたのでしょうから、これから始まる2人の戦いに向けていろいろと思いを巡らせていたのでしょうか。
そして先頭の去亥が突っ込み、あっという間に斬り裂かれたのは大ショックでした!!
過去の龐諼襲来時、100人隊だった飛信隊は一夜にして半分以下の36人になってしまうほどに斬られまくりましたが、
龐諼の矛の一振りで身体が真っ二つに斬り飛ばされていくさまは、さながらあの時の再現場面のようでした。
当時の龐諼の恐ろしさを知る去亥、死の間際の刹那に頭の中で信の名前を呼んで逝くシーンに
胸が張り裂けそうでしたよ‥‥
そして恨みを持つ元麃公兵たちが次々と龐諼へ襲い掛かってことごとく斬り飛ばされ、
岳雷と我呂までが突っ込みかけて
行ったらアカーン!!って叫びかけた時に‥‥
「トーン タンタン」
き、きたーーーっ!!!!
羌瘣 ちゃん推しのわたしは大興奮!!
そう、羌瘣 のトーンタンタン巫舞は、めちゃくちゃ久しぶりです。
象姉の仇・幽連と戦った時が最後でした。
岳雷と我呂が無駄死にしなくて済んだ安心感からと、
体ボロボロの信が来る前に自分が龐諼を仕留めようとして目から血まで流して成恢ばりに身体中に血管ビシビシな羌瘣 がカッコ良すぎて感極まり、
読んでて涙が出てきました。
前夜から龐諼の気配を感じていた羌瘣、
絶対に信と戦うことになるであろうと予測し、
信の危機は絶対に自分が守ると決意して、
この時のためにと呼吸を整えていたのです。
もう、この子、健気すぎかよ‥‥!!
羌瘣 の奮闘を見守る田永や渕さんら仲間たちが「いけェっ」って涙ためながら応援してるところも泣けて泣けて‥‥
今回、緑穂に付いてる玉石みたいなのが一個一個ヒビ割れていって、その都度羌瘣 に命(力)を貸すシステムになっていましたが、
その玉石は5つのうち3つも割れてしまいました。
結局羌瘣 は龐諼を仕留め損なって左足を砕かれ、頭をボコボコに叩きつけられてしまいます。
緑穂もどこかへ飛んでいって‥‥
お願い誰か拾っていて‥‥!
そして龐諼は信が現れた気配を感じ、信の来る方向へと羌瘣 を投げつけます。
もうここで信&読者(わたし)は激昂ですよ!?
龐諼まじ許さん!!!
だから仲間たちの死体や瀕死の羌瘣、 過去の麃公や王騎の死に様の記憶からの怒りマックスな信の表情がめちゃくちゃ見たかったー!
ここはあえて原先生は信の怒りを背中で表現したのだと思うのですが‥‥
尾平が見た信の顔、見たかったなー!!
とはがゆく思いました!
ホント龐諼がウザすぎて!
この自分の怒りを信の表情に投影したかったのだと思います。笑
怒りが抑えきれず、地団駄踏みました。笑
味方の趙人であるカイネですら、龐諼のあまりの傍若無人(に見える)さに呆然とする始末。
ところがここで李牧が発した言葉は意外なものでした。
「龐諼は、我々"人"の代表である」
そして
信 または信たちも
「人の代表」
であると。
加えて、龐諼の目指す道の
「答えを持つ者」
が信であると、李牧は語ります。
‥‥なんか難しい話になってきました‥‥
李牧の過去もついに本編で語られましたね。
キングダム連載前の読み切りで、李牧の過去が明かされていますが(※読み切り「李牧」の記事をご参照ください)、
龐諼との出会いの件はここで初めて明かされました。
それと、龐諼は武の極みを求める求道者ゆえ、力だけの脳筋キャラと思っていたら、
今回、不思議な能力?があることも判明。
李牧が山中で死にかけていた時、
"地の声"に導かれて李牧を見つけたという龐諼。
単純に強い者から漏れ出る"覇気"みたいなので相手を見つけているのだと今まで思っていたのですが、
自然の中の声的なものが聞こえる能力があるらしい。
そして、李牧の名前を知っていました。
李牧、名乗ってないですよね?
これも地の声から?
加えて、李牧に手をかざすようなシーンがありましたが、次の日李牧の体が起き上がれるくらいに
"なぜか"治っていたこと。
これって、羌瘣 の呼吸法による一種のヒーリング効果と同種のものを龐諼も出せるってことでしょうか?
そして李牧は、龐諼が何者だったのかを知りたくて放浪の旅に出たところ、
それぞれの道を極めようと生きる"求道者"たちに出会って色々話を聞けたとか。
以下、李牧の見解によると‥‥
求道者たちは元々争いを繰り返す人の世を憂いていて、どうにかそれを救えないかと色々考えていた賢い人たちの集まりだった。
求道者たちは、争いばかりの世を憂い人を救おうとして道を探しても、人々それぞれに好き嫌いやら贔屓だのの感情がある限り、争いは無くならないだろうから、答えなど見つからないと悟った。
"情"があるからこそ人ではあるけれども、
"情"がある限り苦しみの世は終わらない。
この矛盾を解くことはできないと結論づけた結果、
求道者たちは、それならば"人"である自分たちの中で誰か1人でも何かしらの分野で奇跡的な極地へたどりつくことができれば、その者の存在が人を超えたという証明になり、もはや人々は争いを止めて色んな苦しみから完全に解放されるのではないかと信じた。
そのために人を超えたというお手本を天に示そうと、それぞれの道で各々が己の全てをかけているのだという。
求道者のひとり、龐諼にとってのその道は
"武神"になるという道であり、
龐諼の目的もつまりは"人の救済"である。
人を救けるために、人を超える"模"を示そうとして、人である龐諼は戦っている。
つまり、龐諼は"人の代表"であるということ。
‥‥って感じのことを李牧はカイネたちに伝えました。
話を聞いていたカイネたちは、李牧の話は理解しながらも今まで見てきた龐諼と結びつけづらい話すぎてとても頭の中の考えが追いつかない感じでした。
わたしも同じですが!笑
壮大な考え方すぎて、アホなわたしは本当に頭が追いつきません。
人の、今よりも上の存在の"上"って‥‥?
つまり龐諼自身は別に人のためとか救うとか考えている訳ではないけど、
カイネが言うように自分が一番強いってことを誇示するためだけに戦っているように見える(し、実際そうだと思う)けど、
やってること(龐諼=求道者が極めようとしている道)は、人を救いたい、っていう思いと同義なんだよ‥‥ということでしょうか。
頭の中が整理できないまでも伝わるものはあって、カイネや趙兵たちが片目から流した涙もそういう表現の一種だったのかな。
"左目だけから"ってところに何か意味があったりするのでしょうか。
要は、愛とか情とかを否定して、ただ武神となることのみが龐諼の求める道である、と。
でもその道の背景には、人を救けたい、という求道者たちの積年の願いから出された究極の結論があった、ということかな。
政が呂不韋に語った、
「人の本質は光だ」
の話に通じるような、究極的なもの‥‥概念を感じました。
そして信は、そんな龐諼の道の
"答えを持つ者"!!
ボッコボコのバッキバキにやられて白目剥いちゃってる信ですが、
ラストは
「天下の大将軍だっつってんだろーが」
と龐諼の矛を受け止めた!
ここで終わるのずるいーっ!!
次巻へ続きます!!
【メモ】
⭕️淡、将軍の金毛を討つ大金星をあげる。
⭕️糸凌、馬呈と交戦中。
⭕️羌瘣 の巫舞時の唄
古の闇
開闢(かいびゃく)の炎
汝の眼は何を宿す
天を裂く白光
地を揺らす鼓動
汝の耳は何を刻む
人は迷いし土の器
我は舞う雷(いかづち)の神
⭕️李牧と龐諼は、19年前に出会う。
⭕️求道者は500年以上前の争乱期から存在していた。
⭕️求道者について
◉求道者のはじまり
=争いを繰り返す人の世の苦しさと愚かさを憂い、これを救おうと真剣に考えた賢者の集団。
◉求道者の目的
=人の救済
◉求道者の出した結論
=誰か1人でも人を超えし"模"を天に示すことができれば、"人"は今とは違う上の存在に変化し、争いを止め苦しみから完全に解放される。
◉求道者には、腕にアザか彫り物のような模様がある。
⭕️おまけマンガ
「名家・蒙氏の長男・蒙恬」
勉強嫌いだった蒙恬が、お色気家庭教師のおかげで秦の裁判官の資格を手にするほど賢くなるまでが描かれています。笑
⭕️カバー裏:なし